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岩井國臣君 おっしゃるとおりなんです。その
公共サービスをたったの四
分類というのは、これはちょっと粗っぽ過ぎるんですね。
社会資本といいますか、
公共投資の中に
災害復旧費とかそれから
災害対策費なんというのが入るんです、あるんですね。そういうようなものは、
災害が起こった年は物すごく使う、
予算が要るんです。
災害のない年には余り使わない、要らないとか、大変変動するものなんですね。ですから、これは
ニカ年しか
計算していませんが、そういう
災害対策費みたいなものはこういう
分析の中から除外するとか、何かしかるべき配慮を行わないと、四
分類というのではとても妙な結果しか出てこない、こんなふうに私は思います。
あと、ちょっとついでに、もうお聞きするのはあれですので、私の気のついた点をちょっと申しておきます。
社会資本につきましては、
既存ストックのその差を考慮せずに
面積だけで最低限どういう
事業が要るかというようなことをやっているんです。
面積だけなんですよ。だけどそうじゃなくて、
既存の
社会資本がどのように
整備されておるかというのを聞くんです、それが必要なんですよ。
大都市に比べまして
地方はまだまだ
社会資本が遅れているんです。まだまだやるべきことが大変多い。
市町村長さんなんかの
公共事業に寄せる期待というのはやっぱり
大都市なんかと比べて大変深刻なものがありますね。ですから、
社会資本の
必要性というのはそういったことが
関係してくるんです。ただ
面積だけに
関係するんじゃないんです。そんな単純なものじゃないんです。ですけれ
ども、これは
面積だけでミニマムの
事業というものを
計算しておる、これはもうとんでもないと思います。
それからもう
一つは、地域の
満足度を最大にするための
回帰分析というのをやっておるわけですが、
都道府県の
予算が
ベースの
数字になっているわけです。これは当然それしかないんですけれ
ども、結局のところは県民といいますか
国民といいますかの
福祉といっても、
知事ないし
都道府県の
財政当局がどのような考えで配分しておるかというふうなことを
分析しておるにしかすぎないんですね。
知事ないし
都道府県における
財政当局の
自由裁量で
予算配分をやっておるわけですが、それが果たして
地元の皆さんの意向というものをきっちり代表しているのかどうか。そしてまた、国という
立場で考えたときの必要なものを代表しているのかどうか。
例えば、具体的に言いますと、
ごみの問題です。
ごみの問題というのは、美濃部さんのときもそうでしたけれ
ども、どこもそうなんですが、やっぱり
地元の
反対があるとなかなかやれない。それから、どうしても
福祉福祉に行きがちだ。道路なんかちょっと
反対があるとなかなかやれないとか、そういう問題が実はあるわけでございまして、
知事さんに任せておけばすべていいということではなくて、やはり国としての
一つの
政策というのがあるわけです。その
地方のそういう
財政というものを国という
立場でチェックして補完するというふうなことがあるわけでございますので、そういう
補助事業の
政策的役割というものがこの
分析では全く考慮されていないという問題があります。
というふうなことで、私は
大変粗っぽい
分析だと言わざるを得ない。その
内容がどうのこうのじゃなくて、そういうまことに粗っぽい
研究成果でもって、それがしかも
経済企画庁、
建設省じゃないんですよ、
経済企画庁というのはちょっと格が高いんですからね。
経済企画庁の
公式見解のように
報道された、そこが私は大変問題だというふうに思うわけであります。
次に移ります。
次は、
公共事業の
乗数効果につきまして若干お尋ねいたしたいと思います。
昨年の話になりますが、二月の
建設委員会で私は
公共事業の
波及効果を取り上げました。そのときに
建設省の答弁は、
経済企画庁の行った第五次の
世界経済モデルによれば、三年間で二・二二、つまり仮に一兆円の
公共事業をした場合、三年間で二・一三兆円の増加がある、こういうことです、二・一三ということは。そして、
建設省は
公共投資につきましてこう言っておるんです。「
所得税の
減税等の他の手段と比較しましても大変大きな
景気波及効果を持って」、こう言っておるんです。
しかし、その後、これから問題なんですよ、これから。そこまではいいんですよ、そこまではいいんですが、その後が問題。その後、八月になりまして
経済企画庁が
経済白書を
発表されました。これが問題なんです。私が二月の
建設委員会で
質問して、
建設省が答えたその答えと、
経済白書がこれです、これと
感じが随分違うんです。
公共投資の
波及効果なんというものはもうないんだ、ないんだとは言っていないんですけれ
ども、そういう
感じがするような
内容になっておるんです。これは本当ですか。
そこで、私は
経済企画庁にお聞きしたい。
経済企画庁が過去五回にわたりまして行っておられる
世界経済モデルによる
計算ですね、五回やっておられるんです。
公共投資の
乗数効果というのを出しておられるわけです。これはどうなっていますか、過去五回。
それで、最近だんだんその
乗数効果が下がっておる、低下しておるというふうな傾向があるのかどうか、そしてまた一九八〇年代と一九九〇年代で比べて顕著な
差異というものが認められるのかどうか、その点御
質問したいと思います。