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海野義孝君 どうもありがとうございました。
今回の日産生命につきましても、その債務超過額が既に今おっしゃった基金の最高額を上回るような
状況になるということで、現在は何か調査あるいは
検査中であるということなんで、月内にはその結果が出ると思いますけれども、ひとつ万全のそういった対応をお願いしたいと思います。
このことは、実は先ほど
大蔵大臣、金融制度改革、つまり日本版のビッグバンにつきまして、既にこれは始まっているというようにおっしゃっているわけですけれども、この辺がちょっとわかりにくいんです。ということは、来年の四月からいわゆる
外国為替及び
外国貿易管理法の改正ということが行われまして、これでいよいよ動き出すということだろうと思うんです。
ところが、そういった中で、今大変
大蔵大臣御心痛のところの金融業界のいろいろな破綻問題等、これは私に言わせると、ビッグバンが、来年の四月から外為法がいわゆる自由化になったという段階からさらに一段と進んでいくということになろうかと思うんです。そうしたときに、さっきおっしゃったような、それについてはいわゆる経営の責任ということだけでは私は金融行政としては問題があろうと思うんです。
そういう意味で、金融ビッグバンを進めていく中で、そういった問題については万全の対応ということをやはり当局としてはお進めになりながら金融バンを進めていく。まさに我が国が十数年、いわゆる円ドル
委員会というのが一九八五年の秋に設立されて、そのときから本来であれば金融為替の自由化に対応した金融行政に取り組むべきであったのが、今日までおくれてきたという問題は、私はビッグバンを行っても容易に欧米の先進国にやはり追いつけないという危険というか危惧を持っているわけであります。そういった中におきまして、残念ながらそういったいわゆる不良債権の問題等、現在の金融機関が抱えている問題の対応と、さらにはビッグバンに対応した対応と、まさに二つの作戦というか、二大正面作戦で取り組まなくてはならないというのが我が国の不幸であると私は言わざるを得ないと思います。
これは十年前のシティーの場合も、二十年前のニューヨークのウォール街の場合も、これは証券問題だけでありましたし、それに対応した助走期間というものがあったわけです。ところが、我が国の場合はそういったものがない中で、昨年の十一月に六つの改革の中でビッグバンがぽんと打ち上げられ、そして、そうした中で一方でいろいろな金融破綻の問題等に対応していかなくちゃならぬという御苦労がおありなわけなんですが、やはりこの辺の対応を今後誤っていくと我が国は取り返しのつかないようなことになる。
さっき
大蔵大臣がおっしゃった中で私大変気になるのは、個人の金融資産千二百兆円を守るというお話でありましたけれども、これは現実には守られないわけで、我が国の超低金利の中で現在大体月間、年ベースで十五兆円の金が海外へ出ていっているわけです。資本がどんどん逃避しているわけです。
これをもってしても、我が国の現在置かれている超緊縮財政あるいは超低金利政策、こういったものもやむにやまれず今やっているわけであります。しかしその面で、一方ではそういったいろいろな問題が起こっているということについても、
大蔵大臣、重々ひとつ胸におさめながら差配をしていっていただかないと、先ほどの御発言は昨年のお会いしたときの御発言からはかなり変わってきまして、もう既にビッグバンが始まっている中での、金融機関はこういうふうに取り組めとか、そういう大変厳しいようなお話でありますけれども、現実はバブルが破裂した以後の今日においても何ら問題が解決しないということが現在金融機関の破綻とか経営再建という中で吹き出しているわけですから、その辺の御
認識を厳しく持っていただきたいということをお願いして、次の
質問に入ります。
大蔵大臣、つい数日前にワシントンからお帰りになったということで、大変ハードなスケジュールを日常こなしていらっしゃることに対しては、御苦労に対して敬意を表する次第でありますけれども、私は、今回の日米の首脳会談そしていわゆるG7、この中におきましては大変気になる話がお互いの間であったということを懸念しているわけでございます。
〔
委員長退席、
理事吉川芳男君着席〕
それは、現在我が国が進めている財政再建の問題等に対して、アメリカのルービンさんとかサマーズさんを初めクリントンさんもおっしゃっているわけですけれども、そういった向こうの首脳の方々が、我が国の財政再建に取り組む具体的な今の進め方、いわゆる
経済構造改革あるいは財政構造改革、こういった問題に対して。一方では、このところの円安、これは最近のG7におきましても、私に言わせますと為替を安定化させていくということについては確たる具体的なものはないわけでありまして、もう既に
大蔵大臣が帰りの飛行機の中あたりから、我が国の為替は円安になっていると。
こういうことを見ましても、大変為替の問題というのは協調だけではどうにもならない。これはやはり先進各国におけるその国の
経済情勢あるいは金融情勢、為替の情勢等々の中で結論を出すべき問題であろうかと思います。我が国の御都合だけで今の我が国の百二十六、七円の円安というものがこの辺で維持できると、あるいは少し、先ほど星野議員からも御
質問がありましたけれども、確かに緩やかな円高ということが私も望ましいと思いますけれども、
現状は、いわゆる円とドルとの交換という面におきますと、私に言わせれば、残念ながらドル需要が多いということから考えますれば、円を売ってドルを買っていくということはやはり円安という方向かなということを心配するわけであります。
そうした中で、今回アメリカの首脳陣から、我が国の
大蔵大臣また総理がいただいてきたお話を新聞等で拝見する限りでは、これはまたこれから例えば半年ぐらい、秋ごろにかけて、我が国の為替の動向あるいは我が国のこのところの
国民に
負担をお願いしたいわゆる消費に影響するような最近の税制、こういったことに伴って景気が不幸にしてこれから秋ごろにかけて後退していくというようなことになりますれば、為替の問題についてもやはり心配があるわけでございます。
さらには昨年、私は
大蔵大臣に御
質問したことがございますけれども、この
平成九年度の予算の中で、不幸にして秋ごろに景気が後退したために、これを補てんするために、景気を支えるためにとられる政策としていわゆる補正予算の心配はないかと言ったら、今の段階からそういったことを考えもしないし、そういうことはあってはならないし、そういう面で努力をするんだとおっしゃったわけでありますけれども、これは私は、一アメリカと日本との間で、今回のトップ会談において言われたことは一笑に付すようなそんな問題ではない。
なぜかというと、私は、この十年間の我が国の証券、金融等における
状況を見てきた場合に、やはり日本の諸政策というものが漸進主義であると。銀行関係の護送船団方式もそうでありましたけれども、そういう漸進主義というものに対して海外から要求してきているものというのは、ことごとく具体的なものを迫ってきているという面があろうかと思います。
私は、あの証券界がいわゆるバブルをピークにして九〇年から崩壊状態に入ったときには、まさにアメリカがデリバティブをもって我が国の
経済界をじゅうりんしてきたという問題があったと思うんです。そしてまた、先ほど星野議員からも触れられた一昨年四月の七十九円七十五銭までの急激な円高という問題も、やはり我が国のいわゆる黒字減らしの対策に対して、アメリカからというか国際的に大変厳しいそういった円高という形を突きつけてきた、そのように私は個人的に自分の経験から受け取っているわけであります。
そういうことから考えましても、今回の問題も、これから先半年の間に我が国のいわゆる行財政改革を初めとした大きな取り組んでいる改革、これに対していろいろな問題が起こってくるようなことになれば、これはまさに我が国の政権だけでなくて我が国の政治、業界が国際的な競争力を失ったことを示すことになるのではないかということを私は心配するわけであります。
そういった意味で、今回の日米首脳会談あるいはG7等を通じての為替の問題、あるいは財政再建と日本の景気の回復の問題、こういったことについて、その一部始終は当然御発表はできないでしょうけれども、我が国の金融を預かっている
大蔵大臣として、今回の二つのビッグな会議を通じての御所見、あるいは今後のお取り組みについてひとつまとめて
大蔵大臣に御意見をお聞きしたい、このように思います。