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大渕絹子君 私は、ただいま可決されました
環境影響評価法案に対し、自由民主党、
平成会、社会民主党・護憲連合、民主党・新緑風会、日本共産党及び自由の会の各派共同提案による附帯決議案を提出いたします。
案文を朗読いたします。
環境影響評価法案に対する附帯決議(案)
政府は、本法の施行に当たり、次の事項について適切な措置を講ずべきである。
一、
環境庁長官は、本法による
環境影響評価の適切かつ円滑な実施の確保に第一義的な責任があることを強く
認識し、その実施
状況を十分に把握しつつ、関係
行政機関の
環境影響評価に関する事務について必要な総合調整を積極的に行うなど、主体的な役割を果たしていくこと。
二、対象事業については、事業の
実態、
環境問題の動向等を踏まえ、また地方公共団体の
環境影響評価制度の現状等を考慮しつつ、必要に応じ追加等の見直しを行うこと。
三、第二種事業に係る判定は、科学的かつ客観的な
基準に基づき、法の趣旨を踏まえ、適切に行われるように努めること。この場合、
地域の特性を踏まえた運用が行われるよう、都道府県知事が
意見を述べるに際して必要に応じ市町村長の
意見を求め、また住民等の
意見を聴くことができることなど法の趣旨の徹底に努めること。
なお、判定の結果、本法の対象事業とならなかった事業についても、地方公共団体の制度で必要に応じ
環境影響評価を実施できることについて周知徹底するなど適正な
環境配慮がなされることを確保するよう努めること。
四、準備書及び評価書においては、
環境保全措置についての複数案の
検討状況、実施すべき事後
調査事項等が明確かつ分かりやすく記載されるようにすること。
また、評価書に記載された
環境保全措置、事後
調査措置が法律に反して
実行されなかった場合には適切な措置を講ずること。
五、準備書について事業者が開催する説明会は、住民等が適切な
意見を形成するために極めて重要な場であることにかんがみ、その開催日時及び場所等が適切に定められ、その周知徹底が図られるようにするとともに、説明会において住民等から
意見が述べられたときには、事業者がこれに適切に
対応するよう指導すること。
六、事業者が実施する
環境影響評価の結果を的確に審査し、制度の信頼性を高めるため、
環境庁における審査
体制の充実・
強化を図ること。
また、
環境庁長官の
意見形成に当たっては、当該事業について専門的な知識、科学的
知見等を有する学識経験者及び中央
環境審議会等を積極的に活用して
環境保全に万全を期すとともに、その過程及び結果の透明性の確保に努めること。
七、免許等を行う者等は、その審査等の
体制を適切に整備するとともに、審査等を行うに際しては、
環境庁長官の
意見を反映させること。
八、本法による
環境影響評価の実効ある運用を確保するためには、関連する法律の適正な運用と十分な情報公開が必要であることにかんがみ、
環境影響評価のそれぞれの段階に係る情報の公開に努めること。また、事業者に対しては、積極的な情報の提供を行うよう指導すること。
九、地方公共団体において定着し、相応の効果を上げている
環境影響評価制度の運用の実績を尊重し、知事
意見の形成に際し公聴会や審査会等の活用が可能であることなど法の趣旨を徹底し、地方公共団体の
意見が十分に反映され、
地域の実情に即した
環境影響評価が行われるよう、地方公共団体との適正な役割分担による総合的な
環境影響評価制度の運用に万全を期すこと。
十、
環境庁長官が定める基本的事項及び主務省令で定める指針については
国民に理解されやすい
内容となるように作成するとともに、技術の進展に即応して最新の科学的
知見を踏まえた
環境影響評価が実施されるよう、基本的事項及び指針を柔軟に見直していくこと。また、本制度全般に関して、その実施
状況を見ながら、法施行後十年以内であっても、適宜適切に制度の改善を図ること。
十一、上位計画や政策における
環境配慮を徹底するため、戦略的
環境影響評価についての
調査・
研究を
推進し、国際的動向や
我が国での現状を踏まえて、制度化に向けて早急に具体的な
検討を進めること。
十二、
環境影響評価の適切かつ円滑な実施には、技術手法、過去の実例、
地域環境の現状などの情報の活用が極めて重要であることにかんがみ、電子媒体の活用等、
環境影響評価に関する情報の収集・整理・提供に努めること。
また、質の高い
調査予測等が行われるためには、幅広い知識と技術を備えた
調査等の従事者の育成・確保が必要であり、
調査等に従事する者や
組織に関する資格制度の導入についての
検討、人材の能力の確保のための研修等の
推進、人材情報の提供に努めること。
十三、本決議事項及び本
委員会での
論議を十分踏まえて、政令、省令及び基本的事項を制定すること。
十四、本法の施行前に
環境影響評価が行われる事業については、本法制定の趣旨を踏まえ適正な
環境配慮を徹底するよう指導すること。
十五、
我が国の事業者が海外において実施する事業については、
平成三年四月二十四日の本
委員会の決議を踏まえ、また
環境基本法及び本法の趣旨を尊重しつつ、適切な
環境配慮がなされるよう指導するとともに、
政府開発援助に係る事業など海外における事業についても、なお一層的確な
環境影響評価を実施し、適正な
環境配慮がなされるように努めること。
右決議する。
以上でございます。
何とぞ御賛同いただきますようお願いいたします。