○山本一太君 馳浩委員にきっちり時間どおり渡していただいたんですけれ
ども、三十分という限られた時間ですから、
前回の
質問で取り上げさせていただいた地球温暖化対策について、きょうはフォローアップの
質問をさせていただきたいと思いますので、どうぞよろしくお願いをいたします。
前回私は
大臣に、この十二月の京都会議、COP3を控えて、日本が一刻も早くホスト国として国別
報告書をつくる、すなわち
政府の統一見解をまとめていただきたいという要望を申し上げたわけであります。その要望に基づいて一刻も早く国際社会に向けては数値目標を示すことが急務だというふうにお話を申し上げた次第であります。
そのときには通産省の担当官の方にも来ていただいたわけですけれ
ども、あの後、私は何人か通産省の関係者に会って、通産省の
立場について
確認をいたしました。今回の会議でホスト国である日本が
環境分野できちっとリーダーシップを示すというのは国益にかなうという点では、通産省も一致した見解を持っているやに思います。
ただし、これは国際政治の世界の国際交渉だから相手国の出方を十分見きわめた上で事を進めていくべきではないかというのがどうも通産省の
意見のようで、言われてみれば、アメリカは一律削減とか法的拘束というのは言っておりますけれ
ども、確かに具体的な削減目標というのは今の
時点で出しておりませんし、またヨーロッパも一律一五%削減とは言っておりますが、内情はヨーロッパの中で国ごとに少し
調整をするということで、この一五%本当に削減できるかという確信を持ってこの数字を出したかということについてはやや疑いの余地もある。
こんなこともありまして、なるほど、国際交渉の中でいわば日本が損しないようにという言い方は当たっているかどうかわかりませんけれ
ども、十分気をつけながら進めていくということは
一つの見識だと思いますけれ
ども、私が通産省の方に言ったのは、そういうことにこだわる余り、いわば角を矯めて牛を殺すようなことがあってはいけない、損得抜きにという言い方は正しいかわからないんですが、日本がホスト国として一歩踏み込んだ提案をする、これがまず原則じゃないでしょうか、タイミングもあるので、ぜひそこら辺のところは
環境庁の方とも相談をしてくださいというふうに申し上げたわけであります。
ぜひ
長官、再三再四しつこいようですけれ
ども、それだけCOP3というのは大事な会議ですから、そこのところを踏まえて
石井環境庁長官のリーダーシップで、この件についてはできるだけ早く取りまとめをしていただくことを改めて御要望申し上げたいと思います。
長官の決意はもう四回も五回もお聞きしておりますので、きょうはコメントは求めませんので、にっこり笑ってうなずいていただければ結構でございます。ありがとうございました。
それじゃ、きょうの
質問に移らせていただきたいと思います。
二酸化炭素、すなわちCO2の排出というものは、地球温暖化を招いて、全体の
環境に余りよくない影響を与えると、このことについてはどうも世界の科学者もある
程度一致した見解を持っているというお話は
前回の御
答弁で伺ったところでございますけれ
ども。私もきのう寝る前にいろいろ
考えたんですが、
環境庁もいろいろとこの温暖化の影響についてはパンフレットを出したり、最近出されたわかりやすいパンフレットもきのう改めて読ませていただきましたが、国民に対する啓発を図っておられるわけですが、どうもやっぱりまだ
一般の国民にとってこの温暖化がどういう影響をもたらすのか、その深刻さというものが伝わっていないように思うんです。
気温が二度上がっても大したことないんじゃないか、去年の夏より二度暑かったからどうだと言われても余りぴんと来ませんし、十五センチから九十五センチぐらい水位が上がる、大変かもしれないけれ
ども、別に平均四十センチぐらい上がって何が起こるんだろうというようなこともあります。一メーター上がると、マーシャル諸島の国の一部は八五%ぐらい失われるとか、バングラデシュの国土が二割ぐらい水浸しになるとか言われたり、あるいは氷河期の温度でさえ今より三度か五度低かったぐらいだと言われても、なかなかそこはぴんと来ないところがあると思うんですね。
そこで、日本に、我々がふだん生活しているその身近な生活にどういう具体的な影響があるかということをやはり引き続き
環境庁としても啓発を図る
努力をしていただきたいと思うんです。
この件についてお聞きしょうと思ったんですけれ
ども、時間の関係もありますので、私ちょっと調べてきましたが、例えば農産物については、お米の味が落ちる、これはよくわかりませんが、マグネシウムとカリウムの比率が減少するとどうも米の味が落ちるということがあるようですし、もちろん漁業への影響はあると思うんですね。当然ある種の魚はもっと北の方に行ったりするわけであります。
また、ゼロメートル地帯も拡大をするということで、私の
立場からすると、私は群馬県の草津温泉という大変スキーと温泉でいいところなんですが、ここの出身ですけれ
ども、
スキー場がまず最初に困るだろうな、あるいは潮干狩りとかもできなくなるし、海水浴も困るんじゃないか、まず
一般的にこういう観光にも影響があるかなと思います。
人体への影響ということでいえば、沖縄にいるハマダラカも今宮古島あたりですけれ
ども、温度が二度上がれば本島のあたりまで来て、沖縄振興策でそれこそマラリア防止対策なんというのもやらなければいけないかもしれない。こんないろんな影響もあるので、それはお聞きしょうと思ったんですけれ
ども、ちょっと時間の関係上私がコメントをしましたが、そこら辺のところを踏まえて、やはり身近な問題としてこの温暖化があるということで、
環境庁として引き続き
努力をしていただきたい、このように思います。
そこで、本当に聞きたい
質問の方に移らせていただきたいと思うんですが、
前回の
質問のときに
大臣にお聞きしたんですけれ
ども、この
環境対策が日本のマクロ経済にどういう影響を与えるかという点に言及をさせていただきました。
環境庁がよくおっしゃるのは、大体一〇%削減するのに一年間に必要な額が一兆円ぐらいだと、GDP比だと一%ぐらいだから、マクロ経済に影響はありませんと。例えば、公害対策華やかりしころはGDPの五%か六%を
環境対策に使っていたけれ
ども、日本の経済は調子悪くならなかったと、こういうふうによくおっしゃるわけであります。しかしながら、やはり
環境政策が日本の経済に中長期的にいろんな悪影響を及ぼすんではないかという懸念は、もうそれこそ七〇年代から繰り返し言われてきたことだと思います。
大臣は理系ですから、数学とか物理も、あるいは経済もお強かったかもしれませんが、私は経済が非常にできませんで苦労しておりました。その私が
考えても
環境政策の導入、新しい設備投資の増加、研究投資の増加、そうするともちろんエネルギーの価格が上がる。そうすると製品価格が上がって、国際競争力が落ちて、産業が空洞化すると。そういうマイナスの影響については簡単に
流れができてくるわけなんですね。
最近、私、この本をいただきました。これは
環境庁が出しておられるんでしょうけれ
ども、「地球温暖化経済システム
検討会
報告書」、第三回
報告書の中で、いわゆる
環境政策と経済のプラスの関係というモデルをつくられた学者の
先生がおられるやにも聞いておりますが、このプラスの影響というものはどういうものなのか。エネルギー価格が上昇してもそれがきっとエネルギー効率の改善になるというような話だと思うんですけれ
ども、この点について簡単に御
答弁をいただければと思うんですが、これは地球
環境部長か
大臣か、どちらでも結構です。