○山本一太君 わかりました。
サステーナブルという意味が
環境とまさに工業発展の共生なのかとか、いろいろ細かいこともお聞きしたいこともあるんですけれ
ども、時間の都合もございまして、一時間しかないものですから。
コンセプトの定義にこだわっても余り意味がないんではないかという、そういう議論もあると思います。それよりアジェンダ21の下で個々のプロジェクトによってきちっと
環境問題を推進していくということが大事だという御見解もあるかと思うんですけれ
ども、やはりこれは今
世界、国連も含めて
地球環境問題を進めていく上での一番の根本になるコンセプトですので。はっきり言って、今、
日本の道を歩いている人に持続可能な開発というのは何かと聞いても、恐らくだれも答えられないと思うんですね。ですから、国民の間の
環境に対する意識を高めるという点からも、こういうこともきちっと知識として普及させていく、こういうことについても、国民を啓蒙していくというのはやはり
環境庁にリードをとっていただきたいというふうに思うんです。
意外と
日本人はコンセプトから入るというのは苦手な面があるんですが、こういうコンセプトがはっきりしてくるとこれからの道筋が見えてきたりすることもあると思いますので、この点については引き続きぜひ
環境庁に御努力をいただきたい、このように思います。
いろいろまだわからないところもあるんですが、余りこれを続けていると持続可能な
質問になりませんから、次に進ませていただきたいと思います。
先ほど、
南極条約につきましてはもうほとんどつけ加えることがないというふうに申し上げました。馳
委員のすばらしい
質問があったわけですけれ
ども、せっかく
南極条約に関連することなので、私
一つだけここで
確認をさせていただきたいことがあります。
それは、さっき馳
委員の御
質問を聞いていても思ったんですが、
南極条約の基本的な概念というものは、やはり馳
委員もたびたびおっしゃっていたように、
南極の
自然環境の
重要性にかんがみ、はっきり言えばできるだけ出入りを制限しようということが
一つだと思うんですね。もう
一つそこに流れている考え方というのは、
南極で行われている非常に貴重な学術調査とか科学調査、そういったものに
影響が出ないようにしよう、少なくともそういう調査がきちんとできる
環境をこれからも整備していこう、こういうことだと思うんです。
ですから、その
趣旨はよく理解できるんですが、他方、馳
委員はどうお考えになるかわからないんですが、今
南極に観光とか視察の
目的で渡航している例があるんですが、私は必ずしも悪いことではないと思うんです。これは考え方によっては非常に
意義のあることで、特に
環境教育という点については非常に大切なことじゃないかというふうに私は思うんです。百冊、二百冊の
環境問題の本を読むより、
南極に行ってペンギンとアザラシを見て氷河を見て
環境問題、
オゾンホールを感じられるかどうかはわかりませんけれ
ども、それを感じてくることがやっぱり人間に一種の意識革命を起こすんじゃないかというふうに私は考えております。
実は、私の地元のことになって恐縮なんですけれ
ども、群馬県議会がことしの一月に、恐らく県議会としては初めてだと思うんですけれ
ども、
南極視察団を派遣いたしました。ここに報告書があるので御興味があれば、もし自治体の方で行かれたい方がいれば参考になるかと思うんですが、大変よくまとまっておりまして、県議の方が五名行きました。これは実は今こういう時期ですからいろいろ賛否両論ありました、税金を使って
南極に行く必要があるのかなと。
私は、
最初からこれは非常にいい発想でいいアイデアだというふうに言い続けていたわけなんですけれ
ども、実際、帰ってこられた県議団の人
たちがその後精力的に
南極視察のセミナーを県内各地でやって、群馬テレビとか、群馬県では大変なシェアを誇っている上毛新聞というのがあるんですが、地方紙を含め
南極の特集を随分組んだんです。これがどのくらい群馬県民の間に
南極環境問題という意識を植えつけるのに役立ったかということを思うわけでございます。
ですから、こういういいイニシアチブについては、すなわち視察や観光であっても
環境に対する意識を高める。例えば今観光で行っても、
南極に渡る船の上でたしか専門家の方か何かがいて
環境教育をなさっているはずなんですね。だから、どんどん厳しくせよというさっき
意見があったんですけれ
ども、初めてのことなのでどのぐらい厳しくなるかというのはちょっとわからないので不安なんですが、そこら辺のところはきちっと要件を満たせば
承認をするという道は果たしてこの
条約の中で残っているのか、その一点だけ簡単に
確認させていただきたいと思うんです。