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国務大臣(
橋本龍太郎君) 初めてお許しをいただきましたので、少々勝手が違います。その点はどうぞお許しをいただきたいと思います。
今、大変大きな御
質問をいただいたわけでありますけれども、私は、冷戦構造というものが終結をして以来、大きく
世界というものがさま変わりをしつつある、現在もまたその変化の途上にある、まずそのように思っております。そして、その
意味では
国際的に相互依存
関係というものが今まで以上に一層深くなっております。そうした中で、
日本の繁栄あるいは安定というものが当然のことながら
世界全体の平和と繁栄と密接不可分であるという状況は今まで以上に深くなりました。そして、そうした中で
我が国が払っていくべき
外交努力というものは今まで以上に、
我が国だけのためではなく、
世界的に大きな責任を感じなければならなくなっていると思います。
しかし同時に、冷戦構造が崩壊をいたしました結果、逆に
地域的に不安定な要因というものはむしろ増してきたのではないか、私にはそのように思えてなりません。宗教上の対立あるいは民族的な対立、さらに歴史的なさまざまな因縁が今になってぶり返している。そうした
意味では非常に
国際情勢の不分明さが増してしまった部分がある。
そして、ある
意味では今までヨーロッパ正面とアジア太平洋
地域というものがある程度分けて議論をされてまいりましたけれども、ヨーロッパ正面の動きというものがアジア太平洋
地域に与える影響というものもむしろ大きくなってきたのではないか。最近の中ロ
関係等を見ておりますと、NATOとの絡みで違った動きが生じてきている、そのような感じを私は持っております。
そうした中で、まさに核兵器を含めました軍事力というものが依然として
国際的な平和と安定の上で非常に大きな役割を演じておる状況、これは変わっておりませんけれども、その一方で、核兵器を含めまして大量破壊兵器というものをいかにしてなくしていくのか、その脅威を減らしていくのか、これはそれぞれの兵器を多量に保有していると言われる国にとっても大事なテーマになってきたのではないか、そのように受けとめております。
それだけに、今回御審議をいただいております
CTBTも、そういった
意味では核兵器の拡散を防いでいく、そして次に向けてのステップという
意味では非常に大きな
意味を持つものだと考えておりますし、いわゆる先進国と言われる中で、もしこれが
国会においてお認めをいただけるならば、批准書寄託の非常に早い国の一つとして
日本は先鞭をつけることができると思っております。
そして、それは次のステップに我々は結びつけていくことのできるもの、そのように
位置づけておりまして、本委員会においても真剣な御論議をいただいておりますことに改めて敬意を表しますとともに、こうした状況を認識した上で我々は
国際社会の中における行動を続けてまいりたい、そのように考えております。