○立木洋君 私は憶測だとか推定で物を申しているんじゃないんですよ。事実的に、
入植地に
住宅建設するということが
原則宣言に反するわけですから、そうしたら二回にわたって安保理で拒否権を発動するなんということはしないで、そういうことはやめなさい、そしてもっと平和的に進める
方向に行くべきではないか、経済封鎖的な
措置をとってガザ地区に六〇%も失業率が出るような状態はやめなさいと。
エジプトの大統領でさえこれは第二のアパルトヘイトじゃないかなんと言われるような、非難を受けるようなことをやっぱり
アメリカ自身もよく考えて、そういうふうなことをやったら本当の
和平が進まぬじゃないか、よく考えるべきではないかというふうな
指摘があっても私はしかるべきだと。
しかし、そうではなくて、御
承知のように、私は今度のこの文書をいろいろ読ませていただきましたけれども、さまざまな内容があるんです。時間があれですから全部言うことはできないかもしれませんけれども、
パレスチナの自治というのは
イスラエルの同意を必要とする制約を持っているんです。そして、果物、野菜の輸出も
イスラエルの業者を通してしか外国に輸出できないんです。それから、電気、水も
イスラエルの手に握られている。これも大きな
障害になっております。
特に、新しい
政権ができてから、湾岸
諸国もかつての戦争で経済的な不安は極めて拡大し、失業、住宅、医療などの問題というのは非常に多いんです。だから、本当に
和平を求めながら、経済的にこれらの
地域を全体的に引き上げていくというふうなことにならないと、やっぱり幾つかの国が懸念を持つ。今まで
中東の
地域の不安定の要因というのは多大にあったわけですから、そうならないように、本当に公正正大に、明確な内容を持った対応ということがなければいろいろな不安が出てくるというのは明確なんですよ。ですから、
アメリカの
中東進国策ではないだろうかというふうな懸念を持ったりしている。
例えば、この
協定の内容、第十条等に出されている金融業務の問題についても、「市場指向型経済並びに民間及び
企業家の自発的
活動を着実に推進すること。」は確かにそうだと思うんです。民間の場合は、この
地域に経済的な基盤を持って一定の利益を上げていくということになるならば、多国籍
企業がどう動くかということがやっぱり問題になる。
企業家の自発的な
活動を着実に推進することだということで市場指向型経済という
特定の内容というものを前提にしている。
だから、こういう点で言うならば、つまり
中東和平を経済的に下支えしていくという建前とは裏腹に、
和平推進を口実にして外国資本に有利な経済環境の整備を強行しようとする懸念さえこれらの
地域では生まれてくる。これがやっぱり湾岸
諸国が域内の加盟国として参加しない大きな
障害の一つになっているんじゃないか。だから、こういう民活路線というものであっても、そこの
地域で公平な経済の
発展のために資するような形にやっぱりやるべきではないだろうか。
それから、全部取り上げてあれすることはできませんけれども、第八条、
経済協力フォーラムをつくるわけですけれども、
経済協力フォーラムの一番最後のところに「銀行の他の機関に対していかなる権限も有しない。」と。権限を持たないんです、この中でつくられている経済フォーラムというのは。
さらにまた、三十一条では、各加盟国の投票権数は「当該加盟者の応募済株式数に等しいものとする。」と。ここで言っている数字を挙げてみますと、
アメリカの投票権も応募株式に基づくということになるならば二二%を占めるんですね。
日本が占めるのが九・五%です。だから、相当の力を持った銀行運営というのが
アメリカの力で想定されていくというふうな運営の内容になっているわけです。これらの諸問題を見てみますと、この
問題点は非常に大きな
問題点が存在している。
ですから、先ほども申し上げましたように、この問題については十分なやっぱり精査をしないと、偏った形で、
中東における今の複雑な状態を正しい
方向に前進させるんではなくて、
中東の
和平にある意味では反するようなことが起こり、あるいは経済が疲弊化している状態がますます困難な状態になっていくというふうな事態さえこういう運営の中では起こりかねない。こういう点を私は最後に
指摘しておきたいと思うんですけれども、最後に
大臣の御所見をちょっとお願いしておきたいと思います。