○立木洋君 加藤さん、一九九五年の八月以降見直しを行っていないということ自身がだめなんですよ、おかしいんです。「もんじゅ」の問題があって
プルトニウムの消費に対する
見通しが変わってきたわけでしょう。その当時の、一九九五年の八月時点に基づく
プルトニウムの需給の
見通しについてはバランスをとって書いてあるじゃないですか。これから後変わっているんですよ。
私は言いますけれ
ども、「もんじゅ」の問題というのは、技術的な問題だけでなくて
地元で稼働する見込みがないんです。再稼働ができるかどうかめどが立っていないじゃないですか。「ふげん」は再稼働しましたけれ
ども、ここも満杯になっている使用済み核燃料の貯蔵問題の解決と「ふげん」の位置づけの明確化が条件として取り上げられて、現地紙も
見通しが不鮮明であるというふうな報道をしております。さらに、
動燃の
東海再処理工場の停止など、
プルトニウムの需給は今後も当面明らかにできる
状況にはないんじゃないですか。
ここに書いてある内容をあれしますと、一九九四年から一九九〇年代末までの
国内累積需要というのは、「常陽」、「もんじゅ」、「ふげん」、合わせて約四トンです。そして、同じようにこの供給についても約四トンになっております、
東海再処理工場及びその既返還分。ところが、「もんじゅ」はだめなんです。それより小型の「常陽」で使われるのがどれぐらいの量になるのか。さらに問題は、二〇〇〇年から二〇一〇年までの年ベースの需給の問題も、供給の問題もバランスが合うように五トン、五トンというふうになっております。しかし、そこに出されている需要の面からいえば、「もんじゅ」はいまだ再開の
見通しができていない。
それから、高速増殖実証炉は「もんじゅ」が動かなければスタートしないんですよ。そして、建設が始まったとしても数年かかる。設置の場所さえ決まっていない。ここで、この高速増殖実証炉は年間〇・七トン需要が生じるという
事態が起こるんでしょうか。
さらに問題なのは、フルMOXlABWRについても、大間あるいは柏崎、福島などが挙げられていますけれ
ども、すぐにフルMOXにいくわけではないわけです。そうすると、ここで出されている年間一・一トン需要が生じるというのは、そのとおりでいいんでしょうか。
さらに、軽水炉MOX燃料
利用、これについても
地元自治体はまだ受け入れていないんです。先ほど、長官がおっしゃいましたけれ
ども、いろいろ話をしていますけれ
ども、なかなか動く状態になっていない。そうすると、これは年間二・六トン需要が生じると言っているけれ
ども、この
見通しで果たしていいんですか。
問題は、これについてバランスが合うように六ケ所村の再処理工場では四・八トン供給ができるし、
東海再処理工場では〇・ニトン年間供給ができる、この数字でいいんですか。そして、これから二〇一〇年までの間にイギリスやフランスなんかで再処理してもらった
プルトニウムやMOX等が三十トン入ってくる。
全体的にバランスよく考えるならば、需給の
見通しというのは立たないんじゃないですか。こういう状態になると過剰
プルトニウムが生じる、剰余
プルトニウムが生じると
世界からの目、今もお話がありましたように、より厳しくなってくるんです。いつ
プルトニウムの需給
見通しが明確な形で出せるんですか。何年の何月までに出せるかという問題について明確にひとつしていただきたい。