○立木洋君 これは、話は変わりますけれども、例えば病院なんかの経営の場合に、正式な社員じゃなくていわゆる臨時雇いなんかの形で、本当に看護が行き届いて、患者に対して完全な医療が保障できるのだろうかというふうなことは、再々問題になったことであります。
同じように、工場においても、本当に安全
施設を完全に熟知して十分にそれを操作するように、そういうようなことが本当に、そんな
協力社員という名目でかぎ括弧で書いてありますけれども、
協力社員といえば呼び方がいいかもしれませんが、しかし孫請だというふうなことになってくると、本当にそういう形で
責任を持てるんだろうかというふうなことを、私はその個人の
方々に対してどうこうという
意味ではなく、そういう
体制をとるようなやり方では、私は本当に
技術上の保障だとか安全上の保障だとか問題が起こるというのは当然あり得ることになってしまうということを
指摘したいんです。
動燃の九六年度の定員は二千八百二十名です。ところが、このうち
予算が二千三百四十六億、うち
政府出資金は千六百十六億というふうになっております。再処理の費用は六百六十三億で、再処理
関係業務に千三百名います。そのうち相当数の人々が管理部門にいるということを考えてみますと、この費用、
研究費、管理部門に人員がいることも考えれば、
研究費は年間一人当たり一億円を優に超えるというふうな数字になるんです。一人で一年間に一億円も
研究費を使うような形で本当に
研究がなされているんだろうか。こんな一億円の金を一人でどんなして一年間で使うのか。そういうふうなことを考えてみますと、これは
研究ということではなくて、いわゆるマネジメントをするというふうなことが主になっているんではないか、機構のあり方としては。
ですから、私は先般もアメリカのNASAみたいなものだという
指摘があったということを言いましたけれども、そういうふうになってしまうと、十分な
基礎研究を行わないで、問題がわかっていても問題にならなければよいというような
開発優先で、そしてそれがすべて多くの部分が民間にゆだねられてしまう。それが下請、孫請というふうなことになるならば、これは
体制上も極めてやっぱり重大な機構上も問題が起こり得るということを私は
指摘したいわけです。
ですから、
政府のとってきたそういうような
核燃料リサイクルの
開発というのを、こういうふうな形の
事業団にゆだねるのではなくて、根本的に中止という問題も考えた抜本的な見直しをやるべきではないかということを強調したいんです。
前の話になりますけれども、原子力船「むつ」の放射能漏れの
事故が起こったときに、いわゆる大山
委員会が報告書を出しております。若干目を通しました。そのときの報告書の中に、「大
規模な
開発計画を遂行するためには、十分な組織と強力な指導者が必要であり、かつ、その組織の
技術上の
責任分担が明確であること」という
指摘がありました。さらに、「自ら主体的に
開発するのではなく、
協力を得てまとめるという方向にあり、人事もそのような線で行われたということにも今回の問題の遠因を求めることができる。」という、
事故の遠因についてもこのように
指摘をしております。
私は、大山
委員会の報告書をすべて肯定するものではありませんけれども、この
指摘は含蓄のある
指摘であるということを十分に考えていただきたい。こういうことを知らないはずはないと思うんです、
動燃の皆さん方が。そういうことを十分に考慮に入れて問題の
原因を抜本的に見直すということを科技庁の指導のもとで行うということを強く要望したいんですが、その点について
動燃の考え方を理
事長お願いします。