○山本正和君 大変難しい時期に
長官に御
就任でございます。また、
政務次官も大変難しい
状況で御
就任でございまして、御苦労が多いかと思いますが、頑張っていただきたいと思います。
私は、きょうは時間が余りありませんので少し感想めいたことを申し上げて、最後に御決意だけ聞いておこうと思います。
私は三重県でございまして、三重県の南島に
原子力発電所をつくろうという計画が出たのが四十数年前、なかなかうまくいかないというので、現在は政治家としては我々の大先輩、大御所でございますが、中曽根さんが初めて
大臣に
就任した、
科学技術庁長官です。そこで三重県にお見えになって、何とか南島でひとつつくってくれ、こういう要請に来られたわけです。ところが、その当時南島というあの町はブリの大敷があり、大変豊かな町だった。そんなことから漁師が非常に強い反発をいたしまして、中曽根さんが来たら船をみんなで囲んで、ひしゃくで船の水をかけた。
長官は服がびしょびしょになった。大変憤慨されました、本来暴力行為ですから。そうすると、三重県警は何をしているんだということになりまして、数百人の者が召喚、場合によっては留置、起訴数十名という大事件があった。その孫たちが今一生懸命まだ南島の原発に反対しているんです。
要するに、住民の
理解を得ずにこの種の問題をやることがいかに困難であるか。三重県では現在、この南島問題に対してはどういうことを言っているかといいますと、要するに、これは安全である、その確認を国が保証する。そして住民の合意それから公開、こういうふうな原則が確認されなければ、どうしてもこれは南島に
原子力発電所をつくるのは反対だ、こういう空気に今なっているんです。
先ほど海老原
委員からもお話がございましたが、私どもの党の中でも、
原子力というだけでアレルギーを来すのもおるんです。そうじゃないのもおるんです。やっぱり今の日本のエネルギー
状況から見て、現在あるものをやめろとか、あるいはなしていいとかいうことにはならぬぞという議論も真剣にやっているわけですね、今。しかし、それだけに
科学技術庁が果たさなければいけない
原子力行政における役割というのは非常に大きいと私は思うんです。その中で実はこういう
事故が起こってきたと。
これは、先ほど海老原
委員がおっしゃったように、恐らく
国民の間に大変な
不信感が生まれたと。これを直すには、これはもう
長官も
政務次官も本当に大変な時代に御
就任になったということで、御苦労を私は思うわけでございます。
そこで、きょうのいろんな議論も聞いておりましたが、やっぱり
一つは
情報公開の問題だろうと思うんです。要するに、今までの
動燃なら
動燃が取り組んできたことについて、本当に
国民の間にしっかりと
情報が提供されておっただろうか、そして
国民的な論議ができただろうか、この部分があります。
私は、実は浜岡の
原子力発電所にも行きまして、随分勉強もした。そうしたら、浜岡の原発は何か
事故が
一つあったら運転を停止しますと言うんです。それぐらい住民に
責任を持ってやりますということを言っているんです。それでもなかなかいろんな問題があります。あるけれども、少なくともそれぐらいの気持ちでもって浜岡の原発をやっているというのを私は見てきたんです。
ですから、これは
動燃が、本当に民間の電力会社がそれなりの思いでもって一生懸命やっているという中での問題というものと共通認識にやっぱり立っておったんだろうかという疑問ですね、ちょっと私が心配するのは。
そういうことと、
情報を公開して、浜岡へ行ったらだれでもどうぞ見てくださいといろんなものを見せるんです。そして、
原子力のよって来る理念まで、展示場があってそこでいろいろ書いてある。また、世界のエネルギー
事情はどうですと、みんなあるんですよ。ですから、そういう
情報公開が十分にされているということがなかったら、これはもうなかなか大変な問題だろうというふうに私は思うんですよ。
あわせて
科学技術庁というのは、実はやっぱり名前のとおり
科学技術庁ですから
我が国の
科学技術の展望を切り開く役所だろうと私は思うんです。そうすると、これは正直言いまして、ちょっと
質問をすると、いや太陽光なんてだめですよという話になるんです。
実は、私は今度自分の家を直すので屋根を太陽光エネルギーにするんです、キャノンのやつでね。三・九キロワットできる、私の家一軒で三・九キロワット。すると、百万戸ありますと一体どれだけになるか、これはちょっと計算してみたんですけれどもね。私の家を直すのに幾ら金かかるかといったら、五百万かかる。しかし、百万円は国から補助が出るそうです。当たればですよ、抽せんで当たればね。まあ、なるべく当たってほしいものだと。
そういう部分についても、実は
科学技術庁、いや、こういう問題もありますよ、しかしまだ技術的には困難なことがありますよということも
国民にやっぱり知らさにゃいかぬと私は思う。もちろん通産省に
資源エネルギー庁がありますから、これはそこの役割かもしれないけれども、
科学技術庁は
国民の前にいろんなものを、エネルギー問題をオープンにする。今
原子力はこうなんですと、これやめるわけにいきませんと、こういう話ならわかるんだけれども、それ以外にも話を持っていくと、だめということを言われると、これはどうもということになってしまうんですね。だから、これは
科学技術庁がやっていただいている、三重県で非常にありがたいものが五カ所に、すばらしいものを今つくってもらっているんですね。
それから、「しんかい」なんかのエネルギーの問題も含めて、風力も随分いろいろ
指導してもらったり、いろんなことをやってもらっているんですけれども、そういうことも含めて
国民に日本の国のエネルギー問題はこうですよと、しかし、皆さん、今ここにはこういうまだ欠陥がありますと、直すためにはこうしますよという格好で大胆に
国民に
情報提供をしていただくということが何よりも必要なんじゃないかと思う。
そしてまた、過ちを改めるにはばかることなかれです。誤ったら誤っておりましたということをはっきり言って直せばいい。ところが
動燃は、ちょっと最初のときになかなかその過ちを率直にお認めにならなかったということから、こういう繰り返しの
事故の中で
国民の
不信感になったような気がするんです。
そういうことを含めて、何とか新しい
大臣、
政務次官の体制の中でひとつしっかり頑張っていただきたい。御決意を伺って私の
質問を終わりたいと思います。