○泉信也君 非常に俗っぽい言い方をしますと、もうかるところは
JRは自分でやる、もうからないところは切り離す、こういう言い方が非常にわかりやすいと私は思っております用地元の
方々にとって
新幹線は待ち望まれることではございますけれ
ども、周辺での在来線
鉄道の日々の
役割というのはいささかも低下することはない。自動車の時代ではありますけれ
ども、そういう思いを持っておる中で、私は
JRの
考え方がもう
一つ理解できないところがあるわけです。
経営上成り立たないところは切り離す、分離するということは、企業の
経営としてはそういうことがあってもいいかもしれません。しかし一方、
新幹線は国家的プロジェクトということをさっきから申し上げておりますが、仮に民間企業がこの線を引いたと仮定をいたしますと、そのことに対して
JRは市場の競争の中でどう対応するかという
議論があってしかるべきだと思うんです。したがって、民間企業がもしも
新幹線をつくるというようなことが、
法律的にはできるわけだと思いますが、そういうことをした場合には
JRは今と同じようなことをおっしゃるのか、あるいは別の
考え方、もっと合理化をして対応しようとする方針をとられるのか、私はちょっと疑問な点があります。
わかりにくい点があるかもしれませんが、第二の
国鉄を出さないという言い方と、
JRは
採算性のいいところだけをとっていこうとする、結果として初めて出てくる今回の高崎−長野間に係る
新幹線にまつわる第三セクターが、果たしてうまくいくのかどうかということについてはやってみなきゃもちろんわかりません。
収支計算は聞かせていただきました。しかし、本当にそうなるかということについては大変私は疑問を持っておるわけです。
そこで、
自治省にお尋ねをいたしますが、実は二十年先、三十年先という事柄の発生を今の自治体の
方々、市長、町長さんに決断していただくわけです。在来線は
経営分離しますということでいいですかというようなことを着工の条件として運輸省は求められるわけですが、行政の継続性ということは
承知の上で言いますけれ
ども、その市長なり町長さんが二十年後、二十五年後まだそのポストにいらっしゃるかどうかわからないということを考えますと、よほど手当てを今からしておく必要があるのではないかと思うんです。
その手当てと申しますのは、第三セクターの
経営が必ずしもうまくいっていないケースの方が多いわけでして、これは
新幹線とは別の話ですが、
鉄道の第三セクターで
経営がうまくいっておるという例はかなり少ないものですから、そうした在来線の
経営分離がなされるところについては今からある種の基金を積み立てておく。そしてもし、二十年、二十五年、三十年後にそういう事態に立ち至ったときに、
地域の
方々に本当に迷惑をかけないような段取りを
自治省として金銭的にあるいは行政指導的になさっていくというようなことは可能なんでしょうか。