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政府委員(
黒野匡彦君)
航空行政は、
先生も御
指摘のとおり非常に
多様性がございまして、
問題点あるいは
課題はたくさんあるわけでございますが、私としてあえてそれを
幾つかにまとめてみますと、安全ということは当然基本にございまして、それを別にいたしますとやはり
競争の
促進というのが
一つ。それから二番目は、必要な
輸送力をどう維持し確保するかという問題、この二つに大胆に分けることができるかと思っております。
前段の
競争促進というのは、
利用者の
利便を高めること
プラス国際競争の場において
日本の
航空企業が他国の
企業と堂々と
競争できる、そういう状態にやはり
日本の
企業にもなっていただかなければいけない。そのためには、我々といたしましては
国内についての
規制を
緩和いたしまして、
競争を
促進するということが大事かと思っております。
そのような
考えのもとに私
どもいろいろな施策を
順番に進めておりまして、一番大きいのは、これはかねがね御報告しているところでございますが、
運輸省の中のいわゆる業法、
事業を
規制している
法律の中にあります
需給調整規制を一切廃止する、こういう
方針を私
ども出しておりまして、これを現実のものにするために
問題点を摘出し、その
問題点の
解決策を見つける、こういう作業に今入っているところでございます。ごく近い将来、
航空につきましては
需給関係を見ることなしに
路線を自由に
企業の方の
判断で展開していただける、こういう
時代に持っていきたいと思っているところであります。
また、既に私
どもが実施いたしましたことを若干羅列をさせていただきますと、
一つは
運賃制度、これにつきましては御案内かと思いますが、
福運賃を入れまして
運賃面での
競争ができる場、これは必ずしも完全ではないかもしれませんが、
運賃の
規制緩和の第一弾ということでそういう
制度を既に取り入れさせていただいているところであります。
また、実際の
路線を張る場合に
ダブルにするか
トリプルにするか問題があるわけでございますが、これにつきまして、従来その
路線の太さに応じまして
ダブル、
トリプルを認めるか認めないかの基準を明確に示していたわけでございますが、これを完全に廃止いたしまして、その点も含め
航空企業の方の御
判断を
優先するということにしているところでございます。
また、昨今、
大変話題に
なりましたが、おかげさまで
羽田の新しい
C滑走路が
完成いたしまして、この
完成を機に全体といたしまして四十便、四十往復の枠ができました。この枠の使い方といたしましてポイントが二つございます。
一つは、
新規に入る
企業の
方々用の枠をあらかじめリザーブしておくということをやっておりまして、
新規参入についてもこれを前向きで受けとめ、何とか実現する
方向に行きたいと思っております。
また、各社に割り振りました枠につきましても、従来の
考え方は、ある
会社のこの
路線に何便と、こういうふうに決めていたわけでございますが、それをやめまして、基本的には
会社ごとに数字だけをお示しする、それを受けてどこに飛ばすかということも
企業にお任せする、こういうことの実施を既にいたしておるところでございます。
二番目の
課題の
供給力、
輸送力の確保につきましては、第七次の
空港整備五カ年
計画の中で、特に
拠点空港、その中でも国際的な
ハブ空港の
整備が大変おくれているという
状況でございまして、ここにつきまして
全力を挙げてまいりたいと思っているところでございます。