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筆坂秀世君
大臣、この問題というのは、大震災からの復旧工事をもしかすればこれは食い物にしてきたということになるわけです。しかも、今言いましたように、佐伯
建設工業は五十五億円で落札、本来落札する予定だった西松は六十億三千万、つまり五億円以上高い値をつけていたわけですよ。もちろん私、予定価格があるということは知っています。だから、これで実際に落札だったかどうかはわかりませんが、もしこれがその範囲内であれば、五億円以上の血税が浪費されたということにつながってくるわけです。だから、談合というのはやっちゃいけないし、禁止もされているわけです。
ですから、もう質問はいたしませんけれ
ども、ぜひこういう談合の疑いのあるもの、こういうことは絶対許さないんだということで、今後の
港湾建設であるとかあるいは復旧工事であるとか、こういうものについては十分な監視をしていただきたいと思います。
公正取引委員会、もう結構です。
次に、
港湾整備計画、先ほ
ども野沢委員から、
財政構造改革会議で
公共投資基本
計画六百三十兆円そして十六の
長期計画、これは
聖域なしで
縮減を図っていくということが確認されたという御質問がございました。
港湾整備計画、例えば百億円の釣り堀というので有名になった福井港、私は現場に行って写真を撮ってきてやったんですけれ
ども、各所で随分見てきましたよ。小樽港、石狩湾新港、苫小牧東部、新潟港、福井港等々見てまいりましたけれ
ども、やはり随分浪費的投資がある、随分遊休化しているバースがある、これはもう疑いのないところであります。そこで、
港湾整備五カ年
計画についても大胆な
見直し、
縮減に向けてのメスを入れていくことがどうしても必要だというふうに思います。
例えば今度の五カ年
計画では、国際競争力の強化ということで、大水深のバースを
整備していくということが一番のいわばセールスポイントといいますか中心になっております。しかし、果たしてそれでいいのか。
例えば東京都の元
港湾局部長で東京港埠頭公社理事も務めて現在ワールド流通センターの専務をされている高橋恵三さん、どこかで聞いたような名前ですけれ
ども、この方が「日本のコンテナターミナル−その再生の途は」という論文をある雑誌に書かれています。こう述べておられるんです。
「ターミナルでいかに大量のコンテナ荷役を行うかがターミナルの国際競争力を回復するカギなのである。」と、いかに大量のものをそこで扱うか、そのバースで。「香港やシンガポールに日本の
港湾が敗北しつつあるのはまさにここに起因している」、「日本全体のコンテナターミナルの数の不足ではない」、「日本の
港湾は国際間の競争に立ち遅れれば遅れるほど、国内港間の過当競争に陥り、隣接
港湾と船や貨物を奪いあうという無
意味な競争に精力を浪費している」、これは実際そうで、私、小樽港と石狩湾新港を見てきましたよ。石狩湾新港の扱いがふえると小樽港はどうなっているかというと、扱い量が急激に減っているんですよ。要するに国内で奪い合っているだけなんです。そしてこっちでどんどん
港湾整備やっていると、こっちではどんどん荷物が減っている、こういう事態が現に生まれています。
ところが、第九次
港湾整備計画もやはり同じような傾向がある。この
計画では、外貿コンテナ貨物が一億五千六百万トンから二億二千八百万トン、約七千二百万トン今後ふえるということが想定されています。四六・二%ふえるという予測です。そのために、水深十五メートルの大水深コンテナバースを新たに五十バース
整備するという目標であります。私は別に、十五メートル水深のバースをつくるななんということを言うつもりはないんです。
ただ、果たしてこれが妥当かどうか。例えば七千二百万トンといいますと、一バース当たりの取扱量というのはどうなるかというと、目安が大体百五十万トンということになるんですね。七千二百万割る百五十万、したがって五十ということに計算上なるわけです。大体そういう目安で想定されているわけでしょう。