○
松本(惟)
委員 きょうは要望にとどめておきたいと思います。
さらに、
公表制度の件につきまして、これはお答えは不要でございますけれ
ども、公表するに至る段階的な手続が大変私は気になります。それから、この
公表制度な
ども、
法律の枠組み、拘束力がしっかりしていないと、余り意味がないのじゃないかというふうに考えております。この
公表制度を本当に効果あるものにして、世の中に制裁の一つとして、要するに、
法律を守らなかった者の
制裁措置の一つとして明らかにしていくためには、幾つも幾つも段階を通り過ぎて、本当に奥の細道で、先が見えないようなところでということでは困るのですね。これまで、
障害者雇用促進法の
事例を見ましても,その他を見ましても、余りたくさんこういった
事例が見受けられません。
障害者の場合には一件というふうに伺っていますが、その他の
法律、二、三ございますけれ
ども、まだそういう
事例が上がっていないということを考えますと、本当にこれは実効があるのかなというふうに思いますので、手続について今後
審議をされる際にはできるだけ効力のあるような方向で
審議をし、結論を出していただくように注文をつけさせていただきたいと思います。
それから、ポジティブアクションについてでございますが、これはもう繰り返し先ほどから議論をされておりました。私は、この点につきましても今回触れられたことについては評価をいたします。しかし、この前提というのは、やはり性
差別禁止法、つまりアメリカ、カナダ、ヨーロッパでとられているこの手法というのは、性
差別禁止法があって、そして
法律がきちんとした骨格を持っていて初めてそれを補うための手段といいますか、方法として取り入れられているというふうに思っています。今回の
雇用機会均等法、前進は評価いたしますけれ
ども、まだまだ不足の
部分があると思います。
したがって、私は、この積極政策について、これもお答えは要りませんので
意見だけ述べさせていただきますが、少なくともやはり
事業主に対する
努力義務ぐらいは持ち上げていただきたい。そこまでは持っていっていただきたいと思います。そうしないと実効が上がらない。つまり、お勧めをして、ではやりましようという
企業だけに国が幾つかの要件を設けて
援助をなさるということです。これは大変弱いと思いますし、おくれている日本の
男女平等を進めていくためにはやはり事足りないというふうに思っておりますので、きょうは第一回目ですから要望させていただきたいというふうに思います。
それから、
セクシュアルハラスメントの件につきましても調停の対象から除外されております。ここのところについても、せめて調停の対象に入るような
措置を講ずべきであるというふうに思っております。これも
意見にとどめさせていただきたいというふうに思います。
次に、
均等法の制定への期待とあわせて、一方では大変心配をされている
女子保護規定、
母性保護を除く
女子保護規定の撤廃の件について触れさせていただきたいと思います。
女性労働者がふえていまして、そして
職域もかなり広がりを見せています。したがって、
女性の
意見も一つではないというふうに私は認識をしております。しかしながら、やはりゆとりを持って働き続けていく、特に
母性を持つ
女性というのは
出産をし、
育児をし、この
育児から先は
男女がともにということがもうルール化されましたけれど、も、そういった立場にあるわけであります。四十時間法制が
施行されまして、これが九七年にはほぼ行き渡るであろうというふうに思っております。そうでなければならないと思っています。この点については時短という点で成果だと思います。さまざまな問題がございましたし、まだ内包されている問題もありますけれ
ども、前向きに進んだ、ようやく進んだというふうに思っております。
ところが、一方で青天井、しかも行政指導のいわゆる基準である三百六十という基準に合わせて撤廃すれば、
女性もそこで働かなければいけないということで、いわゆるトータルのマスで見ますと
労働時間短縮になったのだろうかと思わざるを得ません。ですから、今まで深夜
労働、時間外
労働を百五十で切られていたところを撤廃して、もっといわゆる面積を大きくするということによる
企業側のメリットというのはあるでしょう。それから、
女性の
職域をふやし、地位の向上を図るという目的も一部は達成されるかもしれません。しかし、
一般の多くの
女性労働者というのはまだまだそういった
状況の中にはないというふうに思います。
そしてまた、先ほ
ども申しましたけれ
ども、未組織
労働者が年々ふえています。これは好ましいことではありません。
努力をして組織化を図っていかなければならないわけですけれ
ども、やはりそれに追つつかなくて、実態としてはふえている。まして
女性の組織率というのは下がってきています。
女性労働者はふえたふえたと言われますけれ
ども、ふえているのはパートや派遣
労働者でふえている。中断再
就職の
女性たちは、やはり
就業形態がフルタイマーの正規というような形ではないところで多くが働かざるを得ない
状況にあっております。
したがって、私は、この時間外
規制のあり方について本
会議でも申し上げましたけれ
ども、昔々のお話もあのときに申し上げました。
労働基準法制定の前に男子を百五十にするという話が日本でもあった。それがなぜかふるいにかけられて、結果的には
女性労働者のみになっていた。それがずっと今まで続いてきたわけでございます。
したがって、千八百時間のプログラムについても、御
紹介をさせていただきましたように、
政府みずからが、こうしてこうしてこうすれば千八百時間が達成されるから、二〇〇〇年までには、少なくとも二〇〇〇年を少し超えても、そこへ向けてその実現を図るのが国際公約であろうというふうに思います。
それからもう一つは、日本の外側からも
規制緩和の波でコストの安い製品がどんどん入ってくるというような
状況の中で、大変な局面にも立たされています。余り日本にはなじみがないわけですけれ
ども、将来的には
労働者が、ヨーロッパでもやっているように、ワークシェアリングということで、
仕事を分け合って生きていかなければならないというような事態も出てくるであろうと思います。
そういった
観点から見ましても、担保をとって、つまり中央
労働基準審議会でこれは優先
課題として
審議をする、
一定の方向を導き出すというような構えがあって
女子保護規定を外すべきであったと思います。私は、これは行政の責任を問いたいというふうに思うわけです。中央
労働基準審議会のいきさつを先ほどからお伺いをしておりましても、ちっとも先が見えないと思います。ですから、一方では
均等法をビルドした、一方では足場の、つまり建築でいえば土台のところをぬかるみにしてしまうというようなことでは、真の
男女平等、そして
女性の地位の向上、そして
男女がともにゆとりのある働き方、ゆとりのある暮らしをしていくことができなくなるのではないかと思います。
ですから、深夜につきましては後ほどまた伺いますが、時間外
労働のあり方について、この点を伺いたいと思います。なぜ一方の方である程度の取っかかりをつかまないで、いきなり外して、これから
審議ですというふうになってしまったのか。