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鍵田委員 おはようございます。新進党の
鍵田でございます。
職業能力開発促進法の一部
改正案に関しまして、私は、その背景にあります現在の
環境でありますとか、またこの
能力開発をめぐります現在の
状況、さらには、今回の法案の
改正の
内容、そういうものについて質問をさせていただきたいというふうに思っております。
現在の、
能力開発が必要とされる、そういう背景として、中央の
職業能力開発審議会が
答申をしておるわけでございますけれども、現在の
空洞化の中で
企業の活力がなくなってきておる、そういうところに対して高
付加価値化を目指し、
技能や
技術、企画
開発力、そういうものを強めていくための
人材育成が必要である、こういうふうな
答申が出ておるわけでございますけれども、そういうものに基づきまして今回の法案ができてきておるわけでございます。
私自身の見聞しておるところから見まして、かつての日米
関係の中で、アメリカはどちらかというと生産よりも消費
経済といいますか、そういうことに
重点を置いてきたときに、ちょうど
日本が成長期に入ってきて、そして
製造業を
中心にして、アメリカの消費拡大に対して製造工場みたいな形で
日本が貢献をする、そういう中で
日本が
経済発展をするという
日本にとっては非常にラッキーな一面があったのではなかろうか。
そこで、アメリカは大変貿易赤字がふえてくる、そこから貿易摩擦が起こってきておるわけでありますすれども、その後円高があったり、またバブル崩壊によります、またバブルそのものも
日本の
物づくり、そういうものを軽視するというふうな風潮を生んだということもあるでしょうし、そういう中から
日本の
製造業の力が今非常に弱まってきておる。昭和四十五年ぐらいには
製造業の生産が国内総生産の中で三割を超える力を持っておったものが、現在では四分の一、二五%を切っておる、こういう
状況になってきておるわけでございます。
そういう面からいたしまして、やはり
物づくり、こういうものが今見直されてきておるわけでございまして、
特定産業集積の活性化でありますとか、
地域雇用開発促進法の
改正の問題でありますとか、そういう現在の
状況に適した法案が既に上程をされ、可決をされておるわけでございます。そういう
産業基盤を確保し、これから育てていこう、こういうことになっておるわけでございます。
しかし、まだ
現状において、例えば私の所属しておりますゼンキン連合におきまして
調査をした
内容におきましても、ではそういう基盤を支えていきます高度
技能者がどのような処遇を受けておるかというようなことでは、いろいろ職場の中では工夫をして、役職面の昇進でありますとか、また勤務延長、高度
技能者につきましては定年を超えても
雇用していこうというふうなこともやられております。いろいろやられておりますけれども、その高度
技能者から見ますと大変不満が多い、過半数を超える
人たちが不満を持っておるというような実態が出ておるわけでございます。そういう中で、こういう高度な熟練
技能者を育てていこうと思いますと七年から十年かかると言われておるわけでございまして、一たんこういう
技能を失ってしまいますと、それを取り返すことはなかなか至難のわざであるということでございます。そういう
意味で、今いろいろな施策が取り組まれておるわけでございます。
しかし、やはり職場における熟練
技能者の評価が非常に低い、またこれらの
人たちの不満も多い、こういう
環境の中で、高度
技能者を育てていくという
環境づくりをしていく上において、やはり
学校教育から
見直していく、家庭の
教育も
見直していくということもやらなくてはなりませんし、そういう
社会的な
環境を育てていくという面から見ますと、高度
技能者に対しての何らかの
経済的な裏づけをしたり、また褒章とか叙勲とかいうようなことでこういう
人たちに対する
対応をしていけないのかどうか。
今の叙勲の制度などは官尊民卑の方式でございまして、官職であります公務員以外の
人たちが幾らいろいろ
社会に貢献をしましても、そういうことが評価をできないというようなことになっておるようでございます。こういうことに対して工夫をし、そして高度
技能者が育っていくような
社会環境をつくっていく、そういうムードづくりをしていくということが大切なのではなかろうかというふうに思っておるわけでございます。
日本の
経済を支えてきた自動車
産業、また家電
産業、これらでももう今どんどん海外に生産拠点も移しておりますし、海外での生産台数がもう既に国内の生産台数の半分以上を超えておる。さらには、家電製品などにつきましては、逆に
日本の方が何分の一かに減ってしまっておる。そして、それが逆輸入として入ってきておるというふうな実態も多々見られるわけでございます。そういうふうなことに関してどのような施策を今後とっていかれようとしておるのか、大臣の方からお答えをいただければと思います。
以上です。