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佐藤(剛)
委員 自由民主党の
佐藤剛男でございます。
ただいま、私のふるさと、
福島の御出身であられます
岡野労働大臣、私
ども福島県の期待を一手に担っておられる
大臣でございまして、日々の御活躍に
敬意を表する次第でございます。また、このたび
障害者の
雇用の
促進に関する
法律の
改正に踏み切られまして、改めまして
敬意を表する次第でございます。
私も、
小規模施設を
授産所にいたしたり、あるいはそういう
障害者の
施設に対しましていろいろな、
政治家としまして弱い人の、と言ってはいかぬですが、そういう
立場にある人を守る、こういうことを
基本としている姿勢を持っておりますので、この問題に対しまして、この
機会に幾つか、日ごろ
考えております
見解等につきまして、
大臣にお伺いいたしたいと思うわけであります。
この
障害者のといいますのは、
労働省の面におきましては
雇用、それから人の
ライフサイクルからいえば、
精神障害という形で生まれた方もありますし、
身体障害で生まれた方もある。そして
文部省の
関係になりますか、
養護関係の
学校、それから親の会を経て
授産所あるいは
施設、こういう
人たちの
最後は、
最後と言ってはなんですが、
ライフサイクルといたしまして、
高齢者問題というものを非常に重要視いたしておるわけであります。
現在、
厚生委員会において
介護保険という問題を
議論しているわけでありますが、そういう問題も人間の
一つの
ライフサイクルでございますから、そういう中において各省が、
労働省が
一つの切り口をし、そして
厚生省があれし、
文部省がやっておる、そういう面でございまして、お互いの省の連携というのは極めて重要だという意識でございます。
私が非常に感銘しております
作文コンクールというのがございます。これは親の会の母親の
作文コンクールでございまして、その
一等賞がこういうものでございました。
神様、私を娘より一日長く生かしてください。これが
一等賞でございました。それから
障害者の
子供の
一等賞は、お嬢さんでしたけれ
ども、こういうものでした。
神様、私を一日
お母さんより長く生かしてくださいと。私は、
障害者問題の悩みというのはそこにあるのだろうと思うわけですね。
ところが、親がいる場合はいいのです。
親兄弟がもういなくなってきます。
高齢者問題というのが出てまいります。そこで、
施設という問題が出るわけでありますが、
施設等については、私の場合
福島でございますけれ
ども、十分ではない。また、古い建物があるわけでありまして、それを直さなければならぬという問題を抱えるわけであります。
そういういろいろな問題を含んでいる問題でございまして、その面で、今般、今まで
身体障害者のみを
対象といたして
法定雇用率が
設定されたものを、
精神薄弱者について
算定基礎へ入れるということは一歩前進であると私は思いますが、それと同時に、問題は、
企業の
立場も
考えてもらわなければいけない。
今の状況はどうかといいますと、
企業側の
立場といいますのは、採用をしたがらない。なぜしたがらないかというと、それは、トイレの
施設整備をしなければいけない、あるいは
段差を直さなければいけない、もろもろの問題があるわけでございます。それならば、三百人以上の
従業員を雇っている
人たちは、
納付金を出してしまおう、そしてあれしようという
一つの動きがあることは事実でございます。ですから、そういうふうなこともあって、今まで
精神薄弱者というのが
算定基礎には加えられないで来ていた
経緯もあるんだろうと私は思うわけであります。
それは、
障害者の
雇用対策の変遷を見てみますと、
昭和三十五年に
身体障害者雇用促進法が制定されまして、そのときは
身体障害者雇用率の
設定というのは強制的じゃございませんでした。それから、
昭和五十一年に
身体障害者雇用促進法が
改正されまして、そして、
身体障害者雇用率制度が法的に義務化される。それと同時に、
精神薄弱者への
適用というのがなされたわけでございまして、それによって、
納付金の減額あるいは
助成金というようなものができ上がっております。それから、
昭和六十二年にこの
法律が
改正されているわけであります。そして、いろいろ近時における世界的な流れ、ESCAPにおいての
障害者十年
対策とか、それから、
平成七年には
障害者プランができ上がったわけであります。
それで、
大臣、
参考資料で拝見いたしますれば、大まかに言いますと、現在
障害者は五百万人おられます。その中で、
身体障害者というのが約三百万人、それから
精神薄弱者というのが約四十万、それから
精神障害者が約百六十万、私はそんなような
感じで全体を思っているわけであります。そして、
精神障害者それから
精神薄弱者の
授産施設、できるだけ私も
自分でお手伝いして手がけたわけでございますが、そういう
授産施設、三十人なら三十人のところに集まって、そこへ
仕事が来て、
部品関係なら
部品関係のそういう
仕事をする。定型的なものなら十分できるのです。
企業に行くにはいろいろな問題があります。ですから、母の会の
人たちは、
社会復帰よりも
授産所の中で
仕事が欲しい、こういう声が多いわけでございます。
つまり、こういうことが
考えられないかという
問題提起なんですが、
雇用率の
算定基礎ということで、今度は
精神薄弱の人を
企業に入れる、こういう思想でございますけれ
ども、
企業側から、例えば三百人以上の
中小企業あるいは大
企業、結構
下請関係で、例えば紙器の
のりをつける
作業だとかいろいろな
作業があります。そういう
人たちに対して
雇用率という形じゃなくて、
仕事が
授産所に行ったならば、そういうのを
一つの
雇用率と同じような形でこれを計算してみる。これを将来の、将来の問題でいいですが、そういうふうなことをお
考えいただけないか。
これは、この
法律をけなしているわけじゃないですよ。私の言っているのは御理解賜れると思いますが、そういう
授産所に
仕事が欲しい。それで、
授産所に持ってきてくれた、金額で計算できますから、Aという
会社がこのところに
のり加工、何々というのを持ってくる、それを
促進させる、そういうふうなことを思っているわけでございます。
私、まず、十分の間に御質問する
問題点だけを
指摘しますが、それが一点。それから次は、
時短の問題との
関係がございまして、時間
短縮措置ということで四十時間へ
移行ということで、このたびは
法律も衆議院では通したわけですね。それでそのときに、
時短の問題と
障害者の
雇用促進との問題に矛盾が出てくるのじゃないかという
感じを私持っているのであります。
といいますのは、今般、
指導期間という形になりましたが、
中小企業の四十四時間の対応になっている例えば
パン屋さんあるいは
豆腐屋さん、具体的に言いますと。そういう、朝早くしなければいけないような方、結構雇っているわけでございます。
時短が四十時間になると、
経営者としては、雇っている
人たちが非常に困ったなという声を現実に聞いて、そういう意味で私は、罰則を
適用するというようなことじゃなくで、この
時短というのはみんなが望んでいるのだから、慌ててやることはないので、そういう
指導期間をという形でやることがいいのだということの
議論をした
経緯があるわけでございます。
しかし、そういう
時短へという道をやっていきますと、
時短奨励金とかなんとかありますけれ
ども、この
人たちを雇ってくれている人が非常に困る
部分がある。ですから、今現在、
中小企業は四十四時間になっている。小売、卸それから旅館、サービスは四十六時間になっている。そういう、
業種でとらえていますね。そういうようなものについて、
障害者を雇っている
人たちを、
業種単位ではなくて何かうまい形で、
業種にとらわれずに、そういう形で救われる、救われるというか
猶予措置を講ずることを
考えるべきではないか。これが第二点目でございます。
それから第三は、次の
高齢者の問題でございまして、
社会復帰いたしましたが、
豆腐屋さんに行きました、
パン屋さんに行きました、ところが年をとるわけですよ。先ほど言いましたように
ライフサイクル、例えば六十歳が定年でありますと、その後に、これは
お母さん、お父さんがいればいいのですよ、
子供の還暦、親も立ち会う
長寿国と言われているのだから、
子供が六十歳になって親がおるかもしれませんが、どちらかといいますともうお年寄りです。そういうふうな場合に、引き取る
施設というのはすごく難しいのです。一たん
社会復帰した人で、今度は戻ってくる、戻ってくるといっても、既存の
施設なり、
施設自身が足りないわけですから。これは人生八十年、九十年の
時代に来ているわけだから、そういう面での
配慮が必要なのではないか、私はこういうことを、この三点を中心にお聞きいたしたいと思っているわけでございます。
ということの前提で、まず最初に戻りまして、
法律の
達成率の
基礎には、今この法案にはありませんが、将来の問題として、私の
考え方をどのように
大臣お
考えになるか。つまり、
授産施設に物を頼む、三百人を超えない、それで
資本金が一億未満というものは
中小企業ですから、そういう
中小企業がいます。つまり、親
企業というのがあって、
下請があって、
中小企業があって、さらにその
下請、孫ですね、孫の孫みたいな形。しかし、ちょっとした
部分だけはできる、それで非常に
福祉に対して
関心を持っておる、こういうような
方々を、そういうことを何かでやりますと、そこのところに、
授産所に物が来るのですよ。そうしますと
授産所が非常に潤ってきまして、また待機している
人たちを入れることができる。そういう点について、まず
大臣の御
見解をお伺いいたしたいと思います。