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高橋主査 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
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平成九年度通商産業省関係
予算及び
財政投融資計画の
説明
平成九年度の通商産業省関係
予算及び
財政投融資計画について御
説明申し上げます。
まず、
平成九年度における通商産業省の
一般会計要求額は、九千二百五十五億円であり、前年度当初
予算額九千百八十八億円に対し、三十七億円の増加となっております。
財政投融資計画は、財政投融資規模ベースで八兆六百十七億円となっております。なお、この中には産業投資特別会計からの出融資三百九十五億円が含まれております。
次に、
重点事項別に、
予算及び
財政投融資計画の
概要につき御
説明申し上げます。
我が国の
経済社会が新しい時代に向かう中で様々な変革が求められている今日、通商産業省の当面する課題は、広範かつ重要であります。
まず、
景気の自律的回復軌道への道筋を確実にすることが喫緊の課題であり、そのために何よりも、
平成九年度
予算の早期成立を図ることが不可欠であります。同時に、私といたしましては、二十一世紀に向けて
我が国経済の展望を開いていくことが出来るよう、通商産業
政策の
推進に、陣頭に立って取り組んでまいります。
このような認識の下に、通商産業省としましては、
平成九年度の関係
予算及び
財政投融資計画の作成に当たり、次に申し上げる四つの柱からなる基本方針に沿って、
政策を展開してまいります。
第一の柱は、「
経済構造改革の
推進」であります。
産業の空洞化の懸念をはじめ、
我が国の将来に対する危機感が高まっております。今こそ、
経済、社会システムを抜本的に
改革していくことが必要であり、
政府としては、「六つの
改革」に取り組んでいるところであります。中でも、
経済構造改革については、一刻の猶予も許されない緊急の課題であります。昨年十二月には、関係省庁の
協力を得て、「
経済構造改革の変革と創造のためのプログラム」をとりまとめ、これを閣議決定したところでございます。このプログラムにおいては、新規産業の創出、国際的に魅力ある事業環境の
整備及び
経済活力の維持・向上のための公的負担の抑制を重点として、抜本的な
改革を進めることとしておりますが、当省としては、特に、「地域産業空洞化対策」、「
研究開発」、「情報化」を中心に思い切った施策を
推進してまいります。
第一に、近年高まっている地域産業空洞化の懸念に対処するためには、ものづくりの基盤である産業集積や産地などの中小
企業の集積を
活性化することにより、地域産業の自律的発展を図ることが緊急の課題となっております。このため、「特定産業集積の
活性化に関する臨時措置法案」を今国会に提出し、関係省庁との連携の下、総合的な施策を講ずることとしております。
具体的には、これらの集積を
活性化するため、
研究開発施設・設備、人材育成施設、賃貸工場等の産業インフラ
整備として六十億六千八百万円を計上しております。
また、集積内の中小
企業の新商品開発、人材育成等に対する支援等に二十億四千七百万円を計上しております。
さらに、
関連予算として、地域コンソーシアム
研究開発、新規産業創造技術開発支援制度等、地域における
研究開発を重点的に助成するため、六十八億五百万円を計上しております。
その他、中小
企業対策等の
関連予算を含め、「地域産業空洞化対策」全体として総額二百二十五億四千百万円を計上しております。
第二に、「
研究開発」の大胆な
推進により、新規産業の創出を図っていくことが不可欠であります。このため、新規産業の創造を目指した民間
企業の
研究開発を支援するため、新規産業創造技術開発支援制度の大幅拡充を図り、四十二億四千九百万円を計上しているほか、新たに、国研・大学・
企業等からなる地域コンソーシアムが、産学官の連携の下で
研究開発を
推進するよう、二十億三千六百万円等を計上しております。
また、競争的
資金の積極的な導入を図り、バイオ、情報・通信等重要技術分野につき、公募・競争を通して有望なテーマに
資金を重点配分する「競争特研」制度を創造いたします。また、脳科学
研究、地震
調査研究等省際的な
研究テーマについて、各省連携して
研究開発を行う「各省連携・共同プロジェクト枠」を設ける等、国立
研究所における創造的
研究開発を進めてまいります。これらについて、七十一億二千三百万円等を計上しております。提案公募型の
研究開発を拡充し、「新規産業創造型提案公募」として、四十七億円を計上しております。
第三に、情報化の
推進は、
経済の
生産性・効率性の抜本的向上等を通じた
経済構造改革の鍵であります。特に、産業分野の情報化は、
経済活動の在り方自体を変革しうるものであり、その
推進は
我が国の喫緊の課題となっております。このため、電子商取引の
推進に十一億五千七百万円、超高度先端電子技術開発促進制度に三十一億二千万円、先進的情報通信システムモデル都市構築事業に十億円等を計上しております。
第二の柱は、「中小
企業対策の
推進」であります。
我が国経済社会の進歩と発展の基礎となるべき中小
企業が、先行きに明るい
見通しを持って、構造
変化の流れを積極的に乗り切っていくことが重要であります。このため、地域中小
企業集積の維持・発展に対する支援、新規事業育成や技術開発・情報化対策を含めた経営革新のための支援に努めるとともに、小規模
企業への支援、中小流通業の
活性化対策を通じ、引き続き中小
企業の構造
改革の
推進、経営基盤の安定・
強化のための対策を切れ目なく講じてまいります。
このため、中小
企業対策
予算として、
通商産業省所管一般会計総額千二百四十七億円を計上しております。
具体的には、さきほど申し上げた、「特定産業集積の
活性化に関する臨時措置法案」に
関連して、産地等の地域の中小
企業集積におけるインフラ
整備や、
研究開発、人材育成等の支援策に四十一億円を計上しております。
また、経営革新に取り組む中小
企業による技術・
資金・人材など各種の経営資源確保を支援する「ものづくりネットワーク」の構築を
推進してまいるとともに、技術開発支援等に百三億円、情報技術の活用による経営革新に二十五億円を計上しております。
さらに、商工会・商工会議所を通じた小規模
企業対策に二百二十六億円、商店街
活性化や情報化の
推進のための中小小売商業対策に百六十三億円を計上しております。
第三の柱は、「環境と共生し、
国民生活を重視する
経済社会の構築」であります。
我が国のみならず、世界
経済が持続可能な
成長を実現するためには、環境保全、エネルギー・セキュリティー、
経済成長をバランスよく達成することが不可欠であります。このため、省エネルギーの
推進、新エネルギーの導入、原子力の開発・利用等により、エネルギーの安定供給確保を図るとともに、地球環境問題への積極的対応を図ってまいります。
具体的には、新エネルギーの導入を促進するため、太陽光発電の市場自立化のための補助制度を抜本的拡充して百十一億八百万円、新エネルギーの導入を行う事業者への助成制度の創設に十一億二千三百万円を計上するとともに、地域における新エネルギー・省エネルギーの取組に対する支援制度の創設に二十二億四百万円を計上しております。
また、エネルギー安定供給確保のため、国民的合意形成と安全確保を
前提とした原子力立地の
推進に七百八十一億三千百万円を計上するとともに、石油国家備蓄の着実な
推進に三千二百三十億四千五百万円等を計上しております。
さらに、環境問題への対応として、革新的地球環境技術開発等の
推進に九十七億六百万円、気候変動枠組条約第三回締約国会議(COP3)への支援等に四億七千六百万円を、リサイクル
関連技術開発等の
推進に九十四億七千九百万円を、ゼロ・エミッション構想の
推進に五億七千百万円を、それぞれ計上しております。
第四の柱は、「グローバルな
経済ネットワーク時代にふさわしい国際的
取り組み」であります。
アジア太平洋地域との緊密な
経済ネットワークの構築に重点を置いて、
経済インフラの
整備等を
推進するとともに、対日
市場アクセスの拡大、国際産業交流に対する支援等により、貿易・投資の円滑化を図ってまいります。
具体的には、貿易・投資の自由化・円滑化に資する
経済・技術
協力を
推進するためのAPEC拠出金として二億円を計上しております。
また、
我が国市場アクセスの
改善を図るため、輸入促進地域(FAZ)について、ハード面の支援に加え、ソフト面での支援を拡充することとし、
関連予算として六億七千万円等を計上しております。
さらに、西暦二千五年における
我が国(愛知県)での国際博覧会開催に必要な
経費として四千五百万円、リスボン国際博覧会事業への参加のため二億百万円、ハノーバー国際博覧会事業への参加のため二千万円を計上しております。
以上、
平成九年度における通商産業省関係の
予算及び
財政投融資計画について、その
概要を御
説明申し上げました。
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