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中野(正)
分科員 時間がありませんから、私の
考え方をずっと申し上げてまいりますので、後で御返事をいただきたいと思います。
やはり大切なことは、長期債務の実態について
国民にオープン、まさに情報公開でありますけれ
ども、これが基本姿勢でなければならない。昭和六十二年十月ですか閣議決定で、地価高騰に対処するため土地売却を見合わせた。今その責任を問う声もありますけれ
ども、当時は与野党含めて、土地を売るな売るなということで清算
事業団の土地売却にストップをかけた。まさにマスコミ全社そうであったわけであります。しかしまた、大変残念でありますけれ
ども、バブル崩壊後の地価の低迷がありまして、結果的に今のような多額の債務が残っておることも事実でありますから、そういった
状況も、
国民の皆さんにはしっかり理解していただけるように、オープンに
お話を申し上げるということが大事だと思っております。また、ただ反省点としては、株式売却がおくれたということは大変残念だったな、そう思っております。
ちなみに私は、この長期債務の処理の問題について、三つの
考え方を実は持っておるのであります。
まず一つ目は、国鉄改革のときの国鉄長期債務等の分担及び処理の
考え方で示されたように、最終的に国において処理されるもの、十三兆八千億円、これはもう一般
会計につけかえる。物事が行き詰まったときには原点に返れということでありますから、もう原点に返ってそう思います。そして二番目には、今JR各社の二千億円納税分のうち国庫は一千億強だと思いますけれ
ども、それをそのまま長期債務に充当するのはどうか。それから、三つ目でありますけれ
ども、これが大事でございます。実は、目的税であります揮発油税などを廃止して、そのかわり、二酸化炭素税を創設するということはいかがなものであろうか。
私の地元に、河北新報という東北で一番大きい新聞社があります。三月一日、「先進二十カ国の温暖化対策
日本ワースト二」、WWF、これは世界自然保護基金というところでありますが、
通信簿発表、明確な姿勢に欠ける我が
日本、こういうことでございました。評価は、CO2の排出量。それから二番目は、二〇〇〇年には
各国とも総排出量を一九九〇年レベルに戻すとした九二年の約束を守れるかどうか。三番目は、二〇〇〇年以降の対策を急ぐ立場をとっているかどうか。四番目は、一人当たりのCO2排出量。この四項目で評価をしました結果、残念ですが
日本は後ろから二番目、こういうことなんであります。実は、ことしの十二月に、気候変動枠組み条約第三回締約国
会議が京都市で開催をされます。ホスト国として緊急な取り組みが必要。もちろん、我が党の
環境部会も、
環境庁も一生懸命の取り組みはいたしております。実は、WWFでは、「現在の
各国の提案では、温暖化がもたらす破壊的な影響から地球を守れそうにない。」と結論づけておるのであります。
そういう
意味で、すべからくこういった対応策にはお金が問題であります。二酸化炭素を排出するすべてがその税の対象だということでどうなんであろうか。一つには、基本ということになろうかと思いますけれ
ども、もちろん旧来どおり車であります。また、税率軽減の道は当然
考えなければなりませんけれ
ども、鉄道あるいは飛行機などの大量輸送機関、電力も対象あるいは法人税減税も前提にしなければならない
議論になるであろうと思いますけれ
ども、工場からの排出も含まれるわけであります。そういったすべてを二酸化炭素税ということで負担をいただく。
使い道はどうか。まず一番目ですが、十三兆八千億円を除く国鉄長期債務の処理に一部を使う。暫定的にということで、終われば後は、温暖化あるいは地球
環境を守るということの経費に使わせていただくということであります。大義名分を
考えるといろいろ難しいのでありますけれ
ども、鉄道はここ何十年かクリーンエネルギーで頑張ってきていただいておりますけれ
ども、残念ですが結果として赤字、国有鉄道の分だけはせめてこれで一部補てんをしていこう。それから、二番目でありますけれ
ども、道路目的税の旧来の趣旨を一部生かした形で、道路
整備にも使わせていただいたらいかがか。三番目には、やはり代替エネルギーということもこれありでありますから、新エネルギー
政策に活用しなければならない。四番目、申し上げました何よりもCO2がもたらす地球温暖化対策の総合的取り組み、まさに抜本的な取り組みをする費用に充てる。こういうことでありますと、それぞれの比率は別として、一石四鳥の効果になるのではないか。
もちろん、いろいろ
考え方がありますから、簡単でないことは承知をいたしておるのでありますけれ
ども、私自身、万機公論に決すべしだと思っておりますから、運輸
大臣ののりを越える部分も当然ありましたけれ
ども、政治家として運輸
大臣、どうお
考えになられますか。お聞かせをいただきたいと思います。