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1997-03-03 第140回国会 衆議院 予算委員会第七分科会 第1号 公式Web版

  1. 会議録情報

    分科会平成九年二月二十五日(火曜日)委員 会において、設置することに決した。 二月二十八日  本分科員委員長指名で、次のとおり選任さ  れた。       関谷 勝嗣君    葉梨 信行君       松永  光君    小池百合子君       二階 俊博君    矢島 恒夫君 二月二十八日  葉梨信行君が委員長指名で、主査選任され  た。 ————————————————————— 平成九年三月三日(月曜日)     午前十時開議  出席分科員   主 査 葉梨 信行君       関谷 勝嗣君    滝   実君       小池百合子君    今田 保典君       二階 俊博君    石井 郁子君       矢島 恒夫君    兼務 相沢 英之君 兼務 大村 秀章君    兼務 菅  義偉君 兼務 渡辺 博道君    兼務 石井 啓一君 兼務 鍵田 節哉君    兼務 松浪健四郎君 兼務 池田 元久君    兼務 鉢呂 吉雄君 兼務 畠山健治郎君    兼務 小坂 憲次君  出席国務大臣         運 輸 大 臣 古賀  誠君  出席政府委員         運輸大臣官房長 土井 勝二君         運輸大臣官房総         務審議官    西村 泰彦君         運輸省運輸政策         局長      相原  力君         運輸省鉄道局長 梅崎  壽君         運輸省自動車交         通局長     荒谷 俊昭君         運輸省海上交通         局長      岩田 貞男君         運輸省海上技術         安全局長    山本  孝君         運輸省港湾局長 木本 英明君         運輸省航空局長 黒野 匡彦君  分科員外出席者         大蔵省主計局主         計官      南木  通君         運輸大臣官房会         計課長     石川 裕己君         郵政大臣官房企         画課長     森   清君         労働省労働基準         局安全衛生部労 三觜 文雄君         働衛生課長         建設省都市局街         路課長     奥野 晴彦君         建設省道路局企         画課長     佐藤 信秋君         建設省道路局国         道課長     城処 求行君         自治省財政局指         導課長     野平 匡邦君         自治省税務局固         定資産税課長  片山 善博君         予算委員会調査         室長      大坪 道信君     ————————————— 分科員の異動 三月三日  辞任         補欠選任   関谷 勝嗣君     大野 松茂君   松永  光君     滝   実君   小池百合子君     今田 保典君   矢島 恒夫君     佐々木憲昭君 同日  辞任         補欠選任   大野 松茂君     山口 泰明君   滝   実君     棚橋 泰文君   今田 保典君     中野  清君   佐々木憲昭君     正森 成二君 同日  辞任         補欠選任   棚橋 泰文君     松永  光君   山口 泰明君     関谷 勝嗣君   中野  清君     小池百合子君   正森 成二君     石井 郁子君 同日  辞任         補欠選任   石井 郁子君     矢島 恒夫君 同日  第一分科員小坂憲次君、第二分科員渡辺博道  君、第三分科員相沢英之君、第五分科員石井啓  一君、鍵田節哉君畠山健治郎君、第八分科員  大村秀章君、菅義偉君、松浪健四郎君、池田元  久君及び鉢呂吉雄君が本分科兼務となった。     ————————————— 本日の会議に付した案件  平成九年度一般会計予算  平成九年度特別会計予算  平成九年度政府関係機関予算  (運輸省所管)      ————◇—————
  2. 葉梨信行

    葉梨主査 これより予算委員会第七分科会を開会いたします。  私が本分科会主査を務めることになりました。よろしく御協力のほどお願い申し上げます。  本分科会は、運輸省及び郵政省所管について審査を行うこととなっております。  なお、各省所管事項説明は、各省審査の冒頭に聴取いたします。  平成九年度一般会計予算平成九年度特別会計予算及び平成九年度政府関係機関予算運輸省所管について、政府から説明を聴取いたします。古賀運輸大臣
  3. 古賀誠

    古賀国務大臣 おはようございます。  運輸省所管平成九年度予算につきまして、その概要を御説明申し上げます。  まず、一般会計予算でございますが、歳出予算額として九千五百三十五億三千二百万円を計上しております。  次に、特別会計予算でございますが、自動車損害賠償責任保険特別会計につきましては七千七十一億四千六百万円、自動車検査登録特別会計につきましては四百九十三億九千九百万円、港湾整備特別会計につきましては四千九百十九億三千七百万円、空港整備特別会計につきましては四千七百八十二億千四百万円をそれぞれ歳出予算額として計上しております。  また、財政投融資計画中には、当省関係公団等分として一兆二千二百八十四億円が予定されております。  以下、主要な事項につきまして御説明申し上げます。  まず、鉄道整備につきまして申し上げます。  整備新幹線建設につきましては、昨年十二月の政府与党合意に基づき三線五区間の着実な整備を進めるとともに、未着工区間については、整備区間ごと収支採算性の見通し、JR貸付料等負担並行在来線経営分離についての地方公共団体同意JR同意等基本条件が整えられていることを確認した上で、適切に対処してまいります。  地下高速鉄道等都市鉄道整備幹線鉄道活性化等につきましては、必要な助成を行い、整 備を推進してまいります。  国鉄長期債務等の問題につきましては、その本格的処理実施が緊急の課題となっていることから、これを平成十年度より実施することとし、本年中に成案を得るべく具体的処理方策検討を進めるとともに、平成九年度においては、臨時異例措置として、事業団借入見込額約三兆円に相当する有利子債務を無利子化する等、金利負担軽減措置を講ずることとしております。  次に、港湾及び海岸整備につきまして申し上げます。  港湾整備事業につきましては、グローバル化時代への対応、高コスト構造の是正、生活大国づくりに資するために、国際競争力強化のための大水深かつ高規格国際海上コンテナターミナル整備物流コスト削減のためのコンテナターミナル拠点的整備、切迫する廃棄物問題に対応するための廃棄物海面処分場整備事業を最重点施策として推進することとしております。  海岸事業につきましては、国土保全自然環境との調和、市民に親しまれる海辺の創造を図るため、海岸保全施設海岸環境整備等推進することとしております。  次に、空港整備につきまして申し上げます。  大都市圏拠点空港について、新東京国際空港整備及び東京国際空港沖合展開事業推進を図るとともに、新三大空港プロジェクトとして、関西国際空港の二期事業、中部新国際空港及び首都圏空港事業推進することとしております。また、航空ネットワーク充実を図るため、地域拠点空港地方空港等整備推進するとともに、あわせて周辺環境対策航空路施設整備等推進することとしております。  なお、沖縄振興推進観点から、空港使用料特例措置等により本土と那覇の間の航空運賃を引き下げることとしており、所要の財源措置を講じております。  以上、運輸省関係社会資本整備について申し上げましたが、各施設整備する公共事業全般につきまして、投資の一層の重点化を図るとともに、建設コスト縮減行動計画を策定する等、効率的かつ効果的な実施に努めることとしております。  次に、地域における公共交通維持整備につきまして申し上げます。  地域住民生活に不可欠な地方パスの運行の確保、バス交通活性化中小民鉄近代化等を図るため、これらに要する経費の一部を補助することとしております。  また、離島住民生活に不可欠な公共輸送を確保するため、離島航路事業の欠損、船舶建造費用及び航空機購入費用の一部につきまして補助することとしております。  次に、海運造船及び船員雇用対策につきまして申し上げます。  海運対策につきましては、国際船舶制度推進事業日本開発銀行融資等外航海運国際競争力強化のための諸施策推進することとしております。また、国内船舶共有建造等を行うこととしております。  造船対策につきましては、メガフロート研究開発事業等に対する支援船舶輸出に必要な日本輸出入銀行からの融資等を行うとともに、我が国が昨年批准した造船協定の円滑な履行を図ることとしております。  船員雇用対策につきましては、減船に伴う漁業離職者に対する職業転換給付金の支給、離職高齢船員活用対策等施策推進することとしております。  次に、人に優しい交通の実現、観光振興等につきまして申し上げます。  高齢者障害者の方々が交通施設を円滑に利用できるようにするため、鉄道駅における障害者対応型のエレベーター等整備を促進するため、必要な経費の一部を補助することとしております。  また、観光交流の拡大及び観光振興を図るため、国際観光振興会による効果的な誘客、宣伝活動等実施観光基盤施設整備推進することとしております。  次に、国際協力につきましては、開発途上国における交通基盤整備人材養成環境保全、輸送安全への協力等事業推進することとしております。  貨物流通対策につきましては、日本開発銀行からの融資等のほか、物流効率化の一層の推進に必要な調査を行うこととしております。  さらに、技術開発につきましては、二十一世紀に向けてより高度な運輸サービスを提供するため、リニアモーターカー等技術開発推進に必要な経費の一部を補助するほか、運輸分野における技術の創出、高度化に資するため、基礎的研究推進制度整備することとしております。  次に、海上保安体制充実強化につきまして申し上げます。  国連海洋法条約批准に伴う新たな海洋秩序の形成などに対応して、海上保安庁の船艇航空機整備海洋調査充実強化等推進するとともに、航路標識整備推進することとしております。  次に、気象業務体制充実強化につきまして申し上げます。  観測予報体制強化するため、静止気象衛星及び観測予報施設整備推進するとともに、地震・火山対策として監視体制強化を図ることとしております。  また、地球環境問題に的確に対応するため、気候変動対策強化を図ることとしております。  以上申し述べましたほかにも、運輸行政の要請である交通安全対策を初め、各般にわたる施策推進するため必要な予算を計上しております。  以上をもちまして、運輸省所管平成九年度予算につきましての説明を終わります。  何とぞよろしく御審議のほど、お願い申し上げます。  以上でございます。
  4. 葉梨信行

    葉梨主査 以上をもちまして運輸省所管についての説明は終わりました。     —————————————
  5. 葉梨信行

    葉梨主査 この際、分科員各位に申し上げます。  質疑の持ち時間はこれを厳守され、議事進行に御協力を賜りますようお願い申し上げます。  なお、政府当局におかれましては、質疑時間が限られておりますので、答弁は簡潔明瞭にお願いいたします。  これより質疑に入ります。  質疑の申し出がありますので、順次これを許します。菅義偉君。
  6. 菅義偉

    ○菅(義)分科員 私は、神奈川県の第二区より議席を得ております自由民主党の菅でございます。  早速質問をいたします。  我が国のように周辺を海に囲まれた島国において、この激しい国際間の経済競争に打ちかって、安定をして発展をしていくためには、私はやはり国際的なハブ空港建設ハブポート整備というのが極めて重要であると考えております。  そこで、空港港湾中心質問をいたします。  まず最初に、港湾についてお尋ねをいたします。  国際海上物流中心であります外航コンテナ輸送は、超大型コンテナ船投入寄港地集約化などが具体的な現象としてあらわれておりますし、特に、主要な船会社は超大型コンテナ船建造を急速に進めております。国際的なハブポートとしてのハード面最低条件は、こうした大型船の接岸できるいわゆる十五メートルバースをどれだけ兼ね備えることができるかどうか、そういうふうに私はなっていると思いますけれども、特に我が国において現在供用を開始されておりますのは、神戸の二港であります。  運輸省の資料によれば、二〇〇〇年供用開始我が国においては全体として十四パース、しかし一方、競争相手であります香港や台湾、特にシンガポールにおいては、現在六パースから二〇〇〇年には十三バース香港は四バースから十六バー ス、高雄とか釜山も三バースから四バースと、こういう東アジアの港が二〇〇〇年においてはこれだけの規模で供用を開始される。今の我が国整備状況の中で、こうした東アジア諸港との競争に果たして打ちかつことができるかどうかということを私は非常に疑問に感じておるものであります。  大水深コンテナパース整備港湾整備の最大かつ緊急性の高い課題であることを認識して、短期間での整備が可能となるように、従来以上に拠点的また重点的な予算配分というものが必要ではないかと思いますけれども、いかがでございましょう。
  7. 木本英明

    木本政府委員 国際ハブ港湾といいますか、大水深コンテナ船大型化対応する大水深、高規格コンテナターミナル整備先生今おっしゃられましたように、我が国港湾政策の最重点課題といいますか最優先課題になっておりまして、八年度から始まります第九次港湾整備五カ年計画におきましても、そういったコンテナターミナル整備に最も重点的に投資をしていこうという考え方をいたしております。  国際海運ネットワーク拠点となります東京湾、伊勢湾、大阪湾、それから北部九州のいわゆる中枢国際港湾と言っておりますが、国際ハブ港湾とも呼んでもよろしいかと思いますが、そういったところに、今先生おっしゃられました、二〇〇〇年までに合計十四バースの十五メートル級のコンテナターミナル整備していく、こういった整備が整えられれば、最低限我が国国際基幹的なネットワークから取り外れることのない状態が確保できる、こういうふうに考えております。
  8. 菅義偉

    ○菅(義)分科員 さらに、バース建設についてでありますけれども我が国の主要港においては、船会社に専用的に貸し付けをすることを前提にそれぞれの埠頭公団に対して国が貸付金制度、こういう低利のあるいは無利子貸付金制度によって建設をされておりますけれども、しかし、建設をすることによって貸付料というのはかなり高額であります。船会社にとっては極めて負担が多くなっておるわけでありまして、一方、欧米東アジアにおいては国費港湾整備している。我が国においても、国際競争力維持という視点に立って、このコンテナバースが主要な経済基盤であるということを考えるときに、今までの仕組みを変えて国費投入して整備をする、私はこういうふうに行うべきであると考えますけれども、いかがでしょう。
  9. 木本英明

    木本政府委員 埠頭公社制度は、外貿コンテナターミナル特定利用者専用貸し付けをする、そういった前提で設けられた制度でございまして、いわゆる一般公共埠頭ですと、不特定多数の船社といいますかユーザーの方が使える、しかし、埠頭公社の場合は専用貸し付けを受けた特定船社だけが使う、こういった前提なものですから、いわゆる支援制度としては、国からの無利子貸し付け、こういったことでやってきておるわけでございます。  今御指摘いただきましたように、その貸付料というのは、やはり港湾施設整備地点が非常に軟弱な地盤だとか海象条件の厳しい、年々そういう条件の悪いところにコンテナターミナル整備していくという状況になっておりますので、貸付料がどうしても割高になるという面は否定できないわけでございます。  そういった状況からいたしまして、やはり国際競争力を確保するということで、こういった料金改善をいろいろ手だてをしていくことが必要であろうということで、私ども平成七年度からでございますけれども、国、管理者からの無利子貸し付けの割合を、従来四割でございましたけれども、これを六割にする措置も講じておりますし、また、税制等固定資産税その他いろいろありますけれども、そういったものの優遇措置も講じてきております。また、平成九年度からは、新たに、埠頭公社コンテナターミナル耐震岸壁強化するという際には、国費投入も考えまして、そういった支援措置も講じる制度を設けるようにいたしております。  こういったことで、何とか埠頭公社コンテナターミナル料金改善できるように私どももいろいろ手だてを講じておるところでございます。
  10. 菅義偉

    ○菅(義)分科員 こうしたハード面整備と同時に、ソフト面あるいはサービス面充実というのも必要であると思っております。特に欧米先進港シンガポールなどでは、サービス高度化コスト競争力を高めるために、電子データ交換EDIの導入によって船舶の入出港手続通関手続などのペーパーレス化迅速化、さらには情報システムとリンクしたコンテナターミナル自動化などが行われております。  高度な情報通信システムとこれに対応した自動化システムの存在がハブと呼ばれる主要な港の必須条件である、こう考えますけれども我が国において、こうしたシステム構築などに当たって、国の役割をどのように考えているのか、お尋ねをします。
  11. 木本英明

    木本政府委員 コンテナターミナルは壮大な装置産業といいますか、そういったものでございますので、今先生おっしゃられましたように、情報化だとか自動化ということは非常に大事であるというふうに私どもも考えております。  そういった観点から、例えば手続等情報化につきましても、EDI化の方向に向けて私ども中心になりまして管理者ともどもいろいろ検討を重ねてきておりますし、また自動化につきましても、既にロッテルダムとかシンガポールでは自動化システムが導入されつつあるわけでございまして、そういったことも参考にしつつ、我が国でもコンテナターミナル高速化とか自動化を可能にする、次世代のコンテナターミナル構築できないかといった観点から平成八年度から調査実施しておりまして、そういったことを鋭意進めることによって国際競争力を確保できるようなコンテナターミナルにしていきたい、こういうふうに考えております。
  12. 菅義偉

    ○菅(義)分科員 さらに、我が国港湾利用にかかわる手続は極めて複雑である、そしてまた、時間がかかるということで、内外からも強い批判を浴びておるわけでありますけれども、例えば、このことについては言われ尽くしているような感じがしますが、税関は大蔵省、入管は法務省、検疫は厚生省あるいは植物は農林省とか、余りにも提出書類が異なって期間も長過ぎる。例えば、これは省庁統合とも密接な関係があろうかと思いますけれども業務を一つの窓口で可能にするなど、組織の見直しを含めて大幅な簡素化を図る必要があると考えておりますけれども、これについてはいかがでしょう。
  13. 木本英明

    木本政府委員 確かに先生指摘のように、港湾関連産業といいますか港湾関係手続各省いろいろまたがっておりますし、ユーザーにとりましては非常に複雑な形になっておるわけでございますが、やはりユーザーにとりまして手続を少しでも簡素化していくことは大変重要な課題であるというふうに私どもも考えております。  そういったことで、先ほども申し上げましたけれども港湾管理者につきましては、いわゆる最終的なペーパーレス申請ができるような体制構築に向けて現在進めております。既にファクスの受け付けにつきましては、昨年の十二月から主要港でもう始まっておりますし、今また先生が御指摘になりました各省との連携といいますか、そういったものにつきましても、私どもが現在調査を進めておりまして、いわゆるEDI化だとかコンピューターによるネットワークシステム構築することによって、いわゆるワンストップサービスといいますか、各省のそういった申請手続簡素化できるように私ども努力をしていかなければならないということで、現在そういった検討を進めておるところでございます。
  14. 菅義偉

    ○菅(義)分科員 これはぜひ早急に実施をしてほしいと思います。シンガポールでは三十分でできるけれども日本は四日かかるとか、内外の非常に強い批判を浴びておるものであります。  さらに、料金についてお尋ねをしますけれど も、外国船舶協会調査では、我が国港湾利用料金近隣アジア港湾と比べて二倍から三倍である、こう言われております。確かに、物価水準の高さというものもあると思いますけれども、しかし、国による免許制度料金認可制があることで、競争原理が十分に機能していないのだろう、こういう批判も実は多いわけであります。料金認可制強制水先制度など港湾利用料金に密接にかかわりのある項目について、今後どのように取り組んでいかれるのか、お尋ねをいたします。
  15. 木本英明

    木本政府委員 港湾料金につきましては、先生指摘になられましたように、いわゆる認可制等により国が関与するものもございますし、また、いわゆる事業者の自主的な判断といいますか商業ベースで決められる、そういったものもありまして、いろいろになっているわけでございますが、そういったものが総体として港湾関係料金ということになっているわけでございます。  確かに、近隣アジア諸港に比べまして我が国料金が割高になっているということがあるわけですけれども、やはり原因といたしましては、日本の高コスト構造の体質といいますか特性といいますか、どうしても人件費が割高だとか土地代等が割高になっているということが大きな要因になっているのではなかろうかというふうに考えているわけでございます。  そういった中で、やはり港湾料金改善していくということも大変重要な課題であるというふうに認識いたしておりまして、港湾施設使用料につきましては、先ほどお話ししましたように、いろいろな手だてを講じて、少しでも改善できるように努力をしているということでございます。また、一般公共埠頭につきましても、つい先ほどといいますか、主要港湾管理者で協議が調いまして、いわゆる使用料金を従来、二十四時間制になっていたものを十二時間制に短縮をして、少しでも料金が安くなるような手だても講ずるようにしております。  また、御指摘荷役料金につきましても、その認可に当たりましては、現在まで、取引形態に応じた割引制度を創設して、その拡充をすることにより弾力化実施してきておるという状況でございますし、また現在の代表的な荷役形態となっているコンテナにつきましても、その効率性を勘案して低廉な認可料金を設定しているという状況でございます。  いずれにいたしましても、港湾関係料金改善国際競争力を確保していく観点から非常に重要な問題でありますので、引き続きいろいろ検討努力をしてまいりたいと考えております。
  16. 菅義偉

    ○菅(義)分科員 そして、この強制水先制度であります。  私の選挙区であります横浜港では、同じ東京湾内でありますけれども東京港や川崎港は一万トン以上の船に水先案内人をつける。しかし、横浜港においてま三百トン以上の船にすべて水先案内人をつけなければならない。これは常識から考えても全くおかしい話であると言わざるを得ません。聞くところによりますと、神戸港がこの横浜港と同じである。これを近いうちに神戸港は三百トンから一万トンへの引き上げを実は図っておるというふうに聞いております。  やはりこれは大臣にお答えをいただきたいのでありますけれども、こうしたことについては神戸と時期を同じくして、横浜東京湾の東京や川崎と同じように、一万トン以上にすべきである、こう考えますけれども、いかがでしょう。
  17. 古賀誠

    古賀国務大臣 先生のお地元のことでございますので、一番詳しいのではないかと思いますが、この強制水先制度というのは、安全面、環境面という意味で大変大きな役割を果たしているわけでございます。  今御指摘いただきました神戸につきましては、大震災を契機にいたしましてこの問題が提起されまして、今有識者等による検討会を設けさせていただいて、昨年五月から検討を始めさせていただいているところでございます。非常に微妙な問題でございます、さまざまな詳細な検討というものを要する問題だと思っておりまして、横浜につきまして、今先生から御指摘いただいたように、強い御要請をいただいたことは私も承知いたしております。  ただ、今申し上げましたように、かなりきめ細かな調査が必要でございます。神戸と同じように一緒にこの問題について結論を出せというのはなかなか難しいのではないかと思っておりますが、今御指摘いただきましたような観点を踏まえながら十分前向きに検討していきたい、このように思っております。
  18. 菅義偉

    ○菅(義)分科員 ぜひ大臣の英断によって、神戸と同じ時期に一万トン以上にしていただきたいと思います。というのは、既に同じ東京湾で東京、川崎がもう一方トンでありますから、その辺のことをぜひ考慮に入れていただきたいと思います。  事前協議制度についてお尋ねをいたしますけれども、去る二月二十六日にFMCは、日本海運三社に対して、課徴金をかけると一方的に対日制裁を発表しました。これに対して大臣はすぐ抗議の談話をいたしましたけれども、しかし、今日まで我が国においては、これは民間の労働問題であると行政は不介入の立場をとってきておりました。しかし、ここまで来たらもうこれは国際問題でありますので、国が積極的なリーダーシップをとってこの問題に対処していくべきである、私はこう考えますけれども、いかがでしょう。
  19. 古賀誠

    古賀国務大臣 御指摘いただきましたFMCの問題でございますけれども、私といたしましては、FMCに対して速やかに制裁措置が撤回されるよう厳重な抗議を申し入れているところでございますが、しかしながら、今御指摘いただきましたように、さまざまな問題点が特に米船社側から言われていることは事実でございます。ぜひこの機会に、当事者間の円滑な話し合いによる合意を得るべく最大限の努力をするということが極めて必要ではなかろうかと思っておりまして、運輸省といたしましては、そういう観点からまず米船社側、もちろん日本船社側もそうでございますが、港湾協会との事前協議のあり方について理解のある合意に向かって全力を尽くしていくように指導してまいりたい、このように思っております。
  20. 菅義偉

    ○菅(義)分科員 大臣、これとも絡んでくるのですけれども我が国港湾の日曜の完全休暇制度であります。  世界の主要港コンテナターミナルは、三百六十五日そして二十四時間であります。船主が、使いやすくて安い港を選んで寄港するというのは当然のことであると思っております。国際物流ネットワークを構成する一員として、海外の主要港と同じように、三百六十五日二十四時間オープン、私はこれを実現していくべきであると思います。国際物流の中で日本の港が生き残っていくために、私はこれも重要な課題であると思いますけれども、これについてはいかがでしょう。
  21. 古賀誠

    古賀国務大臣 港湾について、先生政府委員の方でさまざまな御論議をいただいたところでございます。  まず、残念ながら港湾整備というものが東南アジアの他国に大変おくれをとっているという議論もいただいたところでございます。この点につきましては、港湾局長の方から、第九次港湾整備五カ年計画のあり方について御説明をいたしたところでございますが、そうした港湾整備を進めると同時に、今お話しいただいているように、具体的な荷役の問題というのも、国際間の競争の中では非常に大きなウエートを占めてくるのではないかなというふうに思っております。  この問題につきましても、労使間で今前向きな調整をいたしているところでございますが、基本的にはこの問題は労使の問題でございまして、関係者によります荷役サービスの向上に向けた取り組みがさらに進められるように期待すると同時に、私どもといたしましても、できる限りのお願いをしていくということは当然のことだろうと思っております。その線に沿って努力をしてまいり たいと思います。
  22. 菅義偉

    ○菅(義)分科員 まさに今日まで我が国経済を支えてきた港湾というのは、現状では私は大変危機的な状況にあると思っています。ぜひ国際競争力に打ちかつことのできるような港湾整備努力をしていただきますことを要望し、空港問題に移らせていただきます。  首都圏の空港能力でありますけれども、羽田空港の沖合展開の事業後も、もう二十一世紀の初頭には満杯になる、こう言われております。そして、新空港の候補地選定を急ぐ必要があり、政府も第七次空港整備五カ年計画の中で、海上を中心とした新たな拠点空港建設することを前提とし、事業着手を目指し、関係地方公共団体と連携しつつ、総合的な調査研究を進める必要があると表現をいたしておるわけであります。九年度もそうですが、八年度も一億四千万の調査費を計上しておりますけれども調査結果また公表についてはどのように考えているのか、お尋ねをします。
  23. 黒野匡彦

    ○黒野政府委員 今先生指摘のとおり、羽田の工事はおかげさまで順調にいっておりますが、二〇〇〇年ちょうどに新しい滑走路がもう一本できます。これをもって羽田の工事はほぼ終わりだと思っております。したがいまして、これから首都圏を中心に伸びていきます航空需要をどうやって受けるか、これは大変な問題だと思っております。  先ほど大臣から予算説明を申し上げましたが、その中でも、新三大プロジェクトという看板をつけまして、今先生指摘首都圏空港をその一つに挙げているところでございます。これにつきまして今私ども鋭意調査をしておりまして、この周辺で具体的なスペースがとれるかどうか、あるいは空域の問題はどうか、環境はどうなのか、アクセスはどうなのかということにつきまして鋭意調査中でございまして、ある程度の結果が出ました段階では当然のことながら公表をさせていただいて、また関係の方々の御批判、御意見を賜りたいと思っております。
  24. 菅義偉

    ○菅(義)分科員 また、関係地方自治体とも協議の場を設けて議論をしておるようでありますけれども、当然こうした調査結果や議論の場を通じて最終的に候補地を絞ってくると思いますけれども、候補地についてはいつごろをめどに絞り込みをするのか、お尋ねをいたします。
  25. 黒野匡彦

    ○黒野政府委員 率直に申し上げまして、候補地の選定は早ければ早い方がいいとは思っております。しかしながら、私ども成田で貴重な経験をさせていただいておりまして、関係の公共団体の方々の意見を十分聞いた上で、それぞれの方々の納得の上で候補地を決めたいと思っております。  いずれにしても、急ぎたいと思っております。
  26. 菅義偉

    ○菅(義)分科員 さらに、羽田空港でありますけれども、この三月末には新C滑走路が供用されるわけでありますけれども、沖合展開をしたことによって、騒音問題が改善をされて二十四時間の運用が可能と思われますけれども、現在深夜の十一時から早朝六時までの間、国内線は運航していないわけでありますから、この時間の間に国際線を乗り入れるべきである、こう考えますけれども、これについてはいかがですか。
  27. 黒野匡彦

    ○黒野政府委員 今先生指摘のとおり、新しいC滑走路、これが三月二十七日にオープンが決まっております。今のところ、羽田につきましては六時から夜の十一時までの運航をしておりまして、この新C滑走路ができますと、まだ地元との調整は若干残っておりますが、私どもといたしましては、二十四時間運用できる滑走路にしたいと思っております。  その滑走路をどう利用するがでございますが、国内各社も、この夜の運航あるいは深夜、早朝の運航についてどうするか、大変大きな関心を持っておりまして、いろいろ知恵を出し合って、従来とは違った国内輸送のパターンがこの二十四時間滑走路を利用してできるのではないかと思っております。今の段階におきましては、国内三社等がどういうアイデアを考えられるか、言葉は悪いですが、それを楽しみにして待っているという段階でございます。
  28. 菅義偉

    ○菅(義)分科員 今局長から答弁がありましたけれども、羽田空港においては二〇〇〇年には沖合展開事業がもう完成をする、そのときに年間約六千万人の需要があるだろうということでありますけれども、当然横浜中心とする神奈川県方面からも羽田空港利用者が多くいるわけであります。現在は、バスで羽田に向かっている、あるいは京浜急行を蒲田の駅で乗りかえをして羽田空港に来ている、こういう状況でありますけれども、何といっても横浜方面から京浜急行を蒲田で乗りかえなし、スイッチバック方式でぜひ羽田空港の地下まで入れてほしい、こういう強い要望もあるわけでありますし、やはり利便性というものを考えたときに、こういう努力もすべきであると思いますけれども、これについてはいかがでしょう。
  29. 梅崎壽

    ○梅崎政府委員 ただいまアクセスにつきまして御指摘ございました。  先生指摘のとおり、京浜急行、今の私鉄では横浜方から羽田までの直通運転ができません。これを可能とするためには、現在京浜急行の蒲田駅付近につきまして自治体と京浜急行電鉄で連続立体交差化事業計画を進めているところでございますが、これを実施しなければ直通運転が可能とならないということでございます。  この問題につきましては、今年の二月に地元に説明が行われた段階でございまして、これから地元の理解と協力も得ながら、都市計画決定をどうしていくか、あるいは都市計画事業をどう進めていくかということになっていこうかと思います。  私どもといたしましても、円滑なアクセスのために、この事業推進の必要性は認めておりますので、今後とも事業者に対しましては適切に指導していきたいと考えております。
  30. 菅義偉

    ○菅(義)分科員 この連続立体交差事業の途中でも可能であるということも私伺っておりますけれども、できるだけ早い時期に直接乗り入れができますことを要望いたしまして、私の質問を終わります。
  31. 葉梨信行

    葉梨主査 これにて菅義偉君の質疑は終了いたしました。  次に、石井啓一君。
  32. 石井啓一

    石井(啓)分科員 新進党の石井啓一でございます。  本日は、私の地元でございます東京の豊島区、練馬区の鉄道問題を中心にお聞きをしたいと存じますので、よろしくお願いいたします。  まず、JR関係でありますが、先日、豊島区の区役所の方に区内のJR整備状況についてお話を伺ったわけでありますが、区内にあるJR周辺整備に際しまして、JRとの協議が必ずしもうまくいっていなくて困っている、こういうお話がございました。  例えば、今のJR目白駅の改築工事におきましては、今回の改築にあわせて区も駅周辺に地下駐輪場を新設するわけでありますけれども、この駐輪場建設の費用負担についてJRと協議をした際、駐輪場は自治体がつくるものということで、すべて区の負担に決定をした経緯がございました。駐輪場の利用者はほとんどがJR利用者であるにもかかわらず、負担を地元自治体だけに負わせるのはいかがなものかと思います。  最近のJRは、採算性のある事業は行うけれども、なかなか地域との調和性あるいは協調性に欠ける嫌いがあるのじゃないか、こんな指摘もございまして、確かに、民営化しましたので、あれもこれもやれというわけにはいきませんし、採算性を優先するということは当然でありますけれども、地元自治体との協議に当たっては、誠意を持って協力体制をとるべきであると考えますが、運輸省の見解を伺いたいと存じます。
  33. 梅崎壽

    ○梅崎政府委員 鉄道周辺の自転車駐車場の問題でございますけれども平成六年に、いわゆる改正自転車法に則しまして、地方公共団体それから道路管理者、これを整備上の自転車駐車場の整備主体といたしまして、これに鉄道事業者を加えました自転車等駐車対策協議会というものを設置いたしまして、このもとに計画的に進めるという ことにしておるところでございます。従前、鉄道事業者がそれほど積極的でないという御批判もございましたので、私ども、自転車法の改正後、鉄道事業者あるいは全国の運輸局に、より積極的にこの協議会に参画してこの問題に対処するように指導しているところでございます。  ところで、整備する場合の負担の問題でございますけれども、当事者間でやはり十分協議してもらう必要があろうかと思います。JRに関しましては、用地の提供につきまして、できるだけ低廉な価格で貸し付けるといったようなことを基本といたしておりますけれども、今後とも駐輪場の整備は必要なことでございますので、鉄道事業者に対しまして主体的に取り組みを指導してまいりたいと思っております。
  34. 石井啓一

    石井(啓)分科員 続いて、JRの大塚駅の南北自由通路についてお伺いしたいと思います。  この件につきましては、地元豊島区も本年度、調査費をつけまして、今月中にその報告書が出される予定であります。本来であれば駅舎の改築時にあわせてこの自由通路をつくるべきでありますけれども、当分の間改築の予定がないという状況では、とりあえず南北自由通路の開設が急務となっております。  そこで、この南北自由通路の実現について、鉄道事業者としても積極的に協力すべきと考えますが、運輸省の見解を伺いたいと存じます。
  35. 梅崎壽

    ○梅崎政府委員 駅の周辺整備事業といたしましての自由通路等の整備につきましては、基本的な考え方としては都市側の町づくりの問題だと考えておりますが、当然、鉄道駅との関係でございますので、鉄道事業者と都市側との間で十分な協議が行われるべきだ、こう考えております。  御指摘の大塚駅の南北の自由通路でございますけれども、現在、地元におきまして実現に向けての調整が行われていると聞いております。JR日本が当事者でございますが、基本的にはJR日本の経営判断の問題だとは思いますけれども運輸省といたしましても、良好な町づくりの観点からこの問題について適切な対応がとられるものと期待いたしております。
  36. 石井啓一

    石井(啓)分科員 続いて、JR埼京線の延伸問題についてお伺いをいたします。  現在、JRの埼京線は、埼玉の大宮駅から恵比寿駅までの営業となっておりまして、並行して走る山手線の混雑緩和に非常に成果を発揮しておる、利用者の利便性が大きく向上している、こういう状況でありますが、利用者の中からは、恵比寿駅より先の延伸を要望する声も多くなっております。  そこで、この恵比寿駅より先の延伸について、運輸省としてはどのようなお考えであるか、伺いたいと存じます。
  37. 梅崎壽

    ○梅崎政府委員 埼京線につきましては、平成八年の三月十六日に新宿から恵比寿駅まで延伸開業したところでございます。御指摘の恵比寿から先の方、例えま大崎までといったような延長につきましては、JR日本におきまして、需要の動向も見きわめながら検討されるべき課題であると考えております。
  38. 石井啓一

    石井(啓)分科員 今後の課題であろうかと思いますが、推進方よろしくお願いをいたしたいと存じます。  続きまして、地下鉄の問題に移りまして、特に営団地下鉄十三号線の建設についてお伺いをいたします。  営団地下鉄十三号線、これは池袋から渋谷、山手線に並行して走る路線でありますけれども、実は今既に有楽町線と池袋の西側についてはダブルでトンネルが掘られておりまして、十三号線の開通が可能な状況になっておりますが、池袋から渋谷への延伸につきましては、ネックになっておりましたこの地下鉄の導入空間である都計道路環五ノ一について、当初は地元が反対であったわけでありますけれども、これが建設促進という形で態度を変えておりまして、現在は平成十年度を目途とした事業認可に向けて現地の測量が行われている、こんな状況でございます。一日も早い十三号線整備の着手が待たれているところでありますけれども、今後の事業化のめどについてお答えをいただきたいと存じます。
  39. 梅崎壽

    ○梅崎政府委員 ただいま御指摘がございました十三号線でございますが、この免許申請は昭和五十年に行われておりますけれども、これはまだ保留になっております。  保留になっているものの主要な理由の一つは、ただいま先生指摘のとおり、池袋から新宿までの路線のうちに、池袋付近では都市計画道路の環状五ノ一号線の地下を予定しておりましたが、この道路整備につきまして地元住民が必ずしもまとまらない、こういう状況であるということがその一つでございます。これにつきましては、ただいま御指摘いただきましたとおり、地元でもいろいろな御意見がありまして、現在東京都におきまして事業認定に向けまして調整中というようなことをお伺いしております。その点が解決いたしますと、この問題につきましては、問題点の一つは解決の方向が見えてくるわけでございますけれども、このほかに、この十三号線そのものといたしましては、収支採算性の見通しが立つかどうか、これにつきまして、現在の段階でまだ確たる見通しを得ていない状況でございます。  それから、これに関連いたしまして、営団の民営化の問題がございまして、要するに、営団を民営化した場合に地下鉄を整備するための助成策をどうしていくかというのが非常に基本的な問題としてございまして、ここら辺につきまして私ども今後検討をしていかなければならない、こういった点を考えますと、この事業化につきまして、今の段階でこの目途を明らかにするのはなかなか難しいという状況にございます。
  40. 石井啓一

    石井(啓)分科員 地元もこの環状都計道路、環状五ノ一の整備を促進するという、転換するに当たってはここに地下鉄十三号線が入るからと、こういうことで地元もやはり態度が変わっていったということでありますから、はしごを外されるようなことになりますと、地元も何だということになります。いろいろ問題があることとは存じますが、ぜひよろしくお願いをしたいと存じます。  今答弁の中でございましたけれども、営団地下鉄の特殊会社化に伴う問題でございます。  平成七年二月二十四日の閣議決定では、帝都高速度交通営団は「現在建設中の七号線及び十一号線が完成した時点を目途に特殊会社化を図るもの」、こういうふうにされております。具体的には、七号線が平成十一年度、十一号線が平成十二年度に開業を予定している、そういうめどで進んでいるということを考えますと、このスケジュールでいくと十二年度にも特殊会社化になり得るということであります。そうしますと、今御答弁がありましたが、運政審の答申に織り込まれた整備予定路線である十三号線、その他の二路線を建設するに当たって、特殊会社に対する国の助成措置がどうなるか、これは大きな懸案でございます。  昨年、閣議決定された行政改革プログラムの中でも、首都圏の地下鉄ネットワークの概成の進め方、助成措置のあり方等について早急に検討に着手し結論を得る、こういうふうにされておりますが、今運輸省はどのようにお考えになっているのかお伺いをしたいと存じます。
  41. 梅崎壽

    ○梅崎政府委員 平成七年の特殊法人の整理合理化に関する閣議決定に伴いまして、私ども運輸省の中で、営団の民営化に関する検討を進めるためのプロジェクトチームを設置いたしまして、今御指摘のような問題点について検討を行っているところでございます。  営団につきまして、特殊会社化した後も首都圏の地下鉄のネットワーク、これをさらに進めてほしいという要望は大変強うございますし、私どももその概成を進めていく必要があるのではないか、こう考えておりますが、例えば特殊会社、特殊会社といいましても会社でございますから、一方では利益を上げながら、一方では地下鉄整備のための助成策として補助金をどうするのかといったような問題、それが可能かどうかといったよう な問題、ここら辺の調整を図っていかなければいけないわけでございまして、なかなか大変難しい課題があるな、こう考えておるところでございます。こういったような問題につきまして、今後真剣に検討してまいりたいと考えております。
  42. 石井啓一

    石井(啓)分科員 確かに大変難しい問題であろう、このように理解しますし、また運輸省だけでなく大蔵省等との調整もございますから、運輸省だけの思いで進めるというわけにはいかない、こういうことであろうかと思います。今答弁にもありましたように、片や一方、やはり公共交通網の整備というのは、特に大都市圏の住民にとっては非常に要請をされているところでありますから、そういう課題を乗り越えて進めていただきたいと存じます。  大臣にお尋ねをいたしますけれども、今申し上げましたように営団の民営化、その第一段階としての特殊会社化に伴うさまざまな課題があるということは承知しておりますけれども、通勤通学の混雑緩和あるいは沿線地域活性化というためには、運政審答申に盛り込まれました首都圏の地下鉄ネットワークの概成、これはぜひ必要である、こういうふうに考えます。  そこで、十三号線を初めとする運政審の整備予定路線の着工を推進し、首都圏の地下鉄ネットワークの概成をぜひ図るべきだ、こういうふうに考えるわけでありますが、大臣の御見解をお伺いしたいと存じます。
  43. 古賀誠

    古賀国務大臣 今御議論いただいておりますように、昭和六十年の七月に運政審の答申を受けました路線につきましては、まさに通勤通学混雑の緩和の観点から、極めて重要な路線だというふうに認識をいたしております。これまでもそういう観点から各路線の整備緊急性等を勘案しながら逐次整備を進めてきたところでございます。一方では、今御論議をいただいておりますように、七年の特殊法人の統合、整理、こういった問題がございます。  そういった中で、今政府委員の方からも御答弁申し上げておりますように、極めて大事な首都圏の地下鉄のネットワーク、これをどういうふうに整備していくのか、その辺の調整と申しますか、極めて難しい問題だというふうに思っておりますけれども、今後必要な検討に取り組みながら、今御議論いただいております十三号線につきましても整備を進めていくという方向で考えていきたい、このように思っております。
  44. 石井啓一

    石井(啓)分科員 ぜひその方向でよろしくお願いをいたしたいと存じます。  それでは続きまして、西武池袋線の連続立体交差化事業についてお伺いをしたいと思いますが、これは連立事業でありますので、建設省さんにお伺いをいたします。  今桜台から石神井公園間の連立事業を進められておりまして、第一期工事区間が終了いたしまして、第二期工事区間の桜台から練馬駅の下り線も平成六年十月に完成をしているわけでありますが、現在、事業中でございます第二期工事区間の桜台−練馬駅間の上り線、それから第三期工事区間であります練馬−富士見台駅間の進捗状況及び完成のめどにつきまして、建設省の方から御説明いただきたいと存じます。
  45. 奥野晴彦

    ○奥野説明員 御説明申し上げます。  ただいまお尋ねのありました西武池袋線の連続立体交差事業でございますが、御指摘のとおり、平成二年に工事に着手をいたしまして、その第二期区間の桜台—練馬間につきましては、平成六年十月に下り線の高架切りかえを行ったところでございます。現在、その上り線につきましてはことしの夏に高架切りかえを行うということで、それを目指して工事を進めている状況でございます。桜台—練馬駅間につきましては、その後引き続きまして側道工事、あわせて行っております複々線化の工事を進めて、平成十二年度末までには完成させたいということを目途に事業を行っていく予定であると事業者から伺っております。  次に、第三期区間であります練馬—富士見台間でございますが、これにつきましては平成六年に工事着手をいたしました。目白通り、放射七号でございますが、その交差部を除きましては、ことしの夏に上り線、また来年春には下り線を高架に切りかえる予定だと伺っております。その後、目白通りとの交差部における切りかえあるいは側道工事、複々線化工事についても早期の完成を目指して事業を進める予定だというふうに伺っております。
  46. 石井啓一

    石井(啓)分科員 この西武池袋線の連立事業に伴う地下鉄有楽町線の相互乗り入れについてお伺いします。  今練馬駅まで有楽町線が乗り入れをしておりますけれども、その練馬駅以西について乗り入れを延伸すること、これが非常に地元から強い要望が上がっております。利用者の利便性を考えますと、一日も早い相互乗り入れの実施を望むものでありますが、物理的にはこの第二期工事区間が完了をすると、それ以西への乗り入れが可能になるということでありまして、この第二期工事区間の桜台から練馬間の連立事業の完成に伴いまして、この相互乗り入れの検討がどうなっているのか、御説明をいただきたいと存じます。
  47. 梅崎壽

    ○梅崎政府委員 西武鉄道におきましては、平成九年度末の完成を目途に、ただいま申し出がございましたような桜台と練馬間の高架化工事、それから西武有楽町線の方の新桜台—練馬間の上り線路の建設、これを進めているところでございます。このような状況から、現在、西部鉄道と営団におきまして、この完成に合わせまして練馬以遠、以西への相互乗り入れを行うことという基本方針で、現在具体的にどうするかというのを協議中でございます。
  48. 石井啓一

    石井(啓)分科員 今の時点ではどこどこまでということはなかなか申し上げられないかと存じますが、なるべく長い距離を延伸をしていただけるように御指導をしていただければと存じます。  続きまして、自治省さんにお伺いをいたしますが、これは連立事業実施しますと当然高架ができるわけでありまして、その高架下を自治体が利用するケースがございます。その際の固定資産税についてお伺いをしたいと存じますけれども、特に駐輪場で、高架下を利用いたしまして駐輪場を自治体が設置するというケースがございます。今練馬区内におきまして、鉄道事業者が駐輪場十カ所、台数にして二千三百台弱の用地を提供しているのでございますけれども、そのうち九カ所については、使用目的が公益のために直接利用するということで固定資産税の免除を適用されているわけでありますが、高架下を利用している練馬高野台駅のところにつきましては、これが鉄軌道用地だということで鉄道事業者固定資産税が課税されております。鉄道事業者が自治体に対して税額分の使用料を求める、こういうことになっておりまして、私は、このような高架下を自治体が公共的に利用する場合、固定資産税の免除ということも考えるべきではないか、実際にそういうふうな事例もあるわけでございますから。  自治省にお伺いしますけれども鉄道高架下を自治体が利用した場合、固定資産税の課税の実態がどうなっているのか、またこのようなケースで固定資産税を課税することの是非について御見解を伺いたいと存じます。
  49. 片山善博

    ○片山説明員 固定資産税の課税におきまして、課税用途で利用するケース、それから非課税用途で利用するケース、今御指摘のケースはその両方で利用するケースであります。  いろいろなケースで課税関係が問題になることがございますが、現在、高架下を公共利用している場合の実態はどうかということでございますが、それぞれの個別の具体的な実態を私ども承知しておりません。ただ、一般論で申しますと、今のようなケースは法律上は課税すべきものという規定が地方税法にございます。ただ、幾つかの事例を地方団体から聞いてみましたが、地方団体で税負担を求めているケースと、それから全部または一部について求めていないケースとさまざまでございます。これらは地方税法上、いわゆる不均一課税と申しまして、地方団体独自で非課税規定 を設けるとか課税標準の特例措置を設けるという、そういう裁量規定が地方税法にございますし、それから別途、公益減免という規定も地方税法にございます。これは一たん発生しました租税債権を、公益上の理由があるということで租税債権を消滅させるという、そういうことでございますが、それぞれの地方団体でこういうものについては判断をしているということでございます。したがって、現場の実態を見てそれぞれの市町村の判断で課税をする、もしくは課税をしない、もしくは課税をしても租税債権を消滅させる、そういうケースがあるというふうに承知しております。
  50. 石井啓一

    石井(啓)分科員 これは、自治省がああしろこうしろと自治体に指導する話ではないと思いますけれども、同じ東京都内においても、二十三区は東京都が課税をしているのですね。ここは課税をしている。ところが、東京都かのある市においてはこれは免除している。同じ東京の都内においてもそういう違いがあるのです。実は、二十三区というのは自分で固定資産税を課税しないのですね。市町村で課税をすれば、自分で課税して、それが鉄道事業者に発生して、またその使用料を求めるということになりますと、自分で課税しておいて、また自分で使用料を払うということになりますから、この際免除しようということになるわけでありますけれども、二十三区においては、東京都が課税しておいて、地元の区がその使用料を払うということになりまして、そういう違いがあるということも問題が起きている原因の一つかなと思いますが、ちょっときょうは時間がありませんので、また改めてこれについては別の機会にお伺いをしたいと思います。  続きまして、東京の二十三区周辺の環状方向の公共交通網の整備について伺います。  東京都は、ことしの二月に生活都市東京構想というのを発表いたしまして、この構想の中で二十三区周辺部における環状方向の新たな公共交通、これを発表しております。具体的に申し上げますと、二十三区の西部においては環状八号線を導入空間とした公共交通、いわゆるこれはエイトライナーというふうに一般的に言われておりますが、それと二十三区東部においては環状七号線を導入空間とした公共交通機関メトロセブン構想、このエイトライナー構想とメトロセブン構想を一体化して環状の公共交通検討していこうということで計画検討委員会を発足し、実現化に向けた調査検討を行う、こういう発表をしております。  この東京都における公共交通網は、特に区部、山手線の外側の環状方向の整備が残されておりまして、新たな環状方向の公共交通整備が急がれていると同時に、今後、一昨年の阪神・淡路大震災と同じような地震が起きた際の緊急の輸送路ということも考えられますので、東京都からの要請があるというのは前提でありますけれども、次期運政審答申にぜひこれは載せていただきたい、このように考えます。運輸省の見解を伺いますと同時に、次期運政審に向けてのスケジュールをお伺いしたいと存じます。
  51. 梅崎壽

    ○梅崎政府委員 運輸政策審議会でございますが、先生御承知のとおり、現在の答申は昭和六十年に出されました答申でございまして、二〇〇〇年を目標年次としているものでございます。この答申のなされました当時とは、現在は経済社会の情勢も大きく変わっておりますので、運輸省といたしましても、新たな東京圏の鉄道整備計画検討する必要があるというぐあいに考えておりまして、目下この答申の実施状況であるとかあるいは今後の検討課題につきまして、勉強しているところでございます。  今そのように内部的な検討あるいは勉強を進めている段階でございまして、この運輸政策審議会の今後のスケジュールをまだ具体的に申し上げる段階にはございませんけれども審議を行うような場合には、ただいま先生指摘ございましたようなエイトライナーあるいはメトロセブン、こういったものに対しまして東京都から検討方の要請がございましたら、当然のことながらそれについて判断をしていくことになろうかと思います。
  52. 石井啓一

    石井(啓)分科員 ぜひよろしくお願いをいたしたいと存じます。  最後になりましたが、もう一度西武池袋線の連立事業につきまして、建設省さんにお伺いしたいと思います。  今練馬高野台駅までの連立事業が進んでおりますけれども、石神井公園駅の付近につきましては、都市計画決定はされているものの、まだ事業化の見通しは明らかになっておりません。高野台駅までの複々線化、高架化が完成したといたしましても、石神井公園駅までの複々線化が完成しなければ輸送力の増強は中途半端になりかねないという状況であります。また、この石神井公園駅周辺につきましては、踏切渋滞が大変ひどいということで、この渋滞の解消効果が非常に顕著であるということもありますし、また駅周辺の町づくりを推進するためにも一日も早い事業化が望まれているところであります。  一方、事業化に向けての課題といたしましては、今の都市計画決定が駅のプラットホーム端までというふうに聞いております。その駅の西側の都市計画が他施設との調整上の課題からいまだ都市計画決定に至っていない、こういうことは十分承知しておりますけれども、この駅西側について暫定的に平面におろす、こういうことも含め、石神井公園駅までの立体化を早期に着手すべきであるというふうに考えますが、建設省の見解を伺いたいと存じます。
  53. 奥野晴彦

    ○奥野説明員 ただいま御質問のありました石神井公園駅付近でございますが、御指摘のとおり、この駅周辺の踏切も、かなり遮断交通量の多い踏切が存在いたします。こういったところから、東京都におきましては、この駅の付近につきまして、御指摘のあったような方法も含めて検討を行う必要があるというふうな認識に至っているというふうに伺っております。建設省といたしましては、東京都での御検討を踏まえまして今後対処していくべき課題であろう、このように認識しております。
  54. 石井啓一

    石井(啓)分科員 よろしくお願いしたいと存じます。  時間が参りましたので、終了いたします。
  55. 葉梨信行

    葉梨主査 これにて石井啓一君の質疑は終了いたしました。  次に、池田元久君。
  56. 池田元久

    池田(元)分科員 池田元久でございます。よろしくお願いいたします。  ただいまも、首都圏の通勤通学輸送についてお話がありました。私も、同様な問題を取り上げたいと思います。  まず、古賀大臣、電車通勤、汽車通勤の御経験はおありでしょうか。
  57. 古賀誠

    古賀国務大臣 当然あります。
  58. 池田元久

    池田(元)分科員 どんな印象をお持ちでしょうか。最近の御経験がありましたら、ぜひおっしゃっていただきたいと思います。
  59. 古賀誠

    古賀国務大臣 混雑している通勤通学のラッシュ時でも、週刊誌は何とか読めるかもわかりませんけれども、かさばる新聞なんかはちょっと、めくるのに広くスペースが要りますので、新聞ぐらいはせめて読めるような状態であってほしいなと。これは、平成四年でございますか、運政審の中でもそういったことを、おおむね十年でそういう状況に持っていきたいというようなことで答申が出されているようでございますが、その程度はあってほしい、そんな感じがいたします。
  60. 池田元久

    池田(元)分科員 実は私も、けさ、選挙区が横浜市の旭区と保土ヶ谷区というところでございまして、相鉄線から東海道線、丸ノ内線と乗り継いでまいりましたが、大変な込みようでした。これはもう、ふだんのウイークデーはいつもそうですが、今おっしゃったように新聞が読めない、二〇〇%前後のところもございました。以前と比べればやや改善されたものの、まだまだ大変な状態が続いております。  運輸省は通勤通学輸送の現状をどうとらえていらっしゃるか、お聞きしたいと思います。
  61. 梅崎壽

    ○梅崎政府委員 ラッシュ時におきます首都圏の 都市鉄道の混雑率でございますが、最近五年間で見ますと、平成二年度は二〇三%でございましたが、七年度には一九二%と若干改善されてきております。二〇〇%といいますのは、一般的に、体が触れ合い相当圧迫感があるが、週刊誌程度なら何とか読めるというような混雑程度でございます。  ところで、まだ一九二%という状況でございますので、いまだ相当高い状態にあり、私どもとしては、これについては一層の改善が必要である、このように認識いたしております。
  62. 池田元久

    池田(元)分科員 今おっしゃいましたが、依然として通勤地獄といった状況が続いております。東京圏では、主要区間のラッシュ時の混雑率の平均は、今も出ましたが依然として二〇〇%近い、三十一区間のうち十区間はもう二〇〇%を超えまして、二五〇%を超える区間もあるわけです。最近の首都圏の状況、居住地が、住んでいるところが遠くなる、したがって通勤時間がますます長くなって、それが混雑率の高さと相まって、通勤者には大変な肉体的な、精神的な負担がかかっていると言っていいと思います。生活大国とかそういうことは言われておりますが、この面を見る限り、大変おくれております。  現在、運輸省としてはどのような対策をとっていらっしゃるか、お尋ねをしたいと思います。
  63. 梅崎壽

    ○梅崎政府委員 考え方といたしましては、先ほど大臣からお答え申し上げましたとおり、平成四年六月に出されました運輸政策審議会の答申を受けまして、東京圏の通勤混雑緩和を、今後おおむね十年程度で一八〇%程度にするということが目標でございます。  このための具体的な施策といたしまして、一つは、鉄道整備の促進をやりまして輸送力の増強をしていく、それからあと一つは、オフピーク通勤、すなわち通勤時間帯を少し広げていきましてピークをずらしていく、こういうソフトの面、この二つを車の両輪として推進をしてきているところでございます。  ハードの鉄道整備の面につきましては、先生もう御承知のとおり、昭和六十年に出されました東京圏におきます高速鉄道中心とする交通網の整備に関する基本計画という運輸政策審議会の答申に基づきまして、計画を進めているところでございます。この答申に基づきまして、地下鉄の新線建設であるとか、既設線の複々線化といった輸送力の増強を今後とも着実に推進していく必要がある、こう考えております。
  64. 池田元久

    池田(元)分科員 まず、ハードの面はさておきまして、今おっしゃったオフピーク通勤ですか、このところ運輸省が取り組んでおられることは承知はしております。  快適通勤推進協議会、快適通勤と大変いい名前だと思うのですが、この現状についてお聞きしたいと思います。
  65. 梅崎壽

    ○梅崎政府委員 私どもにおきますこの運動の実施状況につきまして、お答えさせていただきたいと思います。  毎年の十一月をオフピーク通勤推進月間と定めまして各種のキャンペーンを展開いたしておりまして、こういったキャンペーンによりまして、企業によりますフレックスタイム制、それから時差通勤制度の導入を促進するといったような運動をやっております。平成五年で申し上げますと、千人以上の従業員を有する企業のうち三四・二%がフレックス制を導入しているという状況でございます。  さらに、平成九年度におきましては、労使等から成ります協議会の開催であるとか、あるいは広報啓発活動の実施であるとか、それから実態に関する諸種の調査実施いたしまして、この運動をさらに推進していきたいと考えております。
  66. 池田元久

    池田(元)分科員 たしか、丸の内地区と新宿地区ですか、二つのエリアでは地域部会があるというふうに聞いておりますが、その状況についてお尋ねをしたいと思います。
  67. 梅崎壽

    ○梅崎政府委員 快適通勤推進協議会でございますけれども平成五年の九月に設置いたしまして、第一回を開催いたしまして、ただいま先生指摘のとおり、さらに地区ごとにおろしまして、これの実施方に努めてきているところでございますが、ただいまの各地区での状況につきましては、担当部局が違いまして、私、ちょっと資料を持参しておりませんので、後ほど御報告させていただきたいと思います。
  68. 池田元久

    池田(元)分科員 快適通勤推進協議会、地域部会が二つあるというふうに聞いております。現在の都市計画東京圏を見ても、池袋とかそういう核都市がありますので、ぜひもっときめ細かくやっていただきたいということを要望しておきたいと思います。  それから、先ほど梅崎鉄道局長がおっしゃいましたが、大都市圏の通勤通学輸送の改善のために、昭和六十年に運輸政策審議会の答申が出されました。それに基づいて鉄道整備が行われているわけですが、全般的に東京圏での進捗状況はどうか、お尋ねをしたいと思います。
  69. 梅崎壽

    ○梅崎政府委員 答申に沿って実施いたしました延長のキロ数でこの進捗状況を申し上げさせていただきたいと思います。  六十年七月の運輸政策審議会の答申におきましては、整備すべき路線延長といたしまして五百六十一キロという答申内容になっております。これに対しまして、現在までにこれを完成いたしまして営業しているものが二百十二キロ、それから工事中のものが百六十三キロ、それから免許を与えまして、免許ということでは済んでいるものが三十九キロでございます。割合で申し上げますと、営業中のものが三八%、それから工事中のものが二九%、免許済みのものが七%でございます。なお、いまだに未着手のもの、これが百四十八キロございまして二六%、このような状況になっております。
  70. 池田元久

    池田(元)分科員 今ありましたように、未着手のものが二六%ある。この数字が多いか少ないかは議論があるところでございますが、おおむね、既開業、工事中、免許済みというのが四分の三ということですから、まずまずの状況かなという感じもいたします。  ただ、きょう取り上げたいのは、神奈川県方面の交通の問題、特に神奈川東部方面線についてお尋ねしたいと思うのですが、この未着手の中では大変大きな部分といいますか、重要な部分ではないかと私は思います。  お手元に紙が行っているかと思いますが、神奈川東部方面線といいますのは、相鉄二俣川駅から新幹線の新横浜を経て東急東横線の大倉山、そしてまたJRの川崎方面へ至る路線として運政審の答申に載せられているわけですね、答申されているわけです。この路線の位置づけ、新設すべき理由をどう認識していらっしゃるか、お尋ねをしたいと思います。
  71. 梅崎壽

    ○梅崎政府委員 御指摘のこの神奈川の東部方面線でございますが、昭和六十年の七月の運輸政策審議会の七号答申におきまして、二俣川から新横浜を経て大倉山と、それから川崎方面へ至る路線として、平成十二年までに整備することが適切な路線という位置づけがなされているのは事実でございます。  当然のことながら、先ほど来先生指摘のような通勤通学の混雑緩和であるとか、あるいは新線の建設によりまして新たな適切な通勤通学路を確保するといったようなことからこの路線の必要性が認められたものでございまして、私どもといたしましても、この必要性については十分認識をしております。
  72. 池田元久

    池田(元)分科員 この路線は別名羽田アクセスとも呼ばれておりますが、その呼び方は、私からするとこの路線の持っている性格の一部にすぎないのではないかと思います。羽田周辺鉄道整備が最近かなり急ピッチに進んでおります。仮に川崎方面への接続という意味があるといっても、全体をあらわす呼び名ではないと思います。  この路線は、今もありましたように、相鉄二俣川駅から新横浜を経て大倉山、川崎方面へ至る路線。すなわち、開発が進んでおります相鉄いずみ 野線、そして既存の相鉄線、小田急線、東急東横線、これは東急の基幹ルートですが、東急東横線を結びつけるという大きな意義がまずあると思います。東横線は一九九九年にまもなく開通する地下鉄南北線目黒—四ツ谷間と相互乗り入れすることになっているわけです。この路線が実現しますと、神奈川東部、中部と都心を直結する第二東海道線的な意味を持ってくるのではないかと私は思います。  また、新横浜駅で新幹線と接続するわけですから、周辺からの新幹線へのアクセスとしての意味も持っているということもあわせて申し上げたいと思います。  ところで、この神奈川東部方面線についての運政審答申以後の経過について、あらましお聞きしたいと思います。
  73. 梅崎壽

    ○梅崎政府委員 神奈川の東部方面線につきましての経過でございますが、平成三年に、神奈川県、横浜市それから川崎市の間で第三セクターによる整備につきまして合意を得まして、さらに平成五年十二月には、これら三自治体の首長で整備ルートにつきまして基本的な合意が得られたという状況でございます。ただ、細部に関しましては、いろいろまだ意見があるようでございます。  それまでの検討の間に、どのような鉄道を進めていくかということで建設費につきましても検討が行われておりますけれども、二俣川と大倉山の間、これは十二・三キロでございますが、この間は約三千三百億円、それから新横浜から川崎、鶴見方面、これは十三・七キロでございますが、約四千五百億円、こういったような建設費が検討段階で示されております。  このような状況を受けまして、採算性の問題を初めとしましてなお検討すべき課題もたくさんございます。それから、関連する鉄道事業者も複数ございまして、今地方公共団体あるいは事業者の間で調整が行われている段階でございますけれども、こういった当事者が多いということ、それから採算性等の問題でまだ問題も少なからずあるということでなかなか調整が進んでいないという状況にあると私ども認識しております。
  74. 池田元久

    池田(元)分科員 新線の建設ですから当然調整はあるのは当たり前でありまして、格別大きな理由としてはどうかという議論もあると思います。  今局長がおっしゃったように平成二年八月、三団体が、第三セクターを事業主体とする、平成十二年、二〇〇〇年には一部開業するということで合意をしたわけです。そして、平成二年、三年にかけて事業化準備調査を行いました。三年六月には三団体共同の事務室を設けた。ここまでは一応一つのペースに乗ってきたのですが、その後全く動きがない。私もちょっと調べたのですが、さして大きな理由があるとは思われない。あれからもう六年たつわけです。  ちょっと時間がないので話を進めますが、調査費も五億円かかっている。その後、関係三団体、神奈川県、横浜市、川崎市がオフィスビルを借りて共同事務所を設けた。職員を五人ずつ派遣した。現在年間二千万円の事務費もかけている。しかし開店休業である。行政のむだを省くということが今言われておりますが、そういった面からどうなのかなという感じがいたします。その辺のことについて、ある程度御存じでしょうか。あるいは、何か認識されているでしょうか。一言で結構です。
  75. 梅崎壽

    ○梅崎政府委員 ただいま先生指摘の点でございますけれども、先ほど私ちょっと採算性の問題を申し上げました、地元も採算性を確保するのがなかなか大変だなと。そこで、これを打開するために、工事を一期と二期に分けまして、とりあえず一期区間だけでも何とか着手できないか、こういうぐあいに非常に強く思っている自治体がございます。  ただ一方、これに対しましては、当該自治体だけのエリアになりまして、他の自治体との協力関係がなかなかうまくいかないといいますか、それぞれの立場の要請を必ずしも十分満たせるようなことにならないものですから、結局のところ、負担問題を含めてどうするかということになりますので、なかなか話が進まない。このような状況である。これが、まず一つの自治体側の問題であろうかと思います。  それから一方、私鉄との関係でございますが、私鉄の方は、当然、現状で一定の旅客を運ぶシェアも持っておりますので、この新線ができますと、影響を受ける部分に対しましては、必ずしもこれは当然前向きにならないという問題がございまして、私鉄サイドの方との調整ももう一つ円滑に進まない。こういう状況でございます。  私どもも、先ほど申し上げましたとおり、答申でも指摘されているところでございますので、必要性については十分認識しておりますけれども、なかなか地元の調整が進まないので、まずはその促進方をお願いして、それを受けまして運輸省としての対応検討していきたい、このように思っております。
  76. 池田元久

    池田(元)分科員 この路線は、新しい住宅地に新線を通してこれから需要を喚起するというものではなくて、既存の大きな路線、基幹的な路線を結びつけるということで、当初から、大体一日四十万人ぐらいの利用客を見込んでいるということですから、採算性について特に問題があるとは私は思いません。  ただ、今おっしゃったようなことがあるのではないでしょうか。といいますのは、横浜経由のお客が奪われるということで、事業者の一部が消極的になっているということも聞いております。しかし、中長期的に見れば、この路線は事業者の利益にもかなうと思われる。これは当然ですね。しかし、利用者や乗客のことよりも、了見の狭い事業者のエゴがあるのではないかと沿線の住民は思っております。もしそうであれば、公共的事業に携わる事業者の自覚が乏しいと思わざるを得ないのですが、お考えを聞きたいと思います。
  77. 梅崎壽

    ○梅崎政府委員 先ほどもお答え申し上げましたとおり、運輸省としては、その必要性を強く認識しておりますし、今までも自治体を中心とする調整状況を見守ってきたところでございます。ただいま先生の御指摘の点も踏まえまして、今後とも適切に対処していきたいと考えております。
  78. 池田元久

    池田(元)分科員 それから、採算性と一言で言って終わってしまうのですが、そうではないのですね。  もう一つ言わなければならないのは、運輸省は、平成六年度から、第三セクターの都市鉄道に対する助成措置を創設したわけです。やっているわけですね。この路線は、条件は決して悪くないと思うのです、そういった意味からも。ですから、沿線住民の要望も大きいわけでありまして、運輸省は、ぜひこの関係者に強く働きかけていただきたいと思います。  今の状況を見ると、エブリワンズビジネス・ノービジネスという言葉があります。連帯責任は無責任。そうと決めつけるわけにもいかないと思うのですが、そんな面も見られます。三セクではなくて三すくみではないかという感じもいたします。しかし、この路線の存在理由、そしてまた非常に基幹ルートを結びつける、そして運輸省平成六年から新しい助成措置を創設したというのは大変、むしろフォローの風ではないかというくらいに思っております。  さっき言ったようなそういう事情で、一部消極的になっているということも聞いておりますが、挙げたらこの問題、難しいといえばいろいろあるかもしれませんが、大きく見て、基幹ルートを結びつけ、さらに第三セクターに対する助成措置もあるということですから、この関係三者で話し合ってもなかなからちが明きません、運輸省は、ぜひ関係者に強く働きかけていただきたいと思います。局長の方からよろしくお願いします。
  79. 梅崎壽

    ○梅崎政府委員 先ほどから繰り返しておりますが、必要性は私どもも十分認識しております。ただ、現実にどうするかというぐあいになりますと、やはり、自治体の支援なしにこれからの新線の建設というのはなかなかできないものでござい ますから、まずは地元での調整というのが非常に基本的に大事なことである。  私どもは、それを手をこまねいて見ているということではございませんが、当然のことながら、この鉄道に関しましては、私どもの方もいろいろ今まで御相談にも乗ってきておりますが、地元の調整が円滑に進むということをまずやっていただいて、それを受けまして、私どもも適切に指導していく、こういうぐあいにしていきたいと思っております。
  80. 池田元久

    池田(元)分科員 滞っている理由を探せばいろいろあるでしょうが、一つは、川崎市が別の市縦貫鉄道の新設の方に重点を移してきた。そして、川崎方面のルートが一部未確定になっている。全体を決めなければやらないのだという考えもあるようですが、そもそも運政審にのった段階から、この路線の性格は二つの部分に分かれているわけですね。  先ほどから申し上げているように、相鉄、東急、新幹線を結びつける二俣川から新横浜—大倉山ルートと、その新幹線の新横浜から川崎方面へ行く、この二つのルートに、実際は、考え方としては分かれているわけです。その事業調査をする場合も、個別にちゃんと調査もできる。  そういった、ルートの未確定ということがあるのであれば、この忙しい時代に六年も七年もほうっておくわけにはいきません。まず二俣川−新横浜−大倉山のルートの着工を急ぐべきだという考えが出るのは当然でございまして、先ほどの石井議員に対する答弁でもありましたが、そろそろ運政審を開く時期になってきているのですね。  ですから、次の運政審では、当初からあったように、この神奈川東部方面線は二つの部分に分けて、二俣川—新横浜—大倉山間の着工を促進するということが必要ではないかと思うのですが、お考えはいかがでしょうか。
  81. 梅崎壽

    ○梅崎政府委員 運輸政策審議会で、今後新たな東京圏における鉄道整備のあり方を検討する際には、今先生指摘のような点、これは当然地元からもいろいろな考え方が出されてくると思いますが、そういったものが出されましたら、当然のことながら、それに応じて検討していかなければならない、こういうぐあいに考えております。  ただ、そのためにも、まず地元がまとまるのが大事でございますので、私どもとしても、それを大いに期待しているという状況でございます。
  82. 池田元久

    池田(元)分科員 この膠着状態を打開するには、幾ら当事者の調整と言ってもだめですから、やはり運輸省が、答申をいただいた立場でもありますから、ハッパをかけていただきたいと思います。  短い時間に話を進めてまいりましたが、古賀大臣、お聞きになっていただいたと思うのですが、このルートの場合には、既設の基幹的な鉄道を結びつける、しかも初めから四十万人を超える利用客が見込まれる、大変便利になるわけですね。今私は、この路線ができても別これで国会に来るわけじゃありません。私は、横浜駅に出て、東海道線で東京駅に来る。しかし、毎日経験していることは、まず相鉄線の混雑状況、これはやはり新聞の読めないような状況です。横浜駅に着きますと、JRの東海道線のホームへ上るためには今度は階段規制ですよ、ずっと並んで。それで東京方面に行くわけですね。ですから、相当部分が渋谷なりあるいは都心方面に行くことができる路線であるわけです。そういうことで、まず利用者も見込める、それから第三セクターに対する助成措置もできたばかりですね。ですから、ぜひ積極的に取り組んでいただきたいと思います。  最後に大臣の御答弁をお願いしまして、私の質問を終わりたいと思います。
  83. 古賀誠

    古賀国務大臣 先生は地元ですから、先生ほどの土地カンは私ございませんけれども、今の御論議を聞いておりまして、その必要性については政府委員も認めておりますし、私も、なるほどその利便性は大変大きな必要性があるなというふうに認めております。  ただ、今聞いておりますと、それぞれの理由があるにせよ、非常に調整が難航しているようでございます。政府委員も御答弁申し上げましたように、第七号の運政審の答申を行ったのは六十年のことでございますから、それから経済や社会状況というのも随分変わってきております。そういう中で、先生がおっしゃっているようなその部分その部分のルートの見直しと申しますか、そういうことも含めて、近々運政審も開かれるのではないかと思います。そういう場面で、今までの勉強も含めまして検討させていただく議題になる、このように御認識いただいておきたいと思います。
  84. 池田元久

    池田(元)分科員 終わります。
  85. 葉梨信行

    葉梨主査 これにて池田元久君の質疑は終了いたしました。  次に、鍵田節哉君
  86. 鍵田節哉

    鍵田分科員 新進党の鍵田でございます。  きょうは、国際ハブ空港のあり方の問題、さらにはそれを具体的に、関西国際空港の持っておりますいろいろな課題、これらについて大臣やまた政府委員の皆さんにお聞きをしたいというふうに思っております。  昨年十二月に答申されました第七次空整の中で、きたるべき二十一世紀は、経済、文化、社会等国民生活をとりまくあらゆる活動が諸外国との活発な交流を通じて展開していくことが予想され、このような時代において、航空は、人及び物の円滑な交流を支える最も有効な手段の一つとして、その意義を飛躍的に増大させていくものと考えられる。  我が国が経済的・社会的に今後とも安定した発展を持続し、国際社会に一定の地位を確保していくためには、航空ネットワーク拠点となる国際ハブ空港や国内拠点空港整備を時機を失うことなく進め、空港がそのボトルネックとならないよう努めることが喫緊の課題となっている。 というふうに分析をされておるわけでございます。  そこで、既にもう東アジアの諸国でも大規模な空港建設をされておったり、また拡張工事がなされておるということは御承知のとおりでございますけれども香港におきましても、海上の埋め立て方式で滑走路二本の千二百四十八ヘクタールにも及ぶ空港建設をされておりますし、また韓国におきましても、仁川国際空港が、開港時で三千七百五十メートルの滑走路が二本、さらには全体計画では、四本の滑走路を持つ四千七百ヘクタールもの空港建設中でございます。そのほか、上海の浦東新国際空港、さらには台北・中正空港の第二期工事、タイ・第二バンコク国際空港、マレーシアのセパン空港シンガポールのチャンギ国際空港というふうに新設や拡張工事が相次いでおるわけでございます。  これらのほとんどが二十世紀中かまたは二十一世紀の初頭に完成されるというふうに聞いておるわけでございますけれども、それに比べますと、日本空港は、新東京国際空港にしましても、関西国際空港にしましても、滑走路が一本で供用されておるという実態にありまして、それらも、どちらも処理能力が限界に来ておるわけでございます。そろそろ二期工事ということで、ことしあたりから予算がついておるようでございますけれども、しかし、この諸外国の空港の実情から見ますと、先ほど時期を失することなく進めるという、その時期はもう既に失しておるのじゃないかというふうに受け取れるわけでございます。既にもう香港にしましても、韓国にしましても、現在の空港でも非常に安い料金供用されておるために、日本の若者などがヨーロッパやアメリカへ行くのにこれらの空港を利用して、経由して行っておるというふうな実態もあるわけでございます。  そういうことに関しまして、国際ハブ空港のあり方について、国際戦略として日本はどのようにこれを進めていかれようとしておるのかということにつきまして、ひとつ大臣の御所見をいただきたいと思います。
  87. 古賀誠

    古賀国務大臣 お答えいたします。  先生指摘いただきましたように、二十一世紀に向けて、我が国が今後とも国際社会の中で着実に安定を続けていくということに一番必要なのは、交流の基盤施設になる国際ハブ空港整備、これを時期を失しないように整備を進めていくということが不可欠だろうと思います。先生は、もう既に時期は失したのではないか、そういう御指摘でございますけれども、私どもは、そういうことを踏まえながら、昨年の十二月に閣議決定をされました第七次空整におきまして、この五カ年、大都市圏の拠点空港整備をまず最優先に進めてまいりたい、このように考えているところでございます。  なお、今後、御指摘をいただきました新東京国際空港の平行滑走路等の整備、また関西国際空港の二期事業推進等、国際ハブ空港整備にまず積極的に、全力を挙げて取り組んでいきたい、このように考えているところでございます。
  88. 鍵田節哉

    鍵田分科員 ぜひともそういう面では積極的にこれからも進めていただきたいというふうに思いますけれども、もう一つ問題は、施設充実するということも大変重要でありますけれども、やはり供用される空港の各種の料金が非常に高いということも、これは今後の運営上ネックになってくるのではなかろうかというふうに思うわけでございます。着陸料とか、また空港施設利用料とか、そういうものが大変高いわけでございまして、海外からも評判が非常に悪い、こういう問題についてお聞きをしてまいりたいと思っております。  御承知のように、日本の場合には確かに土地も狭い、そして地価が高い、関空の場合などは海上を埋め立てなくてはならないというようなことで、コストも高いことはよくわかるわけでございますけれども、やはり国際競争という面から見ますと、そういう観点からの料金設定というものが大切でありましょうし、これに向けての資金の活用というようなことも工夫をしていかなくてはならないのではないかというふうに思っております。  新東京国際空港の場合は公団で運用されておりますし、関空の場合には会社方式で運営をされておるわけでございますけれども、国がやるのか公団でやるのか、また会社で、民間でやるのかというようなことにつきましては、むしろ運営そのものは民間でやる方が効率もよくなるというふうに私は思っておるわけでありますが、空港整備ということに関しましては、もっと公的な資金を使って、そして料金が安くなるようにする必要があるのではなかろうか。  成田の場合で、今747で九十四万八千円ですか、それから関空で九十万八千五百円、羽田でも七十一万円台ということでありまして、イギリスのヒースローなどが六万四千八百六円、これは今公社から民間になっておるわけでありますが、問題にならない、十四分の一ぐらいの料金供用されておる。高いところでも、ケネディ空港の二十五万台とかでありますが、アメリカあたりでは、ほかには、ロスやホノルルは十二、三万台、サンフランシスコも五万円台というふうな料金になっておるわけでございます。  それぞれの国の空港に対する歴史がありますから、早い時期に開港されたり、また土地も安いというふうな事情もあるかもわかりませんけれども、やはり国の資金などを投入をして、非常に安い着陸料やその他の利用費で供用されておるというような実態があるわけでございます。  そういうことを考えますと、空港整備特別会計をさらに充実をして、そして公的資金をこれらのハブ空港投入をするということが大切なのではなかろうか。先日新聞で報道されました羽田空港の拡張後の余剰地といいますか、跡地の二百ヘクタールほどが時価一兆円にもなる、こう言われておるわけでございますけれども、こういうものを投入をいたしまして、そして着陸料などを軽減をする、こういうことはできないでしょうか。そのことについてひとつお答えいただきたいと思います。
  89. 黒野匡彦

    ○黒野政府委員 先生の御指摘の、我が国空港使用料が高いではないかということは、我々も常日ごろから悩んでいる問題であります。  ちなみに、今度関空の二期事業、なるべく早く着工したいと思いますが、あそこの土地の値段を極めてラフに計算いたしますと、多分坪六十万ぐらいになるという、大変金のかかる空港でございます。ただ、金がかかっても、我が国国際的な地位を維持するためには、建設を急がなければいけないと思っておるところであります。  この使用料の問題というのは大変悩ましいわけでございまして、片方で、利用者負担を考えれば下げた方がいい。ただ、逆に空港整備を進めなければいけないという方向では、もっと上げた方がいいということもあり得るわけでございますが、私どもといたしましては、現在の空港使用料を上げるということは、これは無理であろう。少しでもチャンスがあれば下げたいとは思っておりますが、それによって逆に今度は空港整備がおくれてもいけないということで、ではおまえたちどうするんだということなんですが、私ども空港整備特会の中で、一つはやはり投資重点化、要するに必要な空港に重点的に投資というか限られた資金を回すというのがまず必要だろうと思っております。  それから、二番目はコストの削減、これは我々だけではなくて、公共事業全体に今問題提起をされておりますが、何とかコストを削減できないかという方向で努力をするということではないかと思っております。その上で、いわゆる国費、真水といいましょうか、公共事業の金を少しでもふやすように、私どもなりに努力を続けていくということで対応するという方針でございます。
  90. 鍵田節哉

    鍵田分科員 今のそういう国際ハブ空港などに特化して予算投入をするとか、いろいろな工夫ができるというふうに思いますので、ぜひともよろしくお願いをしたいというふうに思います。  もう一つは、やはり公共投資そのもの、全体を見直していくということがこの国会でも話題になっておるわけでございますけれども、それらを見直す中で、ただ予算額全体を圧縮するということだけじゃなしに、公共投資の優先順位を見直す。そういう面から見ますと、やはり国際空港充実ということは非常に重要な、今本当に喫緊の課題だということから見ますと、そちらの方に優先順位を持っていくというふうなことも工夫されていいのではなかろうかと思っております。  そういうことをやるためには、公共投資というのはそれぞれみんな地元のあれもありまして、整備新幹線に見られますように、それぞれおらが村へというのは、それはあります。それはそれで重要だと思うのですけれども、やはり政治がまず主導権を持って、そして何が優先なんだということを、特にこのハブ空港なんかの問題についてはぜひともそういうことをやっていただきたい。それについての大臣の御所見をひとついただければと思います。
  91. 古賀誠

    古賀国務大臣 御指摘のとおり、これからの国際化の進展、また経済構造の改革、こういったことを考えますと、国際ハブ港湾空港というのは、先生が御指摘いただいているように、我が国のまさに一番大事な社会資本の整備の分野ではないか。それに優先順位をつけて思い切って投資するんだ、こういうことが必要じゃないかということで、私も全く同感でございます。  ただ、残念ながら、今日この公共事業予算の配分というのは、今先生も御指摘いただきましたが、極めて厳しい状況にあります。しかし、そこを乗り越えるということがこれからの二十一世紀、我が国国際社会の中で、今も申し上げましたように、安定した発展を遂げていく。また港湾にいたしましても、高コスト是正、この是正になるわけで、そういう分野につながっていくわけでございますから、縦割り行政とよく言われておりますけれども、それをどう乗り越えるのか、私も全力を尽くして、そういう観点を視野に入れながら、ひとつ努力をしてみたいと思っております。
  92. 鍵田節哉

    鍵田分科員 ぜひともよろしくお願いしたいと思います。  それで、関空の問題について具体的にちょっと触れてみたいと思います。時間がございませんの で、できるだけ簡潔に、前向きにひとつ御回答いただければと思います。  関空の実態を見ますと、一兆五千億からの資金を投入して今開港をしておるわけでございまして、APECの開催などもありましたし、人の流れも大変ふえてきておりまして、ホテルなどの稼働率も非常に高い、こう言われておるわけでございます。  しかし、会社の経営状態は、借入金が一兆を超えておるというようなこともありまして、空港収入が一千億強でありますけれども、それに対して金利負担が年間五百三十億ぐらい平成八年度でいっておる。実に売り上げの半分が金利負担であるというような問題があるわけでございます。それがやはり着陸料なり、また出国施設利用料が二千六百円とか、また連絡橋が千七百円ですか、そういうふうな非常に不名誉な世界一の数字を今示しておるわけでございます。  これらをやはり具体的に安くする、例えば連絡橋なんていうのは、これはインフラの部分になるわけでありますから、こういうものは国で買い上げるとかいうふうな方法は考えられないでしょうか。また、無利子あるいは融資の返済期間を延長するとか、そういうふうなことの工夫をして、地元の負担の軽減を図るということができないのでしょうか。  特に、大阪府など大変な財政負担で今苦しんでおるようでありますし、それから民活盛んな時分には景気もよかったのでしょうけれども、民間、今財界も、経済界も大変苦しんでおるというような状況でありまして、そういうことについての何か工夫ができないのかどうかということについてお答えいただきたいと思います。
  93. 黒野匡彦

    ○黒野政府委員 関空会社の経営につきまして大変御心配いただいて感謝申し上げますが、率直に申し上げますと、開港当初は乗り入れの便数が伸びなかったということで我々も大変心配をいたしました。ただ、その後大変高い伸びで国際線が入ってきておりまして、この三月現在で八十三便でございます。これは当初見込みよりはまだ下ではございますが、全体としてはいい方向に行っている、これは申し上げていいと思います。  ことし、八年度の中間決算におきましては、償却前の損益が、半期ではありますが二億円という黒字を計上したということもありまして、会社全体としては大変士気が高くなっているところでございます。  先生が御提案ございましたように、橋を国が買い入れるとかいろいろな手はあるかと思いますが、私ども、株式会社という形でスタートした以上は、とことんやはり経営努力をしていただくということがまず大事だと思っているところであります。  なお、二期事業、これにつきましては、一期に比べましてさらに深いところを埋めるということで、これを従来のような公的負担でやりますと到底会社として成り立たないということで、これにつきましては、関係方面の御理解を得ながら、公的な資金あるいは無利子の資金の導入という方向を決めさせていただいているところであります。
  94. 鍵田節哉

    鍵田分科員 いろいろな工夫をして、ぜひとも安くしていただきたい。  というのは、確かに今おっしゃられましたように、国際線なんか開港当時から見ますと便数が倍近くなってきておったり、乗降客の人数もふえておる。また周辺のホテルなどの稼働率も上がってきておる。そういう効果は出てきてはおるのですけれども、橋の料金が高いとか駐車料金も非常に高い、こういうこともありまして空港の見学者などが激減しておりまして、空港の中に入っております店などももうやめていくというところもたくさん出てきておるというふうなことも聞いておるわけでございます。ぜひともそういうことについての工夫をお願いしたいと思います。  それから、地元合意の三点セットというのがございます。この中では、公害がなく、地域社会との調和がとれて、かつ機能的にもすぐれた空港にするということになっておるわけであります。あの地域は、戦前戦後を通じまして大阪の経済を大変引っ張ってきた、そういう活発な経済活動をやっておった地域でございますけれども、長年の間に空洞化が進みまして、今大変低迷をしておるという地域でございます。関空ができるということを非常に活性化の一つのてこにしたい、こう思っておったようでありますけれども、現実にはなかなかそうなっておらない。そして、単なる通過地になっておるじゃないかというふうな地元からの声も聞こえるわけでございます。  そこで、大阪府が中心になりまして、りんくうタウンという三百二十ヘクタールからの造成地がございまして、これらを活用して地場産業なりまた新しい産業を興すというふうなことでやられておるわけでありますが、そのうちの百五十二ヘクタールぐらいが分譲可能でありますけれども空港の直接の支援企業とか公的なところについての活用はもうされておるわけでありますが、なかなか民間の企業とかそういうものがここに入ってきておりません。まだ半分ぐらいが売れ残っておるわけでありますけれども、海外にもこれらの土地に進出をするようにという誘致を今しておるわけでありますが、既にベトナムは直行便も出ておるというようなこともございまして、ここへの進出が決まったようでございます。  台湾の企業からも、また経済団体からも、たくさんの引き合いが来ておるようでございます。御承知のように、台湾は、今キャセイ航空やシンガポール航空、それからアジア航空などが関空を通じて台北や高雄に飛んでおるわけでありますけれども、肝心の台湾の飛行機が全く関空に来ておらないということでございますけれども、これはどういうふうなことなんでしょうか。大阪空港の場合に、たしか中華航空が来ておったと思うのですけれども、これはいつごろ外れて、そしてまた関空開港時には、これはどういうことで台湾の方の飛行機が来ておらないのか。このことが実現をしますと、今言いましたりんくうタウンヘの台湾企業の進出なんかも非常にやりやすくなるのじゃないかというふうに思いますので、その辺についてのお答えをいただきたいと思います。
  95. 黒野匡彦

    ○黒野政府委員 確かに、先生指摘のとおり、今の関空には台湾の企業は入っておりません。これにつきまして、私どもは、特にそういう方向で行政を進めてはおりませんで、台湾の企業でも大歓迎であります。  ただ、一つだけ御認識いただきたいのは、台湾との間では、政府間の協定ではなくて民間間の取り決めに基づいております。したがいまして、台湾の企業あるいは日本の企業が台湾との路線についてどう考えるかということをまず踏まえた上で、私どもなりに一応の整理をして、その後その民間企業間の交渉で話がつく、こういう段取りになっておりまして、これからも、私どもといたしましては、むしろ国際線が入るのは大歓迎でございますから、台湾につきましても、向こうさんの考え方も踏まえながら前向きに対応はしてまいりたいと思っております。
  96. 鍵田節哉

    鍵田分科員 それでは、ちょっと事実関係についてお聞きしたいのですけれども、関空ができましたときには、台湾側からそういう申し入れがあったのでしょうか、なかったのでしょうか。イエスかノーで結構でございます。
  97. 黒野匡彦

    ○黒野政府委員 申し出というか、希望はありました。
  98. 鍵田節哉

    鍵田分科員 それでは、そういう希望があったのが実現しなかったのは、何か理由があるのでしょうか。
  99. 黒野匡彦

    ○黒野政府委員 台湾につきましては、先ほど申し上げましたとおり、政府間のパイプがないということ、民間同士の協議でやっていること、さらには台湾をめぐるいろいろな問題の中で、どういうふうに実現していくかという問題になるわけでありまして、福岡とかその辺には入っていただいておりますが、私ども自身は、今の段階で関空に台湾の企業を入れないという方針は決して持っておりませんので、関係方面、これはいろいろ御賢察いただけるかもしれませんけれども、いろいろ な方面の了解を得ながら進めていかなければいけない問題だと思っております。
  100. 鍵田節哉

    鍵田分科員 交流協会と亜東関係協会の間で航空協定が結ばれておる、それを運輸省なりが認めるということになっておるようでありますけれども、それでは、亜東関係協会の方から交流協会の方に申し入れがあればそれは認めるというふうに解釈させていただいてよろしゅうございますか。  もう一つちょっと、現在の台中の関係、中台と言った方がいいのか、そういう関係が非常に、昔の三不政策とか三通に関してのそれぞれの政策が実態的には緩んできておるというふうな環境がございます。もう人の往来も中台でかなり激しくやっておりますし、それから貿易の関係、資本の投資、そういう面でも大変活発になってきておるという状況があります。  また、何か今月からアモイと高雄間で、貨物船でありますけれども、定期航路が就航するというふうなことも聞いておるわけでありまして、そういう環境から見ますと、特にこれは日本と台湾との関係でありますから、中国に配慮ももちろん若干しなくてはならぬかもわかりませんけれども、日台間のそういう直接航空機が行き来するということにつきましても、それぞれの国というか地域航空機が来るということも問題ないのではないか。さらには、もしナショナルキャリアがだめだということになるのだったら、民間でもあるわけですから、民間航空も長榮航空などがあるわけですから、その辺について御見解をお聞かせいただきたいと思います。
  101. 黒野匡彦

    ○黒野政府委員 具体的な航空会社の名前は控えさせていただきますが、先生おっしゃいましたとおり、その両民間協会の間で話がまとまり、我が方からも向こうへ出られる、あるいは出るチャンスがふえるというイコールな形での話がまとまれば、我々としてはそれを実現する方向で努力をしなければいけないと思っているところであります。  さらにまた、この東南アジア全体をめぐるいろいろな政治情勢も配慮しながらやらなければいけないと思っておりますが、基本的には、やはり我々は、台湾ともあるいは中国とも友好関係を持ちながらこの航空路線の拡大を図っていかなければいけないと思っているところでございます。
  102. 鍵田節哉

    鍵田分科員 私自身も実は大阪の労働組合の運動をやっておりまして、そのときに中国に行く機会がございました。労働組合の交流を通じて、全国總工会という中国の非常に大きな労働組合の団体があるのですけれども、その団体なり、それから上海市の総工会ですね、これもやはり七百万から八百万ぐらい組織しているのですか、そして、中国の共産党の中でも大変重要な位置を占めておる団体でありますけれども、その皆さんのところに、ちょうど関空の開港の直前、というよりも三カ月ぐらい前でしたか、参りまして、実は関空が開港する、ぜひともひとつ中国からも来てほしい、またそれについてま、台湾からもやはり来ていただいて、将来平和的に台中問題を解決をしてほしいと思うし、お互いに交流を深めていくためにも、中国からも来てほしいし、台湾から来ることについてもぜひとも中国側も配慮をしていただきたいというふうなことで、実は正式に申し入れをいたしました。これを国家主席にまでひとつ伝えてもらいたいということで、私自身運動した経験がございます。そのときは、台湾から日本に飛行機が行くことについては何ら支障はないというお答えをいただいておったわけでありますけれども、現実には、開港の段階では、台湾からの飛行機は来られなかったという実態があるわけでございます。亜東関係協会からの申し入れがあったのかどうかという事実関係は私も聞いておりませんので、私なりにまた確認をしたいと思いますが、ぜひともひとつそういうことが実現できるようにお願いをしたいというふうに思います。  最後になりましたけれども、話題が全然変わりますけれども、財政法二十八条にのっとりましてひとつ資料の提出方をお願いを申し上げたいというふうに思っております。特に、今回の予算案につきまして、予算委員会でいろいろな議論をされておりますけれども、その予算の内訳についての説明が余り出ておりません。そこで私は、新幹線鉄道整備事業費の三百四十億円につきまして、具体的にどのような事業内容であるのか、その詳細を示した資料をぜひとも運輸省の方から提出をしていただきたい、こういうことを要求をさせていただいて質問を終わりたいと思います。  委員長、よろしゅうございますか、そういうことで。
  103. 葉梨信行

    葉梨主査 ただいまの資料要求につきましては、政府においてしかるべく措置をお願いいたします。
  104. 鍵田節哉

    鍵田分科員 どうもありがとうございました。
  105. 葉梨信行

    葉梨主査 これにて鍵田節哉君質疑は終了いたしました。  午後一時から当分科会を再開することとし、この際、休憩いたします。     午後零時十四分休憩      ————◇—————     午後一時開議
  106. 葉梨信行

    葉梨主査 休憩前に引き続き会議を開きます。  運輸省所管について質疑を続行いたします。渡辺博道君。
  107. 渡辺博道

    渡辺(博)分科員 千葉県第六区選出、自由民主党の渡辺博道でございます。午後一番の質問をさせていただきたいと思います。  質問に先立ちまして、実は先週でございますが、三井三池炭鉱の閉山に伴いまして、私は石炭対策特別委員会というところに所属しておりまして、現地の調査に行ってまいりました。その内容につきましては、各自治体の方から各種要望がございまして、いろいろな問題点、山積しているなということを実感させていただいております。三池炭鉱という一つの国策として繁栄したものが一つの時代を終えて、新しくこの地域において再生をしていかなければならない、こういった実感をさせていただいております。  その中で、福岡県、そして大臣の御地元でございます大牟田市にも行ってまいりました。その大牟田市の状況の中でも、やはり人口の急減、かつては二十二万あったところが十四万に減ってしまった、大変な事態が生じているなということを肌で感じさせていただいております。  その中で、各県、市、商工会議所より、このような形で「三池炭鉱閉山に伴う緊急要望書」というものをいただいてまいりました。その中にはそれぞれの、三池炭鉱閉山に伴って緊急要望としていろいろな課題が載っておりますが、三つが三つともその中に入っておるのが、九州新幹線鹿児島ルートの早期着工を図られたいという要望でございます。各団体ともすべてこういった要望があります。現地に行きますと、やはりその地元の意気込み、そういった思い入れを肌で感じておりますが、古賀大臣は、本当に、そういった意味では地元の要望を一身に背負って大変だというふうに思っております。  特に新幹線の問題につきましては、今回、国の方針でございます整備新幹線、こういったものの推進を決定する、そしてまた法律も先週上程されました。こういった方向性については、私自身もまさにそのとおりだというふうに思っております。地方に住む人たちに夢を与え、そして国土の均衡ある発展を図り、並びに地域振興を図る。いろいろな目的を持ってこれが推進されることを私自身も期待しているところであります。  今回の視察に当たって、いろいろな問題点を肌で感じ、そして、事運輸関係についての要望が各党超党派で要望されているという現実も目の当たりにしました。政治家である以上は、地元の要望をきちんと受けとめて実施していく、推進していく、これが大事ではないかなということを感じました。  それで、地元にあります、私は千葉県でありますが、首都圏の鉄道網に関して今回は質問をさせていただきたいと存じます。  今、この首都圏においては多くの方々が生活を しております。首都圏においてはさまざまな現実的な問題に直面しておりまして、交通渋滞や密集市街地の解消やごみ問題、早期に解決していかなければならない重要な問題があります。  その中で、特に私自身の常に関心のあることでありますが、通勤通学時のラッシュアワーの混雑解消の点であります。この混雑というものは、やはり乗った者でないと感じられないと思います。きょうも私は、朝七時半の地下鉄千代田線に乗って国会議事堂前まで参りました。大変な込みようであります。身動きがとれない、まさにエネルギーがその場で消耗してしまう、そんな中でやっとたどり着く、そんな感じであります。多くのサラリーマンの方々がそういった毎日の生活を余儀なくされているという現実があります。  ちなみに、平成六年度の都市交通年報によりますと、混雑率は、常磐線の緩行線で、亀有—綾瀬間では輸送力三万八百人に対して通過大員七万六千七百人、混雑率二四九%、また常磐線快速では、松戸—北千住間では輸送力二万一千人に対し通過大員四万九千三十人、混雑率は二三三%を超え、この値は、東京圏におきます鉄道整備目標としての目標混雑率一五〇%を大幅に上回っている状況にあります。  また、一日平均乗車人員として、松戸駅では十一万三千人、柏駅では十五万七千人、我孫子駅では三万二千人、取手駅では五万三千人、主なこの四駅だけの合計でも三十五万五千人の通学通勤する人たちが大変な苦労を余儀なくされているという現実であります。  この混雑解消を政治家に言っても変わらない、役所に言っても変わらない、サラリーマンの人たちは、もうあきらめてしまっているのでしょうか。毎日の電車の中で、ただ黙々と電車に揺られて目的地に乗っているだけ、そんな状態ではないかというふうに思っております。  私は、このような声なき大多数の人のためにも、積極的にこの問題に取り組んでまいりたいというふうに思っております。また、運輸省においてもしっかりとこの現実に目を向けていただきたいと思うわけであります。こんな状態をいつまでも放置していいものでしょうか。最優先課題として積極的に取り組んでいただきたいと思うわけであります。  ちょっと話が飛躍するかもしれませんが、こういった大多数の声なき人たちが、いわば都市部の選挙における投票率の低下、こういったものにも影響しているのではないかなと感じております。若干私見を込めましてお話をさせていただきましたが、具体的な質問に入らせていただきます。  まず、大臣にお伺いしたいと思いますが、首都圏における今後の都市鉄道整備計画に対する基本的な考え方、これについてお伺いしたいと思うのですが、よろしくお願いいたします。
  108. 古賀誠

    古賀国務大臣 先生には、大変お忙しいのに、石炭対策特別委員会で三井三池の炭鉱の閉山に伴いまして現地を視察していただいたということでございまして、私も地元選出の一人でございまして、大変ありがたいというふうに思っております。また同時に、その地域の今後の活性化の中で、今御論議をいただいております整備新幹線着工区間についての先生のお感じ等もお話しをいただきまして、ある意味では大変心強く思っているわけでございます。  そうした国土の均衡ある発展というのは、どうしてもこれから私どもが真剣に取り組んでいかなければいけない課題だろうというふうに思っておりまして、先生の御理解ある御支援、御指導もいただきまして、これから整備新幹線の未着工区間のあり方等についても御論議を深めてまいりたいというふうに思っております。  そういった中で、先生のお地元の方は、今度は通学通勤の大変な混雑が先生の身近な問題として今御指摘をいただいたところでございます。  御承知のとおり、昭和六十年、運政審の第七号答申によりまして、東京圏の通学の混雑緩和ということで約一八〇%を目途に計画的に緩和に向かって鉄道整備を進めていく、また時差通勤と申しますか、それぞれの企業の御理解をいただきながらオフピーク作戦を続けていく、こういったことの答申が出されているところでございますが、現実は今先生がおっしゃるように、まさに一八〇%どころか二〇〇%を超えて、まさに通勤通学地獄だという現実の御指摘でございます。当然運輸省といたしましては、その計画に基づきまして、複々線の整備の問題、促進の問題、また鉄道整備の問題等取り組んでいるところでございますけれども、皆様方の御期待に十分こたえていくことができていないというのが現実でございます。  そういった中で、社会情勢、経済社会状況が大変変化している中で、近々予定されております運政審について、その場でさまざまな問題点、それから今後勉強していかなければいけない点、今整理させていただいておりまして、東京圏における通勤通学の混雑緩和というものは、一つの大きな運輸省の政策課題といたしまして真剣に取り組んでまいりたい、このように思っております。  具体的なことは、先生の御質問の中で政府委員の答弁にまちたいと思っております。
  109. 渡辺博道

    渡辺(博)分科員 ありがとうございました。  それでは、具体的な問題点についての御質問をさせていただきますが、今大臣の方からもお話ございました昭和六十年七月十一日の運輸政策審議会七号答申でございますが、その答申におきましては、既定の八号線に加えて新たに地下鉄十一号線が並行して松戸まで延伸することが答申されております。この答申については、昭和六十年ですからもう既に十五年くらいたっているのですか、その間の進捗についてお伺いしたいと思います。
  110. 梅崎壽

    ○梅崎政府委員 昭和六十年七月に運輸政策審議会から「東京圏における高速鉄道中心とする交通網の整備に関する基本計画」といたしまして、総延長五百六十一キロの新設なり複々線化等が答申されております。  これの現在までの進捗状況でございますが、三八%に当たります二百十一キロメートルが既に開業いたしておりまして、それから三六%に当たる二百二キロが工事中または免許済みとなっております。残り百四十八キロ、二六%につきましては未着手でございます。
  111. 渡辺博道

    渡辺(博)分科員 現在未着工区間が二六%ということでございますが、その中で、一つ地下鉄十一号線の中の押上−松戸間、十三・三キロございますけれども、この区間整備の見通しについてお伺いします。
  112. 梅崎壽

    ○梅崎政府委員 ただいま御指摘ございました地下鉄十一号線でございますけれども、これにつきましては、通勤混雑の緩和であるとか、あるいは地域活性化といった観点から重要な路線と私ども認識いたしております。  現在、十一号線につきましては水天宮と押上の間を建設中でございますが、押上以遠の十一号線につきましては、基本的には七号線と十一号線に引き続いて行うこととしたいと私どもも考えておりますけれども、この具体的な時期あるいは具体的な見通しに関しましては、まず採算性の問題についてまだ十分詰め切っていないという問題がある、これが一点。それから、営団地下鉄の民営化の問題がございまして、民営化に伴って地下鉄整備のための助成策をどうするかという非常に大きな問題がございまして、このような問題点があるところから、現在のところ、具体的な見通しは明らかにできる段階にはないというのが現状でございます。
  113. 渡辺博道

    渡辺(博)分科員 それでは、本来、この運輸政策審議会の答申、これについてどのように運輸省としては事業計画推進していくのか、その基本的な考え方をお伺いしたいのです。こういう形で、審議会が時間をかけて首都圏における鉄道整備の基本計画がなされたわけですけれども、これをやはり着実に推進していくことが私は必要だというふうに思うわけでありますが、そういった意味におきまして、この審議会との関係において、運輸省はこの計画をどのように推進していくか、その考え方をちょっとお伺いしたいのですが。
  114. 梅崎壽

    ○梅崎政府委員 運輸政策審議会におきましては、東京圏あるいは名古屋圏、大阪圏といったぐあいに、大都市圏におきます鉄道整備に関しまして、それぞれどのような路線なりあるいは複々線化することが必要であるかというのを具体的に、地元の自治体の事業者の方々の意見あるいは関係事業者の方々の意見も踏まえながら、将来的な計画としてどうあるべきかということを審議した上で取りまとめてきております。今先生指摘の昭和六十年の運輸政策審議会も、当然そういった手続を踏んで、西暦二〇〇〇年までに整備すべき新線あるいは複々線化の路線として答申が出されたものでございます。  私どもも、当然のことながら、都心におきます通勤通学を初めといたします輸送の実態を考えて、どのような新しい路線が必要か、あるいは複々線化が必要かということはこの答申の考え方が基本になるものと考えておりますが、ただ、現実問題として、この答申は、基本的には考え方なりあるいは計画でございますので、これを実施に移すには、その計画を実現するための手段がきちんとして整備されるか、あるいはその前に、事業採算性を全く無視をして答申が出されているとは考えませんが、さらにこれを現実のプロジェクトとして推進していくためには、採算性をさらに詰めた上で必要な措置も講じていかなければならない。国と地方の必要な助成策ということも現実問題として考えていかなければ、現実のプロジェクトとしてはなかなか進まないものも多うございますので、そういったような課題をどうしていくか。  このような問題点が解決できたものが事業に着手をされ、完成されて開業される、あるいは既に時期的にはおくれておりますけれども、少なくとも手がつけられているといったようなものでございまして、なかなかこういったような課題に現実問題としてめどがつかないものが未着手として残されているということでございます。  私どもも必要性はもちろん十分認めておりますし、重要性も認識しておりますけれども、現実的な課題をどうやって解決していくか、これが計画を具体化するに当たっての私どもにも課せられた課題である、このように思っております。
  115. 渡辺博道

    渡辺(博)分科員 今局長のお話を聞きますと、なかなか予定どおりいきそうもないな、そういうお話をちょっと感じたわけでございますけれども、そうなりますと、地下鉄十一号線が七号答申の中で目標年次二〇〇〇年ということで設定されております。それが着手されない場合、次期答申はまだ先の話でありますけれども、実際どうなるんでしょうか、その辺が大変危惧するところでありますけれども。いかがでしょうか。
  116. 梅崎壽

    ○梅崎政府委員 ただいま私一般論として、なかなか課題を克服することができないがために着手できないといった路線の事情を申し上げましたが、十一号線につきましては、先ほども申し上げましたとおり、その重要性は私どもも認識しております。  ただ、これにつきまして、先ほど申し上げましたとおり、具体的な展望を今の段階でなかなか明らかにすることができない状況でございます。これを次なると申しますか運輸政策審議会、二〇〇〇年を目標としてやってきておりますが、六十年に出された答申は二〇〇〇年を目標にということでございますけれども、当時とは現在既に経済社会情勢も大きく異なっておりますので、新たな東京圏におきます鉄道整備計画をどうするのかというのが、当然のことながら検討する必要がある課題である、こういうぐあいに私ども思っておりまして、目下答申の実施状況であるとかあるいは今後の課題につきましていろいろ内部的な勉強をしている状況でございます。  近い将来、この運輸政策審議会におきましてさらに審議が行われる際には、当然のことながら地元の方々の御意見もいろいろ聞くということになりますし、また関係の地元の方でも、地元の要望をこの審議会の答申に反映させたいというお考えもあろうかと思います。そういったような中でこの十一号線の取り扱いを検討していくことになろうかと思います。  私、先ほど申し上げましたのは、重要性は認識しておりますけれども収支採算性の見通しが今までのところまだなかなかつかないということと、それから営団の民営化の問題等がありまして、具体的な点は今の段階ではなかなか明らかにしにくいということを申し上げたわけでございまして、決してその必要性を否定しているものではございません。
  117. 渡辺博道

    渡辺(博)分科員 地下鉄八号、十一号線については、昭和六十年に運政審が出て以来、地元の江東区、墨田区、葛飾区、松戸市、三区一市の長が、早期実現に向けて地下鉄八・十一号線促進連絡協議会というものを六十一年に設置したわけですね。そしてその総決起大会、第一回目が六十三年十一月八日、以後十一月八日、十一号線と八号線ということで十一月八日のたびに住民の決起大会を実施しているんですよ。昨年で九回目、その間当然のことながら歴代の運輸大臣にはそれぞれ御陳情申し上げておるわけです。  このように地元では常に精力的に鋭意努力して皆さんにこの実態をお訴えをしているんですが、まだまだ先が、今言ったように見えない。でも、現実に毎日が苦痛の中で朝のラッシュ、これを早く解決していきたい、これはやはり政治の力がなければできないんじゃないかというふうに思うんです。そこでもう最終的には大臣が決断していただけば、ここを重点的にやれよと言えばある程度決まるのかなとは思うんですが、これは私なりの単なる希望的観測でありますので、御答弁は要りません。一応こういった現実をしっかりと見据えていただきたいというふうに思います。  時間がなくなりますので、次の問題の方に移らさせていただきます。常磐新線の関係についてであります。  常磐新線は、東京への一極集中の是正策として国家的なプロジェクトとして期待されているところでありますけれども、この事業を早期かつ円滑に推進していくためには、沿線自治体の負担の軽減、支援策が必要不可欠であると思うわけであります。  特に昨年の十二月、常磐新線の開業を当初計画二〇〇〇年から二〇〇五年に延期するというような見直しが行われました。と同時に、関係自治体は、出資金の前倒し等を行うなど大きな負担が伴うようになってまいりました。このような負担を軽減する観点から、国として今後もより一層の財政支援措置を行うべきと考えるわけでありますが、例えば整備新幹線においては、地方交付税の地方債の元利償還金の五〇%が補てんされるというような扱いがされております。このような扱いを考えることができるのかどうか、こういったものも含めてお答えいただきたいと思います。
  118. 梅崎壽

    ○梅崎政府委員 常磐新線の整備計画でございますが、これは私どもにとりましても、首都圏におきます鉄道整備として大変大きなプロジェクトでございます。残念ながら、これが当初予定したとおり計画がなかなか進まないものですから、今回関係の方面に多大な協力をいただきながら、計画につきまして全般的に見直しを行いました。総事業費を引き上げるとか、引き上げますと当然所要資金が増大いたしますけれども、これに伴いまして、国とか地方公共団体の無利子貸付金を増額するあるいは貸し付けの償還条件を緩和するといったような措置、あるいは関係の自治体の出資前倒しの支援措置を講ずるといったようなことをやってまいりました。  現在の段階では、我々は相当程度ぎりぎりの支援措置について関係者間の理解を得ながら進めていきたいと思っております。基本的には、この支援措置によりまして常磐新線のできるだけ早い完成、開業に結びつけていきたいと考えております。  なお、先生指摘ございましたような点、これを直ちにというのは、なかなか今までの経緯から申し上げまして、あるいはいろんな課題もあろうかと思いますが、今後常磐新線が円滑に進み、か つまた鉄道経営として成り立っていくようにするには、さらに今後その時期に合わせましていろんな問題点がまた出てこようかと思いますけれども、そういった中で、御趣旨を踏まえながら種々検討してまいりたいと思います。
  119. 渡辺博道

    渡辺(博)分科員 時間が大分迫ってまいりました。  最後の質問でございますが、常磐新線についての官民共同出資の第三セクター方式で行うということでありますが、現在までは民間出資の実績はゼロだというようなお話でございますけれども、その見通しについてはいかがでしょうか。
  120. 梅崎壽

    ○梅崎政府委員 ただいま御指摘ございましたように、民間出資に関しましては、整備主体でございます首都圏新都市鉄道株式会社の設立に際しまして要請を行いましたけれども、まだなされていない状況でございます。  この官民の支援体制といたしまして、平成六年に常磐新線プロジェクト推進協議会というものが設立されまして、現在二百十八社の民間企業を含む会員が参加してこの支援方策の調査検討を行っているという状況でございますが、先ほど申し上げましたように、運輸省としても常磐新線の実情に合わせまして、国、自治体の支援策の強化につきまして調整を行ってこれを進めているところでございますので、これを機会に民間につきましても、出資の問題、民間の支援策につきまして前向きにさらなる検討をしていきたい、こう考えております。
  121. 渡辺博道

    渡辺(博)分科員 ありがとうございました。  この常磐新線並びに地下鉄十一号線の問題、これはやはり私たちこの首都圏に住む人間として早期に解決していかなければならない重要な問題であります。声は出さないけれども、多くの声なき大多数の人のためにひとつ目を向けていただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。  質問を終わります。
  122. 葉梨信行

    葉梨主査 これにて渡辺博道君の質疑は終了いたしました。次に、滝実君。
  123. 滝実

    ○滝分科員 自由民主党の奈良県第二区選出の滝実でございます。  地元の長年の懸案につきまして、そのうちの幾つかをお尋ねし、あるいは御要望を申し上げさせていただきたいと存じます。ただいま首都圏の鉄道整備促進につきまして質疑がございましたけれども、私の方も地元の鉄道、新線の問題についてお尋ねをし、御要望を申し上げたいと思うのでございます。  現在、関西の中では、臨海部の大規模プロジェクトと並んで、内陸の関係では関西文化学術研究都市の整備が着々として進んでおりまして、恐らく予想を上回るテンポでこれからも進んでいくのだろう、こういうような予測をいたしているわけでございます。これに関連して、鉄道交通網の方もそれなりの進展を見てまいりました。JRの電車基地、あるいまつい最近も、JRの奈良から研究学園都市を経由して大阪の臨港地区へ参ります東西線、こういうようなことで着々として進んでいるわけでございます。  そのうちの一つでございます京阪奈新線につきましては、これは平成元年の運輸政策審議会で方向づけがされたと思うのでございますけれども、この京阪奈新線について、その計画の概要あるいは現在どういう状況になっているのか、この点についてまずお尋ねをさせていただきたいと存じます。
  124. 梅崎壽

    ○梅崎政府委員 京阪奈新線でございますが、御指摘のとおり平成元年五月の運輸政策審議会答申第十号におきまして、整備すべき路線として位置づけられたものでございます。これまでの経緯でございますけれども平成五年の五月に、奈良県、京都府、近鉄それから近畿運輸局、この四者により構成されます京阪奈新線整備研究会が設置されまして検討が進められております。  この研究会で、平成七年の七月に京阪奈新線の整備に関する中間的な検討所見が取りまとめられました。その内容をかいつまんで申し上げますと、近鉄の奈良線生駒駅から近鉄京都線高の原駅まで約十二キロを建設するというのがまず基本的な考え方で、その場合の建設費はおおむね千六百億円であること、それから、事業採算性が厳しい状況にありますことから、早期事業化を図る方策といたしまして、生駒駅から登美ケ丘付近まで約八キロを第一段階として部分整備することが適当であること、この場合の建設費は約一千億円で、輸送需要は平成十七年度で一日当たり約七万人程度と想定されるというぐあいになっております。  これ以降は、この中間的な検討所見に沿いまして、さらにこのプロジェクトの具体化のための話し合いが行われている、こういう状況でございます。
  125. 滝実

    ○滝分科員 この問題につきましては、地元の新聞でもさような報道がされておりまして、地元では既に熟知している問題でございます。今の御答弁でございますと、建設費が高い、こういうようなことから、区間をとりあえずは登美ケ丘まで、こういうようなことでございますけれども、問題は、そうしますと、かなり中途半端な結果も予想されるわけですね。  この京阪奈新線は、御案内のとおり、関西文化学術研究都市の交通網の一環であると同時に、現在のいわば近鉄奈良線が大変混雑している、これを大阪に向けて多少ショートカットして現在の近鉄奈良線の混雑緩和にも役立てたい、こういうことでもあるわけでございますけれども、最終的にこの辺のところは運輸省御当局としてはどうお考えになっているのか。その辺のところを伺いたいと思います。
  126. 梅崎壽

    ○梅崎政府委員 京阪奈新線の意義でございますが、これにつきましては、私どもといたしましても、関西文化学術研究都市の整備、これへの対応のみならず、一つは、近鉄奈良線の沿線におきます地域開発に伴いまして輸送需要が増加いたしておりますので、これの対応が必要であるということ、それから近鉄奈良線自体の混雑緩和のためにも必要である、このような観点から、この線は意義があるというぐあいに認識しております。
  127. 滝実

    ○滝分科員 もう一つ、時期的な点について確認をさせていただきたいと思うのでございます。  当初の目標では二〇〇五年までと、こういうようなことでございますけれども、今御答弁のように、まずは登美ケ丘まで、以遠の問題はそれ以後の問題、こういうようなことでございますけれども、まず時期的に二〇〇五年がある程度ずれ込むのじゃなかろうかな、こういう心配も片やございます。そういった時期的な問題も含めて、この京阪奈新線の整備が余り順調にいっていないような感じも受けますものですから、その整備が必ずしも順調にいっていない、その辺のところの事情をもう少しお聞かせいただきたいと思うのです。
  128. 梅崎壽

    ○梅崎政府委員 京阪奈新線につきまして、鉄道一般の場合と同じような問題がやはりございまして、予想される輸送需要に対しまして多額の建設費を要するために、なかなかその収支採算性を確保することが難しいという問題でございます。  新線の必要性は、これはもう私ども十分認識し、また会社である近鉄自体もこの必要性はやはり強く認識しているところでございますけれども、この収支採算の見通しについていかなる解決策を講じていくかというのが一番の乗り越えなければならない課題でございまして、これにつきまして明確な答えというか対応策が今の段階で見つからないものですから、なかなか進まないという状況にあると私ども考えております。  この点につきましては、私ども国としても、地域とまた十分御相談しながら、あるいは会社とも十分相談しながら、種々今後の方策を検討していかなければならないのではないか、このように思っております。
  129. 滝実

    ○滝分科員 運輸省御当局の御苦心も大変よくわかるところでございまして、問題は、明治の初めに鉄道建設への情熱が大変高揚いたしまして現在の鉄道網の骨格ができたと思うのでございますけれども、現在も鉄道の必要性というのは同じように強いものがあるだろうと思うのですね。ところ が、現今の状況からいきますと、鉄道というのはJRがやる、あるいは私鉄がやる、こういうことで、どうも地元と遠く離れたところでやってくれるのだろう、こういうような感じが大分強くなってしまっているというところに財源問題の基本があるように思うのです。  やはり鉄道というのは、そういうような国としての国策の一つではあるでしょうけれども地域の問題でもございます。今回の整備新幹線の財源探しで運輸省当局も大変御苦労されたわけでございますけれどもJRにお任せするあるいは私鉄にお任せするという以外に、こういった問題については、財源確保についてやはり国民的な合意を得るようなPRも片やお願いを申し上げたい。地元としては、そういうことを受けてできるだけのバックアップをしていくことはやぶさかではございませんけれども、とにかく余りにもJRあるいは私鉄だけにお任せということからやはり一歩踏み出すようなPRも必要ではないだろうかな、こういう感じを受けますものですから、今後の御努力を、御要望だけ申し上げておきたいと存じます。  そして具体的に、そういった財源確保の観点から、運輸省御当局で特段な支援策というものをどう考えていくのか、そういった点について、これは御答弁というのはなかなか無理でしょうけれども、御感想でもあればお聞かせをいただきたいと思うのです。
  130. 梅崎壽

    ○梅崎政府委員 あるいは先生の方がもうはるかにお詳しいかと存じますけれども鉄道整備に対する補助制度、これを私どもは従前は一般会計の中で大変苦労しながら毎年の財源の確保に努めてきたわけでございますが、都市鉄道に対します国の補助制度として地下鉄補助とかニュータウン補助がございますが、これが平成六年度から公共事業関係費として認められることになりまして、私どもは現在はその制度の中で拡充に努めているわけでございます。  当然のことながら、公共事業関係費の中でやりますと、公営のケースであるとかあるいは第三セクターのケースといったようなことになります。具体的にその京阪奈新線の場合で申し上げますと、近鉄という、このような純粋の民間事業者に対する補助制度がないのが実情でございまして、このような点を今後どう考えるか。要するに事業主体として民間事業者が適切なのかどうか、補助制度につきましても、公的なセクターに対する補助制度は少しずつ私ども拡充してきたつもりでございますけれども、民間に対してそういうことができるかどうか、やはりなかなか根本的な問題があろうと思いますので、こういった点も考えながら、今後この問題には対処してまいりたいと考えております。
  131. 滝実

    ○滝分科員 ひとつ今後の早急な整備促進に向けての御努力を心から御要望申し上げまして、この問題はこの程度で終わりたいと思います。  次に、JRの駅舎整備の問題こつきましてお尋ねをさせていただきたいと思うのでございます。  JRが民営化されるという段階で、実は地方財政再建特別措置法の中のJR等に対する寄附行為の禁止規定が削除されているわけでございます。これは、国並びにそれに準ずる公社公団については寄附行為の制限ということで、地方財政が悪化したとき以来の伝統の条文だったのでございますけれども、国鉄民営化に伴ってそのような条文が削除されました。削除されたのでございますけれども、問題は、それとは別にJRの駅舎整備、こういった問題は、地方のいわば中核的な施設整備という観点からは大変根強いものがございまして、都市の再開発あるいは町づくりの大きな流れの中で、地元としてはJRの駅舎といえども整備していかなければならぬ、こういう問題は避けて通れない問題がございます。  そういう中で、地元の商店街あるいは地元の駅前の開発地域に、それなりの負担能力がある企業が集まっている場合には、駅舎整備も比較的そういうような財政負担が地元でできていくわけでございますけれども、そうでない場合にはなかなか難しい。ところが、町づくりはしていかなければいかぬ、駅前整備は大事だ、こういうことになってまいりますと、どうしてもこれは当該地元の市町村の負担で何とか進めなければならない、こういう事態が出てくるわけでございます。  ところが、先ほど申しましたように、国鉄が民営化された段階で再建法の条文からは外れたのでございますけれども、実際問題としては、この考え方、地元の市町村のJRの駅舎に関連しての寄附行為というのはどうも従来どおりのような感じがするのでございますけれども運輸省御当局ではその辺のところはどういうふうに認識されているのか、まず承りたいと思います。
  132. 梅崎壽

    ○梅崎政府委員 今御指摘のようなJRに対する地元の駅舎等の整備に対する寄附金の支出の問題、これは御指摘のような状況でございます。  そもそも国鉄改革の際に、国鉄改革関連八法案の国会審議に当たりまして国会からも、国鉄の分割・民営化後の旅客会社、貨物会社に関しましては、従前どおりのような国鉄に対すると同様のような当分の間の取り扱いというようなことが附帯決議で行われたということもございますので、運用面で実は国鉄時代と同じようなことをやってきているのが実態だろうと思います。
  133. 滝実

    ○滝分科員 そこで、自治省にお尋ねしたいのでございますけれども、自治省としてこの問題についてどういうような考え方をおとりになっているのか。全く国鉄時代と同じような考え方なのか、多少変更したところがあるのか、その辺のところをまずお尋ねをさせてもらいたいと思います。
  134. 野平匡邦

    ○野平説明員 旧国鉄当時におきましては、地方団体の寄附金等の支出に関しまして、地方財政再建特別措置法二十四条二項の規定で国の承認が必要であるという扱いになっておったわけですが、民営化に伴いまして、法律上は同法の寄附金等の支出制限の対象外とされました。しかし、法案の国会審議におきまして、両院で地方団体の負担に関しての附帯決議を受けまして、JRに関しましても当分の間従前どおりの扱いということになってございまして、そのとおりの運用をしているわけでございますけれども、地方団体のさまざまな需要というものを受けまして、なるべく地方団体側に立った立場で御協議をいただいているところ  でございます。
  135. 滝実

    ○滝分科員 このJRであれあるいはその他の民鉄であれ、駅舎というのは線路を境にして地域が二分される、こういうようなことでございまして、従来は、そのために駅のどちら側かが発展し、どちら側かが停滞する、こういうことがずっと続いてまいりました。そこで、最近は橋上駅ということでもって、線路の両側をつなぐようなそういう通路をつくる、あるいはそのために駅舎も橋上駅ということで橋の上に乗せる、こういうようなことをしきりにやってきて、これがかなり地域的な連帯感あるいは町づくりに役立ってきているわけでございます。  そういう意味では、私はこのJRに一方的に地元の市町村が負担をするというのはいかがなものだろうかとは存じますけれども、その辺のところはある程度弾力的にやっていただきませんとなかなかうまくいかない点があるのじゃなかろうかな、こういう感じがいたしますので、ひとつ自治省におかれましては、通達上指導するというようなことになっておるようでございますけれども、その辺のところの弾力的な取り扱いをお願い申し上げたいと思うのです。  それからもう一つ、JRにお願いをさせてもらいたいのは、JRもなかなか商売に徹してこられたものですから、橋上駅になってまいりますと、当然足の不自由な方のためにエスカレーターは必置の施設になるのでございますけれどもJRが設計いたしますと、そもそも最初は、エスカレーターなんというのは大体設計に入ってこないのですね。地元がやいやい言うと、ようやく、それではというのでエスカレーターを二次的に設計の対象にする、こういうことでございます。もちろん、その設置するエスカレーターはJRが御負担にな りません  そういうようなことで、JRも経営的な観点からだろうと思うのでございますけれども、そういうようなことではなかなかこれからうまくいかないのじゃなかろうかな、少なくとも、エスカレーターとかそういうような今の世の中に通用するようなものはできるだけ最初から御配慮されるように、特に、これは鉄道局を通じてそういうような御配慮をされますように、これは御要望だけ申し上げておきたいと思います。  次に、三番目の問題として、地方都市の路線パスの問題についてお尋ねをさせていただきたいと思うのでございます。  高齢化社会ということが言われてまいりますと、若いうちは、新興団地へ進出するに際しても、マイカーで飛び回れますから何とか日常生活が事足りたのでございますけれども、年をとってまいりますと、なかなかマイカーというわけにもまいりません。子供が土曜、日曜に迎えに来てくれるのを待たないと病院にも行けない、こういうようなことになりがちでございます。そこで、これからの高齢化社会ということになると、特にやはり路線パスを充実していかなければならぬ、こういう問題が出てきているように思います。また、高齢化社会向けに、地方都市では地方都市なりに、年間を通じてのバスの無料切符を配るとか、こういうことも最近は盛んにやっているのでございますけれども、無料の乗車券を配っても乗るべき路線パスがないという地域が圧倒的にあるのですね。  そこで、問題になってまいりますのは、地方都市といっても、新しく新規に開発されたところは道路もそれなりに立派でございますから、私ども東京の町の中で見るような通常の大型パスが走っているのでございますけれども、城下町のようなところは、町の中がパスが走れるような道路になっていないところが圧倒的に多い。そうすると、どういうことになるかというと、パス路線というのは、道路のいいところだけ走っていたって、町の中の病院とか駅舎に通じていなければバス路線として成立しないわけでございますから、結局は路線パスができない、こういう事態が出てまいります。  そこで、今私どもの奈良県の中で走っているバスは、全国にも珍しく、圧倒的にマイクロバスが多い地域があるのでございます。余り名誉な話ではございませんで、奈良県内でのマイクロバスが出現しましたのは、昭和五十五年に、奈良の一番南の端の十津川村の山合いの中を走る路線バスでマイクロバスが出現したのが最初だと思うのでございますけれども、今県内にマイクロバスが相当程度走っております。  こういった点についてお尋ねをしたいのでございますけれども、一つの考え方として、マイクロバスが路線バスに採用されればそれでいいじゃないか、大型バスは無理だ、マイクロバスでも走ればそれでいいじゃないか、こういう考え方が一つあるわけです。バス会社の経営の立場からいうと、それはそれなりに一つの合理化だと思うのでございますけれども、しかし、よく考えると、このマイクロバスというのは合理化につながらないのですね。お客さんの乗る人員が少ない、したがって、運転手が一日に運べるお客さんの数が普通のバスに比べると圧倒的に少ないという問題がございます。もちろん、大型とマイクロバスではパスの免許が違いますから、人件費もあるいは抑えられるのかもしれませんが、どうも経営的に見ると、マイクロバスというのはそれなりにハンディーが出るのじゃなかろうかな。  こういった点について、運輸省の専門の立場からどうごらんになっているかをお聞かせいただきたいと思います。
  136. 荒谷俊昭

    ○荒谷政府委員 マイクロバスは、先生おっしゃいますように、輸送力としては大型パスに比べると相当小さいわけでございますけれども、そこの路線の特性といいましょうか、例えば道路の幅ですとか、あるいはピーク時にあってもそれほどのお客さんがいない、マイクロバスでも十分対応ができるといった路線もございますし、また、ピークのときには相当乗っていただけるけれども、オフピークのときには非常にお客さんが少ないとか、路線の状況はさまざまでございまして、そこらあたりを事業者としてはいろいろと考えて、そこの地域の需要なり道路条件に合った車両を投入をしているものというふうに考えてございます。  私どもも、バスといえば必ず大きなものでなければならないということでは決してございませんで、そういった実情を踏まえた対応をするようにということで指導をしているところでございます。
  137. 滝実

    ○滝分科員 昔から、路線パスの助成の対象としては、いわば過疎地域の過疎パスがございます。それから、これも運輸省の御指導だと思うのでございますけれども、新しく新興住宅団地を開くときには、団地が満杯になるまではお客さんの数もまばらである、こういうことから、団地ができ上がって五年間なら五年間は県、市町村から助成金を出すとか、そういうような新興住宅地の足の確保の助成措置も地方では行われてまいりました。  ところが、マイクロバスというのは、地元のパス路線網の確保という観点からこれは何とかやっていかなければならぬ、こういうことで出てくるのでございますけれども、今申しましたように、経営的にはなかなかそれなりに苦労が要る、大変だろうという感じがいたします。これは運輸省の資料だと思うのですけれども、私の聞いたところによりますと、現在、全国で路線バスに使われている車両は約六万台、そのうちマイクロバスは一千台というふうにお聞きをいたしておりますが、何とかこの辺のところはしかるべき助成策ができないものなのかな、こういうようなことを片や考えているような次第でございます。  運輸省におかれましても、その辺のところはこれからの問題としてお考えいただきたい、こういうことを御要望申し上げたいと思うのです。  それと、税金の問題でございます。  きょうは自治省の税務局の方を呼んでおりませんけれども、営業用のバスの税金は、一般の車両に比べて自動車税を大変安くしてあります。安くしてあるのですけれども、マイクロバスと普通の営業用バスの自動車税の金額というのはそんなに差がないのですね。マイクロバスだからごく安くなっているとか、普通の大型パスだから税金が高いとか、営業用のバスの自動車税についてはそんなに差がないというのが実態だろうと思うのでございますけれども、そういった点でも、少しは、マイクロバスは効率が悪いから税金を安くするとか、そういうようなお気持ちがあるかどうか、ちょっと運輸省の方にお尋ねをさせてもらいたいと思うのです。
  138. 荒谷俊昭

    ○荒谷政府委員 私どもの考えでは、今の税制は、自動車重量税というのは重量に比例をして、そして自動車税につきましては、財産税的な性格と重量比例、こういうミックスされたものでできているというふうに理解をいたしておりますけれども、現状でそれほど不適切なものとは考えてございません。
  139. 滝実

    ○滝分科員 三十人以下の路線バスの自動車税の税金は年間一万二千円でございますから、それを多少値切ったところで大したことない、こういうような考え方もあろうかと思うのでございますけれども、ひとつその辺のところを含めて御検討いただければ幸いでございます。これは御要望にさせていただきます。  以上、終わります。
  140. 葉梨信行

    葉梨主査 これにて滝実君の質疑は終了いたしました。  次に、大村秀章君。
  141. 大村秀章

    大村分科員 自由民主党の大村秀章でございます。お時間をいただきましたので、予算委員会分科会で御質問をさせていただきます。大臣初め政府委員の皆様には、連日の予算委員会審議で大変お疲れのことと思いますが、もうあと少しと言うと語弊がありますけれども、あと一歩でございますので、明快な御答弁をお願いをしたいというふうに思っております。  私は、日本の航空政策といいますか、特に空港整備につきまして、御質問をさせていただきたいというふうに思っております。  経済、社会、文化、それぞれの分野で国際化が進んでおる。言い古された言葉ではございますが、まさしく国境のない社会、経済がやってきておるわけでございます。ボーダーレス化が進展をしておる、そういう中で、人や物を短時間で運ぶことができる飛行機というのは、高速交通機関の中でも最もすぐれた交通機関ではないかというふうに思っております。  これは改めて運輸省の方から資料をいただいて数字を見させていただきまして大変驚いたわけでございますが、旅客数、貨物量はもちろんでありますが、特に国際旅客数というのは右肩上がりでどんどん伸びておるということでございます。平成二年から七年にかけて数字を見ましても、国際線の旅客数が三千百万人から四千四百万人、これは五割増し、国内も六千五百万から七千八百万ということで、これも大体二割増しというようなことでございます。そういう意味で、この時代に需要がどんどん伸びていくというのが航空の事情ではないかというふうに思っております。これからまた、これがずっと伸びていきますと、二〇〇五年には国際の旅客数が六千万人を超える、国内は一億人を超えるというような伸びが見込まれておるわけでございます。そういう意味で、合計すれば今現在でも一億二千万、日本の人口とほぼ同じ方々が飛行機、航空を利用しておるわけでございます。大変重要な国民の足、もちろん、人、物を運ぶ交通体系である飛行機でございます。やはりこの受け皿、拠点である空港整備していかなければいけないというふうに思っております。  そういう意味で、全世界で空港整備についてどんどん大型化を目指しておる、それも国際ハブ空港、そこに行ってまた国際間、主要な都市を行き来する、ハブ空港整備が各地で行われておるわけでございます。空港大型化、特に東アジア地域で最近、韓国でありますとか、香港シンガポール、それぞれの地域で競って空港大型化が進められておる状況はもう既に御案内のとおりでございます。そういう中で日本はどうも立ちおくれたのじゃないかというようなことも言われております。全世界で行われておる空港大型化国際ハブ空港整備といったものも、日本は乗りおくれていいといったわけにはいかないというふうに思っております。東アジア地域、特にアジア拠点として日本国際空港整備をどうしても急いでいかなければいけないというふうに思うわけでございます。  そうした中で、昨年十二月に第七次空港整備五カ年計画が閣議決定をされたわけでございまして、当面の空港整備の大方針が決定をされたところでございます。これを受けまして、今後どういうふうに空港整備を進めていかれるおつもりなのか。その点につきまして、まずその基本的な進め方、考え方を大臣の方からお伺いをしたいと思います。よろしくお願いいたします。
  142. 古賀誠

    古賀国務大臣 先生がおっしゃっているように、これからの空港整備のあり方というのは、国際化が進む中でございますから、まず国際ハブ空港、国内的な拠点空港、こういった分野にまさに時期を失しないような整備を図っていくということが大変重要かというふうに思います。  今お話がありましたように、そういうことを踏まえ、昨年十二月に閣議決定をいたしております第七次空整五カ年計画におきましても、国際ハブ空港という観点から新東京国際空港、関西国際空港、そして中部国際空港、関空におきましては第二期事業でございますけれども、それに大都市圏の拠点空港、こういった分野を最優先して整備を進めていく、こういうことを基本として今後の空港整備のあり方というのは進めていきたい、このように考えております。
  143. 大村秀章

    大村分科員 まさしく大臣が言われましたように、大都市圏での空港拠点空港整備していくということが昨年の閣議決定をされました空港整備五カ年計画の大きな特徴ではないかというふうに思っておるわけでございまして、そのこと自体は大変結構なことだろうというふうに思っております。日本もやはり国際ハブ空港を早急に整備していく必要があるというふうに思うわけでございます。  しかしながら、その一方で、日本の国土事情を考えますと、諸外国がやっております、アメリカとかもちろん韓国も香港もそうなんでありますが、何千ヘクタールという大きな土地を用意をして四千メーターぐらいの滑走路を四本、五本を整備するというようなのをいっぱいつくれればいいわけでありますけれども、なかなか日本の国土事情ではそうはいかないのではないかというようなことがあるわけでございます。そういうことからすれば、一本では今の成田の状況ではなかなか厳しいのだろうと思うのでありますが、やはり国際的に通用する四千メーター級の滑走路を二本備えた空港拠点拠点の都市に据えつけていくといいますか、整備をしていくということがどうしても必要ではないかというふうに思っております。  ですから、そういう意味では、先ほど大臣言われましたように、成田、関空、そういったものの整備は着実に進めていっていただきたいわけでございますが、そういう中で、先ほど大臣の方からもお触れをいただきました、今回の空港整備五カ年計画で初めて頭出し、こういうことが成ったわけでございますが、中部新国際空港につきまして、早急に事業化に向けましてその枠組みを詰めていく必要がある、やっていかなければいかぬということでございます。  そういう意味で、現時点における中部新国際空港事業化に向けての検討状況、また運輸省といいますか航空政策での位置づけといったものにつきまして、御当局のお考えをお伺いしたいというふうに思います。よろしくお願いします。
  144. 黒野匡彦

    ○黒野政府委員 先生指摘のとおり、東南アジアあるいはアメリカ等におきましては、大変大規模な空港をつくるプロジェクトが進みつつあります。ただ、私ども日本の地形的な問題あるいは環境問題等を考えますと、超大型の空港を一カ所にまとめてつくるというのはなかなか難しかろうというふうに思っておりまして、羽田が完成いたしますと約千ヘクタールであります。それから、成田の空港もほぼ千ヘクタール、関空も二期が完成いたしますと、これも約千ヘクタールということで、日本におきましては、やはりそのくらいが一つの空港の大きさとしての限界ではなかろうかと思っております。しからば、世界的に見て厳しい条件の中で国際旅客あるいは貨物をどういうふうにうまくさばくかということでございますが、やはり千ヘクタール程度、あるいは空港によりましてはそれを下回るかもしれませんが、そういう空港を幾つかつくって、まとめて国際需要に対応するということではないかと考えております。  中部につきましても、七次の計画の中で早急に事業推進を図るという指摘をさせていただいておりまして、今関係の方面と具体的な内容につきまして一生懸命詰めている、そういう段階でございます。
  145. 大村秀章

    大村分科員 まさしく、中部新国際空港、これからということだろうと思いますが、これからはこれからでも、すぐやるこれからでやってほしいと思うわけでございます。地元の期待は大変高まっておりまして、そういう意味で、いろいろな課題があるのは承知をしております。空港をつくるのでありますので、当然空域の調整もしなければならないと思います。そしてまた、現空港との調整もやらなければいけない。アクセスの問題もあるということでございます。  しかしながら、事業を前に動かしていくためには、やはりだれがやるのかということを明らかにしていく必要があるのではないかと思うわけでございます。どういう主体がこの空港を進めていくのか。計画をし、そして関係者との調整、地元調整、漁業補償、いろいろなことがございます。そしてまた、建設をし運営をしていく、そういう事業主体をまずやはりできるだけ早くつくらないと、議論が議論だけでぐるぐる回るようでは、な かなか事業というのは前に進んでいかないと思うわけでございます。  そういう意味で、この事業の方式、事業の主体については、本来いろいろな御意見がありまして、これだけ大きな国際空港ですから、やはり国が主導権を持ってやっていくべきではないかというような声もあるわけでございますが、一方で、最近整備が進められております関西国際空港でございます。最近一番大きいのは関空だろうと思いますので、その関空の方式が一つのモデルになるのではないかといったような声もあるわけでございます。あくまでもいろいろな声でありまして、これから一年ぐらいで何とかそんな事業主体をつくっていくようなことがどうしても必要だと思いますが、その点についての事業方式、事業主体、こうした点についての運輸省当局のお考えを、ぜひお聞かせをいただきたいというふうに思います。
  146. 黒野匡彦

    ○黒野政府委員 御指摘のように、中部の空港につきましては、まだ詰めなければいけない問題が山積しているわけでございまして、幸いにも地元愛知県等々には大変協力していただいておりまして、国と地方が一緒になって、今問題についてそれぞれ詰めつつある段階でございます。幾つか難しい問題がございますが、その中で特にこの事業主体の問題、これは地元というよりもむしろ我々の責任の範疇かとも思いますが、これをどうするかというのがなかなか結論が出しづらい問題でございます。  成田につきましては、御指摘いただきましたように、公団がやっています。それから、関空につきましては株式会社形式ではございますが、これも特殊会社としてやっているわけでございまして、従来より国は、なるべく特殊法人の新設は抑えようではないかという方針できておりますし、昨今の行政改革に対する国民の強い期待の中で、果たしてこの中部国際空港について、従来と同じような方式で特殊法人としてスタートできるかどうか。ここはなかなか難しいところでございまして、私どもも、今幾つかの案を内々内部でつくりまして、なるべく早く一つの方向を出すべく検討している、こんな段階でございます。
  147. 大村秀章

    大村分科員 今黒野局長が言われた状況は、確かにおっしゃるとおりだろうと思います。その中で、幾つかの考え方というのが内部で検討されておられる状況だというふうにお聞きをいたしました。今言われたとおり、もちろん内部で、まだお詰めをいただいておる状況でございますので、今からこの場でどれがいいのだというような話はなかなか難しいのではないかと思うわけでありますが、ぜひ、できるだけ早い機会にそういったものを関係者との間でお示しをいただいて、とにかく前に進んでいくような形でのお取り組みをお願いしたいというふうに思っております。  そうした事業主体が一つあるわけでございますが、それと表裏の関係といいますか、一体の関係だろうと思いますが、空港ですから、もちろん使用収入とかいろいろな収入が入ってくるわけでございますし、また、完全な公共事業、道路だとか河川とかそういったものと違って、空港自体についてはやはり採算ということも大きな要素になってくるのではないかというふうに思っております。どうも、建設費が七千億、総事業費八千億というようなことがあらあらの事業費として言われておるようでございますが、そのうち、これの全体を有利子の借入金でやっては、なかなか採算性はクリアできない、こういうふうに言われております。  そういう意味で、新たな事業主体を組んで出資金、資本金をどういうふうなものにするか、そして、利子がつかない無利子の資金が相当必要ではないかというふうに言われております。今の財政の状況からいたしまして、国全体が大変厳しい状況であることは重々承知をしておるわけでございますが、この点につきまして、採算性、そして総事業費の中で、相当無利子の資金を用意しなければいけないのではないか。その分のうち、国の支援がやはり相当必要ではないかということだろうと思います。その点につきまして、国の支援もあわせて、採算性についてどう考えたらいいか、その点についてのお考えをお伺いしたいというふうに思います。
  148. 黒野匡彦

    ○黒野政府委員 先生指摘のとおり、採算性をどう考えるかというのは、これまた大変難しい問題でございます。関空の二期事業に今取りかかるべく努力をしておりますが、これにつきましては、大変海の深いところでございまして、採算性を維持し、なおかつ妥当な着陸料に抑えるということからしまして、関空の二期につきましては、今先生がおっしゃった無利子資金の比率を若干上げるような措置をとらせていただいております。ただ、中部の空港につきましては、幸いにも比較的浅くて地盤のいいところでございますから、全体の事業費としては、かなり妥当なところに抑えられるのではないかなと思っております。  ただ、採算性を左右する一番大事なのはやはり需要でございまして、この需要がどのくらい中部に来るかによって、最終的には採算性につながるということでございます。したがって、今、需要と先ほどの事業主体、さらには採算性を維持するために、民間も含めてあるいは地方公共団体も含めて、公的な資金あるいは無利子の資金をどのくらいお願いしたらいいかということを検討させていただいております。まだ、具体的な数字をちょっとこの場で申し上げるまでには準備が整っておりませんが、先生の御指摘、まさにそのとおりでございまして、早急に検討したいと思っております。
  149. 大村秀章

    大村分科員 事業がうまくスタートするかどうかというのは、やはり一にかかって、金目をどうするかということに尽きるのではないかと思います。そういう意味では、全体の事業費はもちろんでございますが、その資金の調達、できるだけ有利なことで回していけるような形で調達をして、一日も早くスタートできるようにお願いをしたいと思っております。  いずれにいたしましても、これからの公共事業のあり方にも若干絡むのじゃないかと私は思うわけでありますが、この中部新国際空港につきましては、従来の空港以上にやはり民間の創意工夫、民間の活力、そういったものを導入していかなければいけない、創意工夫を凝らして使い勝手のいい空港にしていかなければいけないというふうに思うわけでございます。そういう意味で、もちろん事業主体、採算性といった一番のハードコアの部分をしっかり詰めていって、とにかく物はつくらなければいけないわけでありますが、その運営なりそのやり方といったものについては、民間の創意工夫というのをぜひ、ちょっと抽象的な話になりますけれども、できるだけ入れるような形といったものが必要ではないかと思っております。これにつきましても、考え方をお聞かせいただければと思います。
  150. 黒野匡彦

    ○黒野政府委員 今の御質問も、私も全く同意見でございまして、中部につきまして極力民間活力を導入するという方向でいきたいと思っております。  関空におきましても、資本金の一部を民間に持っていただき、また経営陣の中に民間の方も入っていただき、民間の目から見たいろいろな御指示をしていただき会社全体としてうまく機能しているというところでございまして、中部につきましては、事業主体をどうするかという問題を別にいたしましても、民間の活力を最大限取り入れるようにしたいと思っております。特に、中部地区は我が国における機械産業の中心地でございますから、それらの企業の方々の知恵と力、その辺をかりた上で新しい空港をつくってまいりたい、かように思っております。
  151. 大村秀章

    大村分科員 ぜひそういう方向で、できるだけ多くの人の、関係者の知恵を結集していただいてその整備を進めていただきたいというふうに思っております。  そういうことで、空港自体はもうできるだけ早く整備をしていただきたいわけでございますが、空港はもちろんできるという前提で、その利用 が、本当に使いやすいかどうかというのは、そこにどういうふうにアクセスできるか、どういうふうに行けるかということが一番大きな課題だろうというふうに思うわけでございます。空港ができましても、アクセスが悪いと宝の持ちぐされということにもなるわけでございます。そういう意味で、できたら都心からやはり三十分ぐらいで行けるようなことが一番望ましい。そうでなくても、一時間かかるのはちょっと厳しいんじゃないかというような感じがいたします。  このアクセスについてそれぞれお聞きをしたいわけでございますが、まず、やはり何といっても、多くの人を一度に大量に運ぶには鉄道が優良な手段というふうに思うわけでございます。そういう意味で、今地元でも、鉄道でのアクセスについていろいろ考え方があるようでございます。民鉄、名鉄というのがありますのでそれをどうするか、そしてまた、JRはちょっとあの辺は走っておりませんが、それを延ばしたらどうかとか、いろいろ御意見があります。関空にしろ成田にしろ、JRも民鉄もあるわけでありまして、できるだけ多様なアクセスの手段が必要だと思います。そういう意味で、鉄道でのアクセスにつきまして今の御当局のお考えがありましたら、ぜひお聞かせをいただきたいというふうに思います。
  152. 梅崎壽

    ○梅崎政府委員 中部国際空港への鉄道によるアクセスでございますが、空港のアクセスとして鉄道が極めて有効であることは関空の例を見るまでもないところでございまして、先生指摘のとおりでございます。ただ、現実にどのようなアクセスを整備するかは、つまるところ、どれだけ輸送需要があるか、あるいはアクセス鉄道としての事業として成立し得るかということになろうかと思います。  今、中部国際空港に関しましては地元で空港自体の推進調整会議があり、その中にアクセス部会というのがございまして、そこへ関係者が入りまして鋭意検討を行っているところでございます。平成八年度末、この三月末を目途に結論が得られるように努力しているところでございますが、言ってみれば、多ければ多いほど利便性は増しますけれども、先ほど言いましたように、需要がどれだけあり、事業として成立するかということも考えながら、基本的に当面必要なもの、それから空港ができました後に、さらに発展し航空の旅客もどんどんふえてくるというような段階になればどうするかといったようなことで、二段階に分けて検討した方が適切ではないか、こんな方向で議論が行われているというぐあいに承知しております。
  153. 大村秀章

    大村分科員 鉄道でのアクセスにつきましても、今地元の方で詰めておるところでございますので、それについて、ぜひ運輸省御当局の方にも御支援もお願いしたいというふうに思っております。  次は、同じアクセスでも道路でのアクセスでございます。それもやはり高規格の道路、高速道路でアクセスをすることがどうしても必要じゃないかというふうに思っております。きょう、建設省の担当の方にもお越しをいただいておるわけでございまして、その整備に向けまして、現状そしてまたその考え方、特に、名古屋の北の方からずっと来るものはもちろんでありますけれども、私の地元は三河の方でございまして、東の方からのアクセスということも、どうしても欠かせないというふうに私は思っておるわけでございます。そういう意味で、そういった点も踏まえてのお考えをぜひお聞かせをいただきたいというふうに思います。
  154. 佐藤信秋

    ○佐藤説明員 ただいま先生お尋ねの中部新国際空港のアクセス道路につきましては、鉄道局長がお答えになられましたように、現在、地元で調整会議を開いておられまして、三月中をめどにまとめていこう、こういうことになってございます。基本的な考え方は、鉄道局長の御答弁にありますように、大急ぎで空港供用段階で間に合わせるべきアクセス道路、それから、ある程度本格化したときに追っかけて整備するような道路、二段階程度に分けながら整備を進めていくことになると思います。  当面、今検討しております内容を多少申し上げますと、都心からの、あえて申し上げれば南北方向になりますが、南北方向につきましては、知多半島道路と知多半島の横断道路、これを機能強化して活用しながらダイレクトな空港へのアクセスを検討していくのだろう。もう一本は、空港アクセス道路と私どもは申し上げておりますが、私ども計画上は地域規格道路という、自動車専用道路タイプでお考えいただいてよろしいと思うのですが、これの候補路線で今検討しておりますので、海岸側を主体にしながらもう一本整備を、構想段階でございますが、調査を進めていくのだろう、こう思っております。  それから先生お尋ねの三河からのアクセス、これも基本的には東名や第二東名を活用していくというのが当面の姿だと思いますが、きちっとしたアクセスという意味では、現在、名古屋三河道路、それから名浜道路、これも両方とも地域規格道路という、国の全体構想の中で既に候補路線として位置づけている道路でございますので、これの具体化を、調査を進めて急ぐべきであろう、こんなふうに考えております。  その他、岐阜方向とか三重方向とか、全体のネットワークの中で強化すべき部分があれば、地元の調整会議の御意見を踏まえながら大いに検討してまいりたいと思っておりますので、よろしくお願い申し上げます。
  155. 大村秀章

    大村分科員 名古屋の南北はもちろんでありますけれども、東からのアクセスということも御検討といいますか、これはぜひやっていただきたいというふうに思うわけでございます。  いずれにいたしましても、この空港、二十一世紀の中部地域を考えますと、やはりそのかなめの事業でございます。できましたら、できるだけ早く整備をしたい。私もここにバッジもつけておりますが、二〇〇五年の愛知万博のシンボルのバッジでございます。先ほど第六分科会で佐藤通産大臣とも万博の話をやりとりをさせていただきましたけれども、この二〇〇五年の万博とセットで中部新国際空港の一番機が飛ばないだろうかということが地元の大きな期待でございます。  愛知県、名古屋地域、中部地域、今までは新幹線にしろ、高速道路にしろ、ほっておいても東京と大阪を結ぶために勝手に通っていくということで、余りそういう大きな事業、プロジェクトを働きかけてやるという経験に乏しかったのではないかということがよく私の耳にも入ってまいります。そういう点は若干あろうかと思います。地元の県だとか、あと中部経済界そして地元のいろいろな関係者が、本当に熱意は持っておりますけれども、なかなか動きが思うようにいかないという点は時々聞かれます。ぜひそういった点がありましたら、私にも言っていただきましたら、これはしっかりやらせるように頑張りたいと思います。そういう意味で、これからもこの中部新国際空港整備に向けましてよろしくお願いをして、最後に一言だけ大臣にお考えをお伺いして、終わります。
  156. 古賀誠

    古賀国務大臣 先生の御地元の中部新国際空港の問題でございますので、先生がいかに期待しているかということを私も直接肌で感じたところでございます。  これからの中部地域の発展の礎になる空港でございますが、大変大きなプロジェクトでありまして、一番大事なことは、地元の地域の方々とどう共生していくか、理解をどう得ていくかということが非常に大事なことだと思っております。そういう意味で、現在、地域の方々との計画づくりや、それぞれの課題について調整、話し合いが進められていると承知いたしているところでございます。これらの解決が一日も早く地元の地域の方々との共生の中でなし遂げられまして、国も地域もさらに連携を密にする中で事業化が一日も早く進められるように、着手できますように、私といたしましても最善を尽くしてまいりたい、このように思っております。
  157. 大村秀章

    大村分科員 ありがとうございました。
  158. 葉梨信行

    葉梨主査 これにて大村秀章君の質疑は終了いたしました。  次に、今田保典君。     〔主査退席、関谷主査代理着席〕
  159. 今田保典

    今田分科員 私は、新進党の今田保典でございます。  実は、今回の衆議院選挙に当選するまでは交通、運輸産業に携わっていた関係で、これから運輸産業の規制緩和等について御質問をさせていただきたい、このように思います。とりわけ、バス・タクシー事業の規制緩和について御質問をさせていただきたい、このように思っているところであります。  まず最初に、運輸大臣にスタンス等についてお聞きしたいわけであります。  昨年の十二月五日の日に、行政改革委員会の規制緩和小委員会が規制緩和の提言を行ったところでありますが、その中で、運輸事業の需給調整規制の廃止を示しました。これは、運輸行政のこれまでの行政基本方針の大転換だというような受けとめ方をしなければならないというような感じもするわけであります。  いわゆる需給調整規制については、許認可行政の根幹というものにかかわる問題だろうというふうに思っております。そのことを否定するならば、許認可行政を中心とした現在までの運輸行政そのものを否定するように思える、こういうように私は思うわけでありますが、いわゆる行政改革委員会で求めた行政基本方針の大転換について、運輸大臣としてどういう認識をお持ちなのか、お考えをお聞きしたいと思います。
  160. 古賀誠

    古賀国務大臣 先生から今御指摘いただきましたように、昨年の十二月に、人流、物流全分野においてこれまで運輸行政の根幹をなしてまいりました需給調整規制について、原則といたしまして、目標期限を定めて廃止する方針を決定をいたしたところでございます。これは、一つには、我が国における交通、運輸市場というのがある意味では成熟段階に達したということがあろうかと思います。  また、御承知のとおり、行政改革、経済構造改革というのが焦眉の急であるということ等にかんがみまして、自由競争の促進、交通、運輸の分野におきましても、経済活動の一層の効率化、それから活性化を図って多様なサービスを提供することによって、運賃面での利用者負担を軽減する、こういうことを促進していく必要があろうかというふうに判断したからでございます。  運輸省におきましては、この需給調整規制の廃止につきまして、本年三月の規制緩和推進計画の改定に盛り込みまして、その手順、スケジュール等を明記することといたしておりまして、その計画の改定に沿って今後進めてまいりたい、このように考えているところでございます。
  161. 今田保典

    今田分科員 そういうことでありますが、やはり規制緩和というものは進めなければならないという立場に立って、運輸業界も今必死になってそのことについて取り組みをしているわけでありますが、事業規制の目的については、これまで運輸省では、利用者の保護、先ほど大臣がおっしゃられましたように、安全の確保、そして事業の適正運営、そういったものを目指してきた一つの柱であったわけであります。これは、一言で言えば、事業規制の目的は競争環境の整備ということに尽きるのではないかというふうに私は理解しておるわけでありますけれども、改めて確認したいと思っておりますが、運輸省事業規制の本来の目的について、スタンス、目的、このようなことについて改めてお考えをお聞かせいただきたい、こういうように思います。
  162. 古賀誠

    古賀国務大臣 運輸行政の根幹をなしてきましたこの需給調整を、今申し上げましたように、全分野において原則廃止するということになりますと、今先生から御指摘いただいているように、今後このことによって生じてまいります利用者の保護の問題、安全確保の問題、それから生活路線維持の問題等々、条件、環境を整備していかなければいけない問題が生じてくることは事実でございます。  運輸省といたしましては、そういうことを踏まえまして、運政審の答申を得る中で、今申し上げましたような利用者保護、安全確保の問題等々、万遺漏なきよう環境整備条件整備というのを整えていく必要があろうかと思っております。
  163. 今田保典

    今田分科員 いずれにしろ、そういうことで今進められておるわけでありますけれども、経済的規制あるいは社会的規制については、必要でないものについてはやはり撤廃すべきだという考え方については私も変わりないわけでありますが、ただ、一方、何でもかんでも撤廃すればよいというものではないと思うわけでありまして、いわゆる競争環境の整備というものを重要なポイントとしてなされるべきだ、こういうふうに思います。  そこで、お尋ねしたいのですが、規制の廃止や緩和、そういうものを要するに無定見にやってしまうと、むしろ競争そのものを破壊するものではないか、そういうことが考えられるわけでありますが、この点についてはどのような考え方をお持ちですか。
  164. 西村泰彦

    ○西村(泰)政府委員 ただいま先生指摘の点につきましては、大臣から答弁申し上げましたとおり、我が国における交通、運輸市場が成熟段階に達していること、それから行政改革、経済構造改革が焦眉の急である、こういうことから私ども需給調整の廃止を行いまして、自由競争を促進していきたい、こういうふうに申し上げたわけでございまして、それによりまして、一層の交通、運輸の分野におきます活動の効率化、活性化が図られるであろう、サービスも多様化するであろう、こういうことが予想されるわけでございます。  運輸省といたしまして、こういうことを行えば、より一層健全な競争が行われるであろう、こういうふうに思っておるわけでございます。ただ、そのための環境、条件整備などにつきましては、十分に行っていかなければならないというふうに思っておるわけでございます。こういう自由競争によりまして、新たな事業機会が生まれ、あるいは消費の喚起、こういうようなことでますますの活性化が図られていくというふうに私ども思っておるわけでございます。
  165. 今田保典

    今田分科員 ありがとうございました。  需給調整の廃止に伴ってこれから進められるだろうと思いますけれども、いわゆるバスやタクシー事業関係につきましては、今まで需給調整というものの規制が一つありましたが、それを廃止することによってこれまで免許という言い方をしておったのが許可制になる、こういう理解でよろしいのかどうか、お聞かせをいただきたいと思います。
  166. 荒谷俊昭

    ○荒谷政府委員 お尋ねの、需給調整規制を廃止した場合に、事業の参入規制のあり方が免許制から許可制に変わるのかということでございますけれども、私ども、この需給調整廃止後の参入に関する制度につきましては、これから運輸政策審議会でいろいろと御審議をいただこう、こう思っております。  ただ、一般論として申し上げますれば、先生お尋ねのように、この需給調整規制を廃止をするということになりますと、免許制から許可制に変わるということが考えられるわけでございます。
  167. 今田保典

    今田分科員 いずれにしろ、需給調整の規制については廃止に向かって今検討されておるわけでありますが、そのことによって道路運送法の改正も避けられない状況になってくるのではないかというふうに思っておるところであります。平成元年にトラック事業については規制緩和を先取りしましてやったわけですが、道路運送法を分離独立をして法制化をした、こういうことでございますが、パスとタクシーについても、同じ道路運送の枠組みの中で今残っておるわけでありますけれども、やはり法体系としては極めて変則的な状態にあるのではないかというふうに思うわけであります。  そこで、道路運送法を改正するならば、この際、バスとタクシーについてはそれぞれ独立した事業 法にすべきだというふうに私は思っておるのですが、この辺についてお伺いをしたいと思います。
  168. 荒谷俊昭

    ○荒谷政府委員 御指摘のように、需給調整規制を廃止をする際には道路運送法の改正が必要となるわけでございます。この時期につきましては、私ども、先ほどから答弁をいたしておりますけれども、需給調整規制を廃止する際に必要となる環境、条件整備、安全の確保あるいは利用者保護、もろもろの措置についてめどが立って、その段階で法案を国会に提出をさせていただいて御審議を賜るということでございます。  この法案の形式につきましては、ただいま申し上げましたいろいろな必要な措置の内容等も勘案しながら今後さらに検討をしてまいりたいということで、現時点でパスとタクシーを別の法律にするのか、あるいはあわせて旅客関係一本にするのかといったところは決めておりませんし、今後の検討にさせていただきたいというふうに思っております。
  169. 今田保典

    今田分科員 いずれにしろ、そういう声が非常に出ておりますので、これからいろいろと御検討いただいて、ぜひその方向で進めていただければなというふうに思いますので、ぜひ御理解のほどをお願い申し上げたいというふうに思います。  次に、行政改革委員会では、需給調整廃止の後は環境、条件整備あるいは質的規制で対応する、こういうことを打ち出しているわけでありますが、具体的に今運輸省で何か構想を持っておられるかどうか、お聞かせをいただきたいというふうに思います。
  170. 西村泰彦

    ○西村(泰)政府委員 ただいま先生お尋ねの質的規制の問題でございますが、利用者の保護でございますとか安全の確保、こういった観点からの規制が重立った内容になるわけでございます。こういうようなものにつきまして、具体的な審議事項といたしましては、これはまだ、今後運政審に諮問いたしましてその中で詰めていただくわけでございます。今例示として申し上げれば、タクシー運転手の資格要件の問題でございますとかタクシー事業者さんの運行管理のあり方、こういった面での安全確保方策、事業者さんの資質の向上あるいは運賃・料金規制のあり方、運賃・料金のあり方などは利用者保護に直接結びつくものでございまして、そういったものなどが今後の審議事項になっていくだろう、こういうふうに思っておるわけでございます。
  171. 今田保典

    今田分科員 今ほど申されたように、いろいろな問題が出てくるわけでありまして、あるいは問題があるわけでありまして、そういったものについては、いろいろな関係するところと十分慎重に検討していただければ大変ありがたい、このように思うわけでございます。特にタクシーについては、質的規制というのは非常に大事な部分ではないかというふうに思っております。そのことによって、これからのタクシー業がいかに生き延びられるかということがかかっているわけでありまして、業者に対して、運輸省としてきっちりと方針を打ち出していただいて御指導いただければ大変ありがたい、このように思っておるところであります。  いずれにしろ、そういった質的規制の強化というものを、各関係する業者あるいはそこで働く労働者が非常に注目をしておるわけでありますが、その中に、タクシー運転者の資格要件の整備というものが出ております。その資格要件の整備というものについて、何か具体的に今取り組みをなされておるのかお聞かせをいただきたいと同時に、私の理解としては、そういう資格要件も含めまして、先ほど言ったように、お客様に対しての接遇とか道路の条件等について十分認識してお客様に対してのサービスができるように、業者で十分教育をしなさいというようなものを含めて言っているのだろうというふうに思うわけであります。その中で一番今現場で注目しているのは、タクシー運転手の資格要件はどのように変わっていくのだろうということでありまして、この点について、今お考えがあるとすればお聞かせをいただきたいというふうに思います。
  172. 荒谷俊昭

    ○荒谷政府委員 良質で安全なタクシーサービスを確保するという観点から、どうしてもその運転手の資格要件について何らかの措置が必要であろうということでございまして、御指摘の地理能力、これは最低限タクシードライバーとして求められる能力でございますけれども、この地理案内の能力の充実ですとか、悪質な運転行為をした場合にそういった運転者を除外する、こういったことが想定されるわけでございます。  いずれにいたしましても、この具体的な内容につきましては、先生からの御指摘もございますし、事業者のみならず関係労働組合あるいは学識経験者等々の御意見も十分お聞きをしながら、今後、運輸政策審議会で審議をしていただきたい、このように考えてございます。
  173. 今田保典

    今田分科員 タクシー運転者の資格要件についてということで今ほどお答えをいただいたわけでありますが、同時に、タクシーの事業者に対しても質的向上というものを図らなければならないだろうというふうに思っております。  これは、場所によって温度差は非常に激しいわけでありますけれども事業者とそこで働く労働者というものの中で、非常にトラブルがいろいろと出ております。もちろん、賃金あるいは労働時間、そういったものでトラブルがあるわけですけれども、それ以上に、今ほど言ったような質的な問題でトラブルが起きておるわけでありまして、こういうことを考えれば、タクシー事業者も周りの社会環境といったものを十分考慮の上、もう少しお客様とあるいはそこで働く労働者とうまくコミュニケーションを図っていかなければならないだろうというふうに思っているわけであります。このことについて、いわゆるタクシー事業者に対してどういう工作をしてきて、あるいはそういったものの向上に向けて指導されていくのか、具体的にどのようなお考えをお持ちなのか、お聞かせをいただきたいと思います。
  174. 荒谷俊昭

    ○荒谷政府委員 先生おっしゃるとおり、運転手の質の向上を図っていくためには、やはり事業者の質の向上も図らなければ、運転手の資格制度云々では万全を期しがたいということ、私も全く同感でございます。こういった観点から、やはりいいサービス、そして安全なサービスを提供していくためには、事業者の資質の確保なり向上といったことも必要であるということで、例えば運行管理の充実ですとか悪質な事業者の処分の強化の問題ですとか、幾つかが想定されるわけでございます。これにつきましても、この具体的な内容につきましては、今後いろいろと関係者の御意見も拝聴しながら運政審で御審議をしていただきたい、このように考えております。
  175. 今田保典

    今田分科員 いずれにしましても、タクシーの賃金体系については、既に運輸省でも御案内であろうというふうに思いますけれども、歩合制がほとんどの業者でございますし、最近になってはリース制をとっているタクシー業者もふえつつあります。そういうことで、いわゆる歩合制、リース制というものは、そこで働く人がいかに頑張って働いて自分の賃金にはね返りをするかという制度でございますので、いわば事業主は、歩合制をとっておるのだから、リース制をとっているのだから私は余り関係ないよというような思い方をしている事業主も多くおるわけでありまして、やはり先ほどお答えいただいたように、運行管理については事業主も責任はあるわけですから、この点については十分運輸省段階でも御指導いただければ大変ありがたい、このように思っております。  特に、最近はリース制というものがふえつつあるわけでありまして、その運行形態について、あるいは運行管理について全く無関心な事業主がふえてくるのではないかという心配もされますので、この点について、ぜひ運輸省として十分見きわめていただいて御指導いただければ大変ありがたい、このように思っておるところでございます。  次に、貸し切りバスの安全問題についてでございますが、これまた質的規制で対応する、こういうことでございますが、バスにおかれましても需 給調整規制を廃止をする、そういう考え方に立っているわけでありますが、現在、需給調整規制廃止をやっていない中でも、いわゆる貸し切り料金のダンピングは非常に激しく行われております。正規のパス運賃よりも七〇%から六〇%近くの運賃ダウンを行って業者間の仕事の取り合いを今やっているというのが実態でございます。具体的な数字についてはもし必要であれば私、手前のところで調べました内容について御説明を申し上げますが、ちょっと今時間がございませんので申し上げませんけれども、いずれにしろ、東京中心にていろいろなところで、正規の料金があるにもかかわらず先ほど言ったような料金で運行されている。改めて需給調整規制廃止というのは本当に必要なのかなという感じがする今の状況でございます。  そういったことを含めますと、今のバス業界の中で、本当に、その質的規制というものに対しての対応というものをどのように今後とっていくのかという心配もされるわけでありまして、これらについて今お持ちの具体的な考え方があるとすればお聞かせをいただきたい、こういうように思います。
  176. 荒谷俊昭

    ○荒谷政府委員 貸し切りバスは、一度にたくさんのお客さんを運ぶということで、安全の確保が最大の使命といいますか課題でございます。競争が激化することによって安全が軽視をされるということのないように、これも、運行管理体制等につきまして関係者の御意見をお聞きしながら今後詰めてまいりたいというふうに思っております。事業者として一たん事故を起こしますと、それはそれで大変な経済的な損失もございますし、あるいはその経済的な損失以前に社会的な信用失墜という大変な不利益も受けるわけでございますので、私ども競争の促進によって安全が損なわれることのないようにいろいろと手を尽くしてまいりたいと思いますけれども事業者もその辺は十分考えてやっていただけるものというふうに考えております。
  177. 今田保典

    今田分科員 いずれにしろ、規制緩和については関係する事業主あるいはそこで働く労働者は今非常に関心を持っておられるわけでありまして、スムーズな規制緩和に対応できるために、いろいろ問題点について具体的に御検討の上、御指導あるいは通達等を流していただければ大変ありがたい、このように思っておるところでございます。  最後になりますが、平成九年度の運輸省予算日本国有鉄道清算事業団の助成金の四百億円、これは一体どういう具体的な使われ方をなされるのか。その詳細について、やはり資料を提供していただきたい、このように思うわけですが、主査、この辺はどうですか。
  178. 関谷勝嗣

    関谷主査代理 ただいまの資料要求につきましては、政府においてしかるべく措置を願います。
  179. 今田保典

    今田分科員 最後に、またその件ですが、いずれにしろ財政法の二十八条に、明細を添付しなければならぬ、こういうことこなっているわけですから、きちっと提出をお願いをしておきたいというふうに思います。
  180. 関谷勝嗣

    関谷主査代理 わかりました。
  181. 今田保典

    今田分科員 質問を終わります。
  182. 関谷勝嗣

    関谷主査代理 これにて今田保典君の質疑は終了いたしました。  続きまして、松浪健四郎君。
  183. 松浪健四郎

    ○松浪分科員 松浪健四郎でございます。  こうして質問の機会を与えていただきましたことを心から感謝申し上げます。  私の名前は松浪と申しますけれども、実は東京や関東地域ではそれほどなじみのある名字だとは思いませんけれども、私の故郷には松浪を初め松谷、松下、松浦、松のつく名字が非常に多うございます。それはどこからきたのかと申しますと、私の生まれ故郷の海原が、海岸が非常に美しく、ずっと大きな松が植えられていたからだと思います。  ところが、その松も年々少なくなりまして、今では数本を数えるようになりました。そして、そのきれいな海岸は埋め立てられ、目の前に国家プロジェクトとしての関西国際空港ができ上がりました。町並みは一変し、そして目の前に世界に誇ることのできる空港があるということで、私たち地域住民の者は非常に喜んでおるわけでございます。  と申しますのは、やはり空港というのは、非日常的な世界を映し出しているし、そして私たちの心を何となく浮き浮きさせてくれる、物すごい心を豊かにしてくれる。また、安らぎを与えてくれるスポットができたということであると同時に、地域がそれなりに空港関連事業により徐々に活性化のつち音が聞こえてきておるということで喜んでおるわけでございます。  そこで、きょうはその関西国際空港にまつわることを幾つかお聞きしたい、このように考えております。  そこで、運輸大臣にお聞きしたいのですが、実は私たち空港の沿岸に住んでいる者がラーメンを食べようと思いますと、三千円かかります。このラーメン三千円は、大臣の認識からすれば高いとお思いでしょうか、安いなというふうにお思いでしょうか、そのことをお聞かせいただけますか。
  184. 古賀誠

    古賀国務大臣 先生はどうお考えになるかわかりませんが、私は非常に高いと思います。
  185. 松浪健四郎

    ○松浪分科員 おっしゃるとおり高いのです。このことは何を意味しておるかと申しますと、地域住民、沿岸に住む人たちが空港に渡るのにお金がかかるということでございます。つまり、空港会社の持っている連絡橋を渡るのに、普通車で千七百円、一時間の駐車料金が六百円、プラスラーメン代ということで、ラーメンが非常に高いわけでございます。そのことで何を我々は考えなければならないのかと申しますと、空港は、空港地域住民社会、この共存共栄がなければうまいこといかない。そのネックになっているのは、つまるところはこの連絡橋ではないのかというふうに思うわけでございます。  そこで、私の手元に、関西国際空港株式会社が昨年の十一月に出されました「関西国際空港の概要」という小冊子があり、そこに平成七年度決算が出ております。そこを見ますと、非航空系収入として平成七年度に六百二十二億円の収入がございます。それは、土地や建物、いろいろなもののほかに連絡橋道路通行料というものも含まれています。これが平成七年度に一体どれくらいあったか教えていただけますか。
  186. 黒野匡彦

    ○黒野政府委員 七年度の数字で、営業収入の中が航空系収入と非航空系収入に分かれております。先生指摘の方は非航空系収入だと思いますが、六百二十二億円でございます。
  187. 松浪健四郎

    ○松浪分科員 その六百二十二億の中に、連絡橋通行料として幾ら入ったかということをお聞きしているのですが。
  188. 黒野匡彦

    ○黒野政府委員 まことに申しわけありませんが、ちょっとその資料を持っておりませんので。
  189. 松浪健四郎

    ○松浪分科員 後日資料をいただきたいと思いますけれども、いずれにしましても、この通行料の収入は私はかなりあるのではないのか、このように思っております。  そして、本年の四月一日から消費税が三%から五%になることによって、この通行料が普通車千七百円から千七百三十円というふうに値上げされると聞いております。結局、橋の値段をどんどん上げていく、そうすることによって、地域の人々は空港を自分たちの空港だというふうに認識することができなくなる、足が遠のく、そのようになってまいります。これは困ったことだな、何も地域のためにある空港ではないんだな、本当に共存共栄を図ることができるのだろうか。悲しいかな、昨年は六軒目のテナントが空港から引き揚げるという話題もございました。お客様が入らないわけであります。  そこで、昨年の九月一日と九月四日、空港会社は通行料を無料にいたしました。空港にどれほどの人が押しかけたかおわかりでしょうか。
  190. 黒野匡彦

    ○黒野政府委員 今先生も御指摘のとおり、昨年の二周年の記念イベントということで、連絡橋の無料開放と駐車場の半額割引を行っております。 その結果、地域の方々が非常に多くお見えになったということはお聞きしておりますが、数字については今手元にございません。
  191. 松浪健四郎

    ○松浪分科員 いずれにいたしましても、押すな押すなの盛況でありました。  そして、クリスマス前から空港会社はいろいろな企画をなさいまして、物すごい立派な飾りつけもし、ああ本当にクリスマスがやってきたな、これだけのデコレーションを一生懸命やられて、そして割引も行い、多くの人が押しかけると思いきや、それほど押しかけることはありませんでした。もちろん宣伝が足りなかった、そういう一面もございますけれども、どうも割引が中途半端ではなかったか。普通車は千円でありました。  このように考えてまいりますと、共存共栄という視点からすれば、この通行料を何とかしなければいけない。大変なお金がかかっておるのは承知しておりますけれども、これも空港会社の持ち物でございます。私は、思い切って国がこの橋を買い取ってやるべきではないのか、そうすることによってこの空港が本当に活性化する、そのように考えるわけでございます。  もうこの話はこれで終わりますけれども、その連絡橋をJRと南海電車が走っております。これは天王寺、そして難波に通ずるわけでございますけれども、南海電車は「ラピート」、そしてJRは「はるか」という速い特急を走らせておりますが、スピードを競う余りか、騒音の問題が大きな課題になってまいりました。物すごく振動も激しいということでございます。  それで、去る二月の十三日に、関西国際空港会社と大阪府泉州九市四町の首長らによる連絡会議が泉大津市内で開かれましたけれども、「ラピート」や「はるか」などのアクセス特急が沿線住民に深刻な騒音被害をもたらしている問題が取り上げられました。オブザーバーの運輸省幹部がそこにいらっしゃったわけでございますけれども、航空局と鉄道局とが連携してこの騒音振動問題に取り組む、地元の近畿運輸局を中心に対策を検討するというふうに地元の皆さんに約束されました。そのことについて一言お答え願いたいと思います。
  192. 梅崎壽

    ○梅崎政府委員 関空開港後の南海とJRの連絡鉄道の騒音に関しましては、確かに開港後非常に苦情がふえまして、この問題に関しまして特に南海電鉄の方に苦情が多数寄せられまして、南海電鉄におきましては、レール交換あるいは遮音壁の設置、それからフラット車輪の転削といったような対策を講じてきておりまして、かってに比べますと苦情は相当数減っております。  ただ、この問題に関しまして地元ではさらに現在なおいろいろ御要望がございますので、昨年末に、南海本線、JR阪和線の騒音振動等問題協議会というのをつくりまして、先生指摘のように、関係者集まってこの問題をやっていくということになっております。私どもも地元からそういう話を聞きまして、鉄道サイドもこの協議会に積極的に参画して必要な措置を講ずるよう中央としても指示をしているところでございます。
  193. 松浪健四郎

    ○松浪分科員 いずれにいたしましても、「ラピート」が六十本、「はるか」が六十本走るわけでございまして、騒音は「ラピート」が八十六デシベル、そして「はるか」は八十七デシベル、この数字は、新幹線鉄道騒音に係る環境基準の七十デシベルを超えております。防音壁をつくるかロングレール化するかあるいは高架にしていくか、減速、これをするのか、いろんな対策があろうかと思いますけれども、一日も早く地域住民の皆さんの側に立って方策を講じられることを心からお願い申し上げます。  次に、二期工事が始まる、それも計画どおりいけば平成十年の未から行われるであろうというふうに言われております。本予算では、うまいぐあいにその一期工事で残っている仕事がある。具体的には北側のエプロンの拡張、そして南側エプロンの拡張、これらに着手、あるいは完成を見るということでございますし、そのことを地元の人間としては非常に喜んでおるわけでございますけれども、二期工事が始まる。これは、昭和五十六年に国は、関西国際空港建設に当たって、その前提として地元に空港計画、環境アセスメント、地域整備のいわゆる三点セットを示され、その合意を見ました。これを踏まえて二期工事に入られるというふうに聞いておりますが、そのとおりなんですね。
  194. 黒野匡彦

    ○黒野政府委員 私ども、この三点セットの重みは十分承知しておりますし、それを前提に二期工事につきましても着手したいと思っております。
  195. 松浪健四郎

    ○松浪分科員 とにかく共存共栄していく空港でなければなりません。三点セットの重み、これを十分に認識していただいて二期工事にかかっていただきたい、このようにお願いしておきます。  そこで、問題になっておりますことは、飛行ルートの問題であります。  平成四年九月から十一月にかけて、堺市以南の九つの市議会が決議を行いました。その決議はいかがなものかということをお聞きするまでもございませんけれども、とにかくどうすれば共存共栄を図ることができるのか、どうすれば三点セットを踏まえて二期工事に入ることができるのか十分に検討し、そしてそれらのことに関して徹底した情報公開をお願いしたいと思います。その中には細々としたデータ等の公開をもお願いしておきたい、このように私は考えます。  いずれにしましても、この飛行ルートの問題に関しましては、運輸省は、関西国際空港における飛行経路問題検討会、これを持たれ、また大阪府におきましては、関西国際空港の飛行経路等に係る専門家会議を設置し、この両者でキャッチボールが行われています。そして、先月二十日に運輸省の航空局は、大阪の専門家会議から出された問いに対して回答を出されました。私は、この回答が二週間弱で出された、非常に大きな問題を含んでいるけれども、常識的には回答が早いなと。この早さは一体どこからくるのか、ちょっとお聞きできますか。
  196. 黒野匡彦

    ○黒野政府委員 私ども、従来より関空の飛行ルートをどうしたらいいか、今どんなところが問題かということは、正直申しまして局の中のいろんな部局に関係いたします。それらを全部集めましてさまざまな検討を今までもやってきております。  したがいまして、質問書をいただきまして、これについては今までのノウハウをベースに、その御質問の内容等チェックして、できるだけ早く地元にお答えを申し上げるというのが我々の義務だと思いまして、徹夜人間もたくさん出まして整備させていただいたわけでございます。
  197. 松浪健四郎

    ○松浪分科員 この飛行ルートは大変な問題であろうかと思いますけれども、研究に研究を重ね、そして地域関係市町と協議を重ねられ、そして最善の策をとられますよう心からお願い申し上げます。細かいことにつきましてはいずれ運輸委員会なりで御質問させていただきたい、このように思います。  そこで、次の問題に入らさせていただきますけれども、実は泉南市の市役所の前に空港の大きな絵がございます。この絵には、現実には一本しかない連絡橋がもう一本ついております。この橋は実は南ルートと呼ばれる連絡橋でありまして、かつて和歌山市、岩出町、泉南市が予算を講じ、泉州と紀州和歌山の発展を考えたときにどうしてもつけなければならないし、一本の橋だけでは事故、災害に対して対応できない、ここから研究を進められ、南ルートと呼ばれる橋が必要なんだ、このように考え、積極的に研究し、そしてその実現のために積極的な運動を開始しておるわけでございます。かつてこの委員会やあるいは参議院の予算委員会でも四氏の方がこの南ルートについて質問されております。それは将来にわたって前向きに検討していくという政府側の答弁でございますが、今どういうお答えをいただけるでしょうか、大臣お願いします。
  198. 古賀誠

    古賀国務大臣 先生の御質問に、大変関空に対する、地元との共生という意味からも非常に関空に対しての思いというものが伝わって、私も大変心強く思っております。  この連絡橋でございますけれども先生も御承知のとおり、かなり将来にわたっての交通量、こういったことを予測しながら現在ある連絡橋は実はつくられておりまして、今現在はその必要性というのは極めて希薄ではないかなという気がいたしております。  しかし、将来、今先生がおっしゃったような南の地区、和歌山、泉南、こういった地元の皆さん方の強い御要望、また将来そういった地域の発展、また大震災を初めとする災害等に対する、一だけの連絡橋でいいのかどうか、そういったことを考えてみますと、従来の御質問の方々よりもかなり私は踏み込んだ答えになろうかと思いますけれども、十分その必要性、また先生の御質問、御提言の意味は深い、強い、こういう意味に積極的に受け取らせていただきたい、このように思っております。
  199. 松浪健四郎

    ○松浪分科員 運輸大臣の積極的な御答弁に心からお礼を申し上げます。いずれにいたしましても、地域社会の人々は、経済的波及効果のみならず、夢を持ちたいし、そしてその橋が大きな影響を与えるということ、これを理解していただいたことにお礼を申し上げます。  同時に、海岸が埋め立てられました。ウオーターフロント、いわゆるりんくうタウンでございますけれども地域整備を図っていくという三点セットの一面から考えますと、このりんくうタウンも発展させていかなければならない。悲しいかなバブルが吹っ飛んで、なかなか企業がやってきてくれない、ペンペン草が生えている、これが現状でございます。  そこで、国際空港は、冠たる、誇ることのできる立派な空港であります。ところが、岸にたどり着いたならばみすぼらしい途上国というのでは困ります。私は、沿岸地域国際化を促進させるためには、どうしてもこのりんくうタウンをうまいあいに発展させていかなければならない、このように考えます。  昨年、大阪府が、職員たちにどのようにすれば大阪府が活性化するかという問題を出し、職員の皆さんからいろいろなアイデアを募ることにしました。アイデア賞に選ばれた一つの例は、このりんくうタウンに大阪府庁を移そうじゃないかというアイデアでありました。なかなかおもしろいし、大阪は北高南低と呼ばれ、関西国際空港のあるエリアは北側よりも発展がおくれている、そこでそのようなアイデアがよろしいということになったのでしょうけれども、これは大阪府のアイデアだけにとどまらず、私は、このりんくうタウンを国際化させるためにもいろいろな公共施設を誘致したい、またそれを持ってくるために運輸省の皆さん方がいろいろな形で努力していただきたい、このように強くお願いしたいわけでございます。  例えば、ことしの五月には、国際交流基金の関西センターが動き始めます。これに対して地元の住民は大変な期待を寄せておりますし、そういった施設、例えば国際協力事業団、JICA等の施設、これらもこのりんくうタウンに持ってきてもらえないだろうか、あるいは簡易保険保養センター、郵便貯金会館といったような公共施設を持ってきてもらえないだろうか、このように強く運輸省の方から働きかけていただければありがたい、このように思っております。  それらのことについて、大臣ちょっとお答えいただけるでしょうか。協力してもらえるかどうかということでございます。
  200. 古賀誠

    古賀国務大臣 できるだけ協力できる方向で努力していきたいと思っております。
  201. 松浪健四郎

    ○松浪分科員 ありがとうございます。  いずれにしましても、空港ができたことによって二市一町は税の収入を大幅にふやすことができました。ところが、近辺でありながら税の恩恵を受けることができないという町がございます。例えば熊取町という町などはその典型的な町でございますけれども、そういった町につきましては、税であるとかあるいは補助金であるとか、何らかの形でバランスがとれるような形での配慮、これをお願いしたいと思います。  加えて、今大阪府議会で問題になっておりますのは、泉佐野コスモポリスの破綻という問題であります。うまくいくだろう、このように府は考え、第三セクターの形でできたわけでございますけれども、これも撤退を余儀なくされました。空港が及ぼした影響、地域社会に与えた影響は大きなものがございます。これらにもよく注目し、そして国がとれるような策、これを速やかにとっていただければありがたい、このこともお願いしておきます。  そして、空港はできた、この地域整備事業としてたくさんの道路がつけられ、整備されてまいりましたけれども空港のためのアクセスの問題として一番大きなのは、第二阪和国道であります。地域社会では今この延伸計画のために必死に要望しておりますけれども、いまだに阪南市から和歌山に向けて完成を見ることはできません。地元住民は一日も早くこの延伸計画実施されるよう強く期待しておりますが、これが一体いつできるのだろうか。私は、空港が開港してもう大分たつ、二〇〇〇年までにはこの道を、少なくとも、阪南市の箱の浦あるいはスカイタウンと呼ばれるところ、このランプにまでやっていただけないだろうかという強い要望を持っておりますが、そのことについてお聞きできますか。
  202. 城処求行

    城処説明員 御指摘の第二阪和国道でございますが、ただいま阪南市から岬町の間を事業化いたしまして、現在は用地買収を行っているわけでございます。特に、御指摘をいただきました阪南スカイタウンまでの間ということで、この間については用地買収を促進しているわけでございます。今年度末で用地買収がほぼ五〇%近くにまで進められるのではないかと予定しております。  引き続いて、用地買収については積極的にやらせていただきたいと思っておりますし、特に、先生御承知のとおり、埋蔵文化財の発掘をしなくちゃいけないということもあるわけでございますが、あわせて一生懸命やってまいりたいというふうに考えております。  工程上は、先生おっしゃいましたけれども、大変厳しいものがございますが、重要な幹線道路でございますので、御指摘の趣旨を体しまして、私どもも早期完成するように一生懸命やってまいりたいと考えております。
  203. 松浪健四郎

    ○松浪分科員 お願いしたいのは、これは和歌山と結ぶ大変重要な国道でございますので、近畿地区においては最重点道路工事として位置づけしていただけるかどうか、このこともあわせてお聞きしたいと思います。
  204. 城処求行

    城処説明員 従来から建設省といたしましても、これは大変重要な空港に関連する道路ということで、特に重点的に整備を進めさせていただいているものでございます。当然第二阪和国道につきましても重点的にやってまいりたいと考えております。
  205. 松浪健四郎

    ○松浪分科員 その重点というのは最重点ととら  えてよろしいでしょうか。
  206. 城処求行

    城処説明員 御趣旨を体して頑張りたいと思います。
  207. 松浪健四郎

    ○松浪分科員 ありがとうございます。  交通の流れを円滑にして生活環境を改善しなければならない。新しい町づくりの基幹道路となります。都市間の交流を図らなければならない。災害などにも強い道路交通体系が確保されなければならない。その視点から、第二阪和国道は、地域住民にとりましては命綱となっております。渋滞が激しいということで、重ねてお願いしたわけでございます。  この道路だけにとどまらず、国道百七十号線を初め、いろいろな空港アクセスのための道路、この整備のために御尽力賜ればありがたい、このように思いますし、下水道の普及率が非常におくれております。これらのことにも運輸省から働きかけて、そして早く近代化できるように、国際化できるようにお願いしたいと思います。  最後に伺います。財政法第二十八条にのっとり、次の資料を要求したいと思います。  平成九年度運輸省予算海岸事業費三百六十億円、これは一体具体的にどのような事業内容でやるのか、その詳細を示した資料を求めます。
  208. 関谷勝嗣

    関谷主査代理 ただいまの資料要求につきましては、政府においてしかるべく措置願います。
  209. 松浪健四郎

    ○松浪分科員 お取り計らいのほど、よろしくお願い申し上げまして、私の質問を終わらせていただきます。どうもありがとうございました。
  210. 関谷勝嗣

    関谷主査代理 これにて松浪健四郎君の質疑は終了をいたしました。  次に、鉢呂吉雄君。
  211. 鉢呂吉雄

    鉢呂分科員 古賀大臣、大変御苦労さまでございます。分科会となりますと、族議員的な考えが随分色濃く出るのですけれども、三十分でございますので、よろしくお願いいたしたいと思います。  何はともあれ、先週二十五、二十六日、運輸大臣の故郷の三井三池炭鉱閉山問題で、私は石炭委員長として地元に参りましたら、国際ハブ空港の新設あるいは三池港の整備、あるいはまた新幹線も大牟田の横を通るということで、三つの強い要求がございまして、今さらながら、地域においてはインフラ整備というのが大変大きな課題であるし、閉山をスムーズに、地域に打撃を与えないような地域活性化を進めるために必要だというふうに強く感じてきましたので、また運輸大臣としても、この三つはそれぞれ運輸省の所管でありますので、よろしくお願いいたしたいと思っております。  そこで私は、整備新幹線の問題についてお聞きをいたしたいと思います。  まず、二月の二十八日、先週の金曜日にこの問題、全国整備新幹線法の改正に伴う本会議での質問がございました。この中で、我が民主党の川内議員から、道路、空港などの特定財源を見直して総合交通体系財源への再編成を行うべきだとの質問に対しまして、総理あるいは古賀大臣は、ある施設利用者負担で他の施設整備を図ることが適当か、利用者の理解は得られるのか、あるいは交通体系の形成というのは交通機関の競争利用者の自由な選択が反映されることが原則という、そのような観点からこれらの特定財源の総合体系化というものについて慎重な検討が必要であるというふうに総理からも述べられております。また大臣からも、運輸省としては国際化、経済構造改革に対応するため、必要性、緊急性の高い分野に効率的、効果的な予算配分を行いつつ、関係各省と緊密な連携をとり、運輸関係資本の整備に全力を尽くしていきたいというお話をしております。  しかし、この問題は大変大きな課題です。特別会計ということでありますから、もちろん利用者のさまざまな負担に基づいて会計がつくられております。同時にまた、公共事業の主要な部分がそこに投入をされております。本来的に交通機関というのはその時代に応じてさまざまな発展をしていきます。したがいまして、大臣も述べておられましたとおり、陸海空のさまざまな交通体系というのは、その時代の変転に応じて変わっていくというふうに私は思っております。  そういう中で、客観的に見ても、運輸省のこの分野の、特にこの新幹線の公共事業部門の予算については〇・三%のシェア、絶対額としてはここ数年若干伸びてきておりますけれども、シェアとしてはほとんどもう微々たる数字でありまして、このことが日本列島全体の高速交通体系についてゆがめた状況を呈しておるのではないか、私はこのように思いますし、運輸大臣も心の中ではそういうふうに思っておるというふうに考えます。  ですから、この特別会計の受益者、利用者負担という観点だけではなくて、こういった総合交通体系というものをどういうふうにつくり上げていくのか。この点について、運輸省の中の改革ということではなくて、高速交通体系について建設省、運輸省がいろいろかかわっておるわけでありますから、そこに対して思い切ってこの公共事業予算を組み替えるとか、あるいは各大臣とこの点について検討する機関をつくるとか、このことが今緊急の課題になっておるというふうに思います。もちろん、橋本総理が打ち出しておりますように、省庁の半減といいますか省庁の統廃合をしていくというのは緊急の課題になっておるわけでありますから、むしろ積極的に運輸大臣としてそういった方向をとるということについてどのように考えておるか、まずもってお聞かせを願いたいと思います。
  212. 古賀誠

    古賀国務大臣 まず先生におかれましては、先般来、石特の委員長というお立場もございまして三井石炭鉱業の閉山に伴います地域を実際に見ていただく、大変心強いことだというふうに思っております。その中で先生も御指摘いただきましたように、非常に運輸行政分野に対する期待も地元は多いわけでございます。そういう観点からも、先生のさらなる御指導と御支援を賜れば大変ありがたいというふうに思っております。  さて、先生、総合交通体系をこれから形成していく中で、財源の問題を中心に私の率直な意見を求められたのではないかなというふうに認識をいたしておりますけれども、御案内のとおり、確かに特定財源は、今先生も触れておりますように、その施設を利用する人の負担と受益、そういうバランスの中に立っております。それだけに、その施設負担をする利用者が、全く別の施設整備していくということにどういう理解をするのか、国民的な合意がどうやって得られるのかということは確かに大事なことだろうというふうに思います。しかし、それだから、ではこれからの二十一世紀を目前にして、我が国国際社会がますます進展してくる中でどういう交通体系の形成が必要なのか、こういうことを考えてみますと、私は、やはりそれが国際ハブ空港であり港湾だろう、経済構造改革という観点からも当然そういったことが議論されてくるだろうと思います。  そういう中で、整備新幹線というのも、まさに国土の均衡ある発展、また地域の方々のこれだけの熱い思いがあるということを考えてみますと、運輸省の公共事業予算の中でのやりくりはいたしております。確かに整備新幹線の分野は伸ばしておりますけれども、しかし公共事業全体からいいますと、今先生が触れられたように、極めて低い〇・三%のシェアだ。これで本当に二十一世紀、国際社会が進んでくる中でそういったことの整備ができるかということになりますと、今考えていることだけ申し上げましたけれども、これから国民的な喚起が必要でございますけれども、総合的な交通体系に対する予算のあり方というのはもっと踏み込んで議論すべきだろう。今でも建設関係とはいろいろな角度でお互いに連携をとって協力し合っているという分野もございますけれども運輸行政を預かる私としては、もっと積極的に今後の総合交通体系における財政のあり方というものを真剣に、前向きに議論する、こういう場があってもいいのではないか、またそのための国民の喚起というものにもつと私ども努力する必要があるのではないか、率直にそんな気がいたしております。
  213. 鉢呂吉雄

    鉢呂分科員 今大臣は議論する場が必要であるというふうに申されたことは、私が言っている各省庁の懇談する場というものをつくる方向の御答弁だったというふうに、大変力強く思っております。  新幹線の優位性といいますか、そのことについてはもうみんなわかっているはずなんであります。これはもう二十一世紀でも、大量輸送だとか、定時性だとか、環境に優しいだとか、さまざまな優位性があるわけでありまして、世界各国でもむしろ新幹線をさらに進めていこうという流れでありますから、私は、自信を持って運輸大臣としてはこのことを議員の皆さんにも、新幹線の通っているところは、もう新幹線は必要ないような、そういう意味では、我々も地域エゴのように随分言われますけれども、新幹線が通っているところの人がもう新幹線は要らないように言うのは、逆の地域エゴのような形で大変残念であります。そういう意味で、国民の皆さんにも、運輸大臣として新幹線の必要性、優位性というものを詳しく訴え る、このことがとりわけ必要だというふうに私は思います。  このことについても、大臣も、あるいは総理も、国民に対する情報開示という点で言っておるわけであります。どうも、日本のマスコミも、あるいは日本の国会議員も、一つの大きな問題が出たときには、一方に偏り過ぎて、結論として至ったときに必ずしも妥当な結論ではなかったという例がこれまでも大変多いわけでありますけれども、新幹線問題についても、そのことを随分私どもは憂慮するわけであります。そういった点で、国民に対する理解を求めるという点での大臣の決意といいますか方法といいますか、そういうものがおありでしたら、具体的にお答え願いたいものだというふうに思います。
  214. 古賀誠

    古賀国務大臣 今日までも新幹線が我が国の経済の発展、また地域活性化に大きな役割を果たしてまいっております。先生指摘いただいたとおりでございまして、今後もこの整備新幹線、国土の均衡ある発展、また地域活性化という意味でも、着実に、積極的に進めていく必要があろうと思っております。  また、整備新幹線の優位性については先生がお話しいただいたとおりでございまして、安全で、また環境に優しいし、極めて大量の輸送ができる、しかも正確である、エネルギーの面からいっても極めて消費が少ないという、世界が今またこの整備新幹線、新幹線に対しての考えを新たにしてきている、こういう状況でありますから、我が国も本当に自信を持って新幹線の整備というものを進めていく必要、もっと私自身その先頭に立っていく必要があろうということも十分認識をいたしているところでございます。  国会の場の議論を通じまして、また、さまざまな講演会、広報、そういった活動を通じまして、整備新幹線推進については、私も微力ですけれどもその先頭に立っていきたい、そういう認識でおります。
  215. 鉢呂吉雄

    鉢呂分科員 運輸省は、そのような積極的な整備新幹線に対する見方でもって今回この政府・与党の合意というものをつくったというふうに私は思っております。しかし、残念ながら、その中に、検討委員会の確認にゆだねて、そこで優先着工順位を決めるという決定の仕方をしたわけであります。私は、内々運輸省当局からも聞いておりますけれども、さらにこの確認をするというような運輸省としての自信のないようなものではなかったのではないかというふうに思います。世論がさまざまなことを言いますから、一ランク、一段階置いたという嫌いがしないわけでもありません。  そういった意味で、運輸省としては、各区間ごとに将来の収支や採算性、そういうものを厳しく検討して、相応の採算性があるという観点から、この整備新幹線着工区間というものを見ておるのかどうか、基本的な問題でありますから、大臣の方からその点について答えていただきたいと思います。
  216. 古賀誠

    古賀国務大臣 先生おっしゃったように、その点については、先生の御認識と全く私も同じ、同感であります。そういう御認識に立っていただいて、私は間違いではないというふうに思います。
  217. 鉢呂吉雄

    鉢呂分科員 大変率直な御答弁、ありがとうございます。  私は、この政府・与党の合意の中の一の(三)に「JRについては、受益の範囲を限度とした貸付料等によるものとする。」ということで、受益の範囲ということでありますから、当然受益というものがあるということに立ってこのスキームはつくられておるというふうに思うわけであります。  受益が出るということを前提にしておるというふうに考えてよろしいかどうか、確認をしておきたいと思います。
  218. 古賀誠

    古賀国務大臣 そのとおりに御理解いただいてよろしいかと思います。
  219. 鉢呂吉雄

    鉢呂分科員 二月二十八日、本会議での趣旨説明があったわけでありまして、全国整備新幹線法の一部改正案が国会に付託をされたわけであります。当然運輸委員会でこれが審議されるわけでありまして、国会という最大の権威ある場所での検討でありますから、私は運輸当局に言っておるわけでありますけれども、また、運輸省の幹部の皆さんはそうするというふうに私には答えておるわけでありますけれども運輸省としては、当然この未着工区間収支採算性の見通しについて、この審議に当たって国会にこれを明らかにして審議の参考にすべきであるというふうに思いますから、自信を持ってこの収支採算性について運輸大臣はこの国会に提出をすべきであるというふうに思いますけれども、お答えを願いたいと思います。
  220. 梅崎壽

    ○梅崎政府委員 各線区の具体的な収支採算性の問題になりますと検討委員会の場でやっていくということになりますけれども一般的に、どのようなやり方でやるのかとか、モデル的に見たらどうなのかとか、そういう点に関しまして、既にいろいろ御意見をちょうだいしております。私ども、各党から、この問題に関していろいろ御意見をお伺いしておりますので、法案の審議に当たりましては、でき得る限り各党からの御注文にも応じながら、速やかに審議していただきたいと思っております。  ただ、各線区ごとに具体的に、どれだけその収支改善効果があるのか、あるいは受益があるのかということになりますと、政府・与党の検討委員会の場で具体的に詰めていかなければならないと思いますので、その点につきましては、検討委員会という場での審議があるということを御理解賜りたいと思います。
  221. 鉢呂吉雄

    鉢呂分科員 二十八日の本会議で、大臣も御答弁されておりますけれども、国民に対する情報公開に十分配慮するということは総理も言っております。昨今のマスコミを含めた新幹線に対する厳しい批判は、まさに、未着工区間は全部赤字だ、第二の国鉄になるのではないかとかいうことを前提として議論をしておるところでありまして、その点はやはり、責任ある運輸省としては、JRの採算見通し等をきちんと示すべきである。我が民主党の中も、これは賛成できるのか、反対するのかというようなことで全く議論がちゃらんぽらんになっておりますから、ぜひこの審議に当たって、大要、収支採算の見通し等については述べる必要があるというふうに思っておるところでありまして、ぜひこのことはお願いをいたしたいというふうに考えておるところでございます。  そこで、私は北海道でありますから、北海道も、民主党の川内議員が質問したと同様に、北海道民の新幹線整備に対する大変熱い思いが本当に長い間、二十年以上続いておりまして、まさに皆さんの思いが本当にわかるだけに、北海道新幹線の整備についても、その内容について、大臣からある程度明確にしていただきたいというふうに考えます。  北海道新幹線の収支採算性の見通しについてどのようになっておるのか、これを大臣にお願いいたしたいと思います。
  222. 梅崎壽

    ○梅崎政府委員 まず、一般論で申し上げさせていただきますと、整備新幹線建設に伴います収支改善効果でございますが、これは、新幹線を建設した場合の当該新幹線区間の収支、それから関連の線区、これは関連する新幹線、在来線でございますが、これも需要の誘発効果がございますので、この関連線区の収支、これを合計いたします。これに対しまして、新幹線が建設されない場合の収支、すなわち並行在来線がそのまま存続して在来線のまま経営されるといった場合の収支でございますが、それと、その在来線と関連線区の収支を合計したもの、この差し引きで収支改善効果というもの、あるいは受益の範囲というものを考えることにいたしております。  ところで、北海道新幹線に関しましては、地元北海道におきましてはいろいろ試算をしておられるのを私どもも承知しておりますが、このルートにつきましては、まだ駅とかルートなどが決定されておりませんので、今申し上げましたような厳密な意味で収支改善効果の試算を行うということができない、困難であるということでございまし て、そういったような意味で、厳密な収支改善効果の試算は行っておらないという状況でございます。  今後は、今申し上げましたような試算の前提となる鉄道計画が明確になった段階でこれに対処していきたい、どのように思っております。
  223. 鉢呂吉雄

    鉢呂分科員 今ルート等が公表されておらないという言い方で、収支採算性については試算できないというような表現でありますけれども、それでは、ルート公表と環境アセスメントは九年度中に行うというスキームが与党段階で出たというふうに私ども報告を受けておりますけれども、これはこういう形でやることができるというふうに私は思います。これもこの検討委員会にゆだねるということはあってはならぬと思いますけれども、これはできますね。
  224. 梅崎壽

    ○梅崎政府委員 北海道新幹線の駅、ルート公表のための調査、これは平成七年の一月から実施しておりまして、現在、鋭意実施しているところでございます。  いつまでに終わるのかというのを、先生御承知のとおり、私ども先生からもお尋ねを受け、あるいは方々からもお尋ねを受けておるわけでございますが、いつまでにこの調査が完了するかは、現在まだ必要な調査が残されておりまして、まことに恐縮でございますが、現在の段階でいつまでに調査が完了するというのは具体的に申し上げられるという状況ではございません。  ただ、私どもは、地元から随分、この調査を早く終わってほしい、ルートを公表してほしいという要請を受けておりますので、全力を挙げて現在取り組んでいるところでございます。
  225. 鉢呂吉雄

    鉢呂分科員 自民党の加藤幹事長や山崎政調会長が、この合意事項以降、いろいろな世論の動きの中で、例えば北海道、長崎ルートについては優先的には劣後である、あるいはまた、ばらまきを避けるためには北海道、長崎ルートは着工見送りといったものがあり得るというような表現で、新聞等でインタビューに答えて、あるいは講演会で発言をされております。  これについては大臣、政府・与党の中にはこれらの方が入っておりますけれども、こういうことなのですか。それとももう既にそういうことが決まっておるということなんですか。
  226. 古賀誠

    古賀国務大臣 まさにこれから政府・与党の合意に基づきまして検討委員会を設置させていただいて、その中で基本的な条件等を踏まえながら検討していくわけでございまして、今どのルートが優先順位が高い、このルートはとても今回の整備新幹線の、三十年までの間には何も手をつけることができないとかということを議論するような場は、現在どこにもないわけでございます。  まさにこれからの作業として私どもは真剣に検討を始めていくということで御理解をいただきたいと思います。
  227. 鉢呂吉雄

    鉢呂分科員 甚だ、本当に遺憾でありますけれども、こういうことについてま、運輸大臣からも自民党の幹部の皆さんに、厳正にそういう発言を訂正するように言っていただかなければ困ります。きちっとこれはしていただきたい。どうですか。
  228. 古賀誠

    古賀国務大臣 私の方から、十分注意していただくように申し入れをいたしておきます。
  229. 鉢呂吉雄

    鉢呂分科員 例えば先ほど、その線区の採算性それからその線区に関係する、線区以外の採算性という話をされました。まだこの採算性についての見通しは持っておらないということでありますけれども、さまざまな学者ですとか機関が試算を繰り返しております。  例えば北海道については、採算性が劣後であるというような言い方をしておりますけれども、これはだれが見ても、今は盛岡まで来ております東北新幹線、工事しておるのは、八戸までがフル新幹線で完了することになったスキームで今やっております。八戸から青森、青森から函館、函館から札幌、札幌の百八十万、二百万になんなんとする人口。住民、市民調査によれば、その八割は空路をやめて、飛行機をやめて、新幹線に四時間足らずであれば乗るというアンケート調査が北海道庁の手でやられております。そういうものを見ますと、先ほど言ったように、だれが見ても、八戸までで新幹線が終わったのでは、八戸—盛岡間の採算性というのは本当に低いと思います。青森であっても低いと思います。函館であっても低いと思います。それらが日本列島の札幌まで全部完了して、そしてやはり一番採算性が出てくる。  試算によれば、例えば盛岡—札幌間、これが時速二百七十キロで新幹線が通ったとすれば、もう最初から採算性が出てきて、七年目には七百八十億の採算性があるというような試算も出てきております。あるいは、今未着工区間の三線五区間でも、北海道新幹線は二番目に採算性があるというふうに言われております。  私は、政治的に青森に、何か経済界があそこに日本国民が嫌がる施設をつくるからそれに見合って東北新幹線をつくるだとか、どうしてもつくらなければならないんだとか、そういったものはまさに政治的にねじ曲げたということであって、純粋採算性という観点からこの新幹線というものをとらえていただきたい。そのことによって初めて国民の支持も得られるというふうに思うわけであります。  時間がありませんからはしょりますけれども、そういったことで、これは今、二十二年かかって平成三十年に至る一兆二千億円のスキームだというふうに言われておるわけでありますけれども、大臣、二十二年かかつてこのスキームを実行するというようなことでは、今やらなければならないのに、二十二年後の高速交通体系を視点に入れて、そんな二十二年後のやつを見通してやれますか。最低でも十年ぐらいを見通してやるという考えでなければならぬと私は思います。  そういう意味では、三百四十億という公共事業のこの部門に対する予算額ではもう圧倒的に足りないわけでありますから、先ほど前段に言いました全体の公共事業、受益者負担というものをおいでおいでも、この公共事業の十兆円の中からどういったふうにこの高速交通体系として有効に使うかという観点で、運輸大臣としての力量と、橋本内閣全体でこの整備新幹線問題に対して対処していただきたいというふうに考えるわけであります。  全部をやることがばらまきで、その一部を除けばばらまきでないといったような、そういう観点からとらえられるというのは、私は残念でなりません。  そういった面で、大変時間が少のうございますので、まず運輸大臣のこの点についての、全体にわたっての整備新幹線に対する御決意をお伺いしたいと思います。
  230. 古賀誠

    古賀国務大臣 最初の先生の御指摘にもお答えいたしましたように、整備新幹線のみならず、総合的な二十一世紀に向かっての交通体系というものが形成されるために予算の配分がどうあるべきなのか、前向きに、総合的に検討してまいりたいということを繰り返させていただきたいと思います。
  231. 鉢呂吉雄

    鉢呂分科員 あと二分ぐらいありますので、最後の質問でございます。  私の地元の函館港、これは港の大型公共埠頭整備についてであります。  このことについては、近年、大変船舶大型化が進んで、これは三池港も同じような形で言われておりました。現在、函館港も、十メーターバースの一バースのみの大型のパースということで、大変問題になっておるということで、現在、直轄事業ということで十四メーター岸壁工事を継続実施中でございます。さらに、それに引き続いて十二メーターパースについても工事を行う、第二期工事を行うということで、概算要求にも個別名称を出して、運輸省、北海道開発庁、要求を出しておるわけでありますけれども、残念ながら平成九年度についてもこれが採択をされないという状況でございまして、十四メーターバースと十二メーターバースが連続してできる格好でございまして、これが単独で終わりますと、大変工事的にも むだな部分が九億から十億円ぐらいになるということで、ぜひ連続的な工事として十二メーターバースを第二期工事という形で、とりわけ平成十年度に向けてよろしくお願いをいたしたいということで御答弁をお願いいたします。
  232. 古賀誠

    古賀国務大臣 函館港は、先生御承知のとおり道南地域の物流、それから人流の拠点港として大変重要な役割を果たしているわけでございまして、今御指摘いただいたように、これからもますますその役割が大きくなるわけでございます。先生の御要請にできるだけ早急にこたえることができるように、私も全力を尽くして努力してまいりたいということをお約束させていただきます。
  233. 鉢呂吉雄

    鉢呂分科員 大変どうもありがとうございました。終わります。
  234. 関谷勝嗣

    関谷主査代理 これにて鉢呂吉雄君の質疑は終了いたしました。  次に、石井郁子君。
  235. 石井郁子

    石井(郁)分科員 日本共産党の石井郁子でございます。  初めに、大臣にお願いをしております件でお伺いをいたしますが、関空株式会社の前の社長、元運輸事務次官服部被告汚職問題についてでございますが、去る二月の二十一日、運輸委員会で我が党の寺前議員がこの問題を質問いたしました。その際、大臣から再発防止に努めるという御答弁があったと思いますけれども、その具体策についてお伺いをしたいと思います。
  236. 古賀誠

    古賀国務大臣 最初に、運輸省のかつて事務次官の経験者であり、関空の前最高責任者であった服部氏の今回の不祥事につきましては、まことに遺憾なことであり、極めて残念なことだと思っております。今後、運輸省、関空挙げまして国民の信頼にこたえることのできるように、綱紀粛正に全力を尽くしてまいりたい、このように思っているわけでございます。  あのときに今後の取り組みについてどうしたかということの御質問でございますけれども、関空会社におきましては、一月の二十四日、緊急役員会を開催いたしまして、役員みずからの倫理の向上と規律の強化を申し合わせますと同時に、綱紀粛正委員会の設置を実はとらせていただきまして、子会社を含みまして役職員に対する社長みずからの直接の訓示等を行ってきたところでございます。  また、同委員会におきまして、綱紀粛正、倫理意識の向上及び業務執行体制等について検討を行っているところでございまして、今回の事態に係る道義的、社会的責任にかんがみまして、役員に対しましてはその報酬の一部を自主的に返上するということにいたしたところでございます。  今後も、事態の進展により明らかになる事実関係を踏まえつつ、二期事業を含めてこのような不祥事が再発することのないように、運輸省及び関空会社において万全の対策を検討してまいりたい、このように考えているところでございます。
  237. 石井郁子

    石井(郁)分科員 いろいろ取り組んでおられることがわかりました。関空の開港、また今後の整備、発展については、本当に地元各方面からのいろいろな期待が大きくあります。そういう中で、ミスター運輸省と言われた人でございましたから、こういう人のこの不祥事については、本当に大阪また全体の夢を無残にも砕いたと言わなければならないというふうに思うのです。この事態をぜひ重く受けとめていただきまして、運輸省、関空会社挙げて厳しくまた対処していただきたいということを重ねて申し上げておきたいというふうに思います。  さて、きょう質問したい主な内容は、この関西国際空港に働く人たちの問題でございます。  関空には官公庁、航空運送、旅客サービス、飲食業などなど、四百三十の事業所、一万八千人の方々が働いておられるわけであります。業種を超えた労働組合の連絡会、また関空株式会社との話し合いもありまして、労働者の方が利用する施設などの一定の改善ども行われてまいりました。こういう会社の努力というのは、空港の安全かつ効率的な運営を進める上で大変大切だというふうに思います。  その上に立ってですけれども、関空に働く人たちには休憩所をつくってほしいという要望も強くございます。そういう点で、関空会社も空港内の労働者が共用できる休憩所は幾つかつくっているという実態がございます。こういう経過の中で、私はさらに休養室の問題をぜひ重視したいというふうに思ったわけでございます。  休養室というのはたしか設置が義務づけられているというふうに思いますけれども、ちょっと労働省に伺いたいのですが、この休養室の設置についてどうなっているでしょうか。
  238. 三觜文雄

    ○三觜説明員 お答えいたします。  労働安全衛生規則におきましては、常時五十人以上または常時女子三十人以上の労働者を使用する事業者に対し、労働者が横になることができる休養室等の設置を義務づけているところであります。
  239. 石井郁子

    石井(郁)分科員 私の調べによりますと、そいう休養室が関空の中ではまだ実現を見ていません。ぜひ労働省、調査を行っていただきたい、または指導していただきたいというふうに思うのです。  ちょっともう少し申し上げますと、関空のテナントの中には常時五十人以上または女子三十人以上という規模にならない事業所というのはたくさんございますよね。ですから、そういう事業所には、では休養室は要らないのかという問題にもなるわけです。関空にあるこの四百三十の事業所、これはすべて関西国際空港の運営という一つの事業目的で組織されているというふうに思うのですね。ですから、小さいテナントの労働者であっても、空港を機能させていく上ではなくてはならないはずだというふうに思います。  関空株式会社法の六条三項には、関空株式会社は空港の機能を確保するために必要な諸施設、事務所や店舗などを管理することになっているわけです。そういうことならば、一万八千人のこの労働者の安全衛生に関空としても何らかの管理責任を持つことが必要なのではないかというふうに思うのですが、その点で労働省、運輸省、ちょっとそれぞれの御見解をお聞かせください。
  240. 黒野匡彦

    ○黒野政府委員 私は労働安全衛生法の解釈につきまして有権的に解釈する立場ではないものですから、もし間違っていたらお許しいただきたいと思いますが、その従業員と直接雇用関係のある場合に今の法律に基づく休養室を設ける義務が出てくるというふうに私ども理解しております。  ただ、法律的制度はそれといたしまして、今関空会社では島内に八カ所の休養室を設けておりまして、その四カ所につきましてテナントの従業員の方にも、要するに関空とは直接雇用関係のない従業員の方にも開放しているというふうに聞いております。
  241. 三觜文雄

    ○三觜説明員 労働者の安全の確保につきましては、基本的には労働者を直接雇用する事業者に労働災害の防止や健康の確保のために必要な措置を講ずるべき責任があるものと考えております。したがいまして、個々の事業主に店舗を賃貸する立場にあります関西国際空港に、各事業主が雇用いたします労働者に対しまして安全衛生上の措置を講じさせることは困難であると考えているところであります。
  242. 石井郁子

    石井(郁)分科員 関空というのは、わざわざ島をつくって、そこにたくさんの事業所を入れて、そして一つの事業体として今運用されているわけですよね。ですから、今、雇用関係だけで法律的に解釈をしたらそういう解釈かもしれませんけれども、新しいことをやっていることには間違いありません。株式会社というやり方といい、そしてたくさんのそういう事業所で成り立っているという問題ということからしても。だからそういう中で、この空港の運営を担うそういうすべての働く人たち、労働者、こういう人たちが健康でまた効率的に働ける、こういうふうにするためには、安全衛生上の管理をどういうふうにするのかというのは、いわば新しく突きつけられている問題だというふうに私たちは考えているのです。そういう 意味での検討が必要ではないかということなんですね。  それで、一万八千人が働いておられるわけです。休養室というのは、横になることのできるというのが大変休養室の休養室たるところですから、この必要性というのは本当に大きいものだというふうに思います。二十四時間体制です。夜中に飛行機がおくれて到着すれば終業時間はそれだけおくらさなければいけない、また終電がなくなって家に帰れないこともあるということも聞いています。だから、日常的に飛行機の便数によってこの勤務体系というのはかなり変則的であります。生活時間もいろいろであります。ですから、そういうときに休める時間に横になれるということは大変必要だというふうに思う。今、もちろんこれは設置が義務づけられているという点からしても、そういうことにもっと前向きに取り組まなければいけないのではないか。  その点でも、先ほどお話の中に休憩室という点では幾つか設置されている、こういうことでの努力もございますから、もう一歩進めて、ぜひこの休養室という点でも検討していただきたいということを重ねて申し上げておきたいというふうに思うのですが、いかがですか。
  243. 黒野匡彦

    ○黒野政府委員 先ほど申し上げました、テナントの従業員の方々にも開放している休養室が全部で四カ所ございまして、面積を足してみますと三百平米ぐらいの措置をとっておるわけでございまして、まさに法律の規定とは関係なしに、関空会社としてはテナントの方々にもそういう休息の場を設けているということでございます。
  244. 石井郁子

    石井(郁)分科員 休憩室があることはよく承知しております。今の答弁のとおりです。もう一歩進めて、休養室という考え方、あと必要性、そこに踏み込むべきではないか。ですから、関空株式会社がいろいろな事業所やまた労働者の皆さんにも呼びかけてそういうものをつくっていくということで、運輸省としてのそういう指導あるいは働きかけ、こういうことをぜひしてほしい、すべきではないのかという質問をしているわけであります。いかがですか。
  245. 黒野匡彦

    ○黒野政府委員 先ほど来申し上げております四カ所は私どもへの報告は一応休養室となっておりまして、この法律に書いてございますが、横になることができる部屋ではないかと思っております。
  246. 石井郁子

    石井(郁)分科員 休養室というのは横になれるから畳が必要ですよね、そこを至急調査もしてください。そして、本当に休養室がないということになれば、行って、そういうことで必要性を認めて、指導するというふうに理解してもよろしゅうございますか。ぜひそのようにしていただきますように、その点では強く要請をしたいというふうに思います。  さて、では二つ目の問題なんですけれども、ちょっとおやと思われるかもしれませんが、関空の中に保育所をつくってまいかがかという質問であります。  そういう要望も女性の中から大変聞いているわけでありまして、まず関空に働く人たちの半数以上の方は女性であります。そして、その女性の皆さんも変則勤務ですから、結婚して子供が生まれても働き続けられるだろうかというふうに思いながら勤めておられる。今若い方が大変多いのですけれども、やはり将来のことを考えるわけですね。島を渡って保育所の送り迎えなんということは到底難しいということがあります。  私は、私自身も働き続けてきた女性として、母親になっても働き続けるということは、それだけ熟練の女性労働者が育っていくということにもなると思います。だから、関空の安全かつ効率的な運営にとっても大事なことだというふうに思うのですね。  この点では、今ニーズがどのくらいかということもあるかもしれませんが、しかし保育所というのは、やはりあるからこそそこで働こうという人たちが集まってくるわけですから、今から検討するということが大事なんですね。そういう意味で、運輸省、そういう検討をする余地、あるいはそういう指導をされることをぜひしていただきたいと思うのですけれども、その点でいかがでしょうか。
  247. 黒野匡彦

    ○黒野政府委員 ちょっと話が飛ぶかもしれませんが、私が中国に行きましたときに、北京の駅へ行きましたら、半数の方が女性なんですよね、駅の職員の数が。中に保育所が完備されていて、そういう方々が心配なく働けるようになっているのですよという説明を受けまして、中国も意外に進んでいるところがあるんだなと思ったのでございますが、今の関空につきましては、関空会社そのものといたしましては、今子供さんが見える女性従業員はいないそうでございまして、そんなこともあって保育所は現在においては設置されておりません。  それから、先ほど来先生のお話しの、関空会社そのものではなくて全体の従業員についてどうするかという問題提起もあったと思いますが、そこも基本的には事業者と従業員との間でまず御議論していただくべき問題ではないかと思っております。
  248. 石井郁子

    石井(郁)分科員 前にも申し上げましたように、関空というのは新しい形態の空港ですよね。ですから、やはり使用者の事業所と働く人の関係ということだけでははかれない問題があるというふうに思います。また、解決もできないというふうに思います。私は、御答弁のように、二十四時間空港、いわば世界にも誇れるそういう空港として、今後とも本当に特色も出し、条件整備もしていくということでいえば、ぜひこの点でも本当に保育所などを設置してほしいということを強く思うわけです。  それで、私は、保育園をつくる方法もいろいろ検討されていいのじゃないかということでちょっと申し上げたいのですけれども、設置とか運営には労働省としても公的な助成があるわけですよね。平成八年の「働く女性の実情」という労働省婦人局発行のを見てみますと、働く女性に対する対策の一つとして「事業所内託児施設の設置の促進」ということを挙げているわけです。促進をするという側で挙げていまして、この中には「事業所内託児施設の設置の促進及び運営の安定を図り、子供を養育する労働者の福祉の増進に資することを目的に、事業所内託児施設を新たに設置し運営を開始した事業主及び事業主団体に対し、「事業所内託児施設助成金」を支給している。」ということで、設置にかかった費用の半分、上限は二千三百五十万円まで助成が受けられる。また、運営にかかる費用も助成制度があるわけですね。  あそこは泉佐野市ですけれども、私は、泉佐野市とも協議をして、民設公営の保育所、つまり関空株式会社や事業所が設置をして、また公立の保育所として運営をする、こういう方法も考えられるのではないかというふうに思うのです。ですから、今御答弁のように、個々の事業所には到底、特に小規模事業所が圧倒的ですから、そういうふうにはできないわけで、関空株式会社が中心となってこれを進めるということは、どうしても必要だというふうに思うのですね。  その点でも、関空会社としても事業所などの代表の方の御意見なども伺いまして、また働く人たちの希望も聞いて、私は、今関空二期工事に向けての計画がいろいろ進められているというふうに聞いておりますので、そういう中に組み込むという形も一つの考えかというふうに思いますけれども、ぜひ検討を進めるということを強く求めたいというふうに思うのですけれども、いかがでしょうか。
  249. 黒野匡彦

    ○黒野政府委員 関空会社といたしましては、空港全体の円滑な運営ということにつきまして、責任もあるし、また常時気を使っているところだと思います。  保育所の問題、私もこれについてどういう公的助成があるのか、あるいは設置基準がどのくらいかということは、専門ではないものですから何ともお答えしようがないのですが、関空の中に入っているテナントの方々からそういう要望があり、 かつその要望が合理性があって、関空会社の方も必要かなということになれば、それはそれで施設を設置することもあり得ると思います。私もこの質問をお受けするということでいろいろ調べてみたのですが、現在のところにおきましては、関空会社としては必要性は認めていないという報告が参っているところでございます。
  250. 石井郁子

    石井(郁)分科員 ぜひ、要望はあることは間違いありませんので、進めていただきたいというふうに思います。  次に、連絡橋の使用料の問題なんです。  関空に行くためには、自動車だったら往復千七百円の使用料金です。JRでも運賃に三百円の連絡橋使用料を上乗せして払うことになっています。これは、関空で働く人たちも払わされているのですね。これは本当に大変な驚きです。働く人たちの間から、これを何とかしてほしいという声が出るのは、私は当然だというふうに思うのですね。例えば、東京ディズニーランドで働く人が毎日入場料を払って職場に行くのか。そういうことにはならないわけですから、こういう点でも改善が要るのではないか。  これまで会社側は、労働組合などとの話し合いで、一枚千円の回数券を発行するなど努力はしているようです。しかし私は、使用料を取ること自体が道理に合わないという点で、ぜひこの問題での改善運輸省としてもすべきではないのかということを主張したいというふうに思うのですね。いかがでしょうか。
  251. 黒野匡彦

    ○黒野政府委員 どうも冷たい御返事ばかりでまことに恐縮でございますが、実はこの橋の料金、通勤着が使う場合には、その通勤者が勤めている企業が通勤費として社員に支給するというのが社会的なルールだと思っております。したがいまして、先生おっしゃったように、そこに働いている人が自己負担で大変だということは、ちょっと別の問題ではないかなとは思っております。  ただ、そうは申しましても、この橋の料金が非常に高いということで、昨年の九月から、定期駐車券というのがありまして、自家用車通勤をする従業員を対象に、先ほど先生おっしゃいました二十二枚つづりで、一回ごとに直しますと千円の回数券を発行することにしております。
  252. 石井郁子

    石井(郁)分科員 会社側の方は、赤字だからだとか、いろいろな理由も言っているようですけれども、私は、やはり考え方の問題としても、本当に高い連絡橋、これでは、使用料というのは何とかしなければいけないというふうに思うのですね。  これは勤めている人の問題として言いましたけれども、本当に一般市民にとっても実は大変高いのですよね。こういうことがありまして、去年のクリスマスに連絡橋を無料にしましたら、いつもは閑古鳥が鳴くようなショッピングセンターが大変な入りだったというふうに聞いているのです。  だから、労働者の側からの問題、利用者の側からも、もっとこういう点でのサービスもする、そして本当に使いやすい関空にしていくという点こそ、私は関空の発展に本当につながるというふうに思うのですけれども、こういうことも含めて、この問題ではこれまで一定の改善もされてきているわけですから、これは考え方が違うということではないはずですね。ぜひ運輸省としても一層の強い指導をお願いをしたいというふうに思います。  最後に、きょうは空港の話になりましたが、伊丹空港についてぜひ聞いておきたいというふうに思います。  関空の開港以来、国際線の撤退などが続きました。伊丹空港がこれからどうなるのかということで、大変不安の声が上がっているわけです。五十九の組合が結集している航空安全推進連絡会議大阪支部と大阪国際空港長との交渉がありまして、伊丹空港の再整備計画は関空の開港前後に策定するという約束になっていたはずなのです。それが、三年経過してもまだ明らかにされていません。一体これはいつごろ示されるおつもりでしょうか。
  253. 黒野匡彦

    ○黒野政府委員 大阪国際空港につきましては、周辺の環境問題を改善するという地元とのお約束がございまして、関空開港後、発着回数を大幅に減らしてきております。  それに対しまして、地元の方々から、もっと大阪空港活性化できないかというかなり切実なお話がございまして、私ども大阪国際空港地域活性化調査委員会という名前の委員会を設けました。そこにおきまして、この活性化方策を多方面にわたって検討しているところでございまして、ことしの夏ごろには一応の調査結果を得たいと思っているところでございます。
  254. 石井郁子

    石井(郁)分科員 質問しましたのは、伊丹空港の再整備計画、ことしの夏ごろにはということですけれども、やはり三年経過したという点で、大変遅いということですよね。こんなにおくれた事情というのはどうなのですか。
  255. 黒野匡彦

    ○黒野政府委員 これは申すまでもないことかと思いますが、伊丹空港につきましてはさまざまな御意見がございまして、周辺の方々が必ずしも同じ意見ではないわけであります。  回数が減ったことによって騒音が減った、それを専ら歓迎される方も見えれば、空港が寂れたことによって、地域社会全体としても、このまま放置しては大変なことになるという点から発言される方もいますし、周辺の公共団体の間でも、意見の一致を見つけるというのはなかなか難しい話でございます。  そんなこともございまして、若干の日数をとっておりますが、私どもといたしましても、この問題は非常に大事な問題だと思っておりますので、全力を挙げて検討をしたいと思っております。
  256. 石井郁子

    石井(郁)分科員 いろいろな御意見があるのはそうだと思いますけれども、しかし、実態がどうなっているのか、何をすべきなのかということについては、行政としてはやはり急いで取り組むべきことだというふうに思うのですね。そういう点で、今御答弁のように、本当に今深刻な地域の実態がございますので、ぜひこの点では急いでいただきたいということを強く申し上げておきたいというふうに思います。  時間が参りましたので、答弁は結構ですけれども、実は、関空の飛行ルートの問題で一言触れておきたいというふうに思います。  八一年当時、運輸省は、陸上は飛行しないという明確な態度を示していたと思います。国会でも、海上ルートの飛行で安全は保障できるということがございました。地元では今、運輸省がこの立場を投げ捨てるのではないかという不安が起きているわけです。  大阪空港の騒音の問題など今ありましたけれども、その公害をなくすために海上空港としたことが関空の出発点だったというふうに思うのですね。この点を将来にわたって重視してほしい、また重視すべきだということを強く申し上げまして、私の質問を終わらせていただきたいというふうに思います。どうもありがとうございました。
  257. 関谷勝嗣

    関谷主査代理 これにて石井郁子君の質疑は終了いたしました。  次に、畠山健治郎君。
  258. 畠山健治郎

    ○畠山分科員 港湾整備は全国からの要望の強い問題でありまして、島国である我が国からすれば、それも当然のことだと思います。一方、財政再建元年という厳しいときだけに公共事業も抑制基調に働くことは仕方がないことでありますが、それだけに効率、効果、地域経済への波及効果を最優先にして順位が決められる必要があろうかと思います。  そうした中で秋田港をどう位置づけるのか。外貿コンテナ定期航路が開設されるなど、秋田港につきましては、環日本海国土軸形成の拠点港として位置づけをしながら整備促進を図る必要があろうかと考えます。また、現在の埠頭は、物流だけではなくレクリエーションの施設としての整備が求められております。これらの整備の点についてもお尋ねしたいと思います。
  259. 木本英明

    木本政府委員 秋田港でございますが、現在外内貿貨物量合わせまして六百六十万トンを超える 貨物を取り扱っておりまして、先生指摘のように、日本海に面しました北東北地方の物流拠点あるいは生産拠点として大変重要な役割を果たしておるところでございます。その上に、平成七年から八年にかけまして、今お話がありましたように、釜山港を結ぶ国際コンテナ航路だとかあるいは香港を結ぶ定期コンテナ航路も開設されまして、いわゆる国際流通港湾としての機能も、徐々にではありますけれども果たしつつある、こういった状況でございます。そういった状況を踏まえて、現在、水深十二メートル岸壁や防波堤等の整備を鋭意推進しておるところでございます。  また海洋レクリエーションの拠点としても、マリーナやアメニティー空間としての緑地あるいは民活法によりましてポートタワー、地元ではセリオンとか呼ばれておるようでございますけれども、そういったものも大変魅力あるウオーターフロントとしての形成も進んでおりまして、こういったことで、秋田港というのは将来とも大変重要な役割を果たしていくのではなかろうか、こういうふうに考えております。  さらに中長期的に見れば対岸諸国との交流、交易もふえることも当然想定されますし、いわゆる環日本海時代の到来といいますか、そういったことも視野に入れながら秋田港の今後の着実な整備を進めてまいりたい、このように考えております。
  260. 畠山健治郎

    ○畠山分科員 次に、高速交通体系の整備の一つとして、来年には大館能代空港が開港の運びとなっておりまして、運輸省努力に深く感謝を申し上げたいと思います。特に来年の八月には第十二回の日本ジャンボリーが開催されることになっておりまして、何としてもこのジャンボリーに間に合うように開港してほしいという強い要望が出されてございますが、この関係は一体どうなっていらっしゃるのでしょうか、お尋ねいたしたいと思います。
  261. 黒野匡彦

    ○黒野政府委員 私どもも同じ思いでございまして、せっかくあるならばその前に完成して使っていただくというのがベストだと思って、今そういう方向で努力をしております。
  262. 畠山健治郎

    ○畠山分科員 この空港は県北部の地域活性化の、手段として期待されておりますが、せっかくの空港も十分な路線開設がなければ意味をなさないことは当然であります。少なくとも東京便一日二往復、大阪便一日一往復が望まれております。羽田の新規発着枠の拡大につきまして、けさの新聞で政策枠十ですか、残り三十ということになりますか、ということになりまして、地元の一日二往復とはほど遠いということになるわけでありますが、その点の状況等についてお知らせいただきたいと思います。
  263. 黒野匡彦

    ○黒野政府委員 今私どもが一番頭を悩ましている問題でございまして、各エアラインからの御希望をトータルいたしますと、三倍の百二十便の要求が出ております。それで、私どもの手元にありますのま四十便でございますから、三倍になるわけでありまして、その中で優先度の高いものからどういうふうに認めていくかというのが一つ問題であります。ただし私ども、航空だけではなくて、運輸省全体の仕事を三年から五年の間には需給調整ということを一切やらない。そういう点につきましては、基本的には企業とそれを利用される方との中で自主的に判断していただく、こういうふうにシステムを変えるつもりでございまして、したがって、このたびのこの枠の配分につきましても、私どもから見てこの路線にはぜひ一便はつけてくださいよという、私どもの発言するところはなるべく少なくして、あとは企業の判断にゆだねる、こういう方向に来ております。  それで実は、それをできたら今週中ぐらいには決めさしていただきたいと思っておりまして、今の段階で具体的にその大館能代空港につきましてどうなるかというのは、これは全くまだ私言えない立場でございますので、先生の今のお気持ちというか熱意は承っておきますが、そのような事情がありますので、この場におきましてはお答えを保留させていただきたいと思っております。
  264. 畠山健治郎

    ○畠山分科員 確かに、政策枠、自由枠があるから、運輸省が限界があると言うのは気持ちはよくわかります。ところが、せっかく先行投資をしながら空港をつくって一日一便の飛行場なんというようなことになったら、何でこんな飛行場をつくったの、効率の面から見て、あるいは地域の期待感からしてみて、一体何の空港なの、この空港は、こう言われても仕方がないと思うのです。やはり最低飛行場としての機能を果たしていただく、こういう観点から判断してもらわなければいけないというふうに思いますが、今御返事できないにしても、考え方だけお尋ねしておきたいというふうに思います。
  265. 黒野匡彦

    ○黒野政府委員 羽田の枠の制約が少なければ、一日二便どころか三便ぐらいあった方がもっといいわけでありまして、先生の御主張、お気持ちはよくわかっているつもりでございます。ただ、わかっていながら今の三分の一の中に押し込めなきゃいけないという我々のつらいところも、ひとつ御理解いただきたいと思います。
  266. 畠山健治郎

    ○畠山分科員 次に秋田空港についてでございますが、今韓国に対するチャーター便利用者は一万五千人となっておりまして、ソウルとの定期路線開設が強く望まれておりますことは御案内のとおりかと思っています。また、国内主要都市との航空ネットワーク充実も求められております。秋田−ソウル間の定期路線並びに秋田−東京路線の増便並びに夜間駐機について今後の見通しをお尋ねいたしたいと思います。
  267. 黒野匡彦

    ○黒野政府委員 まず最初に、秋田−ソウル便のことでございます。  現在我が国空港に十七、八カ所、韓国から便が入っております。したがいまして、私どもも日韓との協議を昨年の九月、十一月、さらにことしの一月と三回やりました。その中において、韓国から日本の国内にさらに新しい地点について入りたいという意思表示があるのではないかと思っておりましたら、この三回とも完全にそういうことが議題にならずに終わっております。  なぜだろうということでいろいろ情報もとり、考えてみたわけでございますが、どうも今日本に入っている韓国企業が維持している路線のほとんどが赤字で、黒字が非常に少ないということでございまして、韓国の企業も今までは日本とのパイプを太くすることによって、いろんな意味において企業にプラスになるだろうという御判断をされたと思うのですが、どうも韓国の企業側で、やはり採算性ということに重きを置こうという方針変更があったのではないかなというふうに我々想定しておりまして、これからの日韓の航空協議、また折に触れてありますけれども、そのたびに向こうの本音といいましょうか、それを探るべく努力をしてまいりたいと思っております。  秋田からは大変強い御希望がかねてからあるということは私自身よく承知しておりますので、韓国側の事情をまた調べてみたいと思っております。
  268. 畠山健治郎

    ○畠山分科員 駐機場はどうでしょう。
  269. 黒野匡彦

    ○黒野政府委員 夜間駐機でございますが、まず、これ自体は完全な企業の判断でございますが、彼らに各地の御希望の話を取り次いでおりまして、その際に企業側がこの問題についてどう言うかということでございますが、仮に一機にせよ、航空機を今まで入れていない空港で夜とめておくということになりますと、乗務員の運用の効率性の問題が出てくるとか、あるいは整備士、運航管理要員等を常駐させなければいけない、さらには乗務員の宿泊をどう考えるかという問題が出てまいりまして、企業にとってはプラスの面とマイナスの面と両方あるわけでございまして、その辺のそろばんをはじいて航空企業としての判断をするというふうになっております。  ただ、一般的に申し上げますと、やはり便数がふえ利用者がふえた空港につきましては、現在でもナイトステイをしているところがかなり多うございますから、最終的な問題としては、やはり空港利用者数をどうやってふやしていくか、その結果が夜間駐機にどうつながるか、こういう問題 だと思っております。
  270. 畠山健治郎

    ○畠山分科員 便数に限りがありますから、いろいろと難しいことはよくわかりますが、現状かられば、羽田から秋田へ入って、秋田から一便が来るというようなことになりますから、本当に利用価値からすると時間的な制限があって困るのでね。それから終便も六時ですから、六時というと、これもまた極めて時間的な制限があってしまうわけであります。客層をふやすという意味からも早朝とそれから遅い便、終便のそういう遅い便ですね、これがあればさらにお客さんはふえるということ、これは確実だというふうに思うのです。ぜひひとつ、そういう観点から御再考をお願い申し上げたいというふうに思います。
  271. 黒野匡彦

    ○黒野政府委員 私どもといたしましては、利用者の方々の便宜というのは常に考えていかなければいけないテーマだと思っております。全国から、幾つかのところからナイトステイをしてほしいという声が入ってきておりまして、それにつきましては、私どもその航空企業の方にきちんと取り次ぎ、できたら、地域のせっかくの御希望ですから実現はできないのかということを、我々なりに航空企業にその旨を伝えて考えてもらうよう努力はしてきておりますし、これからも努力していきたいと思っております。
  272. 畠山健治郎

    ○畠山分科員 ぜひひとつ御支援のほどをお願いを申し上げたいと思います。  それから、秋田空港利用者は昨年度で百三十五万、そのうち東京路線は九十八万人、年率にいたしますと七・二%の高い伸び率となっております。こうした利用状況から、冬期間においては現滑走路二千五百メートルでは、荷重制限の問題もあり、運航の安定性、安全性のためにも三千メートルヘの拡張が急務とされております。第七次空港整備五カ年計画で予定化されたことは大変ありがたいというふうに思っておりますが、計画期間内の早期実現についての見通しはいかがなものでしょうか。
  273. 黒野匡彦

    ○黒野政府委員 第七次の空港整備五カ年計画から、今我々、仮称で特別事業と呼んでおりますが、地域の方々が、周辺開発とかあるいは他の公共事業とかそういうことと一緒になって、いわば地域のペースで空港をつくりたい、こういう御要望がある空港が幾つかございます。そういう空港も、いずれかの段階では国としても必要性を認めてつくらなければいけないのですが、それをいわば早めてほしい、こういう希望になるわけでございまして、これにつきましては、若干補助率を下げさせていただきますが、なるべく地域の要望に従って整備を進めていきたいと思っているところでございます。  今度の五カ年計画の期間中のどの時点から着工するかということは、むしろ地域の方がどういうふうに準備が整っているかということに直接かかわりますので、秋田県とまた協議をしながら、なるべく早くという方向で検討したいと思っております。
  274. 畠山健治郎

    ○畠山分科員 次に、地域住民の日常生活の利便性確保のためには、JRの在来線の整備が重要であるのは申し上げるまでもございません。来年度予算を見ますと、鉄道整備費は公共事業全体のおよそ一%にすぎないのが実態であります。現在策定中の全国総合開発計画においては、JR在来線の整備を位置づけ、鉄道整備基金等の財源措置充実、新たな助成制度の創設が必要ではないかと考えますが、いかがでしょうか。
  275. 梅崎壽

    ○梅崎政府委員 昨年十二月に出されました全国総合開発計画に関します国土審議会の計画部会の中間報告におきまして、御指摘のとおり、在来鉄道充実、これが指摘されているのは事実でございます。  この問題、私ども基本的な考え方といたしましては、運賃を通じまして利用者負担によって整備をしていく、これは一般的な考え方でございますが、こういったような基本的な考え方の中で、特に輸送力の増強を図る必要があるといったような案件で、利用者負担に任せてはなかなか整備が進まない公益性の強いものにつきまして、国としても助成制度を設けるといったようなことをやつてきておりまして、その一環として、鉄道整備基金を活用してきているところでございます。  鉄道整備基金による幹線鉄道活性化事業の一環といたしまして、在来線の高速化、高質化といつた事業をやっておりますし、一例でございますが、そういうような事業をやっている、それから無利子貸付事業を活用いたしまして、無利子資金を貸し付けることによりまして在来線の高質化をやっているというようなことで、正直に申し上げまして、乏しい財源の中でいろいろ知恵を出しながら精いっぱいやってきたつもりでございます。  今後とも、二十一世紀を考えますと、特に在来の幹線の高質化というのは必要な施策だと思っておりますので、そういう方向で私どももこれからも努めていきたいと考えております。
  276. 畠山健治郎

    ○畠山分科員 高速に取り込まれて在来線がどんどん忘れ去られてしまう可能性が十分ございます。ぜひひとつそういうことのないように、特に在来幹線だけはしっかりと整備をしていただきますように、重ねてお願いを申し上げておきたいというふうに思っております。  それから、高速交通体系の一翼として、この三月二十二日に秋田新幹線が営業開始される運びになりました。運輸省の御努力に改めて重ねて厚くお礼を申し上げたいというふうに思っております。  ところが、県内からすると、県南にはそれなりの高速の光は当たっておるわけでありますが、問題は秋田以北地の部分、とりわけ能代というような部分が取り残されてしまう可能性が十分にあるわけでありまして、そういうことから、今能代周辺、かなり強い能代までの延伸という陳情、要請が出されてきてございます。ぜひひとつ、このことにも素直に謙虚に耳を傾けて御支援をいただきますようにお願いを申し上げたいというふうに思いますが、いかがでしょうか。
  277. 梅崎壽

    ○梅崎政府委員 いわゆる秋田ミニ新幹線の延長の問題でございますが、この問題は、問題の性格からしますと、基本的にはJR日本の経営判断の問題であろうと思います。秋田までに比べまして能代までは輸送需要が三分の一ぐらいになるというような基本的な問題もございますので、ある意味では、需要をどうやって誘発し高めていくかといったようなことに関しましては、やはり地元での協力体制が必要でございましょうから、JR日本とよく御相談もしていただきながら、地元におきまして案件の成熟度を高めていただく、こういったような努力をしていただくのがまず先決ではなかろうかと考えております。
  278. 畠山健治郎

    ○畠山分科員 もちろん他人頼みでどうこうするつもりはございません。それなりに地元が一丸となって需要の掘り起こしに努めてまいりたいというふうに思っておりますので、今後とも御支援のほどをお願いを申し上げたいと思います。  次に、最後になりますが、大臣にお尋ね申し上げたいと思います。  さきの予算委員会の集中審議の中で、総理は、公共事業のコスト削減につきまして数値目標を設定するとしてお答えなさっております。この立場から、運輸省関連事業における検討状況についてお尋ね申し上げたいと思います。
  279. 古賀誠

    古賀国務大臣 公共工事のコストの縮減に関しましては、本年の一月に公共工事コスト縮減対策関係閣僚会議が発足をいたしております。工事のそれぞれの段階での制度手続改善や合理化のため、関係省庁で幅広く検討いたしまして、本年度末を目途に政府全体の行動指針策定に向けた検討が行われているとしているところでございます。  運輸省といたしましても、この政府の行動指針に沿った運輸省建設コストの縮減行動計画を本年度末を目途に策定すべく、今鋭意取り組んでいるところでございます。
  280. 畠山健治郎

    ○畠山分科員 数値目標によってコスト削減がなされた場合、新公共投資基本計画の見直しと関連して削減分に見合った事業費総額も当然縮小されるものと考えますが、いかがでしょうか。
  281. 土井勝二

    ○土井政府委員 運輸省といたしましては、ただいま先生お尋ねの件につきまして、九年度の公共事業予算におきまして、国際ハブ港湾空港整備新幹線、地下鉄等の社会資本整備推進するため、所要額、関係所管で六千七百二十億円でございますが、これを計上しているところでございます。  運輸省といたしましては、我が国の経済構造改革、国土の均衡ある発展等を図るため、ただいま申し上げましたような運輸関係社会資本の一日も早い整備が求められているというふうに考えてございまして、先ほど申し上げました九年度予算額は必要最小限度のものである、ぜひ必要なものであるというふうに考えております。
  282. 畠山健治郎

    ○畠山分科員 コスト削減は公共事業すべてに求められることでありますが、重要なことは政策評価であろうかと思います。一部マスコミで取り上げた例にもありますように、経済変動によって当初の目的が達成されないものも当然あろうが、既存の事業については達成度を示す必要があるのではないかと思います。また、今後はコスト削減だけではなくてコストベネフィット、地域経済への波及効果、外部経済への影響など、政策評価システムを早急に確立する必要があろうかと思いますが、いかがでしょうか。
  283. 土井勝二

    ○土井政府委員 運輸関係の社会資本の整備につきましては、それをつくる段階で、審議会の議による計画などに従いまして、国土の均衡ある発展などの政策要素、それから需要の動向などの事業固有の要素、これらを勘案して進めているところでございます。  運輸関係社会資本のさらに一層の効果的な整備を図る必要があるということは先生指摘のとおりでございまして、私どもといたしまして、各事業における需要審査等の徹底を図っていく、また、できた段階での施設の利用を確保していくという工夫をぜひしてまいりたいと思っております。  それから、コストベネフィットについてでございますが、コストベネフィットなどの整備効果につきまして、これは費用対効果分析を平成九年度以降の大規模プロジェクト等について実施する方向でただいま検討中であります。この面での政策的な評価も深めてまいりたいと思います。
  284. 畠山健治郎

    ○畠山分科員 公共事業に対する大変厳しい見方がされておる時期でもあるだけに、その効果をしっかりと国民にわかるようにしていかなければいけない大変大事な時期だというふうに思います。ぜひひとつこのことをしっかりやっていただくことをお願いを申し上げながら、質問を終わりたいと思います。  ありがとうございました。
  285. 関谷勝嗣

    関谷主査代理 これにて畠山健治郎君の質疑は終了いたしました。  次に、小坂憲次君。
  286. 小坂憲次

    小坂分科員 太陽党の小坂憲次でございます。  きょうはお時間をいただきまして、この第七分科会、運輸大臣に御質問申し上げることを中心にいたしまして、若干郵政の質問を交えて時間をいただきたいと思っております。  まず最初に、新幹線に関してでございますけれども古賀運輸大臣は、既に予算委員会質疑を通じて拝見をいたしておりましても、この整備新幹線建設に関しては大変な積極派であるという認識を私は持っているわけでありますが、この点についてもお伺いしたいと思います。  今後の新幹線建設に対する一番のポイントは、国民の理解と協力を得ることであろう、こう思っております。国民の理解と協力を得るためには、いろいろな情報の開示というものが必要だろう。どのくらいの採算性があるのかという問題から始まって、今現状がどういう状態にあるかということも、国民の理解を得るためには隠しておいてはだめでありまして、やはりそういう情報を開示することによって初めて国民の正しい理解も得られると思うわけでありますし、また同時に、例えば採算性の問題であれば、赤字というか不採算の原因がどこにあるのか、それを民間も交えた知恵で解決することができるのかどうか、その辺についても住民の参加というものが求められるきっかけにもなると思いまして、やはりそういう情報公開について、まず第一に私はもっと進めるべきだと思っております。  それから第二点は、やはりネットワークというものが大切だと思っておるのですね。  すべて交通網というのはネットワーク、つながっていて初めて、網の目のようになっていて初めて効用が飛躍的に増大する、こういうふうな基本的な考え方を持っております。そういう観点でいろいろ考えておるのですが、まずもって大臣が今後の総合的な交通、物流体系の中における新幹線の位置づけをどのように考えていらっしゃるか、そういった点でその持論をお聞かせいただければと思っております。
  287. 古賀誠

    古賀国務大臣 議員も御指摘をいただきましたように、私は、整備新幹線を着実に推進していきたい、このように考えているところでございます。特に、高速交通体系の中で、この新幹線の整備は、ネットワークの形成という意味で非常に大事だろうというふうに思っております。  御案内のとおり、昨年の暮れに政府・与党の合意に基づきまして検討委員会を設置いたしまして、基本的な条件、もう何回も申し上げておりますので先生も御承知かと思いますけれども収支採算性の見通し、JR貸付料に見合う負担、それに並行在来線経営分離によります沿線地方公共団体との同意の問題、JR同意の問題等、用地の確保の見通しもそうでございますが、こうした基礎的、基本的な条件を整えた上で、整備区間ごと検討委員会の方で適切な処理を行っていく、こう申し合わせをさせていただいているところでございます。  そういう政府・与党の申し合わせの中で、検討委員会で、これから整備区間ごとに、今申し上げましたような条件についていろいろと御論議をいただくだろうと思っております。そういうことを地方の皆様方にも、また多くの国民の方々にも議論の経過というものも丁寧に情報を提供しながら、国民の理解を得ることに努力しつつ、着実に整備新幹線の未着工区間整備については適切に対処していきたい、このように考えているところでございます。
  288. 小坂憲次

    小坂分科員 おっしゃるとおりだと思います。  私は、どうも不公平だなと思っているのは、過疎過密が問われ、均衡ある発展が言われる中で、大都市間をつなぐ高速鉄道は優先的に整備をされる。その際には地元負担というものは余りなくて、その恩恵に長期間浴することができる。その間ほっておかれた過疎に悩む地方都市は、その克服のためにやはり高速鉄道が必要だというふうに訴えますと、地元負担がふえてくる。どうも財政需要が非常に大きくても自主財源を持っている不交付団体のような都市は負担がなくて、交付税措置がなければ財政的に行き詰まってしまうような地方都市は地元負担を強いられる。  国の役割というのは、どういうものなんでしょう、やはりそういうところに光を当てていくのが政治だと思うのですね。大臣もそういう観点で新幹線をとらえていらっしゃると思うのですが、新幹線はもう時代おくれなんでしょうか、それとも、これからますますその役割は、高齢化時代あるいは環境問題等よく言われることでありますが、そういう観点も踏まえて新幹線というのはもっと推進すべきだ、こういう基本的なお考えなんでしょうか、その辺、もう一度お願いいたします。
  289. 古賀誠

    古賀国務大臣 先生もどちらかといえばそうかもわかりませんが、私も地方、いわばどちらかといえば過疎地の出身でございまして、新幹線の整備のこれからの必要性というもの、私はむしろ進めていくべきだというふうに思っております。  先生も御案内のとおり、世界の趨勢も、今改めて新幹線というものに注目をされているところでございまして、我が国におきましても、これからの交通体系のネットワークを考えた場合に、これだけ大量の輸送ができる機関、それから安全性、環境の面で、正確さの面で、またエネルギーの消 耗の面で、あらゆる角度から考えても、まさに二十一世紀は、新幹線によっての高速交通体系のネットワークの形成、国土の均衡ある発展と同時に、我が国の経済の発展のために、また質の高い国民の生活のためにも、極めて重要な交通体系の中心になる交通機関だというふうに私は考えております。
  290. 小坂憲次

    小坂分科員 私は、国鉄民営化のときの議論の中で、何か置き忘れてきてしまったんだなと思うのですね。戦後の日本の発展に果たした国鉄のネットワークの、鉄道網の役割というのは非常に大きかったことはだれもが認めている。しかし、その後一部に、やはり我田引鉄と言われる政治路線等が赤字を出した。したがって、すぐに、そういうもので赤字を出した国鉄全体が悪い、こんな感じで、赤字を出すものはすべて悪いんだ、黒字でなければ、採算性のとれないものはやはり今は慎むべきだという流れができてしまったように思うのですね。しかし、全体的に見て、必要なものは必要だということで建設をして将来に備えるべきである、こう思っております。  道路の場合には、高速道路を建設して、それが採算がとれなくても先行投資として認められている。しかし、新幹線に関しては、世論がどうしても味方をしてくれない。今回の平成九年度予算においても、与野党を超えて新幹線に対する国民の理解というものを得る努力をすべきだと思っておるのですが、そういう意味で、赤字の国鉄の二の舞だ、だから新幹線はやはり凍結すべきだ、こういう議論が渦巻いているように思うのですが、大臣、いかがでございますか。
  291. 古賀誠

    古賀国務大臣 今回の新しい財源スキームを見ていただいてもおわかりだと思いますが、政府与党合意の中ででも、第二の国鉄はつくらない、赤字国鉄にならないように、さまざまな点で歯どめをかけさせていただいているところでございます。そういうことを十分念頭に置きながら、着実に整備新幹線整備を進めてまいりたい、このように思っております。
  292. 小坂憲次

    小坂分科員 お互いにその辺では一致していると思うのですね。私も、そういう意味では、効率よく必要なものをつくっていくという観点から、新幹線についての理解を得る努力をしてまいりたいと存じます。  また、新幹線を建設しますと、在来線の問題が出てくるわけでありまして、並行在来線経営分離をするという原則に従って、私ども例えば北陸新幹線を今度お願いをして、やっと長野へ本年十月に開通することが決定をいたしました。十月一日運行開始ということで、私ども大変期待をいたしておりますが、それに伴って、並行在来線は、しなの鉄道というものをつくって、軽井沢−長野間の運行をやってまいりたい、そういうことでこれを地元で何とか支えていきたいと思います。  しかし、鉄道はやはりネットワークでありまして、今既に問題になっておりますように、新幹線が建設されたためこ、在来線が廃止される部分がある。そのことによって、貨物列車が途中がつながらなくなってしまう。したがって、これをいわゆる軌間自由可変型鉄道といいますか、フリーゲージトレーンという、フリーゲージでこれをつなぐように考えようとかいろいろな話が出てきておりますが、そういう観点からすると、これを第三セクターで維持しているということは大変重要だと思うのですね。第三セクターに対する支援策というものもやはり考えていくべきだと思うのですが、鉄道局長おいででございますが、ちょっとどのような支援策を考えていらっしゃるか、まずお願いします。
  293. 梅崎壽

    ○梅崎政府委員 数点お尋ねだと存じますが、まず新幹線整備をする場合に在来線をどうするかでございますが、これはもう先生十分御承知のとおり、JRの経営を維持し第二の国鉄をつくらないという観点から、JRが経営的に維持するのが無理だというように判断したものにつきましては、地域の皆様方の御協力をいただきながら第三セクターとして足の確保をしていくということでございます。この考え方は基本的な考え方でございまして、現在の三線五区間でもそうでございますし、このたび政府・与党で合意を見ました未着工区間についても同じような考え方でやっております。  そこで、地元で第三セクターとして維持していく場合にいかなる措置を講ずるかということでございますが、これにつきましては、地域が新幹線を強く望んでおられるということもありまして、地域として足の確保が必要である場合は、地域負担をしながら在来線を残していくという選択をしていただいております。  今お触れになりましたしなの鉄道につきましては、どのような形で運営をしていくのか、地域JRそれから私ども入りまして、現実の鉄道としてどうしていくか、細かい点までいろいろ相談させていただきましたけれども、やはり地域の皆様方の相当程度の負担と、一方ではJRの人的な意味での支援等々によりまして、これを維持していこうというようなことで、しなの鉄道は出発しようとしているわけでございます。  それから、貨物の問題をお触れになられましたけれども、新幹線整備をしました場合に貨物をどうするか、新幹線の上を走るのか在来線を走るのか、これはとても重要な問題でございますが、この点につきましては、安全上詰めなければいけない技術上の問題がまだ相当程度残されておりまして、まだ結論を見ていない状況でございます。  いろいろな意見がございます。新幹線の上を走らせたくないという意見もございます。ただ、そうしました場合に、在来線を走る際に、貨物のコスト負担能力なるものが本当にあるのか。その際、地域の皆様方に大変な御迷惑をかけることにもなりかねない。たまたましなの鉄道におきましては、先生御承知のとおり、地元に貨物の需要がありますし、旅客の列車本数と貨物の列車本数を比較しますと、貨物の列車本数ははるかに低うございまして、貨物の分を、いわゆるアボイダブルコストと言っておりますが、現在負担しているものが地元の協力によりまして維持されるというスキームになっております。この点は私ども高く評価しているところでございますが、これが全国的にどうなんだという話になりますと、そのようなことではまいらぬ、これは私ども、この問題を考える場合のとても大きな制約要因だと思いますので、こういったようなことも考えながら貨物のルートについては検討をしていく必要がある、このように思っております。
  294. 小坂憲次

    小坂分科員 そこで、私もネットワークが大切だなと思うのはそういう点なんですね。碓氷峠は鉄道が通らなくなってしまいます。これで新たに新幹線の軌道を走らなければ最短距離で結ぶことはできなくなってしまう。そういうことも考えますと、確かに新幹線の軌道上を走らせるのはどうなのかな、時間的な問題もありますから、昼間の時間帯はなかなか難しいかと思いますが、夜間はもっと活用した方がいいだろうと思いますし、そういう点をいろいろお考えだと思います。  そこで、ちょっと視点を変えて、新幹線で貨物を直接運ぶということは将来考えるべきではないかと思っておるのですね、新幹線もネットワークとして構築をして。駅に停車する時間は非常に短いです。したがって、その貨物の輸送体系も、従来のようなばら積みをして駅で荷役作業をするのは不可能だと思います。それに適したシステムを考え出さないと、非常に難しいのだと思うのですね。コンテナ化をするとか駅にそれなりのリフト設備を、自動荷役のそういう設備を行うとか何らかの工夫が必要だと思いますが、新幹線における貨物の扱いというのはどのように考えていらっしゃいますか。
  295. 梅崎壽

    ○梅崎政府委員 整備新幹線を進めていく場合に貨物をどうするか、これは先ほどまだ結論が出ておらないと申し上げましたが、昨年十二月の政府・与党の合意におきましては、貨物輸送につきまして「適切な輸送経路及び線路使用料を確保することとし、新幹線鉄道上を走行することを含め、関係者間で調整を図る。」こういうぐあいにされております。  そこで、その関係者間の調整の問題で一番大きな問題は、先ほどもちょっと申し上げました安全の問題でございまして、高速の旅客列車が走る中で速度が違う貨物列車を走らせた場合に、ある意味で非常に高い確率での安全性を確保するためには、まず技術的なことになりますが、三線軌用、新幹線は広軌でございます、貨物は狭軌でございます、三線軌用の高速の分岐器、ポイントでございますが、そういったような開発をどうするかとか、それから、貨車がよく事故を起こしたり、旅客列車に比べますと事故の確率が高うございますから、これを防止するために、例えば貨物の落下防止装置をどうするかといったような技術開発をやらなければいけないということが第一。  それから、では上を走らせる場合に、今申し上げましたように、線路を三線軌にしなければいけないとかいうのは、当然のことながら投資が出てまいります。こういったような問題をどうするかといった点につきまして、今後検討を進めて結論を出していく必要があると考えております。
  296. 小坂憲次

    小坂分科員 そういう開発はやはり話だけでは進みませんので、予算をとって積極的に国の役割として研究を進めていただきたいと思います。  また、鉄道の役割をもう一度見直して地域の足としてもっと活用していく、そういう視点から見ますと、従来の駅の間に新たな駅をつくることも必要になってくる。いわゆるげた履きで乗れるような鉄道、大都市圏の鉄道整備に関してはいわゆる民鉄制度、P線制度と言われていますが、ありまして、大規模団地を造成する際の新線建設とか駅の増設とか地下鉄の建設、これには大きな国の支援があるのですね。ところが、大都市圏にはそういうものがありながら、地方都市で一生懸命開発をして団地をつくってそこに新駅をというと、これは全部そういう措置から外れてしまう。これはまことに政治の問題だと思いますけれども、そういう現状を見ると、非常に矛盾しているというふうに思うのです。  大臣、こういうことに余りお詳しくなかったかもしれませんが、そういった制度があるということについて、地方都市を持つ議員としてやはりこれは何とかしていかなければいかぬと思うのですが、何か御見解ございますか。
  297. 古賀誠

    古賀国務大臣 私も先生から御指摘をいただくまで、中身については当然のことでございますけれども勉強不足で、今恥じているところでございます。中身のことについてもこれから勉強させていただきまして、まさに今御指摘いただいているように、大都市と地方とこんなに格差があっていいのか、ひとつよく検討してみたい、そして、できることは適切な処置をしていきたい、このように考えております。
  298. 小坂憲次

    小坂分科員 大変力強いお話をいただきましてありがたく思います。  また、私は鉄道局長にお伺いしたいのですが、私どもの長野は周りがずっと山に囲まれておりまして、その盆地の中をいろいろな鉄道が走っておるのですよ。JRあり長野電鉄あり、そして今回、しなの鉄道というのができるわけです。こういった鉄道の相互乗り入れをもっと推進しますと、私は環状につないでいくことができると以前から思っているのですよ。環状鉄道にして山手線のように一定間隔で電車を走らせますと、その山のふもとの駅へ行けば、だれもが一たん乗ればどこへでも、盆地の中、大きな広い善光寺平一体が均衡ある発展を遂げることができる。こういった相互乗り入れについて、やはり運輸省として積極的な指導、あるいは企画面で、全国見回してみてこういうところはつないだ方がいいじゃないか、そういうようなことで指導をされるようなことはないのでしょうか。
  299. 梅崎壽

    ○梅崎政府委員 一般的に、相互乗り入れに関しましては、私どもも乗客の利便性の向上という観点から推奨すべきものと考えておりますが、ただいま先生お触れになられましたとおり、基本的には、やはり都市部の通勤通学輸送ということを考えて今までやってまいりました。  ただいま先生から御指摘ございました、長野で各鉄道事業者協力して、ループ状といいますか、そういったようなことで、一事業者の枠を超えて輸送サービスを提供するというのは、確かに一つのお考えであろうと思っております。ただ、問題は、今のままでできれば問題がないわけでございますが、やはり乗り入れをするための施設整備鉄道につきましては本当に施設整備に大層お金がかかるものですから、結局のところ、どれだけお客さんがいるかとか事業として成立するかという話になろうかと思います。  先生の一つのお考えとして承りまして、また、基本的には事業者でも十分検討していただかなくてはいかぬ問題だと思いますので、あるいはしなの鉄道もございますから、これは地元の鉄道でございますので、地元でいろいろなお考えもあろうかと思いますので、それに対応して私ども検討していきたいと思います。
  300. 小坂憲次

    小坂分科員 突然の話で、そういうこともあるかというような考えであろうと思いますが、やはりそういう点で、すべて効率主義というのが今日の日本をつくってしまったと思うのですね。生産性第一主義、効率がいいことはいいことだ、これで全部押し切ってきたのが今日の日本の姿だと思います。やはりもう一回我々はそういう物差しを見直さなければいかぬ。やはり人間の幸福というものを原点にして、そこでの生きがい、それから地域全体の生活、視点を生活者の快適性というものに変えて、もう一度見直さなければいけない時代に来ていると思うのです。  そういう点で、国が支援すべきことは何であるか。単に採算性の点から、財政的に厳しいから財政負担の大きいものは全部悪であるということではなくて、やはり生活者の視点からもう一度見直していただいて、これは今やっておくべきだ、高齢化のために今必要だと思うことについては、ほかのものからシフトしてでも、予算の配分を見直してでも積極的に支援をする、それが真の行政の姿だと思いますので、ぜひともそういう視点をもう一度お持ちいただくようにお願いをいたしたいと存じます。  最後に、これは運輸大臣に、事前にお話をしてないので、簡単な質問でございます、もしお考えがあればお聞かせをいただきたいと思います。  今回の石油タンカーの事故で、裏日本における石油の事故の防災センターの配置なんかが問題になりましたけれども、表日本、裏日本の差というのは結構あるのですね。私は、ロシアのこれからの経済の復興状況、発展状況といいますか、また韓国、朝鮮半島の状況、それから中国の役割、こういったものを全体的に見直しますと、今までアメリカを向いて我々が貿易をしておったその視点を、今度は、この裏日本がいわゆる表のような役割をしてくることを考えて、そろそろ取り組んでいかなければいかぬ。港湾整備についても、私どもにとっては例えば新潟港になるわけでありますが、直江津港、新潟港の港湾整備を進めてロシアからの貨物の受け入れ窓口として、日本海と太平洋を結ぶ最短距離を今度新幹線が走ってくるわけですから、こういうものも踏まえながら、もう一度裏日本港湾の役割の見直しというものも考えておかなければいけない時代に来ていると思います。  そんな視点もこの機会でございますから一言触れておきまして、もしお考えがあればお聞かせをいただければ幸いです。
  301. 古賀誠

    古賀国務大臣 ナホトカ号の油流出事故では先生にも大変御心配をおかけいたしました。また、日本海の冬の荒天というものも私はじかに見させていただいて、こういう海があるのかということも実は初めて知ったわけでございます。また同時に、今、議員から御指摘いただいているように、太平洋側、日本海側と両面見た場合に、これからの我が国のあらゆる分野において、日本海側の、ある意味では重要性と申しますか必要性と申しますか、そういったことも、私なりに今度の油の流出事故で改めて認識したことは事実でございます。  ロシア、それから韓国、北朝鮮を含む朝鮮半島、そして中国と、極めて日本海側と近い距離にある わけであります。そういった中で、日本海側の港湾のこれからの整備のあり方について、今も必要性、重要性にかんがみながら着実に日本海側の港湾整備も進めていっているところでありますけれども、さらに注意深く、必要性に応じて効果的、重点的に日本海側の港湾整備に努めていくということは大事なことだというふうに認識をいたしております。
  302. 小坂憲次

    小坂分科員 ありがとうございました。  時間もなくなりましたが、せっかく郵政省にも来ていただいておりますので、最後に一問。  私は、郵政のネットワークも、鉄道ネットワークと同じようにこれまで多くの投資をしてつくってきた、築いてきた重要な国民資産だと思っております。そんな観点で、この郵政ネットワークを今後維持していく、この決意を一言聞かせてもらいたい。
  303. 森清

    ○森説明員 郵便局は、全国津々浦々二万四千六百のネットワークを通じまして、国営・非営利、独立採算の事業として、郵便、貯金、保険のサービスをあまねく公平に提供するとともに、国庫金の受け払い、年金、恩給の支払いを行うなど、地域における最も身近な国の窓口機関として広く親しまれておりまして、こうした点については、地域住民の皆様からも高い評価をちょうだいしているところでございます。  今後、少子・高齢化、高度情報化国際化等の急激な変化が予想される二十一世紀の我が国社会が活力を維持し発展していくためには、地域社会の活性化が不可欠でありまして、このため、地域に密着したサービスを提供する郵便局ネットワークを一層活用し、国民が豊かで安心できる国民生活を享受できるようにしていくことは、御指摘のようにまさに重要な課題になるものと認識しております。  郵政省といたしましては、今後の郵便局サービスのあり方について幅広い立場から御議論いただくため、去る二月六日、郵政審議会に対しまして、「二十一世紀を展望した郵便局ネットワーク及びそのサービスの在り方並びにその実現のために講ずべき方策について」諮問をさせていただいたところでございます。今後とも、審議会の御意見も踏まえつつ、郵便局ネットワークの一層の活用方策について検討を進めてまいりたいと考えております。
  304. 小坂憲次

    小坂分科員 大分用意していらっしゃったぐらいにすらすらと読んでいただきましたけれども、私が特に申し上げたいのは、やはり民間の活力を引き出すようなネットワークの活用方法を考えてもらいたい。例えば、宅配便も受託をして、それで、過疎の地域には国の出先機関である郵便局がそういったものも肩がわりをしながら、効率のよい民間の事業推進にも役立つ、相互に乗り入れながら相互に効率を高めて、そのネットワーク維持経費を効率よくしていく、効率をアップする、そんなことも踏まえてぜひとも頑張っていただきたいと思います。  ともかく、鉄道も郵政もネットワークあってのことでございまして、このネットワークを崩さないように、より一層効率を高めるように、両省とも御努力をいただきたいと思います。  以上で質問を終わります。どうもありがとうございました。
  305. 関谷勝嗣

    関谷主査代理 これにて小坂憲次君の質疑は終了いたしました。  次に、相沢英之君。
  306. 相沢英之

    相沢分科員 連日、お疲れのところ、また遅くなりまして大変恐縮ですが、二、三、時間の範囲内で質問を許していただきたいと思います。  与党の質問でありますからそう手厳しいことは申しませんが、私が関心を持っていることの二つについて質問をいたしたいと思います。  一つは、新幹線の建設計画であります。  御案内のように、たしか新全総でありましたか、全国に高速道路の整備とあわせて新幹線を張りめぐらすという計画があったわけであります。ただ、当時国鉄も、財政が大変な状況にありまして、まさに火の車でありまして、その国鉄の財政再建をどうするかということが、健保、そして交付税と並んで、いわゆる三K問題として毎年度の予算編成において最重要課題の一つになっておったわけであります。そして、昭和四十七年かと思いますが、国鉄の財政再建計画との関連におきまして、今後の新幹線の建設をどうするかということが、党内においても、政府部内におきましても、また国会においても問題となりました。  その際に、取り急ぐものとしては、一つは上越新幹線、新潟までであります。それから東北新幹線については、これを仙台までにとめるという案と、いや、札幌まで延ばさなければならぬという考え方でありましたが、まあ妥協をしまして盛岡までは建設をする、ただ、札幌までの新幹線計画のうち青函部分については、非常に長大な海底トンネルになるし金も時間もかかるというので、これだけは先行させようということで、このトンネルは着手をすることになったわけであります。それともう一つは、成田空港との関連で成田新幹線を建設しよう。つまり、上越線と、盛岡までの東北線と、それから成田のこの三つは着工するが、その余については、まだ調査段階だし、その中でも、北陸新幹線については部分的に調査をやろうということを取り決めたというふうに記憶いたしております。そして、その際に、その計画にのらなかった線については、今後、その重要度、また国鉄の財政状態等を勘案して、逐次その整備を進めるということになったと記憶しております。  この点につきまして、鉄道局長、どのように記憶しておられますか。
  307. 梅崎壽

    ○梅崎政府委員 ただいま先生指摘になりました、整備新幹線に関します、あるいは新幹線整備に関します基本的な経緯は、詳細、私ちょっと手元に持ち合わせておりませんけれども、おおむね先生の御指摘のとおりであろうと思います。
  308. 相沢英之

    相沢分科員 そこで、問題は、その後大変な財政難ということもありまして、毎年度、非常に切実な地元の要望にかかわらずなかなか計画としては進捗せず、また、平成九年度予算の問題としても、いわゆる整備新幹線の問題が大きく取り上げられまして、部分的に着工のめどがついたということであります。  ただ、今後、これをどのような考え方で進めていくのか。今対象となっているいわゆる整備新幹線以外の区間については、もう当分の間、とてもそれは計画にも着工にもならぬというお考えなのか、しょせんこれはやらなくてはならないので、国の財政状況等をにらみながら今後整備を進めていくというお考えなのか、その点をお聞きしたいと思います。
  309. 古賀誠

    古賀国務大臣 基本的なことなので、私の方から御答弁させていただきたいと思いますが、御承知のとおり、昨年暮れの政府与党合意に基づく基本的な条件というものが実はあるわけでございます。何回も申し上げておりますので先生も御承知のとおりでございますが、その基本条件を確認した上で、新しい未着工区間整備区間の着工につきましては適切に対処してまいりたい、こういつも答弁させていただいているわけでございますが、私といたしましては、未着工区間の着工につきましては、平成九年度中には、百億という具体的な予算も計上させていただいているところでございまして、何とか着工にこぎつけたい。  しかし、これにつきましては、今申し上げました検討委員会の中でしっかりと御論議をいただくわけでございます。未着工区間整備区間ごとに、今申し上げておりますような基本条件を確認した上でさまざまな御論議をいただくことだと思っておりますが、それは十分尊重した上で、平成九年度中にはできれば着工にこぎつけていきたい、こういう認識でおります。
  310. 相沢英之

    相沢分科員 今の大臣の御答弁は、平成九年において問題となった着工予定区間と申しますか、それだと思いますが、私がお聞きしているのはそれ以外、例えば、私の地元の問題になって恐縮ですけれども、山陰新幹線の問題あるいは中四国を結ぶところの新幹線、その他いろいろな区間があるわけですが、そういう路線についてはどういう ようなお考えかということであります。
  311. 梅崎壽

    ○梅崎政府委員 基本計画路線として基本計画が定められておる路線をどうするか、具体的にはそういう御質問かと存じますが、正直申し上げまして、私ども、事務的には、まず整備五線を進めるというのが何といっても第一の課題である、基本計画路線に関しましては、その整備五線を整備した後におきます課題として長期的に検討していく必要がある問題である、このように認識いたしております。
  312. 相沢英之

    相沢分科員 航空輸送時代といいますけれども、やはり鉄道の持っている大量輸送機関としての役割、また、パスやトラックとは違って公害が少ない鉄道、そういうものの整備はこれからもしていかなければならないという考え方で、山陰に限っていいますと、山陰地区鉄道近代化促進議員懇談会、長ったらしい名前ですが、そういうのをつくって、私はそこの幹事長をしているわけなんです。この議員連盟の目的とするところは、在来線の複線電化、それと新幹線の導入、新幹線にするか、あるいはコスト等の面においても遜色のないリニアモーターカーにするか、そういうような議論はありますけれども、いずれにしても、それを推進しようということで、議員懇談会をつくっているわけでございます。  そこで問題は、無論これは財源問題が一つ大きなポイントになるわけですが、自動車重量税を、あれは昭和四十六年ごろでしたか四十七年でしたか、創設をいたしました際に、その自動車重量税の一部、議論としては二割程度ということでしたが、それを鉄道の在来線の複線電化並びに新幹線の建設に必要な経費に充当しよう、こういう議論があったわけであります。それは、この創設をする際に、特別会計をつくってそのことを明らかにしたらどうかという議論がありましたが、私どもも、どうも特別会計を新しくつくることは賛成できないので、それは一般会計予算一般財源として歳入に取り入れるけれども、歳出面においてはその点は十分に配慮する、こういうような一応申し合わせがあったわけであります。  その後、どうもその辺のところはあいまいになって今日に至っておりますが、私が今そのことを特に引用して申し上げますのは、つまり、新幹線の整備について、一般会計の枠内でやるについては何らかの工夫がないと無理なんじゃないか。それから、財投でやるにしましても、とてもこれから引くところの路線については、東海道や山陽のような採算的に見ても有利なところではない、むしろ採算面からいえば不利なところをやらなければなりませんから、そういう意味では、将来返さなければならない、利息も払わなければならないという財投を財源としてやるということはなかなか無理な点があるわけであります。  いずれにいたしましても、この新幹線の計画を促進する上において、何らかの形で新しいと申しますか別途の財源措置検討していく必要があるのじゃなかろうかというふうに考えておりますが、この点についてのお考えをお聞きしたいと思います。
  313. 梅崎壽

    ○梅崎政府委員 ただいま御指摘いただきました自動車重量税創設の際の経緯等々、その当時運輸省としては鉄道にも使いたいということを主張したということは、私どもも多少聞いております。ただ、結果的に現在のような形になっているわけでございますが、御指摘の財源の問題は確かにそのとおりだと思います。  今般、三線五区間に加えまして、未着工区間につきまして新幹線の整備を進めるというのも、財源問題につきまして国と地方の、特に地方の負担を従前の奨励的補助から法律に基づく負担、義務的な負担ということに位置づけまして、その負担強化するというようなことで財源問題について一歩前進を図ることができた、こういうことで、未着工区間につきまして話を進めることができるという状況になったわけでございます。具体的な問題点はなかなか難しいかと思いますけれども、確かに新幹線をこれ以上進めるということであれば、財源問題をどうするかというのは極めて大きな問題であると私どもも考えております。
  314. 相沢英之

    相沢分科員 今、それ以上の答弁をお願い申し上げるのはなかなか無理だというふうに思いますが、ただ、私が申し上げているのは、やはり新幹線の建設計画を進めるということは大変重要なことでありますから、ぜひひとつそれは、いろいろな財政当局との絡みもございますけれども運輸省としてもいろいろと検討をいただいて、そしてその財源手当てのつく範囲において、あるいは逆に建設計画を進めるためにはどのような財源手当てができるかということについて真剣な検討をお願い申し上げたいというふうに思います。  この問題、ひとつそのことで大臣から何かお話がありましたら……。
  315. 古賀誠

    古賀国務大臣 先生指摘のように、新幹線の整備を進めていくということになる場合は、一番大切なことは財源の問題だということになろうかと思います。この点につきましては、先生の御提言も踏まえ、真剣に運輸省の中で今後の検討として勉強していきたいというふうに思います。
  316. 相沢英之

    相沢分科員 あとちょうど半分時間が残っております。では、空港の問題について質問をいたしたいと思います。  昨年の十二月十三日に、いわゆる第七次空整、「空港整備五箇年計画について」という閣議決定がなされたわけでございます。空港整備が大事なことは、もう私が申し上げるまでもないのでありますが、私が特に関心を持っておりますのは、これから空港整備をするのに対して、東京、大阪等のいわゆるハブ空港整備を重点にして考えるのがいいのか、あるいは地方空港を極力整備して国際路線もそれを活用するという考え方がいいのか。この空港整備五カ年計画は、ハブ空港整備を、ハブ空港とは書いていませんが、「航空ネットワーク形成の拠点となる大都市圏における拠点空港整備を最優先課題として推進する。」このようになっているわけであります。  でありますが、私は、とにかくあの成田空港建設あるいはまた関西国際空港建設等々が、極めて多くの問題を抱えながら、また努力と金を使わないと建設が進められなかったということにも顧みまして、より建設が容易な地方空港整備して、その地方空港から海外に向けて飛行機を飛ばすということの方が、国民経済的に見て、考え方としてよりすぐれておるのじゃないかというように思うものでありますけれども、この点についての大臣のお考えをお聞きしたいと思います。
  317. 古賀誠

    古賀国務大臣 非常に難しい問題だと思います。昨年暮れの閣議決定におきます第七次空整は、今先生からお話しいただきましたように、大都市圏の拠点空港整備推進していくということを中心に五カ年計画として策定させていただいております。  同時に、先生もお触れいただきましたけれども、これからの国際社会が進展していく中でやはり考えておかなければいけないのは、国際空港ハブ空港、世界の国々に、その時代に失しないように整備を図っていっておくということは非常に大事なことだろうということで、御案内のとおり、新東京国際空港、関空ともに第二期事業等を中心に五カ年計画を進めさせていただきたいというふうに思っているわけでございます。  一方、地方空港におきましては、考え方といたしまして、大体地方空港整備というものも見通しがついてきているのではなかろうか。今後、継続事業中心として地方空港においては着実な整備を図っていく。当然我が国の航空のネットワークとしての地方空港の必要性、こういったものは十分今後の事業のあり方の中で考えていかなければいけない問題だとは思っておりますけれども、物の考え方としてはそういう方向づけをしているというのが今度の第七空整の五カ年計画のあり方だというふうに承知いたしているところでございます。
  318. 相沢英之

    相沢分科員 日本ハブ空港整備を急がなければならない理由の一つとして、日本をめぐる周辺の諸国におけるハブ空港整備日本よりもはるかに大きな規模で、また急なテンポで進められ ておるということが理由になっているというようにもお聞きいたしておりますが、その現状についてあるいは見込みについて、見通しについて一言お話をいただきたいと思います。
  319. 黒野匡彦

    ○黒野政府委員 東南アジア中心に幾つかの空港整備が進められております。私ども、そういう動きを片方に見ながら、我が国に来る、あるいは我が国から出る国際航空需要といいましょうか、これについてやはり日本空港の中できちんとフォローするというのが我々の目的でございまして、現在も成田につきましては、非常にいろいろファクターが高くなっておりましてシーズンには切符が買えないというような状態でございますから、そういう事態を解消するために国際的なハブ空港整備を今まで以上に急ぎたいと思っております。
  320. 相沢英之

    相沢分科員 いや、それは私の質問に対する答弁にはならない。要するに、近隣諸国においてはどのような整備状況になっているかということです。
  321. 黒野匡彦

    ○黒野政府委員 今幾つかの空港整備が進められておりまして、韓国が仁川の国際空港、これは二〇〇〇年の開港を目指しておりまして、その段階で三千七百五十メートルの滑走路を二本持つ。加えまして、全体計画といたしましては三千七百五十から四千二百メートルの滑走路を二本持つようにしたいという計画がございます。(相沢分科員「何本」と呼ぶ)四本です。  それから上海でございますが、上海におきましては、一九九九年に開港時は四千メートル一本、全体計画といたしましては四千メートルを同じく四本持ちたい、こういう計画が進められております。  さらに、香港のチェク・ラップ・コック空港でございますが、これは一九九八年に三千八百メートルの滑走路を一本で開港し、全体といたしましては三千八百の滑走路を二本の空港にしたい、こういう計画が進んでおります。  さらには、タイでございますが、これは、第二バンコク国際空港、二〇〇〇年の開港を目指しておりまして、この段階で三千七百メートルの滑走路を二本、全体計画といたしましては四千メートルを四本でございます。  シンガポールのチャンギの国際空港、これは二〇〇四年の完成予定でございまして、四千メートルを二本にしたいという計画でございます。  さらに、マレーシア・セパン空港でございまして、一九九八年に四千メートル滑走路を二本持って開港し、全体的には同じく四千メートル滑走路を四本にしたい、こういう計画が進んでおります。
  322. 相沢英之

    相沢分科員 第七次空整の最終年度は二〇〇一年になるわけですか。(黒野政府委員「二〇〇〇年です」と呼ぶ)二〇〇〇年。二〇〇〇年の段階で、そうすると日本は、空港予算、今見込まれている空港の中でどれだけの滑走路が完成するのですか。そして、この計画の中の金額は幾らか。
  323. 黒野匡彦

    ○黒野政府委員 二〇〇〇年までに完成する滑走路は、成田の平行滑走路を一本ぜひっくりたいと思っております。それから、関空につきましては二〇〇〇年を超えます。中部につきましても、今二〇〇五年を目標にしておりまして、二〇〇〇年をオーバーするということでございます。
  324. 相沢英之

    相沢分科員 そういう状況では、よその国に対しても、ハブ空港整備としても見劣りするような状態でありまして、大変に残念な気もいたします。これはまた、鉄道と同じようにやはり空港整備のための新たなる財源措置を考えなければならぬのじゃないかという気もいたしております。  なお、きょう質問に立ちましたので、これは分科会でもありますから、私は地元のことをちょっと、あと数分お聞きして終わりにいたしたいと思います。  美保空港に関しましては、おかげさまで昨年の春に滑走路千五百を二千に延伸する工事が完成したわけでありますが、第七次空整の中で、二の「地方空港及び離島空港」、これに「関連プロジェクトの動向を踏まえ、美保飛行場の滑走路延長について調査検討し、必要に応じその整備をめざす。」これはちょっと抽象的なんですが、「関連プロジェクトの動向を踏まえ、」ということはどういう意味か、それから、「調査検討し、必要に応じその整備をめざす。」というのは、方向としては整備をするということを明らかにしているのだというふうに了解していますが、その点はいかがですか。
  325. 黒野匡彦

    ○黒野政府委員 美保、我々は米子と呼んでおりますが、これにつきまして二千五百にするという計画を今度の七次計画の中で掲上させていただいております。
  326. 相沢英之

    相沢分科員 いや、私の質問の、「関連プロジェクトの動向を踏まえ、」それはどういう意味か。
  327. 黒野匡彦

    ○黒野政府委員 美保につきまして二千メートルにいたしますと、JRの線路との関係がございます。JR側は、これを地下化するという構想を持っておりまして、この飛行場の整備JRの線路の移設といいましょうか、これとの整合性が要るということでございます。
  328. 相沢英之

    相沢分科員 地下化する話は当然鉄道の性格からいっても起きてくるわけですが、同時に、御承知のように道路との問題もあるわけなんです。  現状においても飛行場の周辺に沿って迂回をしていますが、さらに内陸に五百メートル延長することになると、さらに大きく迂回をしなければならないことになりますので、地元は、ぜひ鉄道に合わせて道路も地下化してもらいたい、こういう要請があるわけであります。ほかにも滑走路延長に伴って道路を地下化した例は伊丹空港等々の例がありますから、費用負担の問題はありますけれども、ぜひその点は御検討をお願いしたいと思います。
  329. 黒野匡彦

    ○黒野政府委員 道路につきましても、まさに今先生おっしゃったように、この空港ができたことによってさらに遠回りするということはないようにしなければいけない、そういう計画で地元と調整したいと思っております。
  330. 相沢英之

    相沢分科員 これで時間ですから終わりますが、どうか、ハブ空港も大事でありますけれども、地方空港整備をぜひひとつ的確に進めていただきたい。  建設国債に関しては、もちろん財源問題もありますけれども、確実に施設が残る、その見合いの投資ですから、私は、少々それが大きくなっても、別に今国債発行によってインフレが起きているような状態でもないから、その辺はひとつ元気を出してやっていっていいのではないかというふうに思っておりますことをつけ加えて、質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。
  331. 関谷勝嗣

    関谷主査代理 これにて相沢英之君の質疑は終了いたしました。  次回は、明四日午前十時より開会し、郵政省及び運輸省所管について審査を行うこととし、本日は、これにて散会いたします。     午後六時一分散会