○滝
分科員 この
JRであれあるいはその他の民鉄であれ、駅舎というのは線路を境にして
地域が二分される、こういうようなことでございまして、従来は、そのために駅のどちら側かが発展し、どちら側かが停滞する、こういうことがずっと続いてまいりました。そこで、最近は橋上駅ということでもって、線路の両側をつなぐようなそういう通路をつくる、あるいはそのために駅舎も橋上駅ということで橋の上に乗せる、こういうようなことをしきりにやってきて、これがかなり
地域的な連帯感あるいは町づくりに役立ってきているわけでございます。
そういう意味では、私はこの
JRに一方的に地元の市町村が
負担をするというのはいかがなものだろうかとは存じますけれ
ども、その辺のところはある程度弾力的にやっていただきませんとなかなかうまくいかない点があるのじゃなかろうかな、こういう感じがいたしますので、ひとつ自治省におかれましては、通達上指導するというようなことになっておるようでございますけれ
ども、その辺のところの弾力的な取り扱いをお願い申し上げたいと思うのです。
それからもう一つ、
JRにお願いをさせてもらいたいのは、
JRもなかなか商売に徹してこられたものですから、橋上駅になってまいりますと、当然足の不自由な方のためにエスカレーターは必置の
施設になるのでございますけれ
ども、
JRが設計いたしますと、そもそも最初は、エスカレーターなんというのは大体設計に入ってこないのですね。地元がやいやい言うと、ようやく、それではというのでエスカレーターを二次的に設計の対象にする、こういうことでございます。もちろん、その設置するエスカレーターは
JRが御
負担にな
りません
そういうようなことで、
JRも経営的な
観点からだろうと思うのでございますけれ
ども、そういうようなことではなかなかこれからうまくいかないのじゃなかろうかな、少なくとも、エスカレーターとかそういうような今の世の中に通用するようなものはできるだけ最初から御配慮されるように、特に、これは
鉄道局を通じてそういうような御配慮をされますように、これは御要望だけ申し上げておきたいと思います。
次に、三番目の問題として、地方都市の路線パスの問題について
お尋ねをさせていただきたいと思うのでございます。
高齢化社会ということが言われてまいりますと、若いうちは、新興団地へ進出するに際しても、マイカーで飛び回れますから何とか日常
生活が事足りたのでございますけれ
ども、年をとってまいりますと、なかなかマイカーというわけにもまいりません。子供が土曜、日曜に迎えに来てくれるのを待たないと病院にも行けない、こういうようなことになりがちでございます。そこで、これからの高齢化社会ということになると、特にやはり路線パスを
充実していかなければならぬ、こういう問題が出てきているように思います。また、高齢化社会向けに、地方都市では地方都市なりに、年間を通じてのバスの無料切符を配るとか、こういうことも最近は盛んにやっているのでございますけれ
ども、無料の乗車券を配っても乗るべき路線パスがないという
地域が圧倒的にあるのですね。
そこで、問題になってまいりますのは、地方都市といっても、新しく新規に開発されたところは道路もそれなりに立派でございますから、私
どもが
東京の町の中で見るような通常の大型パスが走っているのでございますけれ
ども、城下町のようなところは、町の中がパスが走れるような道路になっていないところが圧倒的に多い。そうすると、どういうことになるかというと、パス路線というのは、道路のいいところだけ走っていたって、町の中の病院とか駅舎に通じていなければバス路線として成立しないわけでございますから、結局は路線パスができない、こういう事態が出てまいります。
そこで、今私
どもの奈良県の中で走っているバスは、全国にも珍しく、圧倒的にマイクロバスが多い
地域があるのでございます。余り名誉な話ではございませんで、奈良県内でのマイクロバスが出現しましたのは、昭和五十五年に、奈良の一番南の端の十津川村の山合いの中を走る路線バスでマイクロバスが出現したのが最初だと思うのでございますけれ
ども、今県内にマイクロバスが相当程度走っております。
こういった点について
お尋ねをしたいのでございますけれ
ども、一つの考え方として、マイクロバスが路線バスに採用されればそれでいいじゃないか、大型バスは無理だ、マイクロバスでも走ればそれでいいじゃないか、こういう考え方が一つあるわけです。バス会社の経営の立場からいうと、それはそれなりに一つの合理化だと思うのでございますけれ
ども、しかし、よく考えると、このマイクロバスというのは合理化につながらないのですね。お客さんの乗る人員が少ない、したがって、運転手が一日に運べるお客さんの数が普通のバスに比べると圧倒的に少ないという問題がございます。もちろん、大型とマイクロバスではパスの免許が違いますから、
人件費もあるいは抑えられるのかもしれませんが、どうも経営的に見ると、マイクロバスというのはそれなりにハンディーが出るのじゃなかろうかな。
こういった点について、
運輸省の専門の立場からどうごらんになっているかをお聞かせいただきたいと思います。