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大畠分科員 私は今のお話もよくわかるんですけれども、その理論では二〇〇〇年までもたないんじゃないですかね。二〇〇〇年にこれはガット・ウルグアイ・ラウンドの見直しをしなければならないということがありますし、二〇二五年には大体地球人口八十五億ということが言われておりますし、
日本の人口は減少傾向にあるんですよね。したがって、
日本国内での、例えばある統計によりますと、出生率が一・五で続くならば、百年後には六千五百万人になってしまう。半分になっちゃうんですよ。そうしたら、お米食べるのも半分なんです。そうしたら、それに合わせてまた減反を今の倍々とやっていって、もう田んぼも半分でいい。単純に需給調整ということだけで言えばそうなっちゃいますよね。そんなにこれから
日本の将来に向けて、その減反というものが進むんですか。
その一方で、インドの人口が急増して、九億を突破していまして、中国を抜くんじゃないかと言われていますね。中国の人口も十二億と言われていますけれども、非常に人口が増加していて、
生活向上に伴って食糧も不足し始めている。こんなことを考えていきますと、私は、今おっしゃったような
日本国内の食糧の需給関係を調整していれば農水省としての
役割は済むとは思わないのです。
それはなぜかというと、
日本はもう、
日本国内の自給自足といいますか、経済もそうでありますが、
日本国内のバランスが調整されればそれで生きていけるとは思わないのです。私も通産政務次官をさせていただいて、APECに行ってまいりました。十八カ国の国々がどうやって自分の国の将来に明るい展望を見出すかと必死なんです。その経済
対策の一つとして、二〇一〇年、二〇二〇年には関税をゼロにしよう、どこの国でつくった製品も、それぞれお互いに
交流をしながらお互いの国の経済力を上げて、そして助け合ってやっていこうという流れができ始めているのです。そのときに今のような
日本国内の食糧の需給調整だけを農水省でやっているとすれば、十四兆の国のお金を使っているというその重みからすれば、私は、非常に小さな範囲内でしか物を考えていない、そういうふうにしか思えないのです。
最近、
農業の
予算についても
国民からさまざまな厳しい指摘をいただいています。農道空港については一般の飛行機も着陸できるようにしようというような発想もあります。さまざまな新しい試みは非常にいいと思うのですが、あの当時の、いわゆるバブル経済時代の、いわゆる経済成長が一〇%、一二%続くだろうという時代の発想だったと思うのです。したがって、そろそろ、穏やかなといいますか、持続可能な経済成長をするような物事に視点を置いて、そして
日本国内の需給調整だけではなくてアジア全体の、あるいは世界全体の食糧事情というものを考えながら、
日本の食糧政策はどうあるべきかという視点に切りかえないと、いつまでもバブル時代の
基本方針をまじめに守っていればいいという時代ではないと思うのです。
国の
予算もだんだんなくなってきたのです。ことしだってそうでしょう。
大臣も御存じですが、十六兆七千億も
国民から借金して、十六兆八千億も利子補給で払っているのです。
国民から借りた金が全然生きないのです。そういう
状況で
予算をつくりながら十四兆を超える農水
予算を出しているわけです。
そんなことを考えますと、今のような発想で果たして本当にいいのだろうかと。いわゆる官僚として将来に
責任がある政策を打ち出すべきです。多少いろいろな方々から話があったとしても、やはり官僚の皆さんの優秀なところは、将来を見通して常に先手先手を打ってきたのが今日の
日本を築いたと思うのです。どうも最近、目先のといいますか、当面のという話だけで来るからどんどん方向性がなくなって、本当にそれで
日本の
農業に、食糧政策に展望が開けるかといったら開けないのです。どんなに農家の方のことを考えているといったって、意欲が出ない
農業ではまず困ると思うのです。
この問題は、正式な回答はそういうことしかないかもしれぬけれども、ぜひ私は、
日本の
国民の食糧と同時に、アジアの食糧の全体の
供給体制も含めて農水省として
検討していただきたいと思うのですけれども、どうでしょうか。