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前原委員 次からの質問にかかわってくる問題でありますので、この問題についてはこの程度でとどめさせていただきますが、私も、
沖縄振興策とそして
基地の問題というのは基本的に分けて考えるべきだというふうに思っております。ただ、こういう
国会の場で、あるいは、きょうはテレビも中継されている場で話をしていいのかどうかという
部分はありますけれ
ども、私は、建前と本音の
部分が大変
沖縄の問題はあるというふうに認識をしております。
沖縄の振興の問題とそれから
基地の問題は分けて考えていくべきでありますけれ
ども、しかし実際問題、
基地があるために
沖縄の振興ができないという
部分でつながっている
部分もありますし、なかったときにはもっと今と違った
沖縄になっているのではないかという
沖縄県の方々の
気持ちも私はあると思うわけですね。ですから、違う
部分かもしれないけれ
ども、しかし根底ではつながっているし、複雑だし、表ではなかなか言いにくい、本音の
部分ではなかなか言いにくいというところが、この
沖縄の問題というものを一層複雑にしている
部分はあるのではないかということは
指摘をさせていただきたいと思います。
そこで、
沖縄振興策について私はお話をさせていただきたいと思いますけれ
ども、もともと
沖縄というところは、琉球という違う国でもありましたし、また、太平洋戦争のときに
日本では唯一の地上戦が行われた場所であります。また、非戦闘員の方では十万人以上の方が戦死をされましたし、今なお遺骨収集作業が行われているということで、私なんかは、
沖縄県の
気持ちを
理解するというのは、とてもじゃないけれ
ども同じ立場に立って
理解できないぐらいに大変なことだったのだろうと思います。また、その戦争を契機にして、
沖縄県の方はよくおっしゃいますけれ
ども、銃剣とブルドーザーによって占拠をされた
状況が今の
基地の延長線上として続いている、こういうお話もなされているわけであります。
さて、そういった
沖縄県、もちろん
SACOの最終報告で数字は変わりましたけれ
ども、
日本の国土の〇・六%という非常に狭い
沖縄県に
米軍の
施設の七五%、四分の三が集中をしているというのは、どう考えても過重に集中をし過ぎているのではないかというのは、これはだれもが思うことだと思っております。
しかし、
沖縄県の大田知事もよくおっしゃいますのは、私は安保を否定するつもりはありませんよと。この間も我が党の
調査団で行かせていただきましたけれ
ども、そのときもおっしゃっていました。安保を何も否定するものじゃないのです、この狭い
沖縄県に、なぜ
沖縄だけに七五%もの
米軍の
施設・区域が集中をしているのですか、もし安保が必要ということであれば、本土にもその
負担というものをひとしく引き受けていただけませんか、こういう言い方をよくされています。当然、
総理もよく聞かれている話だと思います。
しかし、
現実の問題として、じゃ、
日本の安保体制を守るために、
沖縄に集中している
基地を本土に分散できるかどうかということを
現実的に考えた場合に、なかなか難しい。県道一〇四号線越えの実弾
射撃訓練でも、五カ所で分散移転をするということで今
防衛庁長官一生懸命に御
努力をされておりますけれ
ども、受け入れもなかなか難しい。受け入れ
決定をされている自治体もございますけれ
ども、訓練でさえ難しいような
状況で、ましてや
基地を引き受けてくれというのは、私はこれは
現実的に難しいと思うのですね。
しかしながら、
日米安保は大切だ、だから
沖縄の
基地があることは重要だ、
沖縄の人は我慢をしてくださいという論理でずっと来た、そのうっせきというものがもはや限界点に達してきて、あの痛ましい少女の暴行
事件が仮になくても、何かのきっかけにおいてこの問題は必ず噴き出していたという私は認識を持っております。
さて、その
沖縄県でありますけれ
ども、実際問題、本土に分散することが難しい、
沖縄だけに過重な
負担が行っているということであれば、本音の話として、やはり
日本の国家
政策、
安全保障政策として
沖縄に
負担を強いているということになれば、何か
沖縄に対してその代償といいますか、やっていただいているお礼といいますか、そういう
部分は私は必要だと思うのですね。ただ、それが前面に出過ぎたら、さっき
総理からもおしかりを受けましたけれ
ども、私は、札束で
沖縄県の人たちに、とにかく
基地の
提供のために財政支援をしますよと言うことはむしろ失礼だ、こういう思いを持っているわけであります。
しかし、本音の
部分では、全体の
負担というものを本土に分散させられない以上は、その代償というものは何らか
沖縄県に対してしていくということは私は必要だと思っています。それは当面の財政
措置だけではなくて、とにかく
沖縄県が自立をして発展していけるような装置というか、何かそういうシステムをつくり出すということが、
日米安保というものをしっかりと足元に位置づけて、そして新たな
日米安保像、
日本の
安全保障像というものを切り開いていく上でも重要だと私は思います。
さて、じゃ個別にその前提に立って御質問をさせていただきたいと思うわけでありますが、
沖縄開発庁の
予算、三千三百億余りでございますか、概算要求で出されております。本土に復帰をされた年、昭和四十七年でございますけれ
ども、そのときは国の平均の収入の約六割程度しかなかったということを資料としていただいております。今はようやく七二%、七三%までになってきたということでありますけれ
ども、四十七
都道府県の中でもまだ最下位ということで、二百十万を超える一人当たりの
県民所得だということであります。
私は、資料をいただいて、もっと
沖縄にはお金が行っていると思っていたのですね、実際問題。案外行っていないのですね。行政投資額というものを
都道府県別に資料としていただきました。これが全体としてどうなのかといえば、もちろん人口の多い少ないはありますけれ
ども、全体の投資額でいえば、
沖縄県は四十七
都道府県中の三十三番目。それから、一人当たりの行政投資額ということになれば二十位なのですね。ですから私は、その点はもうちょっと
沖縄県に対してはそういう
負担も含めてお金を出すべきではないか、もちろん何に使うかということは大切でありますけれ
ども。今までの経緯で、六割から七二%まで上げてきたのだから、それは頑張ってきているという言い方はもちろんあるかもしれませんけれ
ども。
一つ長官に伺いたいのは、
沖縄開発庁の
予算というものを落として、本当に
沖縄県の中にちゃんとそれが落ちているのかどうか。つまり、大きな公共事業なんか大手のゼネコンがとって、
沖縄開発庁
予算といいながら、実際問題それが
沖縄県以外に還流されているということはないのかどうか。その点の情勢をちょっと分析をしていただきたいと思うのです。