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伊藤(茂)
委員 社会民主党を代表して質問をいたします。
予算の本格論議に入りまして、一九九七年、本当に重大な年だなという思いを深くいたします。そして、私ども
社会民主党は、先般の本
会議での土井党首の質問、見解表明を引き継ぎまして、重要な幾つかの点について質問をしたいと思います。
私は、質問の前提に二つの前提を置きたいと思います。
その一つは、二十一
世紀のドアをあける日という
言葉であります。今私どもが国政で当面しているたくさんの課題がございます。順不同ですが、例えば介護保険にいたしましても二〇〇〇年、
総理のおっしゃるビッグバンにしても二〇〇一年、そしてまた
行政改革などなど多くの課題が、二十一
世紀初頭に、また、二十一
世紀のドアをあける日の
日本をどうするかという設計にかかわる問題であります。
確かに、当面する状態を見ますと、うららかな春の道ではありません。
国民の皆様とともにさまざまの厳しさも越えて努力をしなければならない。置かれているのが、今日の経済を初めとする内外の情勢であろうと思います。やはり、厳しさを越えて次の
時代に向けてどう
希望を語るかということが私どもの議論の中心でなければならないと思います。
日本の
国民は理解とレベルの高い
国民ですから、目の前のことだけで悲鳴を上げる
国民ではないと思います。厳しいけれども、やはり次に
希望を語るという面。
総理にお願いしたいんですが、火だるまとなって頑張るんだという決意も再三伺いましたが、やはり火だるまというとちょっと燃えちゃうという印象がありますから、まあ火の玉か何かになって、それでやはりあと三年、四年、二十一
世紀のドアがあく日に、さまざまの難しいことがあるが、こういう
希望を語り合いましようという姿勢での
政府の対応、あるいは
国民の皆様への提起というものをお願いしたいというふうに思います。
同時に、もう一つ前提としたいのは、閣外協力ではございますが、政権与党としての私どもの対応でございます。
土井党首からも私ども再三申し上げておりますように、昨年、三党政策協議を行いまして、そして政策の合意を見ました。三党首の御署名がございました。一致する点もあります。まだ合意に至らない点もございます。私どもは、やはり一致したことは誠実に、また相ともに協力をして実現をする、これはやっていきたいと思います。
また、合意に至らない幾つかの点もございますけれども、本当にこれは
お互いに真剣に議論し合って、連立政権の一番いい点は
お互いに磨き合うことですから、激しい議論をしても磨き合って、そうして
国民の合意に沿ったいい結論を得る、そういう方向の努力をしてまいりたい。そういう
意味では、相当はっきりばしばし
意見を申し上げることもあると思います。どうぞ
総理、ばしばしお答えください。そういうことになれば、恐らく
国民の御理解とフォローの風が吹くだろうと思います。もたもたしたら逆になるだろうと。
いずれにいたしましても、その
責任の重さもかみしめながら、議席の数は少なくなりましたが、大きな
責任を持って、立場をかみしめながら議論をさせていただきたい。今、目の前に、安心して任せられる次の政権の構想等はないんですから、私どもが今努力をしなくちゃならぬという思いでございます。
その二つを前提にいたしまして、まず
冒頭、これは
総理に三つ要望がございます。一々御所見なくても結構なんですが、三つ要望がございます。
一つは、やはりペルーの状態でございます。もうこれは、基本は、ゲリラを許さない、人命尊重、平和的打開。これは多くの
国民、今すべての
国民がみんなが願っている、そうして日夜みんなが懸念をしている重大な問題でございます。
総理もトロントへ行かれて、あるいはまた日夜そのことで本当に御苦労さまですが、精いっぱいの御努力をお願いしたいというふうに思います。明日はフジモリ大統領も帰国をされるということですから、私どもも注目をし、またいろんな期待を込めながら次の展開を願っている。ぜひしっかりやっていただきたい、一つでございます。
もう一つは、すべてのニュースで今一番目、二番目を争っている、私ども非常に心配している
日本海におけるロシアのナホトカ号からの重油流出事件でございます。
この間、三与党の幹事長など仲間の皆さんと一緒に行ってまいりました。この間
加藤幹事長も言っておりましたが、私も
自分の手でさわってみて、油をすくってみて、テレビで見るのと本当に違う。油がひしゃくから流れるのかなと思ったら、全然流れない。一生懸命かき出しているという姿でございます。特に、五人お亡くなりになった方もいらっしゃるわけでございますけれども、御苦労のほどが本当に身にしみて痛感をいたしました。早く回収をしなければと思います。
また、これから先、生活対策あるいはさまざまの営業補償、営業支援、融資の問題、それから補償問題、国際的な保険その他で間に合うのかどうか。何か聞きますと、保険会社のかかわりでも、きちんとした積算をし、データを添えてそれを保険会社の方に提出をして、それを審査をして支払いになる。一定の時間、場合においては小一年かかることもあるなどとも聞いております。
私どもは、やはり気持ちのこもったできるだけのことをしなければならないというふうに思うわけでございまして、
関係者の皆さんに不安を与えない、精いっぱいやっているんだという気持ちの対応をぜひお願いしたい。二つ目の要望でございます。
もう一つ要望がございます。これは
総理に一言御答弁をいただきたいんですが、歴史認識の問題と梶山
官房長官の発言の問題でございます。
これは土井党首などとも相談をしまして、
社会民主党として、自由民主党、与党の
関係ですから、そこを通じてお話を申し上げるということで、
加藤幹事長、山崎政調会長ともお話をさせていただきまして、それは党レベルで御回答を申し上げますということで今お待ちをしているところであります。
ですから、それはそれなんですが、
総理に伺いたいのは、やはり大事なことは、歴史観、アジアへのメッセージ、アジア諸
国民の皆さんに対する我々
日本、また
日本政府の態度ということをやはりいつもきちんとしなければならないということであろうと思います。
先ほど申しました三党合意の中で、平和外交に関するところで、私どもは相談いたしまして、
冒頭に歴史的な問題を合意事項として掲げました。そこには「歴史認識については、一九九五年八月十五日の村山
総理談話を基本にすえ、アジア重視の外交を展開する。」「戦後問題の残された課題に関して検討する。」ということが書いてございます。その一行目の
言葉をあえて
冒頭に私どもは出すべきだということにしたわけでありまして、これは橋本
総理も総裁として御署名になりました。やはりこの持つ
意味というものの重要さをしっかり持ってやっていきたいと思います。その感覚が薄らいだり、揺らいだり、疑問を持ったりされないようにやっていくということが、アジアの一員としての
日本の態度であろうというふうに思うわけでございます。
冒頭、三つ御要望申し上げましたが、
総理、いかがでしょうか。