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1997-01-29 第140回国会 衆議院 本会議 第4号 公式Web版

  1. 会議録情報

    平成九年一月二十九日(水曜日)     —————————————   平成九年一月二十九日     午後四時 本会議     ————————————— ○本日の会議に付した案件  平成年度一般会計補正予算(第1号)  平成年度特別会計補正予算(特第1号)  平成年度政府関係機関補正予算(機第1号)  平成年度分として交付すべき地方交付税の総   額の特例に関する法律案内閣提出)     午後七時三分開議
  2. 伊藤宗一郎

    議長伊藤宗一郎君) これより会議を開きます。      ————◇—————
  3. 荒井広幸

    荒井広幸君 議案上程に関する緊急動議を提出いたします。  平成年度一般会計補正予算(第1号)、平成年度特別会計補正予算(特第1号)、平成年度政府関係機関補正予算(機第1号)、右三案を一括議題とし、委員長報告を求め、その審議を進められることを望みます。
  4. 伊藤宗一郎

    議長伊藤宗一郎君) 荒井広幸君の動議に御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  5. 伊藤宗一郎

    議長伊藤宗一郎君) 御異議なしと認めます。     —————————————  平成年度一般会計補正予算(第1号)  平成年度特別会計補正予算(特第1号)  平成年度政府関係機関補正予算(機第1号)
  6. 伊藤宗一郎

    議長伊藤宗一郎君) 平成年度一般会計補正予算(第1号)、平成年度特別会計補正予算(特第1号)、平成年度政府関係機関補正予算(機第1号)、右三案を一括して議題といたします。  委員長報告を求めます。予算委員長深谷隆司君。     —————————————  平成年度一般会計補正予算(第1号)及び同報告書  平成年度特別会計補正予算(特第1号)及び同報告書  平成年度政府関係機関補正予算(機第1号)及び同報告書     〔本号末尾掲載〕     —————————————     〔深谷隆司登壇
  7. 深谷隆司

    深谷隆司君 ただいま議題となりました平成年度一般会計補正予算(第1号)外二案につきまして、予算委員会における審査の経過及び結果を御報告申し上げます。  まず、補正予算概要について申し上げます。  一般会計予算については、歳出において、阪神淡路大震災復興対策費災害復旧等事業費緊急防災対策費など、特に緊要となった事項について措置を講ずるとともに、既定経費節減及び予備費減額を行うこととし、歳入においては、租税及び印紙収入増収等を見込む一方、前年度剰余金の受け入れを計上するほか、公債金の増額及び特例公債金減額を行うことといたしております。  この結果、平成年度一般会計補正後の予算の総額は、歳出歳入とも当初予算に対し二兆六千六百六十三億円増加して、七十七兆七千七百十二億円となっております。  特別会計予算については、一般会計予算補正に関連して、国立学校特別会計道路整備特別会計など二十特別会計において所要補正を行うことといたしております。  また、政府関係機関予算については、国民金融公庫など四政府関係機関において所要補正を行うことといたしております。  なお、一般会計及び特別会計において所要国庫債務負担行為追加を行うことといたしております。  この補正予算三案は、去る一月二十日本委員会に付託され、同月二十四日三塚大蔵大臣から提案理由説明を聴取し、同月二十七日から二十九日までの三日間質疑を行い、本日質疑終了後、討論採決をいたしたものであります。  質疑は、行財政改革経済構造改革等橋本首相の掲げる六大改革のあり方、在ペルー日本大使館公邸における人質事件日本海沖における重油流出事故対応策被害補償あり方沖縄振興策と米軍基地問題、株価、為替の下落と我が国経済運営あり方オレンジ共済事件及び泉井石油商会をめぐる疑惑問題、平成年度補正予算妥当性補正予算と当初予算あり方阪神淡路大震災復興対策の拡充の必要性住宅都市整備公団利子補給金等の是非、臨時福祉特別給付金性格等、国政の各般にわたって行われたのでありますが、その詳細は会議録により御承知願いたいと存じます。  本日質疑終局の後、補正予算三案を一括して討論に付しましたところ、自由民主党及び社会民主党市民連合を代表して藤井孝男君から政府原案賛成日本共産党を代表して穀田恵二君から政府原案反対の意見が述べられました。  討論終局後、採決の結果、平成年度補正予算 三案は原案のとおり可決すべきものと決しました。  以上、御報告申し上げます。(拍手)     —————————————
  8. 伊藤宗一郎

    議長伊藤宗一郎君) 平成年度一般会計補正予算(第1号)外二案に対しては、中野寛成君外十名から、三案につき撤回のうえ編成替えを求めるの動議が提出されております。  この際、その趣旨弁明を許します。石田勝之君。     —————————————  平成年度一般会計補正予算(第1号)、平成八   年度特別会計補正予算(特第1号)及び平成八   年度政府関係機関補正予算(機第1号)につき   撤回のうえ編成替えを求めるの動議     〔本号末尾掲載〕     —————————————     〔石田勝之登壇
  9. 石田勝之

    石田勝之君 私は、新進党民主党太陽党を代表いたしまして、平成年度補正予算案外二案につき、政府撤回のうえ編成替えを求めるの動議について、提案理由及び概要の御説明をいたします。  説明に先立ち申し上げますが、本日の予算委員会地方行政委員会においで、与党は、新進民主太陽の三党の委員出席を待たず一方的に委員会を開会し、審議採決を強行いたしました。我々は、かかる委員会運営に対し強く抗議するとともに、反省を促すものであります。(拍手)  さて、提出された平成年度補正予算案は、緊急性等を隠れみのにし、その内容は、本質的には旧態依然たる公共土木事業中心歳出と一・六兆円の国債発行に依存した歳入によるものであります。これでは、当面する財政再建及び財政改革の道に全く逆行するものと言わなければなりません。  本来、補正予算とは、財政法二十九条に規定されておりますように、当初予算が作成された後に生じた事由に基づいて、特に緊要となった経費に限定し措置されるべきものであります。にもかかわらず、本補正予算内容は、全般的に補正措置としての妥当性に乏しく、シーリング逃れの粉飾的なものとなっています。実質的には平成年度予算に盛り込むべきものを前倒ししたものであり、その意味では、本補正予算は、八年度補正というよりも、むしろ九年度補正の前年度前倒しという性格を強くするものであります。  また、本補正予算は、総選挙前後の経緯からも、与党内の報復予算の発言にも象徴されますように、公共事業内容においても問題点が多いものとなっております。  この際、当初予算編成後の特別な緊要性という補正予算の本来の趣旨に照らして、歳出を思い切って縮減し、これに伴う国債発行額の大幅な削減を行うとともに、むだのない効率的な補正予算組み替えるべきであります。(拍手)  よって、政府に対し、新進党民主党太陽党の三党は、共同して、以下の重点事項について組み替えを行うことを求めるものであります。  組み替え重点事項は、以下のとおりであります。  まず第一は、緊急防災対策費削減であります。  緊急防災対策費は「地震等による災害防止のため緊急に対応すべき事業に必要な経費」とされておりますが、その多くは当初予算において計上すべきもので、緊要性に乏しいものであります。財政再建及び財政改革の観点に照らして、少なくとも当該経費半減目途として組み替えるべきであります。  第二は、ウルグアイ・ラウンド農業合意関連対策費見直しであります。  同対策費は、ウルグアイ・ラウンド農業合意関連対策大綱に基づく経費計上でありますが、既に三年目を迎えており、日本農業の将来に対する明確な展望や具体的な農業改革の道筋を欠いたまま、惰性的に予算をつぎ込むことには問題があると言わなければなりません。本補正予算に盛り込まれた内容を、高生産性農業基盤整備としてより効果的な事業内容にすべきであります。  第三は、住宅都市整備公団補給金等の凍結であります。  住宅都市整備公団については、以前から、その使命は終わったとの声が強く、事業の継続の必要性を含めて役割全般見直しが必要なところであります。また、同公団経営破綻状態にあるのに反し、同公団から多くを受注している関連子会社黒字経営を続けるなど不透明な分野が少なくないことなどから、当面、補正予算における補給金等計上を凍結し、公団あり方を含め、その抜本的な検討を行うべきであります。  第四は、タンカー重油流出事故緊急対策費追加計上であります。  島根県沖の日本海で沈没したロシア船籍タンカーからの重油流出事故被害は拡大の一途をたどっており、今後どのように広がるか、予想もつかない状況にあります。政府対応はすこぶる鈍く、現地などからも速やかな対応が切望されております。当面の事故対策とあわせて、被害地及び被害者ボランティア活動などの重油除去作業に要する支援体制のための経費を含めて計上すべきであります。  以上が、動議概要であります。  当面する最重要事項であります財政再建財政健全化に即応した補正予算とすべく、議員各位の御理解、御賛同を賜りますようぜひともよろしくお願いし、私の説明を終わります。(拍手)     —————————————
  10. 伊藤宗一郎

    議長伊藤宗一郎君) これより、補正予算三案に対する討論と、動議に対する討論とを一括して行います。順次これを許します。高橋一郎君。     〔高橋一郎登壇
  11. 高橋一郎

    高橋一郎君 私は、自由民主党社会民主党市民連合を代表して、ただいま議題となっております平成年度補正予算(第1号)三案に対し、賛成討論を行うものであります。(拍手)  今回の補正予算は、阪神淡路大震災被災地復興対策災害復旧等の特に喫緊となった事項について必要な措置を講じたものであり、まことに時宜を得た適切な補正予算であると評価することができるものであります。(拍手)  以下、賛成する主な理由を申し述べます。  賛成理由の第一は、今回の補正予算においては、次に述べるように、追加内容について十分吟味した上で、緊急かつ真に必要な経費計上していることであります。  阪神淡路大震災復興に関しては、阪神淡路復興対策本部において平成七年七月に決定され た阪神淡路地域復興に向けての取組方針を踏まえつつ、事業進捗状況を勘案し、阪神淡路地域復興が一日も早く進められるよう、緊急に必要な復興関連事業等を推進するための阪神淡路大震災復興対策費計上しております。  さらに、阪神淡路大震災及び最近のトンネル崩落事故等の教訓を踏まえ、新たな知見技術を新年度を待つことなく直ちに個々の防災対策に反映させ、これらを一層充実した効果的なものとするため緊急に措置を講ずる必要のあるものについては、緊急防災対策費確保されております。  ウルグアイ・ラウンド農業合意関連対策事業については、今年度における執行状況を踏まえればさらに円滑な執行が可能な状況であることから、対策事業効果早期発現を図るため、事業を間断なく執行し得るよう所要額計上しております。  また、現在、我が国経済は、国際的な大競争時代の到来や急速な高齢化進展など、大きな転換期にありますが、このような内外の諸情勢にかんがみ、我が国経済の活力を維持するため、緊急に経済構造改革を実施する必要があります。今回の補正予算においては、先端的研究開発及び研究基盤整備等を推進するために緊急に必要な経費として、緊急経済構造改革対策費計上しております。  さらに、本年四月の消費税率引き上げ等に伴う老齢福祉年金受給者等生活の安定と福祉向上等に資するための臨時福祉特別給付金支給等を実施するための税制改革関連対策費病原性大腸菌O157等による食中毒発生状況にかんがみ、食中毒予防等を図るために必要な病原性大腸菌O157関連緊急対策費沖縄に関する特別行動委員会最終報告に盛り込まれた措置を的確かつ迅速に実施するための日米特別行動委員会、いわゆるSACO関連経費等沖縄関連経費確保しているほか、所要経費計上しております。これらいずれの措置につきましても適切な措置であると考えます。  賛成理由の第二は、我が国財政にとって財政構造改革が喫緊の課題となっていることを踏まえ、適切に財政健全化措置を講じていることであります。  すなわち、今回の補正予算においては、建設公債追加発行しているものの、既定経費節減等を可能な限り追加財政需要に対する財源としております。さらに、年度途中に生じた税収増から地方交付税交付金を控除した金額については、特例公債発行予定額減額しております。一また、平成年度に発生した新規剰余金のうち、財政法第六条の純剰余金について、その二分の一を公債償還財源に充てるため、国債整理基金特別会計へ繰り入れることとしております。その残余の額については、昭和六十年度財政運営に必要な財源確保を図るための特別措置に関する法律及び昭和六十一年度財政運営に必要な財源確保を図るための特別措置に関する法律に基づき減額を行った政府管掌健康保険事業に係る国庫負担金の繰り入れについて、昭和六十年度についてはその減額分を、昭和六十一年度については減額分の一部を、同法に基づき厚生保険特別会計へ繰り入れることとしております。また、平成年度における財政運営のための国債整理基金に充てるべき資金の繰入れの特例等に関する法律に基づき、自動車損害賠償責任保険特別会計から一般会計に繰り入れた額の一部を同特別会計へ繰り入れることとしております。  賛成理由の第三は、今回の補正予算平成年度末から九年度当初にかけての需要下支え効果を持つことであります。九年度当初予算と合わせて切れ目のない予算執行により、適切な経済運営を進めることが可能になるものと思われます。  以上、三点にわたり賛成理由を申し述べましたが、私は、本補正予算がこのように必要かつ不可欠なものであるとして賛成の意を表するものであります。現在、民需中心自律的回復への基盤が整いつつある我が国経済への信認を高めるためにも、本補正予算の速やかな成立を期するものであります。  また、新進党民主党太陽党提出平成年度補正予算(第1号)三案の組み替え動議につきましては、緊急に必要となる経費削減を求める等の内容であって、見解を異にするため、反対をいたします。  なお、この三党のうち、新進党につきましては、平成年度補正予算(第2号)三案の採決に際して、約五兆円の政府案に対し、公債追加発行してでも、一般公共事業防災関連公共事業等を約十四兆円に追加して景気を刺激するべきであるとして補正予算組み替え動議を提出しておられましたが、わずか一年余りの間に基本的な考え方が大きく転換したことに対しては驚きを禁じ得ません。  また、本日の委員会審議に当たり、理事会において円満に合意した日程にもかかわらず、新進党民主党太陽党の各党が出席いただけなかったことは甚だ残念であり、三党に対し議会制民主主義を守る立場から反省を促し、私の賛成討論を終えたいと思います。(拍手
  12. 伊藤宗一郎

    議長伊藤宗一郎君) 太田昭宏君。     〔太田昭宏登壇
  13. 太田昭宏

    太田昭宏君 私は、新進党を代表して、ただいま議題となっております政府提出平成年度補正予算三案に対して反対新進党民主党太陽党提出組み替え動議賛成立場から、討論を行います。(拍手)  まず初めに、本日の予算委員会地方行政委員会において、与党は、新進民主太陽の三党の委員出席を待たず一方的に委員会を開会し、審議採決を強行いたしました。我々は、かかる委員会運営に対し強く抗議するとともに、反省を促すものであります。(拍手)  第一の理由は、補正予算にかこつけたばらまき対策中心となっていることであり、その点を正す必要があるからです。  政府は、補正予算公共投資災害対策構造改革などのためと説明してきました。しかし、ことしに入って株価が急落し、景気回復の見通しが遠くなるや、急速、講演で大蔵大臣が、景気もしっかりにらんで総合景気対策として補正を組んだと演説して軌道修正するなど、政府は無節操な姿勢を示しています。  ウルグアイ・ラウンド対策についても、WTO発足以来の国際化進展と国内の産業構造の変化の中で、生産者自主性を生かし、食糧自給力向上を図る効果的な事業内容に改めるのが理想であり、当初予算に盛り込むのが筋でございます。  緊急防災対策費も、本来は当初予算に盛り込むべきものであります。地震等による災害防止のためと説明されていますが、文教施設国立病院療養所施設整備、官庁の営繕費公務員宿舎なども盛り込まれています。緊急防災対策費は、少なくとも経費半減目途として組み替えるべきであります。  また、住宅都市整備公団に対して、平成年度決算で生じた借入金の利子補給金等計上していますが、公団役割あり方が厳しく問われており、不透明な運営などが国民から不信感を持たれており、かかる経費計上は凍結すべきと考えます。  そもそも、政府が新しい時代のニーズにこたえた予算編成を行う当事者能力を欠き、概算要求基準の段階からシーリングをかけて、硬直的、惰性的な本予算しか組めないことに問題があります。結果として、補正予算に何でもかんでも無節操に盛り込ませるという事態をもたらしています。  第二の理由は、重油流出事故対策など真に緊急性のあるものが措置されていないことであります。  島根県沖の日本海で沈没したロシアタンカー重油流出事故に伴う油濁被害災害として認定して、財政金融面被害者を支援することが急務なのではありませんか。にもかかわらず、補正予算には関係のないものばかりを盛り込ませ、重油流出事故では初動態勢は極めておくれ、肝心の補正予算では手当てしない橋本内閣姿勢は極めて問題であります。(拍手)  第三の理由は、政府提出補正予算案は、いまだに「公共投資追加景気回復を図る」という時代錯誤的な経済理論を正当化し、経済構造改革をおくらせ、利権誘導予算編成する口実を与えるものと断ぜざるを得ないからであります。  昨今の異常な株安円安も、この補正予算及び平成年度予算案が決定してから拍車がかかりました。連日最高値を記録しているニューヨーク株価とは対照的に、日本市場は売り一色であります。  第四の理由は、政府案における行政改革がおろそかになっていることであります。  政府案には既定経費節減が八千二十一億円盛り込まれていますが、このうち約六千億円は金利低下による国債費減額であって、政府が汗を流して捻出したものではありません。節約費は千三百億円程度であり、当初予算のわずか〇・二%程度にしかすぎません。民間企業はリストラで血のにじむような努力をし、家計では住宅や教育の負担に苦しむ中高年の世帯を中心生活費切り詰めが行われているのに、政府のみが左うちわで楽をしていることは到底許されません。
  14. 伊藤宗一郎

    議長伊藤宗一郎君) 太田昭宏君、申し合わせの時間が過ぎましたから、なるべく簡単に願います。
  15. 太田昭宏

    太田昭宏君(続) 第五の理由は、政府案財政再建に逆行し、財政破綻への道をさらに一歩大きく踏み出していることであります。  たまたま当初予算より税収が三千九百十億円多く見積もりできるからといって、これ見よがしに特例公債を三千三百七十億円減額して、あたかも財政再建を進めたかのように繕っています。また、厚生保険特別会計自賠責特別会計などへの隠れ借金をわずかに返済して、格好だけはつけています。
  16. 伊藤宗一郎

    議長伊藤宗一郎君) 太田昭宏君、申し合わせの時間が過ぎましたから、なるべく簡単に願います。
  17. 太田昭宏

    太田昭宏君(続) しかし、他方では、無節操に追加した公共投資財源を賄うために建設国債を一兆六千七百六十億円も発行しております。全体としては、財政悪化を加速させる補正予算であります。  以上の理由により、政府提出補正予算三案に反対し、三党共同組み替え動議賛成するのが当然のことと考えます。  以上をもって私の討論を終わります。(拍手
  18. 伊藤宗一郎

    議長伊藤宗一郎君) 海江田万里君。     〔海江田万里登壇
  19. 海江田万里

    海江田万里君 私は、民主党を代表いたしまして、民主党新進党太陽党の三党が共同提案しております平成年度補正予算案組み替えを求める動議賛成し、政府提案平成年度補正予算案反対する立場から見解を述べ、討論いたします。(拍手)  まず最初に、我が党を初め三党が共同で求めた組み替えに対して、一片の誠意も見せずに、問題の多い補正予算案をそのままにし、しかも、討論の場たる予算委員会で一方的に採決をした与党行動に強く抗議しておきたいと思います。一体、総理のリーダーシップはどこに発揮されているのか、まことに残念のきわみでございます。また、国の将来を危うくするこうした自民党行動パターンに、多くの国民の気持ちを代弁して、強い警告を発しておきたいと思います。(拍手)  橋本総理は、第二次橋本内閣発足とともに、行政改革政権を名乗り、新年度予算編成に当たっては、みずから財政再建元年を掲げて臨んでこられました。ところが、自民党と官僚が共同で作成した平成年度補正予算案は、こうした総理自身が掲げた方針とは逆行する、総花的ばらまき予算となっています。こんなことで、一体どうやって責任ある政治を全うすることができるのでありましょうか。今からでも遅くはありません。本国会の場で大いなる議論を展開して、改善すべきことは大胆に改善する、そんな勇気をぜひ発揮してもらいたいと思います。  民主党は、この間、補正予算のみならず平成年度予算についても、その旧態依然たる予算編成内容に対して、構造改革なき負担増予算だと強く主張してきました。それは、今日の財政事情及び今後求められる新しい財政需要に的確にこたえつ つ財政再建をしていくためには、ある程度負担国民に求めることもあえて避けることなく、勇気を持って財政支出のむだを省き、真に必要な歳出に厳しく絞った予算編成が必要などの判断に基づいているからであります。  しかし、提出された補正予算の姿はどうでありましょう。緊急予算とは名ばかりの、ばらまき緊急防災対策であり、同時に、一兆六千億円に上る巨額の国債発行による借金の積み増してはありませんか。だれが見でも、これは明らかに財政再建及び財政改革の道に逆行するものであります。  本来、補正予算は、財政法二十九条に言う「予算作成後に生じた事由に基づき特に緊要となった経費」に限定し、措置されるべきものであります。にもかかわらず、今回の補正予算は、全般的に補正措置としての妥当性に乏しく、シーリング逃れの粉飾的なものとなっています。どう見ても、補正意味が理解できない代物だと言わざるを得ません。それでも、国会議論をないがしろにしてまで採決を強行しようとする自民党のエネルギーは、一体どこから出てくるのでありましょうか。それは、総選挙に絡んだ報復予算あるいは論功行賞予算以外にあり得ないと考えます。  総理、それでも我々三党の共同提案に耳をかさず、硬直した姿勢をとり続けるのでしょうか。このままでは、右肩上がり高度成長時代ならいざ知らず、昨今の情勢のもとで、旧態依然たるこうした予算を平然かつ漫然と編成し提出する橋本内閣に、もはや行政改革財政再建を語る資格はないと断言する以外にないのであります。  この際、補正予算緊要性に照らし、その歳出の思い切った縮減を図り、これに伴う国債発行額の大幅な削減を行い、むだのない効率的な補正予算組み替えるべきであります。改めて要請いたします。  まず第一に、緊急防災対策費であります。  「地震等による災害防止のため緊急に対応すべき事業に必要な経費」とされているものの、その多くは当初予算において計上すべきものばかりであり、極めて緊要性に欠けるものであります。しかも、我が党を初め三党が再三要請したにもかかわらず、緊急対策内容を一切開示することのないまま本国会での承認を求めるという、よらしむべし、知らしむべからずの姿勢に終始したものであります。  我が民主党は、さきの臨時国会で、菅直人代表の予算質問の中で、国会の復権こそが政治主導の行政改革を確実なものとすることを主張し、その姿勢総理の側にあるならば共同で行革にチャレンジすることもあり得ると訴えてまいりました。しかし、今やその道は閉ざされようとしております。  また、本国会の代表質問においても、菅代表が特に警告を発していたことを覚えておられるはずであります。橋本内閣が掲げる行政改革の足を引っ張るのは、野党の我々ではなく、おひざ元の自民党となろうと。総理みずからのリーダーシップによりその体質を変革しなくては、財政再建はもとより行政改革を断行することも望めないと指摘したわけであります。早くもその体質が本予算をめぐる自民党対応で露呈しているではありませんか。  その動きに違和感を感じてか、新党さきがけの皆さんは、政権延命を建前に国民の期待を裏切る道を避け、勇気ある行動に出ようとしておられます。まさに、このいびつな本補正をそのまま認めるのか否か、それが日本の政治の質を決定づける重要な分かれ道となるものであります。  また、私は、特に社民党の皆さんにも訴えたいと思います。土井党首は一月十八日の自民党大会あいさつで、よいものはよい、だめなものはだめだと言っておられました。果たして本補正予算の一体どこがよいものなのでありましょうか。  ウルグアイ・ラウンド農業合意関連対策は、既に三年目を迎えています。日本農業の将来に対する明確な展望や具体的な農業改革の道筋を欠いたまま、これ以上惰性的に農業土木事業に偏った予算を続けることには問題があるだけでなく、真に農民、農業のためにはなりません。もっと当事者たる農家の皆さんと大いなる議論を闘わせ、内容のある予算に切りかえようではありませんか。  住宅都市整備公団については、建設大臣の言をまつまでもなく、以前から、その使命は終わったとの声が強かったものです。入居されておられる方々の生活と権利を大切にしつつ、その実態を明らかにし、それまでの間、補正予算における補給金等計上を凍結して、国民に納得の得られる役割全般見直しを行おうではありませんか。  島根県沖の日本海で沈没したロシア船籍タンカーからの重油流出事故被害に対する緊急対策に係る経費追加することも、極めて重要なことであります。阪神淡路大震災は、既存の災害基本法のみでは対応できない、きめ細やかな、人間のサイズに合った対策の充実がいかに重要かを教えています。当面の事故対策とあわせて、被害地及び被害者ボランティア活動など、重油除去作業に要する支援体制のための経費を含めて計上すべきだと考えますが、いかがでしょうか。(拍手)  与党、野党を問わず、我々は今、この日本社会の構造的ゆがみを是正し、未来社会に責任を果たしていかなければなりません。その大事な第一歩が平成年度予算であり、同時に、この平成年度補正予算あり方なのです。中国の古典にいわく、「偏りなく見なく王道蕩々たり」であります。民主党は、この場面で自党の利益やメンツにこだわるつもりはありません。心の底から日本の将来を案じ、改革のために勇気行動をともにする皆さんと共同行動がとれることを心から望んでいます。  本国会がその重要な転機になりますことを期待して、私の討論を終わります。(拍手
  20. 伊藤宗一郎

    議長伊藤宗一郎君) 矢島恒夫君。     〔矢島恒夫君登壇
  21. 矢島恒夫

    ○矢島恒夫君 私は、日本共産党を代表して、九六年度一般会計補正予算外二件に反対討論を行います。(拍手)  反対の第一の理由は、本補正予算に四月からの消費税増税を前提とした税制改革関連費が盛り込まれているからであります。  消費税増税中止は、総選挙後の短期間に七百万を超す請願署名が寄せられていることにも示されているように、国民の圧倒的多数の願いであります。この願いを踏みにじり、しかも九七年度予算を先取りして消費税増税対策費補正予算に潜り込ませるなど、やり方においても断じて容認できるものではありません。  政府は、今回の対策費が消費税増税の影響を緩和する弱者対策であると言いますが、一万円を一回に限り給付するというものであります。九七年度予算案は、消費税増税、特別減税の廃止、医療保険の改悪によって、九兆円という史上空前の国民負担を押しつけるものであり、それは、国民一人当たり七万五千円、四人家族で三十万円です。一万円では涙金にもなりません。本気で弱者対策を言うのならば、何より、九兆円に上る大増税、国民負担増計画そのものをこそ撤回するべきであります。(拍手)  しかも、政府は、本補正予算をもって景気対策だと言っています。しかし、長引く不況に苦しむ国民の消費に冷水を浴びせかける大増税を押しつけて、何が景気対策ですか。経済界からも批判の声が上がっているように、消費税増税を初めとする大増税計画を撤回することこそ真の景気対策であります。  第二に、補正予算として計上する緊要性必要性も認められない、財政のむだを拡大するだけの公共事業ばらまき予算だということであります。  名目こそ緊急防災事業費だと「緊急」をまくら言葉にしておりますが、その実態が、この間国民的批判が起きている従来型のばらまき公共事業であることは、余りにも明白であります。しかも、そのために一兆六千億円もの建設国債を新たに発行し、借金財政をさらに悪化させるものであり、莫大な借金財政をつくってきたこれまでの浪費予算への反省も全くなく、財政再建元年などと言ってきた政府自身の言明にさえ反するものであります。景気対策としても、一部の大手ゼネコンを潤すだけで、景気のかぎを握る個人消費、家計消費や中小企業への対策がなく、国民が望む緊急の景気対策とは全くかけ離れたものであります。  第三に、基地たらい回しによる沖縄の米軍基地の強化、固定化を図る予算だということであります。  沖縄のSACO関連経費は、海上ヘリポートの調査費を計上し、米軍基地の県内たらい回しの既成事実化を進めるものであり、沖縄県民投票に示された米軍基地ノーの声を無視し、米兵の犯罪や危険な軍事演習に沖縄県民をさらしてきた米軍基地を将来にわたって維持、固定化し、強化する道に大きく一歩踏み出すものであり、断じて認められません。  さらに、阪神淡路大震災対策は、被災者の願いにこたえた対策になっていません。三度目の冬を迎えた被災地では、今もなお、三万八千世帯、七万人もの人々が仮設住宅生活をしており、苦難の生活を強いられています。個人補償を中心とした公的支援拡大の具体化は今や国民的世論であり、まさしく緊急の課題であります。一刻も早く抜本的対策を立てるべきであります。  また、教育、医療、中小企業などの生活関連が既定経費節減名目で削減される一方、情報通信分野では経済構造改革対策名目で大企業向け切開発研究費が追加されるなど、国民に冷たく、大企業に手厚い内容です。  従来の悪政を引き継ぎ、さらに九七年度予算案の悪政を先取りし、財政のむだを拡大する本補正予算は、撤回以外にありません。  なお、新進民主太陽三党提出の組み替え動議は、国民世論が反対する消費税大増税を先取りする対策経費や、多くの沖縄県民の反対する米軍基地強化、固定化につながる沖縄のSACO関連経費などを組み替えの対象にしていないなど、九七年度予算案の悪政を先取りした本補正予算の持つ重大な反国民的な問題に対しては目をつぶるものとなっており、反対であります。  以上、反対理由を明らかにし、私の反対討論を終わります。(拍手
  22. 伊藤宗一郎

    議長伊藤宗一郎君) 粟屋敏信君。     〔粟屋敏信君登壇
  23. 粟屋敏信

    ○粟屋敏信君 私は、太陽党を代表して、太陽党新進党民主党共同提出による平成年度一般会計補正予算外二案につき撤回のうえ編成替えを求めるの動議賛成し、政府提出平成年度一般会計補正予算外二案に対して反対討論を行うものであります。(拍手)  まず、反対の第一の理由は、旧態依然の公共事業中心とした補正予算になっていることであります。  しかも、財政再建に逆行する総額一兆六千七百億円にも上る建設国債の発行による多額の公共事業費の追加計上は、容認できるものではありません。また、緊急防災対策費としてさまざまな名目で各省庁から集められた予算の中には、緊急性が甚だ疑問に思えるようなものが数多く見られます。  反対の第二の理由は、政策経費であるウルグアイ・ラウンド農業合意に伴う国内対策費補正予算計上されていることであります。  本来、当初予算計上すべき費目を補正予算に組み込むことは、財政法趣旨に反するばかりで なく、財政の健全性を失わせる結果ともなることから、認めることのできないものであります。ウルグアイ・ラウンド予算は、ほとんど活用されていない融資制度など、農家サイドからも、農業・農村の発展に役立っていない事業も多く、農家の負担がふえるだけとの批判も上がっており、真に農業振興に役立つように再検討すべきであります。  反対の第三の理由は、住宅都市整備公団への補助金が一千四百六十七億円計上されていることであります。公団事業については、多くの問題があり、その経費については再検討すべきであります。  反対の第四の理由は、補正予算で本来措置すべき重油流出事故対策費が全く計上されていないことであります。  政府は、速やかに三党が要求する修正に耳を傾け、直ちに平成年度補正予算組み替え国民の信託にこたえるべきであります。  以上、我が党が三党提出の動議賛成し、政府原案反対する理由であります。(拍手
  24. 伊藤宗一郎

    議長伊藤宗一郎君) これにて討論は終局いたしました。     —————————————
  25. 伊藤宗一郎

    議長伊藤宗一郎君) これより採決に入ります。  まず、中野寛成君外十名提出、平成年度一般会計補正予算(第1号)外二案につき撤回のうえ編成替えを求めるの動議について採決いたします。  中野寛成君外十名提出の動議賛成の諸君の起立を求めます。     〔賛成者起立〕
  26. 伊藤宗一郎

    議長伊藤宗一郎君) 起立少数。よって、中野寛成君外十名提出の動議は否決されました。  次に、平成年度一般会計補正予算(第1号)外二案を一括して採決いたします。  三案の委員長報告はいずれも可決であります。三案を委員長報告のとおり決するに賛成の諸君の起立を求めます。     〔賛成者起立〕
  27. 伊藤宗一郎

    議長伊藤宗一郎君) 起立多数。よって、三案とも委員長報告のとおり可決いたしました。(拍手)      ————◇—————
  28. 荒井広幸

    荒井広幸君 議案上程に関する緊急動議を提出いたします。  内閣提出平成年度分として交付すべき地方交付税の総額の特例に関する法律案議題とし、委員長報告を求め、その審議を進められることを望みます。
  29. 伊藤宗一郎

    議長伊藤宗一郎君) 荒井広幸君の動議に御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  30. 伊藤宗一郎

    議長伊藤宗一郎君) 御異議なしと認めます。     —————————————  平成年度分として交付すべき地方交付税の   総額の特例に関する法律案内閣提出
  31. 伊藤宗一郎

    議長伊藤宗一郎君) 平成年度分として交付すべき地方交付税の総額の特例に関する法律案議題といたします。  委員長報告を求めます。地方行政委員長穂積良行君。     —————————————  平成年度分として交付すべき地方交付税の総額の特例に関する法律案及び同報告書     〔本号末尾掲載〕     —————————————     〔穂積良行君登壇
  32. 穂積良行

    ○穂積良行君 ただいま議題となりました平成年度分として交付すべき地方交付税の総額の特例に関する法律案につきまして、地方行政委員会における審査の経過及び結果を御報告申し上げます。  本案は、ただいま可決されました補正予算により増額されました平成年度分の地方交付税三千四百十二億円について、同年度の普通交付税の調整額の復活に要する額四百八十一億円を除いた残余の額二千九百三十一億円を同年度内に交付しないで、平成年度分として交付すべき地方交付税に加算して交付することができることとしようとするものであります。  本案は、去る二十二日本委員会に付託され、本日白川自治大臣から提案理由説明を聴取した後、質疑を行い、討論採決の結果、本案は賛成多数をもって原案のとおり可決すべきものと決しました。  以上、御報告申し上げます。(拍手)     —————————————
  33. 伊藤宗一郎

    議長伊藤宗一郎君) 採決いたします。  本案の委員長報告は可決であります。本案を委員長報告のとおり決するに賛成の諸君の起立を求めます。     〔賛成者起立〕
  34. 伊藤宗一郎

    議長伊藤宗一郎君) 起立多数。よって、本案は委員長報告のとおり可決いたしました。      ————◇—————
  35. 伊藤宗一郎

    議長伊藤宗一郎君) 本日は、これにて散会いたします。     午後八時散会      ————◇—————