○田中(眞)
委員 心強く
感じますけれ
ども、ぜひ、具体的な施策として御在職中に何か打ち出していただきたいと
思います。
私が申します
教育の規制緩和と申しますのは、具体的には、教員の免許を持たない人、持っていなくても、例えばジャーナリストでもいいですし、作家でもいいですし、あるいは職人さんでも、一芸に本当に秀でた方たちを、何%かのある程度のポーションを決めて、公
教育の
現場に行って
対応してもらう時間をつくるとか、そのくらいの踏み込みをしないと、やはり
知育偏重できたような人たちが
学校の先生になって、また先生もいらいらするというふうなことだと
思いますので、ぜひこれはひとつ考えていただきたい、私の提言として申し上げたいというふうに
思います。
それからもう一つは、塾の問題でございますけれ
ども、この塾のことを何か
文部省もうまいことを言っていて、しっかり見ていないとすぐはぐらかされてしまうのですけれ
ども、
子供の売春を
援助交際と言っているのと同じように、塾のことを民間
教育事業者だと言って、今まで塾のことは
文部省はずっと無視して、シカトしてきたはずなんですけれ
ども、最近はこの
実態を無視できないからといっていろいろ議論することになっているそうです。
御存じかどうかわかりませんが、全国のいわゆる学習塾ですけれ
ども、各種
学校の傘下などの予備校を入れませんでも四万八千カ所もあるんですね。驚いたことに、事業収入は九千億円にまで達している。
文部省の予算も削減されて大変厳しい昨今でございますけれ
ども、何だかこういうふうなことを聞きますと大変なことで、公
教育を充実して公
教育の
現場にいい人を集めなければいけないのが、塾の方が教えるのもうまいしおもしろいし、いい先生がいるという実情はお聞きになったことがあると思うのです。もちろん
学校の
現場にもいい方がおられると
思いますが。
そうすると、その中でもって今ごろ急に、もう遅いんですよ。なのに
文部省がやはり塾の役割を、
実態を無視できなくなったので、これから、名前を民間
教育事業者とかなんとか言いながら、これについて
対応しなければいけないと言っておられるのは、ちょっと時代錯誤というか遅過ぎて、むしろ違う、逆のアプローチをしていかなければならないのではないかなというふうなことを私は
感じます。
この塾というものの存在が
子供の心をいやすことができないで、
知育偏重、要するに知識というものを詰め込む技術にたけているところなんですね。今
社会で求められているのは知識ではなくて、この
事件もそうですが、その前も、今後もしばらくそうかもしれませんが、ゆとりがあって、人がそれぞれ違うものを、価値観を認められるような心、人の違いを認められる
社会をつくらないと余裕ができないわけですから、すなわち、知育は知育でいいでしょうけれ
ども、みんながその一つの知育というドアに殺到するのではなくて、ほかの価値を見つけて、生きがい、たった一度の人生をどのようにして生き抜いていくかということをできるシステムをつくるのが
文部省なのであって、この考え方、塾の役割、議論というものについてはちょっと私は納得ができないでおります。いずれまたこのことについて伺う機会は欲しいというふうに思っております。
そして
教育改革の中で、この内閣もいろいろなことをおっしゃっているようですけれ
ども、きょうは涼しくなりましたが、先日来東京も本当に四十度近いような気温になりました。そういう中で、
子供の
教育環境を物理的にも整備してあげるということを考えてみてはどうかなといつも授業参観なんかに行ってもずっと私思っておりました。
私はある新聞に一九八五年に投稿したことがありまして、それは、まさしく塾と
教育環境の問題を書いて投稿したものなんですが、これは「主婦・東京在住・
田中眞紀子」と書いてある大昔のものなんです。私の若いときの写真が載っているんですが。
このときからずっと思っていたことですけれ
ども、何で
学校にクーラーがないのかなと。いろいろなお母さんたちがお母さんのお茶飲み時間にぺちゃぺちゃ言うのですね。多分
文部省、予算がない、やってあげたいとおっしゃるでしょうけれ
ども、これは
人権問題です。先生も
子供も暑くて大変なのに、職員室は結構冷房があったりしますけれ
ども、そういう中で、全国の国公立の
小学校、
中学、
高校を数えましたらば、三万九千五百校というのが
日本じゅうにあるそうなんですね。もちろん北海道とか涼しいところもあるでしょうし、それから、七月、八月だけなのに、そんな必要ない、期間が短いから我慢しろ、我慢我慢と言うかもしれませんが、親は涼しい顔をして扇風機に当たったり冷房を入れているわけですよ。
それを普通の経費で、今の四十人学級ぐらいであれば一台五十万円ぐらいかもっとそれ以下で冷房をつけられるというのを、これは業者に一応聞いておいたのですが。そうしますと、経費としては、ずっと数を掛け算しますと、単純計算で九百八十億ぐらいのお金がかかってしまうらしいのですけれ
ども、
文部省も少し考えて、
学校に行ったら
子供も落ちついて本当に集中できるように、公
教育の
現場を整備するためにそういうことをお考えいただけないものだろうかと一母親として切実に考えます。
もしだめだったら、六月で
学校は休みにする、今のような
学校のタームであるのであれば。七、八はゆっくり休ませる。宿題も一切出さないというふうなこととか、かなりトラスチックな変化をやっていかないとならないので、お題目を幾らこの
委員会でやってもだめです。
そして最後に申し上げますが、
中教審のメンバーを見ていますと、大学の教授とか一流企業の社長さんとか評論家とか本当に偉い方ばかりで、要するに学歴が高くで強い立場にある方たちが
教育とは何ぞやを建前論で語っておられて答申を
大臣に出しているのですよ。現実はそうじゃないわけでして、もっと
カウンセラーとか
子供の声とか外国人とか、痛みを持っている一般の人の声を答申しなかったら現実なんて改革にならないのです。
こういう
委員会のメンバー、今回はきっと
大臣が御指名になったのじゃなくて、前から申し送りで、多分
文部省がこれこれこれと言ってくるんだと思うのですけれ
ども、そういうものを受け入れないで、
大臣がもっと
現場に近く、目線を下げて、現実に近づくように、我々の痛みがわかるようなメンバー構成をしてくださるように、私は切実な要望としてぜひお願いしたいというふうに
思います。
あと、いろいろと発想の転換というものが
教育には必要だと私は
思います。
先ほど
河村先生の御
質問の中でもアダルトビデオがどうだのこうだのと、これは深夜に放送するようにするんだと郵政省か何か言っておられましたけれ
ども、私だったらそうしません。今、夜中に起きているのはむしろ
子供ですからね。親の方が疲れて寝ているんですよ。そうであったら、
子供が
学校に行った時間、
学校の始まる時間ぐらいから始めるとか、そうすれば、見るのはうちにいるお暇な方しか見ないとか、
子供はみんな
学校に行っているわけですから。そのくらいの発想の転換でもしないとこの
情報化
社会を乗り切れないということを申し上げまして、
質問を終わります。ありがとうございました。