○田中(眞)
委員 本法案の目的は本当にすばらしいというふうに
理解しております。
スポーツの振興というものは本当に望ましいことですし、
国民、どこの国でもだれもが望むことだろうというふうに思います。
しかし、実際に、文部省の資料を見ましても、体育局の予算というのは文部省の一般会計の中でも〇・九四%、一%に満たない状態である。すなわち、財源難の中でどのようにして
スポーツを振興していくかという中で、先生方のこのような考えが出てきたものであろうというふうに
理解しております。
今、
日本で
競馬とか
競艇とか
競輪とかが農林省、運輸省、通産省傘下でございますが、こういうところの公営
ギャンブルの産業は約三十九兆円市場というふうに言われております。他の国に比べてかなり静かな形で、事故も起こらずに
運営されているというふうに
理解をしておりますけれ
ども、その
当せん確率は百五十三分の一なんです、
競馬、
競艇等は。しかし、この
サッカーくじは百万分の一です。すなわち百円を買ったら一億円当たる
可能性があるのです。
確率は低いけれ
ども、当たれば大変大きい。これがほかの
ギャンブルと違うということをやはりしっかり
国民の皆様に言わなければいけないんじゃないでしょうか。
そして、私はこの規約をよく見せていただきましたけれ
ども、規約の九条で、十九歳未満、すなわち高校生以下は購入を禁止と言いながら、百円なんですね。百円玉を今の高校生以下の人
たちはどういうふうに認識するかという問題になるのですけれ
ども、親が
子供の百円を預かって買いに行けというふうなことなんでしょうか。ちょっと不自然な感じがいたします。
そして、現実の問題として、
サッカーに夢を持って、
サッカーを支えている人口は、これは十九歳未満の人々なんです。数字で申しましても、公式
試合に出場可能な少年
サッカーの人口というものは、男子だけでも六十八万人を超えているという現実の数字があります。ですから、現実は十九歳未満の
青少年によって
サッカーの夢や希望が実現されているんだという事実をやはりしっかり我々は認識しなければなりません。
ところが、規約の十条を見ますと、今回は、
政府職員、センター職員、選手、コーチ、それからお天気が悪いから中止をしようということまでかかわる、すべて内部事情を知り得る立場にいる人がこの券を買ったり、あるいは譲り受けをすることすら禁止していますから、その家族も
対象になるということですね。こういうことは、はっきり今のうちにつまびらかにしておかなければいけないのじゃないでしょうか。
しかも、七章の三十二条におきましては罰則を決めておられますけれ
ども、それは賭博罪だということをはっきり言っているわけです。
そうしますと、もう一つは、大変素朴な
質問で申しわけないのですけれ
ども、先ほど申しました
競艇等は農林、運輸、通産大臣が所管しますが、これは
文部大臣が
制度全体を監督するということを二十六条でうたっておられるのです。
文部省というところは、行政法を見て、他の農林省、運輸省、通産省と比べてどういう特色があるかといいますと、言うまでもなく、
教育基本法、そういうもので決められたものを運用する役所なんですね。そこが特徴があります。すなわち、
青少年の健全な
育成と保護ということを、
スポーツももちろんですけれ
ども、そういうことを目的として設立されている役所です。その役所と賭博と、それは両立するのでしょうか。
その点について、きょうは現職の大臣はおられませんし、議員立法ですから、元
文部大臣でいらっしゃる、私が日ごろから敬愛しております
島村大臣がおられますので、
島村元大臣の責任において、ぜひその点を、
青少年の
健全育成と賭博が両立するかどうかということ、これを伺いたい。
あと一点は、これは
スポーツ振興を目的としておられるわけですが、先ほどのお答えの中で、寄附的な要素、それから夢だ、知的ゲームである、それから
確率が低いんだから冷静で知的にというのですが、普通こういう
くじというのは、ホットになって興奮するからおもしろいんですね。そんなに冷静ですか。
それからもう一つは、
青少年に買わせない
理由、これを伺いたいのですよ。
先ほどの
質問にもありましたけれ
ども、
青少年は、先ほどの御答弁では、
社会的に未熟であるから、不幸を招かぬためにとおっしゃいましたが、今の十九歳未満はそんな未熟でしょうか。親が未熟で
子供の方がしっかりしている家庭は結構あるのですね。現実と合うかどうかという問題。
この二点について、ぜひ
島村元大臣のお答えをいただきたいと思います。