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武藤国務大臣 今、総理のごあいさつの一部が御
紹介ございました。私
どももそのとおりでございまして、新しい時代を、二十一世紀を迎えようとしているときに、行政組織がもう今の時代に対応し切れなくなってきている。しかも、残念ながら、先ほど来いろいろお話もございました
不祥事件も起きてきて、行政に対する
信頼はなくなってきておる。しかも、これからの時代というものはボーダーレス化、国際化の時代に入ってきておる。また国内においては、少子化・高齢化社会で労働力の問題がいろいろ言われてきておる。
それに対応して、総理の、今御披露いただいたとおりでございまして、民間では既にそういう時代に対応してスリムな姿を、そして時代に対応したような形にどう持っていくかということで非常にいろいろと変革をされつつあります。ところが、残念ながら、私
どもこの行政の世界は今なお変革はなされてないわけでございまして、どうしても新しい時代に対応する行政改革をしなければ、
国民の
皆様方に対して、行政というものは何をしているか、私は、こう御指摘をいただくのではなかろうかなと。
そういう形で、行政システムそのものを、いろいろ機構を含めて変えていこうとなれば、当然そこで働いている人も、
公務員の
皆様方もそれに対応して、従来のままの姿でいいのかどうか。もう少し、例えば今お話があったかと思いますが、終身雇用制というのが民間では必ずしも、そういう姿が少しずつ変わりつつある。
公務員は一体いつまでもその終身雇用制でいいのかどうか。今御
審議いただいている形でもありますように、ある一定期間を限って
公務員の世界へすばらしい技術者に入ってきていただいたらどうかというような発想も出ているわけで、昔ならこんなことはなかったと思うのでございます。
そういう形で、
公務員そのものについてもいろいろありますし、あるいはまた、これからの時代というのは情報化時代と言われているわけでございまして、
公務員のお仕事も相当今までとは違って、今までは非常に書類の多い、私は、書類が多いことあるいは判こが多いことが何か確実性があると言われていたと思うのですけれ
ども、それがあったためにかえっていろいろの
不祥事件、あるいはエイズの事件なんかはかえっておかしなことになっていたということも事実でございますから、そうなってくれば、新しい時代に対応できるといえば、ペーパーレス化というような形に持っていかなければならないだろう、そんなようなこともお仕事の中でいろいろ検討していただかなければならないのじゃなかろうか。
あらゆる面で、そういう点では全く一から出発という
気持ちで、
公務員のあり方、人事管理のあり方、これをぜひ御
議論いただきたいということでございますが、とりわけ、平成十年度では、うちの中でも行政機構の改革に関連をいたしますような人事管理システムについてはできるだけ結論を出していただけるとありがたい。全体的には五年間ということでお願いをいたしておりますが、当面、私
どもがいろいろ必要とするものはこれから
公務員制度調査会に具体的にはお願いをすることになると思いますけれ
ども、こういうものはひとつ平成十年度内にはやっていただきたい。
あるいは、私のあいさつの中では、物によっては平成九年度でも場合によるとお願いしたいものがあるかもしれませんということを申し上げました。
それは例えば、よく新聞に書いてございます、これは何も私
どもあそこであいさつしておりませんが、マスコミの方が勝手に書いておるのでございますが、例えば今、エージェンシーというものがいろいろ話題に上ってきております。そのようなことをもし我々の方で取り上げていこうということになれば、それに伴って、そのエージェンシーはイギリス的なエージェンシーでいいのか、あるいは
日本は
日本の独自のそういうシステムを考えていく場合には、
公務員はどうそれに対応していったらいいのか。
身分の問題。例えば、イギリスでございますとエージェンシーになっても身分は変わらない。国家
公務員のままでございます。しかし、仕事の
内容からいけば確かに
日本の特殊法人とある程度似通ったところがございます。そうすると、特殊法人は身分は国家
公務員ではございません。
こんなような問題等、私は、エージェンシーというものを取り上げていくということになりますと、やはり
公務員の身分、その他にもいろいろと関連してくる問題があると思っております。あるいは、人事交流の問題もあるだろうと思います。
そんなことを考えまして、場合によると平成九年度でもお願いしなければならぬものは緊急的には出てくるのではないかということは、私はごあいさつの中でお願いをいたしておきましたけれ
ども、そういうような方向でこれからの
作業をお願いをしていかなければならぬのではないかというふうに思っております。