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1997-05-21 第140回国会 衆議院 逓信委員会 第12号 公式Web版

  1. 会議録情報

    平成九年五月二十一日(水曜日)     午前十時一分開議 出席委員   委員長 木村 義雄君    理事 亀井 久興君 理事 岸本 光造君    理事 熊代 昭彦君 理事 古屋 圭司君    理事 河合 正智君 理事 河村たかし君    理事 伊藤 忠治君 理事 矢島 恒夫君       川崎 二郎君    佐藤  勉君       斉藤斗志二君    坂井 隆憲君       園田 修光君    竹本 直一君       野田 聖子君    野中 広務君       山口 俊一君    赤松 正雄君       石垣 一夫君    遠藤 和良君       北橋 健治君    小池百合子君       原口 一博君    北村 哲男君       山花 貞夫君    横光 克彦君       小坂 憲次君  出席国務大臣         郵 政 大 臣 堀之内久男君  出席政府委員         郵政政務次官  野田 聖子君         郵政大臣官房長 天野 定功君         郵政省電気通信         局長      谷  公士君  委員外出席者         公正取引委員会         事務総局経済取         引企業結合課長 鵜瀞 恵子君         参  考  人         (国際電信電話         株式会社代表取         締役社長)   西本  正君         参  考  人         (国際電信電話         株式会社代表取         締役社長)  山口 武雄君         参 考 人         (国際電信電話         株式会社常務取         締役)     安藤  理君         参  考  人         (国際電信電話         株式会社取締         役)      塚田 一幸君         参  考  人         (日本電信電話         株式会社取         締役社長)   宮津純一郎君         参  考  人        (日本電信電話         株式会社代表取         締役社長)  林   豊君         参  考  人         (日本電信電話         株式会社代表取         締役社長)  宮脇  陞君         参  考  人         (日本電信電話         株式会社代表取         締役社長)  井上 秀一君         参  考  人         (日本電信電話         株式会社常務取         締役編成室長         兼企画室長)  木塚 修一君         逓信委員会調査         室長      丸山 一敏君     ――――――――――――― 委員の異動 五月二十一日  辞任         補欠選任   神崎 武法君     北橋 健治君   永井 英慈君     小池百合子君 同日  辞任         補欠選任   北橋 健治君     神崎 武法君   小池百合子君     永井 英慈君     ――――――――――――― 本日の会議に付した案件  電気通信事業法の一部を改正する法律案内閣  提出第五四号)  国際電信電話株式会社法の一部を改正する法律  案(内閣提出第五五号)  日本電信電話株式会社法の一部を改正する法律  案(内閣提出第七六号)      ――――◇―――――
  2. 木村義雄

    木村委員長 これより会議を開きます。  内閣提出電気通信事業法の一部を改正する法律案国際電信電話株式会社法の一部を改正する法律案及び日本電信電話株式会社法の一部を改正する法律案の各案を議題といたします。  本日は、参考人として、お手元に配付してあります方々に御出席をいただくことにいたしております。  質疑の申し出がありますので、順次これを許します。岸本光造君。
  3. 岸本光造

    岸本委員 おはようございます。自由民主党の岸本光造でございます。  先週から今週にかけまして、各委員皆さんからこの三法に対する質問が、あらゆる分野から、あらゆる角度から質疑が行われておりまして、もうほとんど問題点があらわれて、出されてきたようにも思います。重複するところがあるかもわかりませんが、私なりの問題意識で、何点か郵政当局並びにNTTKDD皆さん質問をしてまいりたいと思います。  御存じのように、今日はマルチメディアの社会、情報通信なくしては快適な生活ができないのが現実でございます。しかも、恐ろしい勢いでこの情報通信分野国際化が進んでおります。しかし、国民の側からいいますと、料金が安くて便利な生活をする、あるいは行き届いたサービスを受けるということが一つポイントであろうと思います。  この三法の改正で、国民は今よりもどれぐらい利益をそういう意味で総合的に得ることができるのかどうか。郵政当局大臣、具体的にお答えをいただければありがたいと思います。
  4. 堀之内久男

    堀之内国務大臣 このたびの改正法案趣旨委員指摘のとおりでございますが、事業者間の公正競争実現を通じまして情報通信分野全体の活性化を図りまして、そして、国民利用者のために、低廉で多様なサービスを提供することを目的としておるところであります。  今回の再編成によりまして、新規事業者間での公正競争や、東西地域二社に分割をいたしますが、また比較競争が促進されると考えております。そして、NTT国際進出が図られるわけでございますので、国際通信分野料金低廉化が一層促進され、国内国際の区別のないグローバルサービス提供が可能となろうと考えております。  今回のNTT経営形態あり方については、通信事業者を初め、一般の経済界皆さんが大変重大な関心を持っておったわけでございます。今回こうして再編成されることによりまして、一層競争が進展することを期待するわけでありますが、そうしたことで、さまざまなビジネス展開に各業者が挑戦されるものと予想されます。そういうことから、電気通信産業全体の活性化が可能となりまして、多様なサービスが、しかも低廉な価格で提供されるもの、かように確信をいたしておるところであります。
  5. 岸本光造

    岸本委員 今の大臣答弁は、つまり今度の三法実現によって競争が起こるだろう、したがって、それは国際的にも競争していく、そのことによって低廉料金で豊かなサービスを提供する、こういうお話でございます。  確かに、NTTNTTドコモの関係のような状態を見れば、それは確かにそういうふうに思うわけですが、競争の中で国民の中に不都合が生じないかどうか。特にNTTの場合、東西に分けて経営体力に差が出てくる、こういうふうに思います。  私がいろいろ調べたところでは、西は大体二〇〇〇年に八万人、東が七万人。西が大体一千二百億ぐらいの赤字を出すだろうと推定されています。NTTの資料によればそれは五百億だというんですが、その辺ははっきりしないで、八百億と言う人もおりますし、いろいろなことを推定しているように思います。  束あるいは長距離、これはともに数百億の黒字を生むだろう。西が赤字で束が黒字だ、こういうことになってきますと、経営体質に物すごくアンバランスが生じて、西の方は、例えば私は和歌山県ですが、和歌山なんかは今でも多分私は赤字じゃないか、こう思うわけです。今は東京におっても和歌山におっても同じようにこの分野利益を受けることができるわけですが、これが分割されて赤字西日本ということになってまいりますと、サービス低下はしてくるわ、料金値上げはあるいましなきゃいかぬ、料金格差が出てくるんではないか、そういうふうに思うわけでありまして、そういうことは決してありません、こういうことを大臣並びにNTTの方から公約をしてもらわないと困ります。約束してください。
  6. 谷公士

    ○谷(公)政府委員 御指摘のとおりの人員等の差ということがあるわけでございますけれども、また、全国を東西二社、二つに分けようという考えでございますが、資産それから売り上げ規模、こういったことを見ますと、ほぼ等しいわけでございまして、双方とも安定的な財務基盤を有している、基本的にはそういうふうに考えております。  ただ、再編後の西会社は当面赤字となるということが見込まれておることは事実でございますが、しかし、今後発展が見込まれます情報通信分野におきまして、西会社の収益の機会というのはさらに拡大することが予想されますこと、また、東会社との比較競争を通じまして、西会社が一層の増収努力でありますとか経営効率化を図ることが期待されますことなどから、この西会社赤字は早期に解消されていくものというふうに考えております。  さらに、西会社がその赤字を解消するまでの間の、いわゆるあまねく電話の役務を安定的に供給することができるようにするための措置といたしまして、今回の法案におきまして、再編成後三事業年度に限りまして東会社から西会社負担金を交付することを可能とする措置も盛り込んでございます。  このようなことから、郵政省といたしましては、再編成契機として、料金値上げサービス低下が生じることはないというふうに確信をいたしております。
  7. 岸本光造

    岸本委員 それは確信しているのですか。約束しておいてもらわなければ困るのですよ。
  8. 谷公士

    ○谷(公)政府委員 私たちは、こういった客観的なデータあるいは仕組み、それからこの再編成趣旨を受けまして行われるNTT努力等考えますと、そういうことを確信するわけでございますけれども、具体的な財政の状況、それから料金といったようなことになりますと、これはすべてのいろいろな経済情勢その他の中で結果的に起きてくる問題でございますので、ただいま、再編成契機としてそういうことが予想されることはないと確信をするということを申し上げさせていただいたわけでございます。     〔委員長退席亀井(久)委員長代理着席
  9. 宮津純一郎

    宮津参考人 今、郵政省局長の方からお話がありまして、負担金制度だとかそれからいろいろ財務上の援助も賜るわけで、それにおぼれていてもしようがないわけで、我々としては持ち株会社調整機能なんかも生かしますし、それから、何はともあれ西会社東会社もそうですが、特に西会社、これの経営上の努力をする。これは、一つだけやればいいというものじゃありませんで相当多岐にわたって努力いたしますが、その結果、今局長言われましたが、基本的な電話サービスに関して申し上げれば、とにかく再編成に伴ってサービス低下を来したり、料金値上げを実施することがないように努力してまいります。努力という意味は、逃げ口上で努力と言っているんじゃありませんで、本当に努力してまいります。
  10. 岸本光造

    岸本委員 郵政当局確信している、NTTの方は努力目標だということでありますが、それはそれ以上のことは言えないでしょう。確かにNTT社長が言われるように、電気通信分野は、もうそれは多岐にわたっていろんなことをやるわけですから、電話はもちろんですが、いろんな分野料金が安くなって、そしてみんなが便利に使える、こういう状況を創出してもらうというのが一番の我々の願いであります。  郵政当局NTTにお願いしておきたいんですが、これは約束はできないでしょうけれども、絶対に値上げはしないしサービス低下させない、こういうことを約束してもらいたい。これはもう私が一方的に言わなきゃ、あなた方は答弁できませんから、それをまずお願いします。  そこで、この前からも何回もいろんな委員皆さん質問しておるんですが、確かに今度の仕組みはよくできた仕組みだというふうに私は思います。これは、NTTメリットがあるでしょうから分割に同意したんだろうと思うんですが、十四年間あるいは十五年間、きのう参考人の意見を聞いていましたら、十五年間これは論議をしてきた。NTTはこれに反対であった。突然これは変わったわけでありまして、これはやはり国民の側から言うと、何で突然変わったかようわからぬのですよ。なぜこれは変わったんやろうな、何かあったんだろうかということぐらいしかわからない。何ぼ説明を聞いてもよくわからない。なぜ、それじゃNTTは今まで分割をやったらいかぬというふうに心配してきた、どんなことで心配してきたのか。あるいは今度はこの案でそれは乗り切れるのかどうか。そして、これによってNTTが受けるメリット、そういうものについてちょっと一遍NTTの方から聞きたいと思うんです。  本当は、これはNTT自由競争の中で規制緩和をするということを一番私は望んでおったんじゃないかと思うんです。もうこれはこのままいくと世界の波の中で孤児になってしまう、これはとてもじゃないけれども国際競争でおくれてしまうんじゃないか、このままでは我々NTTはぶっつぶれてしまう、こういうことで急速こういうところにたどり着いてきたんではないかと、個人的なこれはあくまでも推測なんですが、非常に手おくれになっている、しかしおくれ過ぎてはいない、だから今ここで立ち上がらなきゃいかぬ、そんな状況、心境ではないのかと私は個人的には推察をするわけですが、その辺、今申し上げた何点かについて教えていただきたい。     〔亀井(久)委員長代理退席委員長着席
  11. 井上秀一

    井上参考人 確かに、従来からNTT分離分割反対だと言ってきました。それは、株主権利保護の問題、お客様サービスの問題、研究開発それから国際競争力、いろんな面から反対だと言ってきたわけでございますが、今回の再編成は、先生お話にもあるように、そういう問題を克服して、いけるという我々見通しをとったわけです。  それはなぜかというと、一つは、資本関係を持って、持ち株制度の中で今言ったような問題が解決されるということが非常に大きなポイントでございます。例えば、資本関係のある中で、研究開発については基礎・基盤的なものについては持ち株でもってこれをグループ全体で使えるというような形になりますし、そういう意味で、今まで言っていた株主の問題についても、先ほどから出ています負担金の問題、それから資産譲渡益課税の問題なんかで会社資産が目減りしないというようなこと、こういうことがありまして、いわゆるどちらかというと分割されて困るという問題については除去された。さらに、先生おっしゃるように国際競争力国際的にエンドエンドグローバル競争というのが起こってきております。その中身は、単に電話だけじゃなくてマルチメディア分野を含めて非常に大きな波がどんどん起こってきている。そういう中で我々としてグローバル競争がやれる体質体制、これをつくっていただきたいということで、これはグループ全体として総力を生かしてグローバル競争に出られるわけでございまして、そういう意味で、今回の再編成の中ではいろいろとそういうものに対応するような御配慮をいただけたというふうに思っています。  具体的に言えば、長距離事業者については民営ということで、経営についても自由にできるというような形をとっていただいておりますし、特殊会社ではありますが、地域会社についても事業運営について従来以上の規制緩和をされる。それから附帯業務なんかについてもいろいろ従来より創意工夫をしてできるようになるというようなことで、我々としては、いずれにしてもこれからのそういうグローバルマルチメディア時代においてグループ経営として積極的にやることによって大きな競争に対応していけるということを確信しましたので、今回のこういう再編成について踏み切ろうということにしたわけでございます。
  12. 岸本光造

    岸本委員 それでは、NTTは、国際競争力持ち株の点あるいは研究機関の問題などを含めて総合的に判断して、いける、こういう決断をされたというふうに理解してよろしいわけですね。  遅過ぎた嫌いはないですか、それだけちょっと一言。
  13. 宮津純一郎

    宮津参考人 遅過ぎた感じはしますけれども、追いつけない遅さじゃないと思っております。
  14. 岸本光造

    岸本委員 わかりました。それはおくれた、しかし遅過ぎる、もう致命傷を受けた状態ではないと私も冒頭に申し上げたんですが、そういう認識でよろしいわけですね。  西日本に特に赤字が出ないように、西日本エリアの人がネットワーク監視センター、それから技術の問題、料金の問題、サービスの問題、こういうことで格差を受けないように、これだけは特にNTT皆さんにお願いをし、郵政の方にもこれをお願いしておきたい、こう思います。  次に、KDDについてお伺いしたいと思います。  KDDは、ペルー事件なんかのときには回線を確保して、国民に確実な情報を提供するという意味で非常にこの間からも活躍をされたわけで、国家国民、国益のために今日まで役立ってこられたというふうに評価をするわけですが、これからいよいよNTT国際通信に参入をするわけでございます。当然NTTとの競合、競争ということにもなるわけですが、KDDは一体これをどうするのか、こういうことでございます。ある人は、KDD国際協力だけで、国際通信ビジネスはできない、こんなことを新聞か何かで書いておりましたが、そういう体質的な批判もあるわけです。それでビジネスができるのかどうか、KDD社長にお伺いしたい、こう思います。
  15. 西本正

    西本参考人 お答え申し上げます。  KDDは、この改正法案の成立後速やかに国内通信事業を開始いたしまして、国内から国際まで一貫したサービスを提供する体制を整備してまいる考えでございます。このような体制のもと、より一層、お客様利便向上国際競争力の強化を実現してまいるつもりでございます。  KDDビジネスをやっているのか、生き残れるのかという御質問でございますけれども、当社には、これまで長年にわたって培ってまいりました外国キャリアとの緊密な関係がございますし、国際通信分野におきます技術面サービス開発面、あるいは小回りのきく営業面といったような経験とノウハウがございます。世界的に定評のございます「データコミュニケーションズ」という業界紙がございますけれども、ここで世界の三千五百社のユーザーの方にアンケートをとりましたところ、KDDは、サービス信頼性、あるいは期限に間に合わせる、納期に間に合わせるといったようなサービス全般観点からして、世界でナンバーワンにランクをされてございます。さらに、二十四時間体制ネットワークのサポートができる会社というのは世界にもそう多くはございません。そういうことでございまして、私ども、今後さらに努力を続けてまいりまして、お客様に選んでいただけるKDDということで、今後の競争状況にも十分に対抗できると考えております。  ただ、この場合、当然の前提としまして、NTTさんが国際通信業務を提供されるわけですけれども独占状態でございます地域通信部門から完全に分離独立された形によってサービスが行われる、業務が行われるという必要がございます。再編成の後はもちろんのこと再編成前におきましても、国際通信サービスを提供する子会社が、人、物、金、情報のいずれにつきましても本体から完全に分離されるよう公正競争条件が整備されることが肝要ではないかというふうに考えております。  以上、お答え申し上げました。
  16. 岸本光造

    岸本委員 今の社長お話だと、競争前提というか土俵というかルール、そういうものが必要だ、こういうお話のように伺いましたが、それでよろしいのでしょうかな。競争ルールということになりますと、そういうルールづくりはこれはできるのですかな。ちょっとこれは、郵政でもどこでもいいですから答弁してみてください。
  17. 谷公士

    ○谷(公)政府委員 NTT国際通信業務進出に伴いますKDDその他の既存の国際通信事業者との公正競争でございますけれども、その条件の整備につきましては、ぜひとも必要な条件でございますので、今後十分検討して詰めてまいりたいというふうに考えております。
  18. 岸本光造

    岸本委員 今後十分な検討ということでありますが、これはもう二年も三年もかけて論議をしていてもいかぬのですよ。もう激動の時代ですから、スピードが物すごい速いですから、すぐにでもやっていかなくちゃいけない。  それと、私もう一つ気になるのは、KDD特殊会社のままですよね、大臣特殊会社のままです。だから、これはやはり外してやる必要があるのではないか、こう思うのですけれども、これはどうでしょうかな。特殊会社を外してあげることによって競争ルールを、一つ土俵にのせやすい状態になっていくのではないかな、こう思うのですけれども、その辺どうですか。
  19. 谷公士

    ○谷(公)政府委員 私どもも、目指しますところは、競争実現を通じて、KDDも純粋な民間会社として国際通信市場で活躍していくということを目指しているわけでございます。ただ、現在、国際通信市場考えますと、世界各地に対して安定的な国際通信網を確保するという観点から申しますと、やはりKDDがそういった責務をよく果たし得る唯一の存在ということでございまして、特殊会社にしておるわけでございますが、これにつきましてま、大変競争実現しつつございますので、十分な世界各地に対する通信ネットワークの確保が実現します状況を見定めて、KDD純粋民営化について検討してまいりたいというふうに考えております。
  20. 岸本光造

    岸本委員 大臣どうでしょう、これ、やはり同じ土俵にのせてやらぬことには、特殊法人のままでKDDを抑え込んでおくと競争ルールができないと思うんですよ。だからこの辺は、大臣考え、どうでしょうか。
  21. 堀之内久男

    堀之内国務大臣 ただいま局長から御答弁申し上げましたが、現時点ではやはり特殊法人としてどうしても必要だと考えております。  KDD法の将来のあり方につきましては、今後、国際通信市場あるいは国内通信市場の動向を踏まえて、早急に検討してまいりたいと思います。
  22. 岸本光造

    岸本委員 これはぜひ、今大臣答弁いただきましたが、早急にやはり検討をして、土俵の上にのっけてやるという作業をしてやることが私は大事ではないか、こう思います。  それから、もう時間もあれですが、もう一回NTTにお伺いしたいのですが、私は西日本エリア生活する人間であるわけでございます。これは、社員の数ですが、八万人、東が七万で、一万人多いわけですね。この従業員はこのままでいくのか、あるいは何年間かかけてこれを減らしていくのか。生首切ることはできませんから、これはどんな形でやっていくのか。  それから技術の問題も、これはどうせ東京に置かれるでしょう、設備が集積していますからね。だから、関西ではどういうふうな面で利益を享受できるのか。そんなことをもう一回、西日本エリア人間として、特にその人員がどういうふうになっていくのか気になりますから、ちょっと答弁をいただきたい。
  23. 林豊

    林参考人 先生指摘のように、現時点で、現在勤務している社員を計算しますと八万人と七万人ということになりますが、この改正法案が通った後、私どもとしまして再編成に向けての実施準備をする検討の中でまた必要な人員というのははじいてまいりたいというふうに考えておりますので、ただいま、再編成後もそのままでいくということを私は申し上げる立場にはございません。  ただ、現実問題として、やはり西日本と東日本で、あえて言えば東京というような超特大の密集地帯が西にないといったような問題、あるいは離島等を含めまして西の地勢等状況から、私ども電気通信ネットワーク展開というものもいささか違った要素を持っているといったような状況もございます。そういったことも勘案しまして人の数は出してまいりたいと思いますが、最終的に、先生指摘の今後の西日本経営姿勢ということになりますれば、やはり今まで全社一本でやっていたのといささか異なりまして、西は西として、非常に西の地域状況に密着したサービスというようなものの展開考え得るわけでありますし、そういった増収努力も含めまして、なるべく早いうちに私どもとしても西日本赤字問題というものが解消されていくように努力する仕組み考えてまいりたいというふうに思っておるので、御理解のほどをよろしくお願い申し上げます。
  24. 岸本光造

    岸本委員 それはまだ、あなたがおっしゃるとおり、答弁はできないのかもわかりません。しかし、西日本は将来はこういうふうな形で展開をします、研究の問題、それからサービスの問題、料金の問題、人員整理の問題、そのほか付随する諸問題について、NTTとして、西日本地域に密着して国民皆さんにいいサービスが提供できる、そういうものをやはり具体的に示してもらわないと、なかなかそうですがと言ってこれは引き下がるわけにはいかない。今そういう時期ではないのかもわかりません、まだ法律ができていませんから。だから、法律ができたら直ちに、それはこうですよということを提示してもらう、それで安心させてもらう。特に、赤字が予想されますから、これは利用者に乗っかってくるのはわかっていますから、だからこれは大変危惧をして、冒頭に申し上げたように、値上げをしないと約束してくれ、こういうことであったわけであります。  これはどんどん進んでいかないことには、日本の電気通信のおくれは、日本の国家の利益の損失、国民のもちろん利益の損失になっていくわけでありまして、将来は私は、今は料金は認可制度、許可制度になっていますが、この料金の自由化もやはり視野に入れてやってもらうぐらいでなかったらいかぬ、そういう課題もあるだろうと思いますが、一日も早い三法の成立をお願いして、これにかける大臣の所見を最後に伺って、質問を終わりたいと思います。お願いします。
  25. 堀之内久男

    堀之内国務大臣 ただいま御指摘のとおりでありますが、これまでも何回か御答弁申し上げてまいりましたが、我が国の情報通信産業は、リーディング産業として、現在経済の牽引力となっておるわけでございます。したがって、今後の情報通信産業の発達というものが我が国の経済構造改革の重要な政策課題である、こういうように認識をしております。  そごで、私といたしましても、今回の三改革法案の成立によりまして、競争環境の整備やさらにNTT活性化が図られるもの、そして我が国の情報通信産業が国際競争力に十分太刀打ちできる体制が確立されるもの、かように考えております。そうした意味で、今回この三法案の早期成立が図られますよう、心から重ねてお願いを申し上げたいと存じます。
  26. 岸本光造

    岸本委員 終わります。
  27. 木村義雄

  28. 北橋健治

    北橋委員 きょうは、NTTKDDの皆様、どうも御苦労さまでございます。早く純粋民間会社になられまして、余り国会に出られなくてもいいようになってほしいと私も期待をする一人でございます。また、各委員からいろいろと質問がございましたので、重複する点もあろうかと思いますが、御容赦をいただきたいと思っております。  実に長い間の議論でございました。一九八二年に第二次臨時行政調査会から答申が出まして、実に十五年間、大変な労力と時間をかけてこの経営形態の問題については議論されてまいりました。  実は、私は、臨調答申が出る前に、当時民社党政策審議会で行政改革を担当しておりました。当時、佐々木委員長と一緒に土光会長を激励に行ったり、懐かしく思い起こすわけでございます。あのとき、第四部会長の加藤先生の方からいろいろとお話を聞きまして、当時旧国鉄の分割民営化について私ども賛同したわけでございますが、この電電公社の扱いについて、直ちに分割、再編成するということは、同じ公社という名前はついているけれども、随分これは違うのではないか、そういう慎重な議論があったことを覚えております。  それから、五年後に見直すとか、そうなりますと、自分の会社あり方について国会あるいは関係官庁からもいろいろと御指摘があるわけでございますので、大変な御苦労の多い十五年間ではなかったかと思います。  私も、昨年の二月に電通審の答申を見ましたときに、これは政府としては分離分割について並々ならぬ決意、意欲を持って、しかもそれが日本の情報通信産業あるいは日本のマルチメディア全体にとって大変大きな貢献になるんだという確信を持ってあの電通審の答申が書かれていた。その行間には、分離分割に対する政府あるいは関係者の並々ならぬ決意というものを感じておりまして、私も、一体どうなるのであろうかと随分思っておった一人でございます。その間総選挙があって、昨年の末結論が出たわけでございますが、本当に霞が関には知恵者がいるなということをしみじみ感じております。  そういう経緯を踏まえまして、まず郵政省にお尋ねをしたいと思いますが、第二次臨時行政調査会答申以来実に十五年間、NTT経営形想のあり方については真剣な論議が交わされてきました。今回、一応の結論を見たわけでございますが、これをもって分離分割に関する経営形態の問題は議論が終了したと考えてよろしいでしょうか。
  29. 谷公士

    ○谷(公)政府委員 今回の再編成案につきましては、私ども、現在、最も適当なものと考えて御審議をお願いしているところでございまして、経営形態の見直しをあらかじめ予定しているというものではございません。したがいまして、そういう意味で申し上げますと、今回の編成案は、従来からのいわゆる分離分割問題に決着をつけるというものでございます。  ただ、一般論として申し上げますと、重ねて申し上げておりますように、非常に変化の激しい電気通信分野の特徴にかんがみまして、また将来私どもとして目指しておりますところは、競争を通じて完全に自由な仕組み実現していきたいというふうにも考えておるところでもございますので、そういう意味で、今回の形も最終のものということではなく、状況の変化に応じて不断にその見直しを求められるというところはあるわけでございます。
  30. 北橋健治

    北橋委員 これから今回の法律が成立をいたしまして、NTTKDDも新しい第一歩を踏み出すわけでございまして、経営形態の問題につきまして、またとやかくいろいろと国会の内外で議論されるということは、これは大変なプレッシャーだと思うわけであります。そういった意味で、私は、情報通信世界は大変大きな変化があることは当然でございますけれども分離分割というこの十五年間議論をし続けてきた問題提起についてはこれで一応完了した、このように受けとめさせていただきたいのですが、よろしゅうございますか。
  31. 谷公士

    ○谷(公)政府委員 そのとおりでございます。
  32. 北橋健治

    北橋委員 さて、郵政大臣にお伺いしたいと思います。  今回の再編成考え方を見まして、去年の電通審の答申と比べますと、分離分割に意欲を持っておった内容でございますだけに、内容が随分変わったという面も、そういう見方もできると思うのであります。  私がここで大事なことは、その分離分割の手段の是非ではなくて、結局そういう方法をとらなければ日本の情報通信産業全体の活性化というものにつながらないんだ、どうしてもこのハードルを越えねばならないんだ、そういう論理構成になつていたと理解するものでありますので、今回の最終決着、NTTあり方について決まるわけでありますけれども、こういったやり方で、郵政省が描いてきたビジョンと若干違うだけに、今後の情報通信産業の活性化についてどういう御見解を持っておられるか、この決着をもって日本のマルチメディア全体の大きな活性化につながっていくんだ、このように理解されておられるのでしょうか。
  33. 堀之内久男

    堀之内国務大臣 今回の再編成は、郵政省が主体的に決定を行いまして、御審議をお願いいたしておるところでありますが、現在の御提案申し上げております再編成法案は、今日の社会情勢あるいは世界的な通信情勢を考えますときには最もベターな案だ、こういうように私どもは認識もいたしておるところであります。  したがって、先生御案内のように、今回の再編成法案を通じまして、いわゆる競争部門と独占部門とを分離する、特に独占部門における地域通信網におきましては、東西分割をいたしまして比較競争を進めるという形をとりましたし、あるいは競争部門の長距離におきましては、今後国際進出を可能にいたしまして、今日までの業者の皆さんと大きな競争をしていただくことで編成しておるわけであります。そしてまた接続につきましても、公正、公平な接続ができるように今後接続約款等通じて業界の公正を図っていきたい、こういうようなことであります。  したがって、私は、今回のNTT編成法案は、NTT活性化はもちろんでありますが、国内通信業者あるいま国際通信業者に対しましても大きな刺激というか、開放することによって、接続を公平にすることによって一層公正な競争が確保されまして、そして新たなサービスまた低廉サービスが提供されるもの、そして我が国の産業、経済にも大きな影響を与えるもの、このように確信をいたしておるところであります。
  34. 北橋健治

    北橋委員 郵政省の基本的な見解はわかりました。  NTTの方にお伺いしたいのですが、今回の再編成につきまして、当事者であるNTTとしては何点ぐらい採点をつけられますか。
  35. 宮津純一郎

    宮津参考人 一回八十点と言ったことがあるのですが、それはちょっとまずかったと思っております。ちょっとそのことから申し上げます。と申しますのは、内容は内容なんですが、私どもがそれとはまた別な角度で、今先生の御質問としては、それをやってきた過程で見てどういう感じを持つているかというふうに先生が御質問なさっているというふうに思いまして、そういう意味でちょっと申し上げたいと思います。ずっと議論していたのですけれども、去年の暮れに合意というようなことで、郵政省と合意をしまして、それでこれから法案をいろいろ固めていくというような話になりまして、二月の末に大体それが固まってまいりまして、そのときに記者会見なんかあって、八十点だなんて言ってしまったのですけれども、そのときの感じは二つありまして、一つは、合意はしましたけれどもどのぐらい本気で進めてくれるのかなという気はありました、正直申し上げて。それから後、かなり本格的に相当入れ込んでやっていただきまして、私どもの意見なんかもよく聞いて、全体的な流れがやはり、それだけ言うのならひとつやってみろ、バックアップするというか、それだけ言うのだったら自分でやってみろという感じの動きにまとまり方がなってきていて、規制というより、少しやらせてみるかという感じでずっと法案が固まってくるような感じになってきたので大変喜びました。喜んだのをどう言っていいかわかりませんものですから、八十点というのはいい意味で言いました。  ただ、一つは、百点じゃないのはなぜかというと、行く行くは最終的にはやはり完全な民営化というふうになってほしいと思っていましたので、今回の法案ができましても、一応特殊会社でございますし、現実の問題として、いろいろまだ現状を考えれば、ある程度規制はやむを得ないかなという要素がございます。それも承知してのんでいるわけですが、ただ、理想を言わせてもらえば、完全民営化になるのが百点ではないかなというふうに思いまして、それでそのときは八十点と申し上げました。  何度も何度も言っているうちに、何か本当に言ったような気になってきたのですが、実を言うと、それは新聞記者にひっかけられたというか、そういうふうに前から考えてこういうふうに言おうというふうにして言ったわけじゃなくて、そういう報告というか発表をしたときにぱっと、何点ぐらいと思いますかと言われたものですから、ちょっとその瞬間に答えてしまったのがそういうようなことになりまして、どうも済みませんでした。感じとしてはそういうことでございます。
  36. 北橋健治

    北橋委員 非常に率直な御見解をいただきまして、ありがとうございました。NTT皆さんもそうでございますが、あと通信事業者、新規参入者もおります。そういった方々も八十点がつくことが大事だと思っておりますが。  そこで、今社長の方から、完全民営化というのが行く行く私どもの希望であるというお話がございました。それにつきましては、新進党の情報通信部会におきましてもそういった議論が大勢でございます。  そこで、郵政省にお伺いをしたいと思いますが、特殊会社という形で残すということを選ばれたわけでございますが、それにはいろいろな理由があろうかと思います。その中の一つに、例えばユニバーサルサービスということで、国民料金サービスの面で格差が出ないようにとか、いろいろな御配慮があったと思うのであります。しかし日本の電力事業者につきましては、やはり山間僻地であっても電線を引くことが義務づけられておりまして、供給義務がございます。それでも、いわゆるユニバーサルサービスという政策課題を民間会社で果たしているわけでございまして、そういった意味では、将来NTTを完全に民営化することは十分可能ではないかと考えております。  そこで、郵政省として今後、今回の再編成をきっかけに近い将来完全な民間会社とする、そのように踏み切る可能性があるか、お伺いをしておきたいと思います。
  37. 谷公士

    ○谷(公)政府委員 私どもも最終的な目標として考えておりますのは、完全な競争によって、市場の原理で国民に必要なサービスが提供されるという状態でございます。ただ、現状を見ますと、特にこの地域通信市場におきましては、競争がほとんど進展せず、そういった中であまねく電話サービスを確保をするということになりますと、これを担い得る事業者NTT以外にございませんので、NTT特殊会社としております。したがいまして、NTTの純粋民間会社化の問題につきましては、こういった独占的な地域通信市場において競争が十分機能するような状態実現されるということが一番基本的な問題であろうと思っておりまして、私どもとしましても、役所だけでできることではもちろんございませんけれども、できる限りこういった競争の進展の環境づくりに努力をしてまいりたいというふうに考えております。
  38. 北橋健治

    北橋委員 つまり、今後の情報通信市場の競争あり方というものの進捗を見ながら完全民営化に踏み切ることはあり得る、このように理解をしておいてよろしゅうございますね。
  39. 谷公士

    ○谷(公)政府委員 そのとおりでございまして、地域の通信市場における競争実現ということがそのきっかけになるだろうというふうに考えております。
  40. 北橋健治

    北橋委員 今回の法律によりますと、NTTに新しい経営形態を求めているわけでございますが、世の中、規制緩和の大きな流れの中にありまして、そういう中では必要最小限の規制というのはやむを得ないと私ども思いますが、例えばNTTにつきまして、事業計画あるいは役員の問題についても認可という形で規制を残しております。こういった規制というのは、やはり規制緩和を促していくという見地からも、時代の流れに照らしていかがなものか、このように思うわけでありまして、ぜひ廃止する方向に今後持っていくべきではないかと思うのですが、郵政省のお考えをお伺いいたします。
  41. 谷公士

    ○谷(公)政府委員 このことにつきましても、先ほど申し上げましたようなこの地域通信市場における独占状態と申しますこの状態と不可分の問題でございまして、私どもといたしましては、今回の改正におきまして、必要最小限な規制という観点から、持ち株会社につきましては、その公共性にかんがみまして、また地域会社の株式総数を保有するという特殊な性格にかんがみまして、役員の選解任等の規制を残しておるわけでございます。こういったことは、一般に特殊会社全般についても同じような趣旨で行われているわけでございますが、その中で、地域会社につきましては、持ち株会社のもとにありますという意味で、役員の選解任につきましては非規制とするなど、できる限りの規制緩和に配意してきているところでございます。
  42. 北橋健治

    北橋委員 ここで議論を続けましても、いい、期待する答弁は出ないような感じでありますけれども、私、後ほど質問しますが、外資規制の撤廃、緩和の問題について、逓信委員会で議論されております。これは、たまたま私の手元に平成四年の五月の質疑があるのですけれども、なぜ外資規制が必要かという質問に対しまして、当時の森本政府委員が、やはりこのNTTKDDとも基幹的通信事業者である、基幹的通信事業者として経営の自主性を確保するために必要なんだ、こういう御答弁をされているのですね。  これは、外資の問題を論ずるだけではなくて、今後、激動する日本の情報通信産業の中でNTTKDD経営の自主性を確保して、民間企業の創意工夫を生かして思い切りやってみる、それが私ども国民全体の利益につながってくると思うのです。そういう、経営の自主性をさらに高めていくという観点からして、やはりこの問題、事業計画、役員の認可についてはできるだけ早く撤廃をすべきではないか、私はこのように信じて疑わないのですけれども、いかがでしょうか。
  43. 谷公士

    ○谷(公)政府委員 外資の問題ということではなくて、役員の認可、事業計画ということだと思いますけれども、これにつきましても、私どもは、国民利用者の方々に対するこういった公共的なサービス提供仕組みを確保するということが基本的な目的でございます。そのために、これを担当する事業者に対して一定の規制が課せられるということは、状況に応じてやむを得ないというふうに思うわけでございますけれども、それは必要最小限度のものであるべきだということは当然でございまして、そういう意味での自主性の確保ということだろうと思います。そういう点につきましては、私どもとしてもそれに配慮をしてまいりたい、心がけてまいりたいというふうに考えております。
  44. 北橋健治

    北橋委員 これから政府におきましても、財政構造改革会議の議論、あるいは規制緩和についてもさらに踏み込んだ方針を出されていくものと期待をいたしておりまして、そういう中で、情報通信のみならず、日本の産業全体の活性化のためにこの規制緩和という戦略がいろいろな分野で議論されると思いますので、その席に譲りたいと思っております。  きょうは、KDDの皆様にお越しいただいておりますが、今回のこの再編成一つの大きな大義といいますか、それは、NTT国際通信分野に進出をしていけるように、そういう趣旨でございます。そういった意味では、KDDが今まで国際電話を担当されてきたわけでございますが、NTTさんも参入をされてくるわけであります。その一方で、最近では、コールバック方式によりまして、外資系の業者が東京の法人を中心にかなり割安のそういうサービスを始めているということでございます。  まず、KDDにお伺いしますが、こういったコールバックのユーザーがふえてきていると聞いているのですけれども、そういった現象をどのように受けとめておられるか、お伺いしたいと思います。
  45. 西本正

    西本参考人 お答え申し上げます。  外資系のコールバックが参入しているという問題でございますけれども、私どもは、こういった二種事業者やコールバック事業者との価格競争力の確保も念頭に置きながら、段階的に料金値下げを実施しますとともに、さまざまな割引サービスを提供しております。この外資系を初めとするコールバック事業者がターゲットとしているユーザーも、こうした割引型サービスによりまして、コールバックに遜色のない私ども料金で御利用をいただけるものというふうに考えております。  例えて申しますと、ある外資系の会社のアメリカ向けのコールバック料金、これは大体一通話五分ぐらいかかるわけですけれども、五分間の料金で比較しますと、四百円でございます。私どもの大口割引の料金で申しますと、昼間が四百十七円、深夜ですと三百七十六円というように私どもの方の料金がかえって安いというふうになっておりまして、正確な把握はちょっと困難でございますけれども、そういう意味で、現時点でコールバックサービスによる影響はそれほどないというふうに判断いたしております。  当社としましては、今後とも一層の料金低廉化と、また割引型サービスの拡充に努めまして、お客様によりよいサービスを提供してまいりたいと考えております。  なお、コールバックサービスのうちで、KDDネットワークに悪影響を及ぼしたり、回線ただ乗りというような不当な方式のものもございます。これらにつきましては、最終的には善良な一般のお客様に御迷惑をおかけすることになることから、本年一月にサービス約款を改正しまして、こういったものにつきましては通話の停止といった措置を講ずることができるようにいたしております。  以上、お答え申し上げます。
  46. 北橋健治

    北橋委員 余り脅威に感じていらっしゃらないような御趣旨お話をされておられますが、これは、ATTの関係者のコメントがある雑誌に載っておりましたが、以前ATTはコールバックに反対の立場だったけれどもという質問に対して何と答えているかというと、FCCは、コールバックは通話料の不当に高い国に、これは日本のことを言っているわけですが、適正な競争をもたらすと言っている、このように言っているわけであります。そして現実に、料金についても今御説明がございましたが、料金は三分二百四十円、KDDの提供する平日昼間四百五十円に比べて随分安い。ですから、種類によっては半額ぐらいで提供しているケースも出ているわけであります。  私は、このコールバック方式がふえてきているというのは、国際電話料金の市場において大変な革命というものが起こる可能性がある、だからこそ、現在KDDについては料金について認可の規制がある、こういったものを外していかなければやはり対等な競争はできないのではないか、そういう趣旨でまずお伺いしていたわけでありますが、意外なお答えをいただきました。  それはそれとしまして、いずれNTTを初め外国からも、この国際通信については相当激しい競争展開をしていくと思います。既にいろいろな報道におきまして、KDD社長が、KDDは認可を受けねばならぬ、ところが二種事業者は認可なしに料金を設定できる、こうした二種事業者と同じ土俵に上がらなければ競争はできない、そうしないと不公平だ、こういうことを再三いろいろなところで述べられているわけであります。  郵政省にお尋ねしますが、こういった問題についても、経営の自主性を図る、そして適正な競争を確保するという意味において、やはり踏み込んだ改善が今必要ではないかと思うのですが、いかがでしょうか。
  47. 谷公士

    ○谷(公)政府委員 先生御案内のことでございますけれども、現在の一種と二種の料金の決定の仕組みと申しますか、規制の仕組みの違いでございますけれども、これは基本的に、一種事業がみずから通信回線設備を設置いたしまして役務を提供する、といいますことは、すべての役務提供と料金決定のベースになる事業を営むわけでございます。二種事業は、この一種から通信設備の提供を受けまして、その上で自由なさまざまな役務提供をするということでございます。そういう意味で、この事業の性格に着目いたしまして、利用者利益の確保と事業者に対する最小限の規制という両者のバランスの中でこういう制度ができておりまして、私どもといたしましては、現段階においてこの仕組みというのは合理的なものだと考えております。  ただ、いろいろ新しいサービスの出現あるいはグローバル化という動きもあるわけでございまして、その中で、一種事業の料金規制につきましても、電気通信市場の競争の進展あるいは新しい技術の進歩等を踏まえて見直しを行っていくということは当然必要だと思います。そういう意味で、私どもといたしましても、この料金あり方につきましては、今、研究会を設けまして基本的な考え方についての検討を進めておるところでございます。
  48. 北橋健治

    北橋委員 先ほど申し上げましたように、今回の結論は、NTT国際進出を可能にするというところに大きな出発点、切り口があったわけでございまして、そういう中で、KDDのやってきた仕事につきましても、やはり、公正な競争というものが確保されるような制度改正というのは必須の条件である、このように思っておりまして、これは、長期に御論議されるのではなくて、できるだけ早く結論を出していただきまして、同じ土俵競争ができるような条件整備を急いでいただきたい、御要望しておきたいと思っております。  さて、今、貿易黒字が急増いたしております。貿易黒字がふえますと、また、例えば日米間におきましてもいろいろな経済摩擦が起こるわけでございまして、私は運輸委員会に所属しておりますが、港湾の問題につきまして、日本の港湾行政が不当であるということでアメリカ側が一方的に制裁をかけようとしてまいりまして、今、運輸省を中心に、日米の厳しい折衝が続いております。  同じように、今度は逓信の分野におきましても、昨今、FCCがNTTKDDの免許を保留した、そして、現在、この交渉は膠着状態にあると聞いているわけでありますが、これは非常にゆゆしき事態だと思っております。  いろいろな報道がございます。真偽のほどは私どもも十二分に確かめられませんが、しかし、多くのニュースソースが伝えるところによれば、本件の解決のためにはやはりNTTの資材調達問題について改善がなければならない、そこと関連づけている、そういうふうに聞いているわけでございまして、この問題について、郵政省考えと、打開に向けての今後の交渉の見通しというものをお伺いしたいと思います。
  49. 堀之内久男

    堀之内国務大臣 お答え申し上げます。  現在、NTT及びKDDの米国子会社がアメリカで申請をいたしておるわけでありますが、先生指摘のとおり、アメリカとしては、NTT及びKDDの外資規制の本年中の撤廃と、また、本年九月末に切れますNTT調達取り決めの延長が認証付与の条件である、こういうように言ってきておるわけであります。  しかし、ただいま申し上げました、NTT及びKDDの外資規制あるいはNTT調達取り決めといった問題は、今回の申請とは全く無関係でございます。したがって、このような不透明な参入制度の運用は、事業者の迅速な事業展開を妨げる問題であり、参入障壁となりかねないものでございます。  そこで、三月十四日に、私からFCC委員長に対しまして、早期認証を求める書簡を送付いたしたところであります。これに対して、先週、五月十四日に、FCC委員長から返書が送られてきたところでありますが、本申請の具体的な取り扱いやスケジュールについては何ら言及されていないところであります。  既に申請から四カ月を経過をいたしておるわけでありますので、この問題解決に向けた措置を講じていかなければならぬと考えております。すなわち、両子会社に対する早期認証の付与、そして、本年二月のWTOの基本電気通信交渉合意の趣旨に従って米国がこの参入手続についての早期解決を図られるよう、今後、再度書簡を送付いたしまして、本問題の解決に取り組んでまいりたい、強く交渉を進めてまいりたいと思っておるところであります。
  50. 北橋健治

    北橋委員 新進党としましても、一体、米国側の意思が、真意がどこにあるのかということについては、非公式にいろいろな席でお伺いをいたしております。  このFCCの免許の保留という問題は、やはり、構造的に非常に根が深いところに原因があるということを率直に感じておりまして、これについては、日本側の受けとめとしてはいろいろな意見があることは今の大臣のお答えでも承知しているわけでありますが、NTTの方にもお伺いをしておきたいと思うのであります。  FCCの今日の免許保留の事態というのはゆゆしき事態であり、郵政省としても、今、鋭意打開に向けて努力をされているという趣旨お話でございましたが、報道によりますと、やはり、NTT自体の資材調達のあり方について改善を求めているのではないか、このように読み取れるような報道がたくさんなされております。米国側にはそういう不満があるように私ども思うのですけれどもNTTとしてはどういうふうに感じていらっしゃいますか。
  51. 宮津純一郎

    宮津参考人 国際調達に関しましては、もう十何年前からNTTの調達に関してはルールをつくっておりまして、アメリカといろいろやってきております。それで、その内容も、毎年毎年、レビューとかいって、前年にどれだけ買いましたとかというような内容なんかも数字を出して話したりなんかしておりまして、それはもう何年も続けておりまして、その過程で、おかしいから直せとかなんとかと向こうから言われたことはございません。  今回、何か、あれこれ、あれこれというのはちょっと言葉が悪いのですが、そういう話が出ているというのは、実は、今のやり方のルールが、ことしの九月末ですか、それまでの期限でやってきておりまして、アメリカ側は、その期限を延ばしてくれということを言っております。そのことは、言っていることは知っておりますが、やり方の中身についてどうだこうだというようなことは、我々もずっと続けてきておりますし、彼らの今までの経緯から見ても、そんなに今までのやり方が全くおかしかったとか、そういうようなことを言われる筋合いはない、こういうふうに思っております。  それはそうなんですが、要は、何か全体としての議論の中の一つとして国際調達のことも言っているのではないかと思っていまして、非常に広い意味でいうと、市場をオープン化しろというようなことにつながる話なのではないかとも思うのですけれども、それも解釈論がいろいろあると思います。  いずれにしましても、いろいろな要素が絡んでおりまして、一応NTTがじかにタッチしている問題は今の国際調達の問題なんですけれども、あと、申請を出しているのもうちでございますが、それをどうするかというような話になってくる、それから、外資規制の問題もいろいろ関連したりなんかしておりますので、やはりちょっとここのところは政府の方の、政府間の議論というようなことで今取り扱われているというふうに思っておりますので、私どもは言いたいことはいろいろありますけれども、内容としては、やはり国と国という格好で進めでいただけたらなというふうに思っております。  以上でございます。
  52. 北橋健治

    北橋委員 時間も限られておりますし、日米間の政府の交渉事でございますので余り申し上げたくもないのですが、郵政大臣お話でも、資材調達の問題ではないのだという御趣旨だと思いますけれども、そうしますと、これは天下の誤報でしょうか。  ことしの三月十八日に、ある新聞がこういうことを言っております。  認可保留をFCCに求めたアメリカ電子協会と電気通信産業協会の二通の秘密書簡についての記事でございますが、なぜFCCに業界が保留を求めたのか。それは、「NTTをはじめ日本政府機関は日本以外の供給者を差別している」。具体的に、NTTの調達が、九四年の一一・三%から九五年は一〇・七%に減った、そして、「NTTもその他の機関も、米国企業が日本企業に対抗するに必要な技術的基準や特別な仕様についての情報をオープンにしていない。これは著しい障壁だ」「日本は独自の特別な基準や仕様を採用することで、非関税障壁を作っている」、このように書いております。これは天下の誤報ですね。  もう一つお伺いしますが、私も、直接お会いしておりませんけれども、この問題について米政府高官からお話を聞いております。そのときに、FCCの問題はゆゆしき事態である、何とか打開する道はないのかという話題の中で、こうおっしゃっておられる。アメリカ側としては、NTTは非常にユニークな調達規定をつくっておられる、そして、公平に調達しているとはおっしゃっておられるけれどもNTTへの貢献度といった問題もある、これは世界ビジネス慣行にないということを言っているのです。これは間違いでしょうか。
  53. 宮脇陞

    ○宮脇参考人 私どもの資材調達のあり方といいましょうか実行経緯につきましては、先ほど社長が申し上げたとおりでございまして、そして今先生がおっしゃられた、情報ということでいただいたわけですが、実は私ども、正確に言いますと一九八一年からですから、昭和五十六年からでございますけれども、それから長きにわたって現在の調達方法を、しかもその経緯の中で改定、改善しながら進めてきたところでございます。  したがいまして、その経緯の中であるいはそれ以前においていろいろな御意見をいただいたことは確かですが、今先生がおっしゃられたような情報につきましては、私どもとしましては少なくとも現在はそういうものはないと思っておりまして、かつて、二十年前か三十年前かわかりませんが、そういう時代にそういうことを議論されたということは存じ上げておりますが、それは私どもの、調達を実行してきた中で大体解決してきた問題だというふうに私は信じております。よろしく御理解賜りたいと思います。
  54. 北橋健治

    北橋委員 今のNTTの御説明を聞いておりますと、少なくとも資材調達につきまして、ある新聞が記載しておりますように、いろいろなことをアメリカ政府が今言っておる、それが膠着状態に陥っている一つの原因だというふうに書いてあるのですけれども、そうじゃないのだということでございましたので、それはそれとして受けとめさせていただきます。  いずれにしても、政府間交渉のことでございますから余りこれ以上とやかく言いたくはありませんが、実は私も、民社党の政審スタッフのときに牛肉の輸入自由化の問題がございまして、いろいろと調べてみますと、アメリカは日本に対して、非常にアンフェアである、だから高級牛肉の、ハイクオリティービーフの枠を広げろと言ってきたのですが、よくよく調べてみると、アメリカの畜産業者にとりましては、豪州近辺の安い、いわゆるハンバーグが向こうは好きですから、そういう安価な加工用の牛肉がアメリカに入ることは規制しているわけです。自分のところの国は外国に対して規制をしておって、日本に対してはアンフェアだ、こういうことを言っておりまして、随分いろいろなことを言う国だなということをしみじみ感じております。  恐らくアメリカ側のお話を聞けばそういう議論があるのでしょうし、また皆様のお立場を聞けば正当な反論の根拠はあるのだろうと思っておりますが、いずれにしましても、貿易黒字が急増している中で、港湾でありますとかいろいろな問題につきましても、非常に深刻な、日本の内政干渉ではないかと思われるぐらいのことをアメリカは言い出しておりまして、冷静な早期の解決が必要だと思っております。  そういった意味で、NTTそして郵政省のお考えはわかりましたので、こういった問題についても鋭意日米間の早期合意が得られますような御努力を今後お願いしておきたい、こう思っております。  あともう一点になりましたけれども、外資規制の問題についてもお伺いをしておきたいと思います。  NTTそしてKDDについては、いろいろなこれまでの審議会でのお話を通じまして、当事者である皆様方が、外資規制を撤廃してほしい、自分たちの経営の自主性でやらせてほしい、そういう趣旨のことを述べておられます。今回、郵政省はそういった点を盛り込んでいないわけでございますが、将来ともこのスタンスは変わらないのでしょうか。
  55. 谷公士

    ○谷(公)政府委員 外資の問題につきましては、これもまた別途法案でお願いするわけでございますけれども、先般のWTOで私どもといたしましては、NTTKDD以外の一種事業者につきましては、その保有します無線局免許を含めすべての外資規制を撤廃するということを約束をいたしました。基本的な方向といたしましてできる限り開放的な制度をとっていくということは、国際的にもそういう方向でありたいというふうに願っているわけでございます。  ただ、NTTKDDにつきましては、他の事業者と異なりまして、日本全国あるいは全世界に及ぶ枢要な電気通信網を構築して、我が国の国民生活あるいは社会経済活動を支える役割を担っているわけでございまして、そういう意味で、二〇%の外資規制を課すことによりまして外国からの過度の影響力を排除いたしまして、経営の自主性を維持したいということでございます。  これは我が国だけではなく、他の主要国におきましてもほとんど同様の考え方で代表的な通信事業者に対する外資規制等は存在しているものでございまして、むしろ我が国の外資規制は、先ほど申し上げましたような改善措置も含めまして比較いたしますと、主要国に比べ最も開放的な部類に属するのではないかというふうに考えております。  ただ、将来のことにつきましては、これは国際的な開放の中で我が国もそれにおくれずに積極的にそういう方向にむしろ進めていくということは好ましいことだと考えておるわけでございまして、そういう意味では各国の状況も見ながらこの問題については対処してまいりたいというふうに思っております。
  56. 北橋健治

    北橋委員 この問題は、本来は政府がこれまで言われてきたように、WTOの場で議論をしていくことであって、合意もされておる、二〇%は認められているということでありますが、結局、その合意をしたときに、いろいろと聞いてみますと、アメリカの議会の方から強い反発が出たということで、アメリカ政府側も今度は二国間交渉という場に持ち出して韓国、メキシコ、カナダ等に譲歩を迫ってきているという最近の動きがあるのだそうであります。  そういうことで、WTOの場で二〇%と決まっているからというのは、私はそれは日本政府として根拠のある正当な理由だと思いますけれども、しかし、今後アメリカ側が、単に外資規制を撤廃するというそういった二国間交渉というやり方ではなくて、自分の国もさらに見直していく、緩和していくという動きが出た場合には、日本としても進んで外資規制の緩和、撤廃に向けて踏み切る考えはありますか。
  57. 谷公士

    ○谷(公)政府委員 先般WTOの合意をしたばかりでございまして、まだ議定書の発効も実現しておりませんので、私どもといたしましては、まずはこの交渉で約束した事項を各国が誠実に履行するということが重要であろうと思っております。  しかし、これからの将来の問題といたしましては、米国がということではなく、米国を含む主要国が一致して外資規制の制限を緩和していくということであれば、当然我が国としてもさらなる外資規制の緩和ということにつきまして積極的に検討していかなければならないだろうというふうに思っております。  ただ、WTOの合意は、できるだけ世界の国々が歩調を合わせて取り組んでいくという趣旨でございまして、二国間だけで個別の取り組みをしていくということはその趣旨に反するだろうと思っております。
  58. 北橋健治

    北橋委員 あともり少し時間がございますようですから、NTTの問題にまた返りたいと思います。  私も北九州が地元でございますので西日本会社の方に入るわけでございますが、同僚委員の方から、料金サービスの面で格差が生じることはないか、経営は大丈夫か、こういう御趣旨質問がるるあったと思います。そして、NTT側から、そういう格差が生じないように十分やっていけるのだと確信を持って答えがあったわけでございますので、その点での重複は避けたいと思います。  ただ、一点確認させてほしいのは、法律が施行されて三年間については損益通算という税制上の特別措置があります。それが三年間終わりますとその後にどうなるだろうかということであります。  西日本地域でございますから山間僻地が多いわけです。合理化もいろいろと工夫されるだろうと思います。ただ、私は働いている人の立場から見て、民営化が決まってから今日まで大変な数の合理化が進んでおります。これは労働組合にしても大変つらい道のりだったと思うわけでありまして、私は、そういった意味で、鉄の企業城下町が選挙区ですので合理化という問題、出向だとかいろいろなことをやりますけれども、それは大変な苦痛であって、町全体にもまた企業のあり方についても大変な問題を惹起していると思っておりまして、これはやはり限度があると思っているのです。  そういった意味では私は、そこに働いている人たちの労使の協調の中で、今後会社を運営するに当たりまして、特に西日本についてはいろいろと負担があるのではないかと言われておりますだけに、一方的に労働者の方にしわ寄せがいくということになりはしないか、本当に、三年間の税制上の特例措置がある間に間違いなく経営体質の強化を図れるのでしょうか、その点の確認をさせていただきたいのですが。
  59. 林豊

    林参考人 先ほども答弁をさせていただきましたが、今先生指摘の点につきましては、今後再編成に向けての私どもなりの実行準備の中で詳細に詰めて、私どもなりの再編成後の事業展開というものをしっかりとしたものにして出発したいというふうに考えておるところでございます。  そうした意味で、まだ具体的な事柄について申し上げる段階にはございませんけれども、私どもといたしまして、先ほど先生から御指摘がありましたように、一方的に社員にしわ寄せをするといったようなことはする考えはございません。  ただ、全体の流れの中で、やはり競争もございますし、技術革新、技術の変化といったようなものもございます。そういった中で、でき得る限りこの三カ年という期間をうまく活用いたしまして、地域に密着した私どもの営業活動を展開する中で、まず何より収益を確保するといった中で、結果というものを、成果というものを出していく、そういった努力をしてまいりたいということだけ申し上げておきたいと思います。
  60. 北橋健治

    北橋委員 ぜひその点についての、労働者にいたずらにしわ寄せがいかないような、そういった温かい気配りのもとに経営の合理化を進めていただきたいと思っております。  今回は法律案の条文に入りまして細かく質問できませんでしたが、接続についての新しいルールを踏み込んでつくられたとか、大いに評価する点も多いと思っております。そして、郵政省にしましても、またNTTKDDにしても、百点満点とはいかないかもしれませんけれども、この難しい難問にとにかく決着をつけていただいた、この間の御苦労を多としたいと思っております。  今後、規制緩和の点については私どもはまだまだ不十分であるという認識から、郵政省も、今後の情報通信事情の適正な競争あり方を見て、さらにその点については踏み込んでいかれる、前向きの姿勢を持っておられるということをきょうは理解いたしましたので、その面についてもいろいろな機会にまたそれを促すように発言をしてまいりたいと思っております。  では、質問時間が参りましたので、これで終わります。ありがとうございました。
  61. 木村義雄

  62. 小池百合子

    ○小池委員 新進党の小池百合子でございます。  電気通信事業法改正案などにつきまして御質問をさせていただきます。  また、本日は、NTTKDDの皆様方、参考人としてお越しいただきまして、ありがとうございます。  最も経営の根幹にかかわる物事を決めるのに、そのたびに国会においでいただくというのはやはり普通の企業としては考えられないことであり、結論から先に申し上げさせていただくならば、国会の議論によって経営そのものの根幹の部分が変わってくるというような形になっていては、それこそメガコンペティションに勝ち抜けないのではないかということで、今後余り国会の方に出ていただかなくてもいいような形をとりたいものだと思っております。  さて、今回の改正の目玉は何といっても巨大企業でありますNTTの再編ということでございますが、先ほどからも御論議がございました。土光臨調以来長年論議され、そしてまた先送りされて、この間十五年近い時間が経過いたしたわけでございます。その間は、郵政省NTT、そしてNTTとNCCさん、特に郵政NTTの、私から言わせれば、確執と主導権争いに多くの時間が費やされてきたというふうに思います。また、決着を先送りしてきた政治の問題もあることは当然認めなければならないと思っております。  ただ、この情報通信分野でございますが、まさに毎日が革命であるということ、私も大変この分野に興味がございますもので、日進月歩といいますか、また、産業とすれば生き馬の目を抜くような、そういった大変な猛スピードでこの世界がどんどん変わっている。そのことから考えますと、この十五年間というのは、本当にもったいない時間を費やしたというふうに思いますし、またこの間の十五年のおくれが、先ほどNTT社長は、これから取り戻せるというふうにおっしゃいましたけれども、この間の十五年間というのは、ほかの産業でいうならば百年、二百年に当たるというような認識を持っております。  アルビン・トフラーが「第三の波」を出して、アメリカではそこからまた情報通信革命というものが軒並み進み、そしてゴアさんの提唱によってまたこれも革命が起こりということで、アメリカにおいて、また欧米において、この情報通信世界というのはさま変わりをしているわけでございますし、また最近はメガコンペティションからメガキャリアの合従連衡という形で進んでいることも承知をしているわけでございます。  今回、この再編という案が出てまいりまして、そしてこれによって純粋な持ち株会社NTT特殊会社として東西NTT、そして今度は民間会社としての長距離NTTという形になるわけでございますけれども、まず何よりもこの十五年間の思いとでりことをやはり当事者の方々から伺っておくべきかと思いますので、郵政大臣、この十五年間についてどういうふうに思われますでしょうか。
  63. 谷公士

    ○谷(公)政府委員 戦後の復興の中で、公社として電気通信設備の復旧とそれから新しく復興してまいります需要に対応するという役割を果たしてこられたわけでありますけれども、それが一応一段落つきましたところで、これからの社会のさらなる発展に向けて多様なサービス低廉料金で提供していくということで、競争原理を導入するということが十二年前の制度改革だったわけでございます。  その際に、競争でもってこういったサービス実現を確保していくという競争原理がその基本的な手段というふうに選択されたわけでございますけれども、その競争実現のために、NTT分割することによって、最初から競争単位をつくっていくのかどうかという問題があったわけでございますが、それにつきましては、ひとまずはNTTをそのまま民営化いたしまして、新たに新規参入の競争相手をゼロからスタートさせるという政策が選択されました。ただ、この政策こつきまして、競争実現がこれによって可能になるかどうかということがございましたので、五年後の見直しということがあったわけでございます。  この問題をめぐって、いろいろ議論が交わされてきたわけでございますけれども、その後、新規参入もそれぞれの分野に活発に参入し、展開を終えまして、その次の段階を迎えるのがちょうど現在でございます。  と同時に、この時期は、新たな技術の進歩その他を踏まえまして、情報通信の機能が社会、経済、文化の各般にわたって従来以上に基本的なインフラになってくるという、そういう性格を持とうとしている時期でございまして、そういう時期に際して、通信事業のあり方がどのようになっていくかということはまた非常に大きな問題でございました。  と同時に、この時期は、通信がグローバル化する、将来の戦略産業として国際的にも非常に関心が高まり、グローバル化するという時期にも際会しているわけでございまして、その中で、今回、私どもといたしましては、基本的に競争の基盤を確立すると同時に、さらに一層こういった変化に向けて情報通信産業全体を活性化していく手段として今回の再編に踏み切ったということでございまして、過去のいろいろな問題についてはそれぞれの立場からいろいろな判断があったと思うわけでございますけれども、私どもといたしましては、今後この体制の中で、これからの時代に適切な対応をするためにお互いに努力をしていくということであろうかというふうに思っております。
  64. 小池百合子

    ○小池委員 大変長い御答弁をいただいたわけでございますけれども、この十五年間という時間の観念について伺ったわけでございます。
  65. 堀之内久男

    堀之内国務大臣 ただいま局長から御答弁申し上げましたが、私はこの十四年間というものは第一次情報通信革命時代、こういうふうに認識いたしております。この十四年間ですばらしい発展をしてまいりましたことは委員も御指摘のとおりでございます。  この間、革命的な技術の進歩もあり、さらにまた今日までNTTを中心にした日本の情報通信産業を考えますときに、さらに第二次情報通信革命を考えるときに、どうしてもNTTの再編成が必要になる、こういうことから、今回郵政省が中心になりまして、このNTTの再編成法案を御審議いただいておるところであります。
  66. 小池百合子

    ○小池委員 それでは、事業者の立場として、NTT社長さん、この十五年間の世界の流れ、そして日本における十五年間をどういうふうにとらえておられますでしょうか。
  67. 宮津純一郎

    宮津参考人 この十五年間を一言で言うと、電話時代だったのがまた変わっちゃって、次の時代に入ったということだと思います。サービスもそうですし、それを取り巻くビジネスの環境も全くそうなったと思います。  根っこにありますのは、日本としてはかなり、デジタル化というので金を入れて、物理的なインフラストラクチャーはそれなりに相当充実しまして、これは世界に引けをとらないと思いますけれどもサービス面からいって、今インターネットとか、新しくマルチメディアとか、いろいろなことを言っておりますが、そういう類のものに関してはちょっとおくれぎみになっちゃったということはあると思います。  でも、それらの進歩というのは、この十五年間が一律に伸びてきたわけではなくて、初めのうちはずっと電話のまま徐々に来ましたが、ここ三、四年ぐらいが物すごく急に立ち上がってきたという感じでございまして、同じ十五年間でも、実質的な論議というのはここ数年間がやはりポイントになってきているんじゃないかというふうな感じを受けております。  以上でございます。
  68. 小池百合子

    ○小池委員 私が申し上げたいことは、特にこの数年間というのは、本当にマルチメディア全体にとりまして大変な進歩ということでございまして、日々刻々と新しい状態が生まれてきているわけですね。  この間、BTとMCIとのコンサートという会社ができるというようなことで、国境を越えたような、そういうメガキャリアの時代が来ている。それに対抗してまた、これまでAT&Tが分割していたのをもう一度見直すというような大変ダイナミックな世界での動きがあったわけでございます。  その間、日本は何をしていたかといったら、NTTをどうするのかという経営形態の話ということが優先されてきたような、そういう印象を強く持つわけでございますし、そういった議論ばかりをやっていたということが今の日本の、今社長もおっしゃいましたけれどもマルチメディアについてはおくれているという表現もありました。そこに、結局形として出てきてしまったのではないか。ですから私は、今後日本の国が情報産業で世界におくれるようなことがあってはならないという、ある種の危機感を持ってお尋ねしているわけでございますし、もう問題の先送りというのはできない。ですから、決着をここでつけなければならないという思いは大きく持っているところでございます。  しかしながら、この再編の問題、こういった特殊会社にして、持ち株会社をつくってというような形で論議も進められてきたわけですが、その間にもまた世界というのは変わっているわけでございますよね。ですから、ずっと論議を積み重ねてきた。そして、その論議に加わった方々というのは、この積み重ねを十分御存じというか、それを踏まえてそしてこの結論を出されたということは重々私も理解するところでございますし、その御努力というのを多とするわけでございますけれども、じゃ、本当にここでNTTをこのような形で分割してしまっていいのか、私はいまだに納得がいかないんです。  かといって、またその話かよということになって、ゼロの話に戻すというわけにはいかないということも、これも承知いたしております。そうするならば、このような特殊会社があり、民間会社がありというような形でもってNTTの再編をするという案、これについて、本当にこれがベストの案なのかどうか、また、問題点は何なのか、将来、ああ、あのとき分割しなければよかったなどということにならないためにも、今この点について明らかにしておく必要が私はあると思うんですね。  先ほど北橋議員の御質問の中で、郵政大臣、この案が最もベターであるというようにお答えになっておられました。私は、最もベターという日本語は、英語とすれば、やはりそのときはベストと言うべきじゃないかと思うんですが、これは、大臣のおっしゃる最もベターなんですか、この案は。それともベストなんですか、どっちですか。
  69. 堀之内久男

    堀之内国務大臣 今回御提案申し上げましたNTTの再編成法案は、今日考えられる案としては、私はベストだ、こういうように考えております。  そういう意味では、将来においてということですが、約十二年間かかりましてそれぞれの皆さんが御協議をいただき、また電気通信審議会等でも再編成が一応必要だ、こういうような答申をいただいたわけでありますので、その中でいろいろ知恵を出し合って、持ち株会社を中心にして三つの会社に再編成をするわけであります。  この持ち株会社というのが、非常に最初はユニークに考えられましたが、日本の場合、まだ独禁法で認められていなかったものを、特例としてこれを出したわけでありますが、結果的には、このことが日本の産業構造改革の大きな原動力となって、全会社持ち株会社を認める、こういう形まで発展をしてまいりましたので、そういう意味では、私は今回の持ち株会社という案は、非常に日本の産業の将来のために大きな役割を果たした、私どもはそういうように自負するわけであります。  そういう意味で、資本の分散を図らずに、しかもそれぞれ独占部門あるいは長距離部門という形で分割をしながら、大きく競争原理を取り入れたということ、さらに今後、公平、公正な接続ルールを確立するということになりますと、私は、これから国内における競争もさらに公明、公正に行われて、一層進展をするであろうし、さらに、これまで非常に皆さんが関心を持っておられましたこの通信事業者の中では、いわゆるニュービジネスも生まれてくるもの、こういうように大きく期待をいたしておるところであります。
  70. 小池百合子

    ○小池委員 ベストか否かというのに随分長くお答えいただいて、こういう論議を重ねていれば十五年かかるのかなと思いましたけれども、ベストであるというお答えでございました。  ただ私は、この持ち株会社ということと、それから特殊会社、さらには長距離通信事業、これは民間会社になっているわけでございますね。いろいろと形態が入り乱れて、ある種の折衷案のような形、足して二で割るみたいな、ある意味ではすごい知恵が出てきたなというふうにも思ったりもするわけでございますけれども、実際に事業に当たられるNTTとすれば、この案をベストとして考えられるんですか。これまでの長年の議論を伺っていますと、これは私は、NTTとすればベストじゃない。先手どのベターぐらいの範疇かなというふうに思うんですが、いかがでしょうか。
  71. 宮津純一郎

    宮津参考人 まず、当事者がやる気が出ないような案は余りよくないと思います。それで、客観的にはいろいろな議論まありますが、一応今までの過去の状況をいろいろ勘案してみると、やはり、枠組みとしてはこういうことかな、あとはやる本人の問題ではないかなというふうに、やる側の方がそう受けとめられる案であるというふうに思っております。
  72. 小池百合子

    ○小池委員 ベストという言葉は出てまいりませんでした。とにかく、おっしゃるとおり、皆さんがやる気にならないと、これはどんな形であれ進まないわけでございますので、その辺のところは重々理解していきたいと思っております。  それから通信の世界でございますけれども、もはや地域であるとか国境であるとか、そういったことは飛び越えるからこそ今世界的なメガコンペティションが起こっているわけでございますが、この期に及んで東と西に分けるというのはいかがな考えなのかと思うわけでございますが、郵政省、いかがでしょう。
  73. 谷公士

    ○谷(公)政府委員 もともと業務の区分と申しますのは制度的にあるわけではございませんけれども、先ほど申し上げましたように、全体を担当しておりましたNTTに対して新規参入が入ってまいりますときに、それぞれ手近なところから入ってくるわけでございまして、入ってまいりました分野がそれぞれの業務範囲になってきたというわけでございます。ただし、NTTKDDにつきましては、法律国内国際を分担させるという仕組みがありまして、それはそれぞれの分野において、世界の中でKDDは発展をしていく、あるいは国内の通信網の整備をするという役割をはっきりさせるために分けられたと思うわけでございますけれども、それ以外は基本的にはなかったわけでございます。  ただ、それぞれ参入しました事業者がその後事業を展開いたしまして、その次の段階としては当然他の分野にもということになるわけでございますし、その時期がまたワンストップショッピングと言われているようなサービスの一元化の時期でもあったわけでございまして、その中で肝心のNTTの問題でございますけれども、これにつきましても、基本的にはすべてのサービスという方向を志向するわけでございますが、ただ問題は、独占分野である地域通信市場でございまして、この地域通信市場を別に切り出すことによりまして、その他の分野については自由にできるというところにむしろその意味があるわけでございます。  問題は、独占市場であります地域でありますが、この市場につきましては基本的に独占でありますので、競争実現しますまでの間はこれについて規制を課するということはやむを得ないわけでございますけれども、その際に、この独占であります地域につきましても、できる限り効率化を確保するための仕組みとして、これを東西二つに分けることによって比較競争を可能とし、できれば相互参入という形で直接的な地域における競争実現を図りたいという趣旨でございますので、このことは決して業務を区分するということでできておるわけではございません。独占分野以外についてはすべて自由にするというためにこの独占分野についてこういう措置が設けられているという趣旨でございます。
  74. 小池百合子

    ○小池委員 ですから、独占分野についてそこに参入を認めるという話でございますけれども、何か私理解できないんですね。地域を今回東と西に分けておきながら、今度はそれと矛盾するかのようにKDD国内の市場に参入させ、そしてNTT国際市場に参入させということで、幾つもの矛盾したことが一遍に今回起ころうとしている。私は基本的な考え方といたしまして、参入は国際であろうが国内であろうがもはやそういうことは通信の世界では専ら意味のないこととしてとらえますので、ですから、それはもう自由にやっていけばいい。ただしそこを急に東と西に地域分割をするというのがどうも納得がいかない。もちろん、余りにも巨大であるということから分割ということも理解できないわけではないわけでございますけれども、東と西に分けたというのはまだいまだに納得できません。NTT社長の方はいかがでしょうか。
  75. 宮津純一郎

    宮津参考人 まず、三つや四つに分けるよりは二つの方がましじゃないかと思うんですが、では全然分けないで一つになっているのと東西という二つに分ける、どっちがどっちかということになると、やはり間接的ではあるが競争は少し入ってくる。そうすると、経営をやっていく上に、完全に一つでだんごでいるよりは少し切磋琢磨するなりなんなりということは出てくるんじゃないか。これは大企業ですから、やはりそういう要素を少し中で組み込んでおく方がいいんではないかというふうに思っております。
  76. 小池百合子

    ○小池委員 これまでのずっとNTTさんがこの分割阻止のためにおっしゃってこられたことから考えますと、随分変わったなというような気もいたしますし、もうとにかく早く決めてくれというお気持ちの方が実は強いんじゃないかというふうにも思うわけでございます。  そこで、参入面の話でございますけれども、今回の事業法の改正で需給条項が廃止ということでございます。その他の参入規制、これについてはいかがでしょうか。これも完全に廃止すべきではないかというふうに考えるわけでございますけれども、この点について伺いたい。  それからもう一点郵政省に伺いますけれども、この事業法において、設備を保有して行う事業者を一種、そしてそれ以外の事業者を二種というふうにずっと区分なさってこられていますね。こういった区分でございますけれども、これも今日の急速な技術革新の中でもはや意味をなさないのではないかというふうに思いますが、その意味で、参入規制、そしてこの事業者を一種、二種に分ける点について伺います。
  77. 谷公士

    ○谷(公)政府委員 この一種、二種の分け方でございますけれども、一種は、御案内のように、みずから回線設備を設置して役務を提供いたします。これはすべての電気通信サービスの提供と、それから料金決定の基本をなす手段を持つということになるわけでございます。同時にまた、この手段の獲得に当たりましては、国公道あるいは公有水面等、こういう公共財の優先使用でございますとか、あるいは場合によっては私有財産についても一定の利用上の協力をお願いするというふうなことが必要になってまいります。また、場合によりましては有限な電波を使うということも必要になるわけでございまして、そういう意味でいわゆる公益事業特権も持ちますし、また、こういったいろいろな土地等の制約から完全な競争状態実現ということについてはなかなか難しい事情もございまして、そういう意味で、この通信事業の持ちます基本的な公益性の最小単位の確保を図るという意味で、一種事業については規制を課しております。  そのかわりと言ってはおかしゅうございますけれども、これを利用いたしまして自由な事業展開を行います二種事業については、基本的に自由にするということでございまして、この制度は、世界的に見ましてもすぐれた制度であると思っております。世界的に見ますと、通信事業につきまして一切規制のないという国は一つもないわけでございますが、その規制のあり方につきましては、サービスの内容で分けるようなやり方もあるわけでございますけれども、これも非常に問題があるわけでございまして、自由なサービスの提供を行います日本で申しますと二種事業のようなものにつきましても、規制を場合によっては受けるということになってしまうわけでございます。  基本的にそういうことでございますが、ただ、私どもといたしましては、できる限り競争実現させていきたいというふうに考えているわけでございまして、競争実現してくるにつれまして規制のあり方も当然見直していくということを基本的な考え方といたしております。
  78. 小池百合子

    ○小池委員 それは逆なんじゃないかと思います。規制があるから競争こならないのであって、むしろ規制を撤廃することによって競争が起きてくるという方向をとらない限りは、この情報産業というのは私は日本ではなかなか育たないというふうに思うわけでございます。  そして、先ほどから伺っている点は主にその経営形態のことについて、まさにこの十五年間の御議論ということについての結論、現在出ている結論について伺ってきたわけでございますが、私は先ほども申し上げましたように、NTT経営形態がどうであれ、電気事業に関して、通信に関して、そして情報産業に関して規制を撤廃するという方向がまず優先されるべきであって、本来二の次である経営形態ということについては、これは競争の結果によってその形態というのは変わるものであって、経営形態から入ってきたというのは、この十五年間の議論の言ってみれば不毛の時間を過ごしたということになったのではないかと思うんですね。  では、今回このNTTの再編の問題に絡んで、そのほかの電気通信事業法改正、この第十条とかそのほかございますけれども、これをずっとつぶさに読ませていただいたけれども、どうも規制の緩和もしくは撤廃は、私、全然できていないと思うんですね。ですから、今おっしゃったように、事業者間の競争があって、それから規制を撤廃します、緩和して見直す、私は話が逆だと思うんですけれども局長いかがでしょうか。
  79. 谷公士

    ○谷(公)政府委員 さっき申し上げましたような事情で、この市場におきましては、当然に完全な競争実現するという状況にまだないと考えるわけでございます。  私どもが目指しますのは、国民利用者に対してそのサービス提供が円滑に行われる仕組みを確保するということでございまして、その仕組みを担われるのが事業者でございます。したがいまして、国民利用者という立場を考えますと、完全な競争実現しない以上、事業者に対して規制を課すということは必要最小限の限度においてやむを得ないと考えるわけでございます。  競争実現いたしますと、それによりまして国民利用者サービスが十分に提供できるような状況が整うわけでございますので、事業者に対する規制を緩和をしていく。もちろんその中で、どの程度が必要最小限かということの中では、自主性を尊重することによってやる気を起こしていただくということももちろんあるわけでございますが、同時に、この世界、先ほど申し上げましたように完全競争実現いたしません。特に地域通信市場におきましては、現段階におきまして九九%、法律的には他の事業者の参入は自由でございますけれども、現実の問題としてNTTの独占というものはまだ解消いたしておりません。  したがいまして、この部分につきましては、規制のあり方といたしましては、行動についての規制もあれば構造としての規制もあるわけでございますけれども、こういった状況にかんがみて、必要最小限の地域通信事業部門についてのみは特殊会社としての行動的な規制が現段階では必要であるというふうに考えておるわけでございます。ただ、私どもは、その中でも、この分野において競争実現するような仕組みを現在の仕組みの中でも工夫していかなければならないというのが今回の案であるわけであります。
  80. 小池百合子

    ○小池委員 基本的にはガリバー企業である、そして九九%押さえている、これは原因と結果は両方だと思うのですね。そして、新しいところが参入してこないというところで接続の料金の問題なども出てくると思うのです。  そこで、市内交換機の接続料金国際比較ということでございますが、日本の場合、これはまさに郵政省からいただいた資料に出ていたわけですが、若干為替で違う変化もあるとは思います。日本は三分間三・六六円、そしてアメリカでは一分間で〇・二円から〇・四円、二十銭から四十銭、そしてイギリスの場合一分間で七十六銭。日本の場合三分間ですから一円二十二銭ということになりましょうか、この接続料金が極めて高いということでございますので、その意味からいいましても、国際比較をして国内の業者が新しく参入するかどうか、これはまた別問題かとは思いますけれども、この相互接続の料金の価格が極めて高いわけですね。なぜこんなに高くなってきているのかということにつきまして、その理由を伺わせていただきたいと思います。
  81. 井上秀一

    井上参考人 接続料金は、我々の方はNTTネットワークをできるだけ使っていただこうという形で接続点をいろいろなポイントでつくっておりまして、それぞれで内容的に若干外国と違うところもございます。そして我々としては、ここ十数年、競争が入ってきて、長距離事業者が我々の地域網を使っていただくという形の中で、我々がいろいろ経営的にも合理化し、接続料金を下げていくということを一つ基本的な形でやっております。  それからもう一つは接続の料金の中身ですね、これにどういうものを入れていくかということで、当初はデータ的な問題もあって、かなりラフな計算の部分がございました。しかしその後、逐次会計制度も整備しながら、こういう料金はこっちへ置こうとかあっちへ置こうとかいうことを事業者ともお互いに話し合いながら、納得してもらって、現在のコストの中でこういうものは負担してもらおうかというような形で今まで進んできております。  それで、外国との関係で、そういう設備的なポイントだとか設備の内容、それから経費の問題ということもございますが、先ほど先生もおっしゃられましたように物価の比較、こういうものが一つあります、物価水準がどういうふうになっているのか。かたい言葉で言えば為替レートの考え方、こういう問題もございます。ただ、そのほかに、内容的にはトラフィックの量、利用者電話を接続する場合のトラフィックの量、こういうものが日米で違うとか、それから呼のとり方ですね、難しい言葉で言えば不完了呼と言うのですが、接続したときにつながる呼だとかつながらない呼、こういうような算定のベースも違う部分がございます。  こういうようなもので差が出てくるというようなこともございまして、直接的な比較がなかなか難しいということが事実ございますが、我々としては、いずれにしても、この接続料金というのをより透明でわかりやすくて納得してもらえる、しかも、競争がこれからたくさん入ってくるというふうに考えておりますので、今までは事業者間で話し合って決めてきておったのですが、今回の接続ルールの中ではそれをもうちょっと契約的に、約款的に、料金的に明快なものにしていこうというルールに今回なってきています。そういう中で、より合理的、わかりやすいものにしていきたいということで今取り組んでおりますので、御理解いただきたいというふうに思っています。
  82. 小池百合子

    ○小池委員 単なる内外価格差みたいな話の部分もございましたし、また技術面でのいろいろな違いもあるということを強調なさっておられたことと思います。  しかしながら、最後におっしゃいましたように、やはり国内市場での正しい競争実現するためにもこの市内の相互接続、まず自由に、かつ公正に行われる、今回の法案改正ポイントでもありますけれども、これの実施を必ずお願いしたいところでございますし、また、国際比較ということでは必ずこういった数字というのは出てまいります。やはりこれは今後のまさに経営努力ということにかかってくることだと思いますので、このところの実現をお願いしたいところでございます。  それから今度は、一般ユーザーの面から見た料金なのでございますけれども、例えばアメリカの場合は、もうまさにインターネットが津々浦々と申しましょうか、アメリカ大統領も演説の中で、十二歳の子供がインターネットを使えるようになどということを一種の国策として、ビジョンとして設定しているわけですね。極めてはっきりとした明確な目標だと思っております。その分、インターネットの使い勝手も大変アメリカの場合ようございまして、月でいきますと大体十一ドル九十九セント払えば、もう定額で使い放題ということでございます。一方、日本の場合は、インターネットは、やはり時間を気にしながら使っているというような状況でございます。  こういったことが、一般ユーザーにもっともっと利便性を与える、つまり、コストの削減というのはこれまでも大変努力はなさってこられておられますけれども、アメリカなどの通信先進国から考えますとまだまだ高い構造になっています。今回の再編によってそういった料金の低減ということは実現できるのでしょうか。NTT社長、お願いします。
  83. 井上秀一

    井上参考人 民営化した以降、長距離についてはアメリカよりもスピードをもって競争が入ってきたと我々は思っておりまして、長距離料金は、我々、技術革新、こういうものを背景にしながら、さらに経営の改革によってぐっと下げてきたというふうに思っています。世界的にもうかなりのところに来ているというふうに思っております。  さらに、今後の状況考えますと、マルチメディア時代にどういう料金がいいかということで、多様な企業者の参入も考えられますし、先生御存じの公-専-公というような新しい接続の形態も出てくる、それから先ほどおっしゃいましたインターネット電話などというのも出てくる、こういうことになりますと、長距離料金はまだまだこれからは下がっていく時代が来ると思っております。そういうことの中で、我々としても一生懸命経営改善しながらやっていくということが必要だと思っています。  市内については、世界的に見てもかなりのところで、いい水準だと我々は思っていますが、今後、サービスを多様化してつくっていくということが必要だと思っています。そういう中で、先生のおっしゃるインターネット型の、時間じゃなくて定額制の料金というものをもっと目指さないのかということについては、我々としても特にコンピューター通信なんかについてはつい一年ぐらい前から本格的に取り組んでおるのですが、OCNのサービスとかいうような形でいわゆる定額制の料金サービスを始めたところでございますが、今後さらに定額制的なサービス、こういうものがますます重要になってくるということで、今後のサービスの課題だろうというふうに考えております。
  84. 小池百合子

    ○小池委員 NTT技術的な努力、そしてそのほかの新電電の方々のさらなる努力もお願いしたいところですが、努力を超えて、まだまだ料金そのものが認可の対象になっているということが問題ではないかというふうに私は思うわけでございます。  今回も、事業法の第三十一条のところを拝見させていただいたのですけれども、この料金の認可ということは変えておられないわけでございますね。これは、少なくとも届け出であるとか、アメリカのように、AT&Tなどの場合、一日でできるとか、こういった弾力的な運営というのが必要ではないかと思いますが、この規制緩和についてはどういう見通しがありますでしょうか、局長、お願いします。
  85. 谷公士

    ○谷(公)政府委員 料金につきましても、私ども、一昨年の秋でございましたか、電気通信事業法改正をお願いいたしまして、国民生活に必要、必需な基本的なサービス以外の料金につきましては届け出化に移行しますとか、あるいは基本的な料金につきましても、競争が進展したものは届け出化に移行しますとかという措置を講じてきております。  ただ、電気通信市場、これは一般二種事業を除きまして、競争が進展しつつありますもののいわゆる完全な市場価格が形成されるような市場にはまだなっていないわけでございまして、そういう意味で、利用者利益を確保する観点から、国民生活や経済にかかわりの深い、先ほど申し上げました基本的な料金はやはり認可制とするということは、現段階ではそういう方法をとるべきであろうと思っております。  ただ、今後、電気通信市場における公正有効競争条件の整備でございますとか競争の進展に応じまして、料金規制の緩和を図っていくということは当然でございます。それからまた、今後の技術の進歩あるいはそれに伴いますサービスの多様化等に応じまして、料金あり方ということも見直していくことは必要でございますので、この認可対象料金につきましても、公正有効な競争環境が整い次第、これを基本的に見直すということで、いわゆるインセンティブ規制でございますが、これについて検討を進めて、NTTの再編成の実施等を踏まえて、平成十一年度を目途として導入するということを考えておりまして、これは先般閣議決定されました規制緩和推進計画にも盛り込んでいるところでございます。  同時にまた、この問題につきましては、学識経験者等の方々にお集まりをいただきまして、研究会を設けて御検討いただいておりまして、この結果を踏まえて、先ほど申し上げました十一年度目途の導入に向けて検討を進めていきたい、このように考えております。
  86. 小池百合子

    ○小池委員 平成十一年ということ、具体的に数字を挙げられましたけれども、こういった認可の問題などは、それぞれの関係者がこの緩和、撤廃というのを長年叫んできているわけですね。例えば、私はそれをもっと前倒しすればいいと思うのですね。ちょうどテレビのハイビジョンのように、二〇〇五年から二〇〇〇年に急に前倒しされまして、現場は大変大騒ぎしているような状況でございますし、それを考えますと、現実に即して幾らでも前倒しは、実際郵政省がなさったように、この分野だってできるはずなわけですよね。  ですから、私は、やはりそういった観点をベースにいたしまして、とにかくもっともっとスピード感を持って当たりていただかなければ、このせっかくの産業が世界競争に負け、そして国内におけるユーザーは他の国と比べたらメリットが受けられない、一体これは何なんだということを私は強く感じるところでございます。先ほどの事業法の第三十一条、そして第三十一条の二といった点、それから事業法施行規則第二十一条、こういった問題は、一日も早く緩和もしくは物事によっては撤廃すべきではないかということを強く申し上げたいと思います。  時間がなくなりましたので、最後にKDD社長に伺わせていただきますが、特殊法人であるKDDが今回は国内市場に参入できるようになるということでございますが、KDD特殊法人のままで国内市場に参入され一さらにその特殊法人であるKDDの株の九・九%をNTTが保持しておられるということでございますが、これから国際マーケットそして国内マーケット、それぞれKDDNTTというのはまさに競争会社になるわけでございますね。私は、三井物産が三菱商事の株を持っているとは思いませんし、トヨタが日産の株を持っているとも思いません。ですから、本当の意味での競争をなさるといりことであるならば、この株式の保有というのは、これは是正する必要があると思うわけでございますけれども郵政省、そしてKDD社長、よろしくお願いいたします。
  87. 谷公士

    ○谷(公)政府委員 NTTによるKDD株保有の問題についてのお尋ねと思いますが、これにつきましては、御指摘のとおりでございますけれども、これは、KDDが電電公社から分離をし、発足いたしました当時の経緯によるものでございまして、積極的にKDD経営に関与していくというものではないと考えておりますし、またそのような運用も行われてこなかったところと考えております。  今後、NTTがみずから国際通信市場に進出いたしますことによりまして、この株式の問題というのは当然問題になるわけでございますし、仮にこれが経営に関与するというふうな形でこの株が利用されるようなことになりますと、非常に有力な事業者同士の競争関係という意味で、今回の再編成趣旨に反すること、にもなろうと思います。  ただ、具体的なその株の保有についてどうするかということにつきましては、いろいろな事情もございますし、NTTにおいてもそのことについて検討していくというお考えをお持ちのようでございますので、そりいりことも含めて検討してまいりたいというふうに考えております。
  88. 西本正

    西本参考人 これから国内国際両面にわたってNTTさんと競争をしてまいるということになりますが、私どもとりあえずは、現在のKDD法改正案が通過することによりまして、国内通信事業を早期に開始できることがまず第一に必要だというふうに考えております。  次のステップとしまして、当然規制緩和が進展してまいります。ことしじゅうにいわゆる公-専-公の開放というものも行われます。そういった競争環境の変化に対応してまいる上で、私どもは、NTT長距離会社民営化されるわけでございますので、その民営化移行に先立ちまして、KDDもこれと同じような経営基盤に立った事業活動が可能となることが不可欠というふうに考えております。  以上でございます。
  89. 小池百合子

    ○小池委員 時間もなくなったようでございますので、終わらせていただきますが、今回の、最もベターという表現が非常に印象深いところでございます。  いずれにいたしましても、ここでとにかくスタンスを決めるということを優先なさるのであろうというふうには理解いたしますが、先ほど申し上げましたように、規制緩和が全く進んでいないということ、これを強く訴えたいと思います。  そしてまた、情報分野ではございますけれども、アメリカの場合は産学の協同が非常に進んでいて、今インターネットであるならば必ず最初に出てくるあのネットスケープなども、ジム・クラークという方が会社をつくって、この方はスタンフォード大学の教授なわけですね。そして、イリノイ大学の学生なども集めて開発をして、このネットスケープという会社を立ち上げて、今や世界じゅうで活用されているということでございます。話は、分野は違いますけれども、こういった産学協同といったような、全く新しい分野の方々をどんどんと引き入れてこの分野を活発にしていかなければ、本当に日本における情報通信産業の未来はないと言っても過言ではないと思っております。  その意味でも、御専門家もたくさんおられることは承知いたしておりますけれども郵政省からの各通信事業等へのいわゆる天下りというのも余りにも目に余るところがございますし、こういった人材という点で、会社の形態ではなく、その中で本当に実力を持って、そして自由に競争できる、そういう体制を総合的に考えるべきだと主張いたしまして、私の質問を終わらせていただきます。  ありがとうございました。
  90. 木村義雄

    木村委員長 午後一時から委員会を再開することとし、この際、休憩いたします。     午後零時九分休憩      ――――◇―――――     午後一時一分開議
  91. 木村義雄

    木村委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。  質疑を続行いたします。伊藤忠治君。
  92. 伊藤忠治

    ○伊藤(忠)委員 民主党の伊藤忠治でございます。  私どもの党としては、今日まで、山花委員それから北村委員、続きまして私がきょう質問させていただきますが、民主党としては、これで打ちどめにさせていただきたいと思っております。そういう立場と、しかも、ちょうど民営化のときにも、御縁がございましてこの委員会のこの席で一連の質疑に参加をさせていただきまして、そういう意味では、あれから十五年たちますが、感無量の思いでございます。  まず初めに、私が日ごろ感じておりますことを申し述べさせていただきたいと思います。今回のこの再編成法案でございますが、これに対する基本的な認識、あるいはどういう視点で眺めていくべきかという点についてでございます。  既に多くの同僚委員から御議論がございましたとおり、一九八二年でございますか、第二次臨調答申以降、十数年にわたりまして、NTT経営形態をめぐる議論が続けられました。その基本的視点は、加入電話が、申し込めばどこでもすぐつく状況をつくり上げる、そういうことではなかったのかな、こう思っているわけであります。つまり、ライフラインとして世界こ誇る全国ネットが形成をされたと思いますし、これをベースに、情報通信社会へ寄与していこう、また、だから寄与することができる、このように私は思っているわけであります。この基本的インフラが今日確立されているということが一連の論議のベースであることを、私は、実想認識として持ちたいと思っているわけであります。  このネットワークは、当該労使あるいは関係者の皆さんの長年にわたります不断の努力の結果であったと思います。日進月歩の技術革新に間断なく挑戦されてこられた、積極的にもろもろの課題に取り組んでこられたと思います。  その中身を申し上げるならば、言うまでもないことでございますが、この通信方式の技術革新が、日進月歩、大変なスピードで進んだことは御承知のとおりでございますし、昨日、参考人として出席なさいました佐々森委員長の発言の中にもございましたが、当該労働組合の組合員の配職転の数は二十万を超えるというわけですから、大変な配職転の規模だったと思いますし、スピードだったと思います。また、OJTの問題をとりましても、職員そのものの数が多いわけでございますが、そういう多くの皆さんに訓練をやらなければいけないし、また励まなければ、日ごろの日進月歩の技術革新、仕事に追いついていけないということでありますから、この規模も大変なことであったと聞いております。さらに、民営化後、十一万人を超える職員数が減っているわけです。  今申し上げましたわずか四点の問題指摘でございますが、それを見ましても、我が国の公企体はおろか大手民間でも例を見ない、そういう激しい急な技術革新と時代の流れの中で努力をされてきたのではないか、そういう一連の努力世界に冠たるネットワークが形成をされた、これこそ国民共有の財産であって、これを基盤にしてこそ国民生活に役立つ情報通信が開花するのである、私は、このような認識を強く持っているわけでございます。  極端な分離分割論もございました。あるいは、歴史や国情をオミットしたかのような市場万能主義論もありました。しかし、守らなければならないものは一体何なのか、改革しなければならないものは一体何なのか、実態を踏まえながら、直面している二十一世紀の本格化する高度情報化社会を展望しつつ、我が国の情報通信発展の可能性を生み出すために、苦渋の選択といいますか決着点となりました十二月六日の合意事項、これに基づいて今次の法案ができ上がったと私は理解をしているわけでございます。  これら関係者の御努力に敬意を表しますとともに、私どもは、本法案に基本的に賛成をする立場に立って、以下質問に入りたいと思うわけでございます。私が述べさせていただきましたこの基本認識について、大臣はどのようにお考えなのか、あるいは、NTT当局としてどのようにお考えなのか、順次お聞かせをいただきたいと思います。
  93. 堀之内久男

    堀之内国務大臣 私は、若いときから小さな事業をやっておりましたが、その当時大きく考えましたのは、やはり電話でございます。NTTの前身である日本電信電話公社時代、あるいは電気通信時代、そして今回のNTTの再編成、こうしたものを考えますときに、私は、このNTTの姿というものが、日本経済の歴史を物語るような、あるいは経済構造の変化を語るような気がいたす次第でございます。  NTTの場合は、民営化以前には、電電公社時代におきまして、戦後復興の中心として、さらに日本経済の発展の原動力として、通信を確保されたことは先ほど御指摘のとおりであります。そして、この復興の中で、電話ネットワークの整備を図り、加入電話の積滞解消ということを大きな目標にされてきたところでありましたが、これも、昭和五十三年になりまして、ようやく積滞解消も終わりました。  そして、民営化後は、特殊会社として、全国にあまねく電話の確保を大きな任務といたしまして我が国のインフラ整備を推進いたしますとともに、阪神・淡路大震災等の災害時における電話サービスの復旧や確保に取り組んでまいられた、こういうことを考えますときに、すなわち御指摘のライフラインの維持に努めてこられたところであると考えております。  さらに、NTTは、我が国の基幹的な通信事業者として、特に今年度末におけるデジタル化の全国完了等を目指すとともに、二〇一〇年に向けて計画的に光ファイバー網の全国整備について現在努力をいただいておるわけであります。そして、全国ネットワークの高度化の促進にも大きな役割を果たしてきておると考えておる次第でございます。  今後とも、NTTが、この急速な、変化の激しい、また発展の激しい情報通信時代に、新しい体制の中でその大きな、中心的な役割を果たしていただくことを期待をいたしておるわけでございまして、今後、郵政省といたしましても、マルチメディア時代に向けてさらにインフラの整備、そしてライフラインの維持に努めていくとともに、今後とも日本の産業構造のリーディング産業として大きな役割を、期待を申し上げておるところであります。
  94. 宮津純一郎

    宮津参考人 電気通信ネットワークというものを技術革新を背景にして整備してきた。それは、一番の基本的なきっかけは、電話の、申し込めばすぐつく電話であり、すぐかかる電話であったということでありまして、その後、さらに新しい時代に向けて、デジタル化とか、それから光化とか、こういうようなものを進めてまいった。そういうことが、国にとってもサービスにとっても基本的なインフラになってきておる、そういうものの積み上げであったというようなこと、今先生がおっしゃるとおりだと思います。  それで、現在の状況でいけば、民営化して以来この十何年の間、ずっとデジタル化というものを進めてまいりまして、これは九七年度末に完了しますけれども、その状況というのは、恐らくどの国を見ましても、これだけ国民の中に広くデジタル化が普及しまして、今やっているISDNとかそういうサービスができるようになっている国というのはないと思いますけれども、そこまで来ている。それから、光化につきましても、世界最先端の技術で、これは恐らくここ数年間世界をリードできると思いますが、普及自体も相当のスピードでやっておる、こういうような状況でございます。  そういう意味ではインフラストラクチャーを充実していると思いますので、最近、マルチメディアとか言っておりますが、新しい時代サービスに対して乗りおくれたんではないか、少しおくれたんではないかというようなことが言われておりまして、現にそういう感じもいたしますが、恐らく基本になってくるインフラストラクチャーというのは、そういうわけでかなり充実しておりますから、それで、基本的には余りもうどうしようもないという感じは持っていないというふうにも思うのですけれども、それはそこのところにあるのではないかというふうに思っております。  内容も、信頼性を非常に向上するとか、サービスの質もいいとかというようなことも一緒にずっと進めてきておりますから、あと、これから新しい時代に向けたサービス面での、それからソフトウエア面での充実というものが行われれば、ますます日本は、もう超一流というようなことにこの世界ではなっていくんではないかというふうに思っております。ちょっと技術のことばかり申し上げましたが。
  95. 伊藤忠治

    ○伊藤(忠)委員 大臣社長、ありがとうございました。お聞きをしまして、私の認識もそう間違っていないなと意を強くしたわけでございます。  次に移らせていただきますが、そういう誇れるインフラを形成してきているわけですが、現実にはNTTKDDに、特殊会社でありますから規制がかかっているのですが、それ以外の事業者長距離であろうと地域であろうと相互参入が自由でございます。このあたりがこれまでは整理ができていなかったのでしょうか、昨年の一月二十三日に明確化されましたですね。  それで、同じく昨年の十月三十日ですか、公-専-公もこれは完全に自由化されました。つまり、専用線の範囲が一般のケースにまで広がったということを意味するのだろうと思うのです。そして、加えて回線は開放されている。接続は、そのルールが今回のこの法案成立によって制度化されますから、ルールが確立をされる。  一方、NTT長距離地域の分離によって、市場は多様なサービス、これが提供できるようになりますし、市場競争は大いに期待ができる、こういうことだろうと思うのです。  それで、NTT長距離地域には参入オーケーでございます。地域NTTは当分の間、長距離に参入するということは、これは禁止をされております。保留という表現がいいのか、禁止という表現がいいのか、一定の状況を待たなければいかぬということだと思うのです。  ということになりますと、NTT地域会社は回線貸し業の傾向が非常に強まらざるを得ない、このように私は予測をするのですが、そのような見方はどうなのかという点について、郵政省のコメントがございましたら、ちょっと聞かせていただきたいと思います。
  96. 谷公士

    ○谷(公)政府委員 地域につきましては、御案内のように独占的な状況にあるということでここだけをその業務範囲について限定した会社と今しておるわけでございますけれども地域競争が生じてまいりますれば、その段階で他の業務への進出も可能となるというのは基本的な流れでございます。  この地域の機能でございますけれども、基本的には一種事業同士でございますので、いわば接続という形になるわけでございます。ただ、利用者に対するサービスの提供のあり方といたしましては、接続事業者のどちらかが一括して契約等を行うワンストップのサービスを提供いたしますから、そういう見方かち見ますと、あたかも回線をリースしているようにも見えるということでございます。ただ、事業者としての責任の範囲ということで申しますと、地域ネットワークにおける責任は地域事業者が持っておるということでございます。
  97. 伊藤忠治

    ○伊藤(忠)委員 そういうことなんでしょうね。もちろん基本的なサービスはやっているわけですから、また、回線開放で接続を、一方の当事者として責務を負わなければいかぬという仕事が非常に中心になっていくんでしょうなという点では今お話しのことだろうと思うのです。  次に質問なんですが、東西地域会社の相互参入は、これはいいんですよ、こうなっておるわけです。実際には私は難しいと思っているのです。やっても限界があると思うのです。その点を、いやいやそうじやありませんよ、こういうケースがありますよ、このように事業展開ができますよというようなことがございましたら具体的に教えていただきたい、こう思うのですが、どうでしょう。
  98. 谷公士

    ○谷(公)政府委員 おっしゃるとおり、困難性が二つあると思います。  一つは、現在でも法制的には参入自由でございますけれども、なかなかこの分野は長期間にわたって資金を要し、設備投資を要するわけでございまして、実際にほとんど参入は実現しておりませんしかし、これにつきましては、現に地域通信事業を行っておるノウハウにつきましても、事業経営の基盤につきましても、お持ちの地域会社であれば、その可能性ほ高いのではないかと我々は思うわけでございます。  それから、もう一つ問題点といたしましては、先生指摘の御趣旨はここだろうと思うのでございますけれども、間接競争まできたとしても、資本的に独立しているわけではありませんから、関係者として互いの分野への参入は難しいのではないかという御趣旨かと思います。これにつきましては、確かに資本的に完全に独立している場合に比べまして難しいという面があるということは否めないと思っております。  ただ、その中でも、例えばでございますけれども、東NTTよりも採算的に悪いと言われております西NTTの立場からいたしますと、高収益市場であります関東地域というのは魅力的な市場であるというふうに思うわけでございますし、また参入の方法といたしましては、特定のエリアに限って有線あるいは無線でみずからネットワークを設置して行うという方法もありますし、また先ほどの例ではございませんけれども、回線を借りて、いわゆる二種的な形でマルチメディア対応の高度サービスを行うというふうな形も考えられるわけでございます。いずれも、技術革新の発展に応じて今後可能性があると思っております。ただ、具体的にどのような道を選ばれますかは、これは事業者の判断によるわけでございます。
  99. 伊藤忠治

    ○伊藤(忠)委員 おっしゃるように、確かに容易ではないと思いますし、ただ、そういう厳しい状況下であればあるほど、これから相互参入の工夫と努力地域会社でやられていくと思うのですが、大変な御努力あるいは御苦労があるのだろうな、私はこのように思えでしょうがございません。  次なんですが、きのうもNCCの業界の会長さんでしたか、参考人でお見えいただきまして、お話を聞かせていただいて、こんな感じを強くしたわけですが、今後、市場競争の過程を通じて業界再編が垂直合併の傾向を強めると私は思うのですが、こういう理解はどうでございましょうか。端的過ぎますか。
  100. 谷公士

    ○谷(公)政府委員 一つには、十二年前でございますけれどもNTTがすべての業務を一〇〇%実施いたしておりましたところに、ゼロから新規事業者が参入いたしました。そのときには、それぞれ可能性のある手近な分野から参入されたわけでございますけれども、そういった展開が一応の達成を見た段階で次の経営ということがございます。  それから、そういった時期に、サービスあり方といたしまして、全体的なサービスエンドエンドで提供するという流れが世界的な流れにもなってきておるわけでございまして、そういう意味で、従来の業務の区分を超えて通信事業者があらゆる分野に伸びていこうというのは、一つの基本的な流れになるだろうと思います。その際に、みずから事業を展開いたしますこと、あるいは既存の事業者同士が合併し、あるいはアライアンスを組むということが考えられるわけでございます。  ただ、現実にどのような形で、こういったことが実現するかしないかということは一次的には事業者の選択によるわけでございまして、私どもとしては、そういうことは予想されますけれども、どのようになるかということは申し上げられません。
  101. 伊藤忠治

    ○伊藤(忠)委員 断定的なことはだれも言えないと思うのですが、やはりそうなると思いますね。縦にグループができていって競争をし合うということでなければこれからの時代は乗り切れない、こんなふうに私は思っております。  次に移ります。  国際一種の規制緩和についてお伺いをいたしますが、平成八年の二月二十二日にITJとIDCに一種、二種の混合型の認可をされたと思うのですが、これは百対地を条件にしているわけです。KDD特殊会社でございますから、ユニバーサルサービスの立場から、たしか聞くところによりますと対地数が二百三十三ということだったと思うのですが、多少の違いはともかくとして、そのようにユニバーサルサービスで責務を課せられているわけですね。  これから海外に出ていって対等に市場競争をやっていこうという場合に、NCCに対する百対地の義務づけですね。これはどうしても義務づけなければいけないのかどうか、この点が非常に私は問題建と思っているのです。国際の一種事業者というのは今三社ございますが、既にこれは市場競争をやりているわけですね。そうすると、KDDだけそういう状況、歴史というものがもちろんあったわけでしょうが、そこに縛られていて、それからITJなどのNCC二社が参入する場合には、今言いましたように百対地で縛るということなんですが、私は、それが必ずしも全部不要だとは思いませんが、かなりこれは厳しいのじゃないかと思うのですよ。  一つ質問なんですが、百対地、対地の設置の基準というのですか条件というのですか、これは一国一対地というのか、ちょっと私は不案内なものですから聞くのですが、そうではなくて、一国には十対地あるところもあれば、ある国は一対地というふうな場合だってある、トータル百対地を言っておるのか。そのあたりが素人質問で聞かせていただくのですが、まず解答いただきたいことと、百対地を義務で課すというのは、これは相当な資本力がなければできないことですし、かなり国際進出する場合には厳しい条件じゃないのかな。  だから、この条件は、これから国際市場に打って出るということを考えますと、対地数を緩和をしまして、緩和したその範囲内でもNCCの体力に応じてさらに幅を持たせるという考え方で規制を緩和するということが必要なのではないのか、このように考えるわけですが、どうでしょうか。
  102. 谷公士

    ○谷(公)政府委員 まず、対地というものの数え方でございますけれども、これは基準があるわけではございませんが、確かに、例えば当該国の状況等によりまして、アメリカでございますと、非常に広大でまた飛び地があるわけでございまして、アメリカ本土と、アラスカもあればハワイもあるわけでございまして、そういう意味で、利用実態に応じて、これを一つと数えずに対地を分けて数えるという考え方があろうと思います。  それから、この百対地の考え方でございますけれども、これは国際通信サービスを提供いたします一種事業者に対しまして、相手国との回線を設定いたします際に百対地までは直通回線を設定してほしいということを指導しているわけでございますが、この趣旨でございますけれども、我が国の国際通信を安定的に確保するという観点からは、他の第三国の事業者に回線設定を依存することなく、できるだけ我が国の事業者がみずから直通回線を設定することが望ましいということでございます。  それからもう一つは、この安定的な直通回線による対地拡大の中で、我が国の事業者間の設備ベースの競争ということが可能となるわけでございまして、サービスの高度化、料金低廉化実現できるのではないかということでございます。そして、こういった百対地の原則ということは別といたしまして、実態として国際的こもどうであるかということを考えますと、世界の先進国の主要な事業者、ATTでございますとか、イギリスのブリティッシュ・テレコム、フランス・テレコム、ドイツ・テレコム、こういったところにおきます対地の確保状況と直通対地の確保率といいますものは、ほぼKDDの現在確保しておりますものに見合っておるわけでございまして、そういう意味で、このことはそれなりの社会的な合理性があるのではないかと思っております。  ただ、そういう意味で、当面この原則は理由があると思うわけでございますけれども、今後、国際通信事業の動向等に応じまして、必要に応じ適宜見直しを行っていく必要があるだろうというふうに考えております。
  103. 伊藤忠治

    ○伊藤(忠)委員 御答弁のように、ぜひともそういう柔軟に世界情勢も見ながら対応いただきますように、しかもこれは将来の話じゃございませんので、積極的に、お願いを申し上げたいと思うのです。  次に移ります。  接続ルールの加重規制なんですが、指定事業者というのまNTTのみが対象こなっておりまして、この法案にございますが、シェア五〇%規制というのは、これは全エリアトータルで言われるのか、それとも単位エリアを、これは都市部ではクリームスキミングが進みますので、単位エリアでシェア五〇%を割った場合、どう判断をされるのか。この点についてお伺いいたします。
  104. 谷公士

    ○谷(公)政府委員 指定電気通信設備のとらえ方の単位でございますけれども、約八割の電話が同一の都道府県内に終始するという利用状況でございますことなどに対応いたしまして、地域通信ネットワークはおおむね都道府県を構成単位として形成されておるわけでございます。接続も都道府県単位で行われることが一般的になっておるわけでございます。したがいまして、指定電気通信設備につきましては、都道府県単位ごとに指定をすることが適当であるというふうに考えております。
  105. 伊藤忠治

    ○伊藤(忠)委員 そうしますと、特定の都道府県、ある単位内でシェア五〇%を割れば、そこは指定業者の規制から外れる、こういう意味ですか。
  106. 谷公士

    ○谷(公)政府委員 そのとおりでございます。
  107. 伊藤忠治

    ○伊藤(忠)委員 次に質問いたしますが、こういうことについても含めてだと思いますが、三年を目途に見直すということの答弁をいただいているわけですが、その際に移動体等も対象にしないと、どういうんでしょうか、未来永劫この地域はだめだということだってあると思うんですね。情報化というのはやはり、移動体だとかそういうものを含めてマルチの時代は広がっていくんですが、そういう移動体等も要素に入れて見直されるのかどうなのか。というよりもむしろ、そういうものを要素に入れて見直していただきたいということを強く要望したいと思うんですが、どうですか。
  108. 谷公士

    ○谷(公)政府委員 地域競争導入は、いろいろな形で実現すればよろしいわけでございますけれども、できますれば、やはり有線の加入網について競争実現してほしいと思っておりますので、私どもとしましては、未来永劫ということではないのでございますが、ただ、それは別といたしまして、現在提供されております通話の状況を見ますと、移動体通信事業者の設備によって提供をされております通話の全通話に占める割合でございますが、平成七年度において約一割未満でございまして、しかもそのうちの九割近くが固定通信事業者との間の、固定、移動間の通信ということでございます。  したがいまして、そういう状況と、さらにまた、移動体通信事業者ネットワークの相当部分は固定通信事業者から伝送路を借りて構築されているという事情もございまして、こういったことを考えますと、移動体通信事業者の通信サービスの利用、あるいは事業展開に及ぼす影響といいますものは、固定の電気通信設備に比べてまだやはり小さいと言わざるを得ないというふうに考えております。  したがいまして、現時点におきましては、指定電気通信設備の要件につきましては、固定の加入者回線数により決定することが適当であるというふうに考えておるわけでございますけれども、接続ルールを三年後に見直すことになっておりますが、その際には、今後の移動体通信の展開を踏まえまして、指定電気通信設備の要件につきましても、移動体を含めて検討してまいるということになろうかと考えております。
  109. 伊藤忠治

    ○伊藤(忠)委員 これに関連をしまして、ユニバーサルサービスについて質問をさせていただきます。  ユニバーサルサービスについての具体的な内容については、これは局長答弁ですが、確たる定義はない、このように答えられているわけですね。今日までの経緯と状況からすれば、基本的な電話サービス、それから電報サービスが入ると思うんですね。今後を見通した場合には、全体に光ファイバーが敷設される、マルチメディア時代を迎える。そういう時代になると、ユニバーサルサービスの概念というか、とらえ方も当然違った形になるんではないかと私は思うんです。  したがいまして、そのように状況が大きく変化をするわけですから、郵政省は、この第三条の責務といいましても、行政はどのような政策的見地に立つのか、このことが必要であろうと思うんです。  いずれにしましても、この情報通信形成のユニバーサルサービスというのは核になる問題でありますから、そのよりに考え方の基本的認識を合わせたいと思うんですが、どうでしょう。
  110. 谷公士

    ○谷(公)政府委員 現在の段階におきましては、やはりこれは電話サービスかと思うわけでございまして、これは、今回の法案の中でも、あまねく電話の確保を特殊会社の重要な責務の一つとして義務づけておるわけでございます。  しかし、今後光ファイバー網の構築等によりまして、御指摘のように、高速、広帯域のネットワークサービスでございますとか、それを活用したさまざまなアプリケーション、例えば遠隔医療、遠隔教育等、高度なサービスが利用可能となってくると見込まれるわけでございます。  そういたしますと、将来的にはこのようなサービス国民生活とか国家経済に浸透しました社会というものを見ますと、こういうサービス国民のすべてに必要なサービスになってくるということが考えられるわけでございまして、そういう段階におきましては、今の電話をユニバーサルサービスとするという考え方も、もちろんおのずと変わってくることになると考えるわけでございまして、そういう意味で、今後、技術革新の進展でありますとかサービスの普及度合い等を踏まえまして、段階的にこのユニバーサルサービスの範囲の拡大について検討していく必要があるのではないかというふうに思っております。
  111. 伊藤忠治

    ○伊藤(忠)委員 次に、接続ルールに関する第三者機関の問題について伺います。  郵政省局長の方からこういう答弁がございました。電通審を強化をするということで対応したい、もちろん情報公開が前提でございますが、こう答弁なさったわけですが、御承知のとおり、電通審議会は、第三者機関の設置ということで答申をしているわけですね。したがって、郵政省としては、将来的に、監視、裁定機能の機関のあり方を見直す必要性についてどう考えるのかというのが一点。  ちょっとこれは付言になりますが、そのことはわかっているんだけれども、これはかなり議論が集中したんですが、何度も答弁されて、この電通審議会というところの域を出ていないものですから、私はこれで再質問しているわけですが、今言ったように監視、裁定機能の機関のあり方を今電通審議会というふうに答えてきたけれども、将来にわたってそれを見直す必要について全く念頭にないのか、あるのか。今日は行革論議のさなかにございまして、さまざまな政治的な判断でこれ以上は踏み込めないということなのか。その点についてひとつ、お考えを聞かせていただきたいと思います。
  112. 谷公士

    ○谷(公)政府委員 ちょっと今手元に持っておりませんのですけれども電気通信審議会の答申は、第三者機関を言っておられなかったというふうに私は思っております。  ただ、そういった具体的なことではなくて、このルールの策定と同時に、監視、裁定といった行政に対する公平性、中立性確保の要請にこたえるために、手続の明確化あるいはその透明性の確保に努めることが必要だという御指摘をされておったのではないかというふうに思っております。  それで、いわゆる第三者機関という議論が当時あったことは事実でございますけれども、このことも、今申し上げましたように、求めておるところは、接続に関する行政における公平性、中立性、透明性の確保という問題であろうと思うわけでございまして、そういう課題にこたえるための仕組みといたしましては、さっき先生からも御指摘いただきましたような、この電気通信審議会の機能の充実というふうなことの中で今回私どもとして対応いたしておりますので、現在、この仕組みが最も適当であるというふうに考えております。
  113. 伊藤忠治

    ○伊藤(忠)委員 それは、答弁を何度かいただいていましてわかっているんですが、電通審議会で十分これは間に合うんですよということについて、どうも私はすとんと落ちないんですよ。ですから、当面はそれで行くにしても、未来永劫そのことじゃなくて、今日の政治状況の判断をしますとそのあたりで答弁なのかな、政治的な配慮があるのかなと僕は受け取ったのですが、全くそれが正しい、これが唯一無二のものだというふうにお考えなのか、そのあたりをちょっと聞かせてほしいということなのです。もちろん将来的に検討されて、結論はある段階で出されるのでしょうけれども、その点をちょっと聞きたかった。絶対にこれが正しいというふうに言われているのかどうか、ここをちょっと聞きたかった。
  114. 谷公士

    ○谷(公)政府委員 行政機関のあり方を決めるのは私どもではございませんので、みずからのことを申し上げるようなことはできないわけでございますが、ただ、先ほどの電気通信審議会の答申におきましても、ルールの策定、監視、裁定は同一の行政機関において行うことが望ましいということを言っておられましたし、また、欧米においての取り扱いもそのようでございます。その取り扱う機関として私ども、今、電通審議会のお助けをおかりするという形をとっておるわけでございますけれども、そういう行政機関の基本的あり方の問題は私どもとして御答弁申し上げる立場ではないと思うわけでございますが、同一の行政機関で取り扱うことが望ましいということでございます。
  115. 伊藤忠治

    ○伊藤(忠)委員 これ以上やめます。今日の状況状況だけに、時間の関係がございまして次に移りますが、CATVは、NCC、一種事業者に申請をすればなれると思うのですが、どうでしょう。
  116. 谷公士

    ○谷(公)政府委員 おっしゃるとおりでございまして、一種事業の許可をとれば、CATVに限りませんけれども電話を含めさまざまな通信サービスを提供することは可能でございまして、現に八七年の十月以降、CATV事業者で一種事業を兼業しておられる事業者は二十一社ございまして、そのうち現在十社が、既に専用サービスあるいはインターネットの接続サービスを提供しておられます。また、本年七月からは二社が電話事業を開始される予定と承知しております。
  117. 伊藤忠治

    ○伊藤(忠)委員 ということになりますと、CATV事業者は二枚鑑札でやることになりますが、それは実態として放送と通信の融合が進んでいくことになるわけですが、どんどんこれから足回り回線ネットとして、あるいはほかの多様な展開がそこから図られていくと思うのです。これはまさに放送と通信の融合を物語ることだと思うのですが、これは融合と見るのでしょうか。融合と見るならば、関係法令の見直しというのは当然そこから出てくるべきだと思うのですが、どうでしょう。
  118. 谷公士

    ○谷(公)政府委員 現在、CATVが電気通信事業を行いますことは、その二つの許可をとればよろしいということでございます。こういった状況がいろいろな面で進んでまいりますと、それを総合的に見る必要があるかどうかという議論も出てまいるかと思います。そういった問題は、今後、技術の進歩あるいは実態の進展に応じて考えていくべきことだと思いますけれども、現在、具体的にこの問題についてどうするということを持っているわけではございません。
  119. 伊藤忠治

    ○伊藤(忠)委員 法制上、矛盾が起こらなければそれはやっていけるのでしょうけれども、かなり実態としては先行していますよね。ですから、そういう状況を踏まえての検討がなされるのだろうと思いますが、わかりました。次に進みます。  アクセスチャージですが、これは約款で決めることになっておりますが、アクセスチャージの中には研究費やユニバーサルサービスの費用も織り込まれることに当然なると思うのですが、どうでしょう。
  120. 谷公士

    ○谷(公)政府委員 接続料の算定の対象となります費用につきましては、接続される電気通信設備の管理運営に必要なものかどうかという観点から判断されるべきものと考えております。  お尋ねの、研究開発費でございますとかユニバーサルサービス維持のための費用といったものがあるわけでございますが、これらにつきましては、いろいろな性格のものが含まれておるだろうと思うわけでございまして、今後接続ルールの詳細を決定いたします際に、その具体的な費用のカテゴリーに即しまして、ただいま申し上げましたように、接続される電気通信設備の管理運営に必要なものかどうかという観点でこれを判断してまいることになろうかと思います。
  121. 伊藤忠治

    ○伊藤(忠)委員 今私が申し上げました研究費やユニバーサルサービスのことももちろん対象になって、具体的にはそのようにされるということですから、そう理解をさせていただきます。  次に移ります。  料金サービス規制緩和についてですが、認可料金なのか届け出なのかあるいは非規制なのかという判断基準は、その料金サービス国民生活や経済に与える影響度によって決めるべきものである、私はそう思うのです。一種事業者料金サービスは認可だとか、二種は届け出だとかという区分がもちろんこれ現在の制度ではあるわけですが、基本的にはそれだと思うんですね、そういう方針で対応されているんだと思うのですが、イエスかノーか、この点をまずお伺いしたいと思います。
  122. 谷公士

    ○谷(公)政府委員 基本的にそのとおりでございまして、国民への影響の度合い、それから、その料金が合理的な形で国民に提供されるかどうかという、そういう実態ということでございます。
  123. 伊藤忠治

    ○伊藤(忠)委員 具体的にこの中身に若干触れさせていただきますが、一連のこの規制緩和推進の中で、用途限定あるいはユーザーへの影響が低下したものは、かなり認可から届け出に緩和されたと思うんです、そういうことですね。これもかなりの範囲にわたっているわけですよ、最近のことだと思うんですが。しかし、既に非規制になっているものと比較しても、なぜ届け出が必要なのかという項目もありますし、なぜ認可が必要なのかなという料金サービスがあるわけです。  具体的に申し上げます。OCNも定額利用料や、それからオフトークの基本料や施設設置費なんというのは、これは認可料金に該当するのかといえば、国民生活に余り関係ないと私は思うのです。私、素人の判断でそこまで決めつけるのは失礼かわかりませんが、そう思うのです。例えば、国民生活に大きな影響を与えるというのだったら、電話の基本料やダイヤル通話料やいろいろありますよね、専用料でももちろんございますが。このOCNやオフトークに至っては、なぜこれが認可の料金の対象にいまだにくくられているのかということは脇に落ちません。  これは一つの例でございます。したがって、認可、届け出の中身を吟味をいただいて、さらに規制緩和を推進してほしいと思うのです。抽象的に言っても始まりませんので、私、具体的に今申し上げたのですが、そういう考え方で、物差しでもって今の認可料金を当たっていただければ、ああ、これは外せるな、それから認可から届け出に変わったものでも、これだったら非規制にいけるんじゃないかというのはあると思いますから、そのように規制緩和を積極的に推進をしてほしい、こう思いますが、どうでしょう。
  124. 谷公士

    ○谷(公)政府委員 御指摘のように、国民利用者利益に及ぼす影響の度合いということを勘案しているわけでございますが、これも国民生活各般にわたりますので、あまねく電話だけが国民生活に影響というわけにもまいりません。その内容に応じて私ども考えているわけでございます。  例えばOCNにつきましては、これはやはり今後のマルチメディアサービス一つのはしりになるようなサービスではないかと考えておるわけでございまして、スタート時点は確かにゼロからスタートするわけでございますけれども、その社会的影響というのは私ども非常に大きくなるのではないかというふうに思っております。  詳細に、具体的な料金についてはただいまここでお答えできる用意がないのでございますけれども、それはそれといたしまして、基本的に先ほど申し上げましたような観点利用者利益に及ぼす影響と、それからどのような実態、バランスの中でそれが提供される仕組みになっておるかということを含めまして、必要最小限な規制のあり方ということを常に心がけてまいりたいと思っております。
  125. 伊藤忠治

    ○伊藤(忠)委員 インセンティブ規制がこれも議論をされてきているわけでして、閣議決定もなされているような状況でございます。近い将来、そういう料金制度が検討されて、実行されていくことになりましょう。そのときのことなんですが、このインセンティブ規制についてですが、これは基本料金の部分ですか、それだけに限るのですか。言うなれば付加料金のようなものもありますよね。これはもう全体の料金あり方を、例えばプライスキャップだとかヤードスティックだといいますが、そういうインセンティブ規制の範囲に入れるのでしょうか。考え方についてお伺いいたします。
  126. 谷公士

    ○谷(公)政府委員 これは、現在の認可制を緩和していくという手法でございますので、そういう意味で、認可料金としておりますものに対してインセンティブ規制をというふうに考えております。
  127. 伊藤忠治

    ○伊藤(忠)委員 わかりました。次に行きます。  役員に対する大臣認可の問題であります。大臣認可は株主総会決定の前なのか後なのか、もし前だとするならば株主総会の決定は大臣の認可権に従属することになりますが、お聞かせください。
  128. 谷公士

    ○谷(公)政府委員 もちろん株主総会で選任されました者に対して認可をするわけでございます。事後でございます。
  129. 伊藤忠治

    ○伊藤(忠)委員 事後なんですね。  それで、私はこれは二重規制だと思うのですが、総会には筆頭株主として大蔵省から株主総会に出られていると思うのですね。株主総会でさまざまなことが決まりますが、筆頭株主の責任は重いと思うのですよね。非常に重い位置でもって決定に参加をされているわけですね。そこで決まった総会の決定に対してさらに大臣が認可権でもってかぶるというのは、これはもう自己矛盾じゃないのか。大蔵省だって郵政大臣だって同じ政府を代表されているわけですから、何で二重規制をやるのか。その場合に一般の株主の権利義務というのはどこまで生かされるのだろうか。株は放出されていまして、一般の皆さん持っているわけですよ。株主の権利としては真っ当にこれが保障されなければいかぬわけですが、特殊会社だからということで、つまりこのように規制、制限がされるというのは非常に疑問に思います。問題だと思うのです。よく株主訴訟が起こらぬなと私は思うのですけれども、その点についてどうお考えですか。
  130. 谷公士

    ○谷(公)政府委員 確かに国は法律で申しましても三分の一の株主、現実には三分の二を保有しておるわけでございますけれども、この政府の株主権と申しますのは、他の株主の判断を尊重して抑制的に行使されることが望ましいわけでございまして、基本的にNTT特殊会社経営に積極的に関与するという立場の株主権ではないと考えております。ただ、会社の重要性にかんがみまして、会社の目的に沿わないような形での総会決定、決議が行われますような場合に備えまして、拒否権を発動し得るという意味で三分の一の株を確保しておるわけでございます。  それからこの認可でございますけれども、これは、この会社の高い公共性にかんがみまして、万一にも不適任者が選任されますようなことがないようにという安全確保のための担保措置でございまして、そういう意味株主権を行使して積極的に経営参加するというものとはまた違うわけでございますし、その機能も株主としての立場というものではないわけでございます。
  131. 伊藤忠治

    ○伊藤(忠)委員 意見が分かれますね。特殊会社もさまざまございますが、後発組の関西国際空港だとかJRはこの役員認可の対象が代表取締役だけになっているのですね。これは後発の二つの特殊会社なんですよ。そうすると今回も、法案が通ればさらに最新ということになるのですが、代取だけの範囲に絞ることができないのですか。
  132. 谷公士

    ○谷(公)政府委員 御指摘のように、特殊会社におきましては、すべての役員にという認可の仕組みと、代表取締役に対するものという二つのタイプがあるわけでございますが、このNTT持ち株会社について考えますと、これは現在のNTTを基本的に引き継ぐ立場の会社でございますが、同時に、今回の持ち株会社の機能ということを考えますと、代表取締役がこの被持ち株会社に対するさまざまな決定を行うということではございませんで、持ち株会社の取締役会全体の合意がこういった方針を決めていくことになるだろうと思うわけでございます。そういう意味では、それぞれの取締役の方々に適任者を選任することが重要であるというふうに考えるわけでございます。
  133. 伊藤忠治

    ○伊藤(忠)委員 時間がございませんから、さらにというわけにいかないわけですが、しかしやはり、新たな時代に対するフロントランナーの役割を郵政省は果たされるわけですから、こういう点でも横並びではなくて一歩も二歩も前に出るという姿勢が私は必要だと思うのですね。議論しても答えは出ませんからやめますが。  ただ、このことと関連をしまして一言だけ言わなければいかぬのは、天下り問題なんですね。私も資料を持っておりますけれども、中身は時間がありませんから省略をいたしますが、電波の許認可がございまして、一つの移動体通信の会社ができれば、そこの社長さんが天下りでぼんぼん座られていく。随分ありますね、トータルで三十三人ですか。社長さんになられているのが六人ですか。年齢も若いですよ。これはもう数年からそれ以上たっていますから、つまり早くやめられて天下られるわけですけれども。だから総務庁の方は、定年制を延ばせば天下りがなくなるのではないか、六十三歳にしてはどうか、こういう話もありましたので、私言ったのです。六十五まで勤められるようにしたらどうか、そうしたらもっと働きがいが出るでしようと。しかし、そういう問題ではなかなかこれは解決しませんね。それは一面の方策かもわかりませんが、なかなかそれだけでは解決をしない。少なくともそれはやはり霞が関のお役人さん全体が考えていただいて、世論の批判を受けるようなことのないようにしないと、何か会社がそういう権限、認可権でもってつくられたら必ず役員さんになられるということでは、これはやはり世の批判を受けると思うのですよ。ですから、同僚議員からも再三にわたって指摘がされておりますが、このことについては自粛をいただくというか、一定の考え方を整理をしていただかないといかぬのではなかろうかな、私はこんなふうに思います。大臣、どうでございましょう。
  134. 堀之内久男

    堀之内国務大臣 天下りについてのお尋ねでありますが、私は天下りが一概に悪いというようには理解をいたしておりません。現在の役所のルール、実態から見ましても、五十歳あるいは五十二、三歳の若い有能な方々が退職をされるわけでありますから、恐らく民間企業でもその人の能力あるいは手腕、そうしたものを評価されれば自分の会社に迎え入れるということはあって当然だ、こういうふうに思っております。  その職場の権力あるいは権利を活用して天下りを進めていくということは、私はいささか問題があるとは存じますが、そういう技術、人材、人格を請われて行かれる人も多いわけでありますので、この点は今後も人事院規則に十分のっとって、優秀な人間は大いにまた活用をしていただくことを望みたいと思っております。
  135. 伊藤忠治

    ○伊藤(忠)委員 大臣は、かみしもの答弁じゃなくて裸の答弁をされるので非常にいいわけですが、慎重でなければいかぬと思うのですよね。それは許認可権が絡むと言われましたね。それに絡んだら、どうしたってこれは批判が出ますしね。言い合わせたように、かなり社長さんになられるとか、いいところに座られますよね。その方が社長さんに来られなくたってプロパーがなっていく道だってあるわけですから。大事なんというのはそうだと思うのですよ。大臣答弁のように、請われて行くのだったら当然そうだと思いますよ。別に何も悪いことをしているわけじゃなし、人材を評価されて行くわけですから、それはいいことだと思うのですよ。その方がお見えになって会社が発展をするのだったらいいのですが、そうではなくて、申し合わせたよりこ、ずっと一定の物差しではかれるようなパターンで役につかれているではないですか。だからそういう批判が起こるわけです。その辺は、批判が起こらないように慎重に、行くのだったら請われて行くというふうなことにならないといかぬと思うので、紋切り型の答弁では、ちょっとこれはいかぬのではないですか、どうですか。
  136. 堀之内久男

    堀之内国務大臣 もちろん、先生指摘のとおり、慎重でなければなりませんが、やはり、五十代そこそこで退職していくという公務員の今日の実態、この辺はお互いが理解もしなければなりませんが、今後、やはり再就職ということは、これはもうこういう中堅の若い働き盛りの職員でありますので、先ほども申し上げましたように、その人の人格あるいは技術を評価されるものならば、私は、再就職として行くことが大事だと思います。  私が大臣になってお聞きいたしますと、第二電電の社長なんかは、非常に若くて、そして抜擢人事であの人は第二電電の社長に就任されたのだそうでありますが、これまたOBであることは間違いありませんけれども、そのような優秀な職員が出てくることを私どもも期待し、また、そうした外部の皆さんから十分評価されることがうれしいわけであります。  ただ、先生指摘の許認可権あるいはそういう問題で、いろいろ世間で言われる批判というか、そういうことの起こらないように十分注意してまいりたいと思っております。
  137. 伊藤忠治

    ○伊藤(忠)委員 続いて質問と思っていたのですが、時間が参りました。  いずれにしましても、この三法案は非常に大切な法案だと思っております。今国会早期成立を期して私ども努力をしたいと思いますので、郵政省、あるいは、NTTKDDにおかれても、その立場で御努力をいただきますように心からお願いを申し上げまして、質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。
  138. 木村義雄

    木村委員長 矢島恒夫君。
  139. 矢島恒夫

    ○矢島委員 私、前回の委員会で、NTT国際進出の問題についてお尋ねいたしました。その中身というのは、経費がたくさんかかるけれども、どれくらいかかるだろうかというようなことだとか、どこからそういう経費が生み出されるか、また、だれの負担になるのか、こういうようなことをお聞きしたわけであります。その際、大臣が、企業が海外進出をするのには、国内の事業でつくった内部保留を活用するのは当然であるというような趣旨の御答弁があったかと思います。  そこで、NTTにお伺いしたいのですが、実際に内部留保はどれくらいあるのか、また、そのうちどれくらいならこの国際進出に使えると考えておられるのか、お答えいただければと思います。
  140. 木塚修一

    ○木塚参考人 お答え申し上げます。  NTTの平成八年度中間期末時点での内部留保は、利益準備金が八百七十五億円、任意積立金が八千六百三十一億円、トータル九千五百七億円というふうになっております。  なお、一部に、退職給与引当金あるいは資本準備金も内部留保ではないのかという御意見がございますが、これにつきましては、該当しないというふうに判断をしております。  それから、国際進出に伴いまして、所要の資金が必要になるわけであります。これらについては、現在のところ、外国キャリア事業で四百億円ちょっと支出をしておりますが、それは今までの累計でございます。今後の国際通信進出に伴います資金の規模につきましては、まだ法案も通っておらないものでございますから、私どもとしては、これから慎重に、経営の健全性も留保しながら決定させていただきたいというふうに考えております。以上です。
  141. 矢島恒夫

    ○矢島委員 確かに、今答弁にありましたように、企業会計の中でどこまでを内部留保にするか。例えば、退職給与引当金、貸倒引当金、あるいはまたそのほかの準備金など、いろいろあります。私たち、もちろん、すべてが内部留保だというように言っているわけではありません。そこは、規模と種類、そういうようなことでの議論の分かれるところだろうと思います。  そして、今までの、四百億円ぐらい既に支出した部分、今後の問題は、これから法案が通ってからいろいろと内部で検討するのだろうと思うのですけれどもNTTは、例えば、そこに働いている人たちの賃上げのための内部留保の一部取りましたとか、あるいは、番号案内の値上げのときだとか基本料金値上げ、こういうようなときに、この内部留保の一部を取りまして、利用者サービスといいますか、利用者に還元するといいますか、そういう方向に使えないかという労働組合の要求に対しては、たしか、取りませる内部留保は一円もないのだという回答になっていると思います。今後の問題ということで、どれくらいその中から取りますのかは別として、取ります方向というのはこれまでの経過から言えるのだろうと思うのです。国際進出のために今取りませる内部留保というものが、実際に、内部留保というのはそういうためには一円も使えないよという今までのNTT考え方と、どういうふうな整合性があるのか。  つまり、国際進出のためならば内部留保を取りませるのだ、こういうお考えだろうと思うのです。それがどれくらいになるかという問題については今後ということですが、既に四百億円あります。そうしますと、NTT考えている内部留保、約九千億円ということになりますと、あと五千億円ぐらいは取りませるのだな、こんなふうに簡単に数字の上では出てくるわけですが、その辺についての明確なお答えは、きょうの段階ではいただけませんか。
  142. 木塚修一

    ○木塚参考人 せっかくのお話なのでございますが、私ども、いわゆる社内留保、内部留保金というのは、いわゆる資本金の防衛とか、これは株主の保護でございますが、それから安定配当、この間、基本料が思うようにいかなかったときに一部取りましということをやっておりますが、安定配当の確保、これも株主さんの保護でございますが、そのほか、会社債権者の保護といったような観点からこの内部留保に努めておるわけでございまして、今後の国際進出に伴います出資等につきまして、この財源を充てるかどうかというようなことについては現段階ではまだ決定をいたしておりませんので、御容赦願いたいと思うのです。
  143. 矢島恒夫

    ○矢島委員 どこまでを内部留保として考えるかという点については、先ほど申しましたように、議論が分かれるところであります。ですから、一部報道されておりますように、約五兆円からの内部留保、これはいろいろな引当金や何かを全部ひっくるめているのだろうと思うのですけれども、そういう報道もあります。いずれにしろ、そういう内部留保というのは、結局、電話料金を中心として利用者からの料金というものが積み上がってきたものだということが言えると思うのです。これを国際進出に使うか使わないかというのは今後の問題ということですけれども、使うということになれば、これは国際進出のためには使うけれども利用者への還元のためには使わないのだという矛盾したこと、むしろ利用者のために使うべきだということを私は主張したいし、つまり、だれのための経営かが問われる重要な問題だ、こういうふうに考えます。  もし、今後内部留保は一切出さないのだということになりますと、大臣答弁の中で内部留保を使うのは当然であるという答弁をされているわけですけれども、もし使わないということになれば、今度は、NTTグループ全体の力を持ち株会社に全部ポンプで吸い上げる、それを国際進出に投下する、こういうようなことになるのだろうと思うのです。そういう問題は今後私たちも十分に関心を持って見ていくということを申し上げて、次の問題に移りたいと思います。  次に、事業法の接続ルールの問題に関してお尋ねしたいと思います。  先ほども研究開発の費用まどうなるのかというようなことがありました。もちろん、今後決めていく問題というのが圧倒的部分だろうと思いますけれども、資料をいただきましたので、平成六年度、七年度、八年度と毎年、事業者間の接続料金というものが導入されて以降改正されていると思います。今度のこの改正の中で新たに接続会計制度というものを盛り込むわけですが、接続コストをどう見るかという点で、これまで大変事業者間の話し合いで論議されてきていると思うのです。  例えば、設備の利用する料金あるいは保守、こういう場面はどれだけ費用がかかるか、こういうところは非常にわかりやすいのですね。しかし、管理部門の経費、例えばNTTの本社機能のどこの部分までをコストに加えるかというようなことでいろいろと論議がされていると伺っております。  例えばNCCの側からは、NTT本社の国際本部の経費はこれは地域通信網には関係ないのだというので、これをコストと考えるのは困るという意見もあると聞いております。  そこでお伺いしたいのですが、今度の事業法改正によって新たに法定化される接続ルールというもの、これからやられるわけですが、今の段階でお答えできたらお願いしたいわけですけれども事業者間接続料金の中にNTT本社の国際本部の経費、これはコストとして含めるのか含めないのか。  もう一つは、NTT国際進出でもう一つの大きな柱となっているのが外国のキャリア事業です。これは東西地域NTTが引き継ぐわけですけれども、こういうものは接続料金のコストに含まれるのか含まれないのか、この辺についてのお答えをいただければと思うのです。
  144. 谷公士

    ○谷(公)政府委員 この会計制度が導入されますと、これを受けまして、省令でございますとか算定要領というものを定めまして基本的な考え方をお示しし、それに基づいて具体的な割り振りをしていくわけでございますが、その際の基本的な考え方は、以前も御答弁申し上げたかもしれませんが、指定電気通信設備を管理運営する部門の費用という観点でございますので、本社の機能でございましても、その他の機能でございましても、こういう観点から個々の費用を見て割り振っていくということになろうかと思っております。
  145. 矢島恒夫

    ○矢島委員 そこで、管理運営に関係するところの機能ということになってまいりますと、NCCが主張しておりますところの、国際本部にかかわる、つまり海外進出にかかわる部分だとかあるいは海外でのキャリア事業というのは、大体方向づけとしては、コストに入らないで接続料金というものを決めていこうという方向に行く、これからの省令のところで決めていくわけですけれども、この範囲から考えていけば。  そこで、私、ぜひ今後のそういう論議の中での一つの大きな観点として取り入れていかなければならない問題があるのじゃないか。というのは、そういう海外のキャリア事業だとかあるいは国際本部の費用、これは地域通信網の中へ、接続料金に入れるのはおかしい、コストと考えるのはおかしいということになった場合、このことは一般の利用者もそういうことを考えるのじゃないか。  つまり、NTT国内ネットワークしか一般の利用者というのは使ってないわけです。まして、分離再編後になりますと、東西地域通信会社が行うところの外国キャリア事業のコスト、これは事業者は負担しないけれども一般利用者は負担するというような状況になったら、それこそやはり一般の利用者としては不公平感といいますか、こういう部分はコストから外して値下げできないのかという論理になっていくと思うのです。  NCCは、事業者間の交渉で、NTT本社の国際本部の経費を料金で取られるのはたまらないという主張をしております。ですから、多くの一般の国民利用者だって同じで、自分のかける電話のコストに国際進出のコストが入るのか、事業者料金には入らないのか、こういう問題が起きてくるわけであります。  ですから、私が言いたいのは、むしろそういう問題も含めながら、事業者接続料金というのは非常に徹底した情報公開の中で行われる。接続料金会計というものが、設備投資の減価償却から保守の経費あるいは共通管理費あるいはネットワークのこの部分を使用するときにはここまでコストとして計算するとか非常に細かく決められて、その根拠が一つ法律となっていくわけだと思うのです。  そこで、一般利用者料金、いわゆる公共料金として国民生活あるいは経済に非常に大きな影響を与えるこの電話料金、これについても、認可制ということですが、公的な規制という面では明らかに事業者間の接続料金の決め方の方が強いわけですね。一方、一般の利用者料金については、どこまでコストに含まれているのか、どこまで利用者料金のコストとなっているのか皆目わからないのですね、さっぱり。  というのは、事業者の接続料金というのには、そういうようなきめ細かな中身、コスト、こういうものがある程度徹底した透明化が図られているわけです。しかし、一般利用者料金というのは、そういう点が極めて不透明だということが言えるのではないか。  ですから、NTTから見ますと、競争相手の企業から取る料金についてはコストに基づいて、その計算方法で省令で決められる、こういうものによってきちんとなる。ところが、お客さんである一般利用者から取る料金というのは、いわゆる総括原価方式というのですか、いわゆるどんぶり勘定ですね、どこまでがコストに入っているのか、情報公開というのは極めて不十分だと私は思うのです。  そこで、これは、今後ですが、郵政省としても、事業者接続料金のように、コストに基づいて算定してきた、これからそういうふうにやるのだというのならば、利用者料金についてもコストなどの必要な情報をガラス張りにしていくということが非常に重要だ、またできればそのルールをつくるべきだと私は考えるのですが、その辺についてはどういうお考えか。
  146. 谷公士

    ○谷(公)政府委員 この電気通信料金の公開の問題でございますけれども、私どもとしましては、情報公開による透明性の確保に努めてきたつもりでございまして、具体的には電気通信事業会計規則に基づく電話、専用等のサービス部門別の収支等の開示、それから私どもは、先ほど申し上げましたけれども料金認可の審査基準であります料金算定要領の公開等の措置をとってまいりました。  そういう意味で、今後とも引き続き情報公開に努めてまいる所存でございますが、先ほどの接続の問題につきましては、究極的にはやはり事業者利益ということを考えているわけでございますけれども、そのためには、これからのサービス展開考えますと、それぞれの事業者がお持ちになります通信回線の設備^それを自由に接続いたしまして、その上で多彩なサービス展開をしていくということが必要なわけでございまして、そのベースとなります接続の内容について条件をできる限り明らかにしていきたいという動機から出てきておるわけでございます。そういうことで、今回のこの接続ルールをお願いしておるわけでございます。  電気通信料金につきましても、今申し上げたようなことで、私どもといたしましては、できる限り情報公開に努めるという考え方で取り組んでいるところでございます。
  147. 矢島恒夫

    ○矢島委員 大臣、お聞きいただいたように、接続事業者同士の場合にはコスト、そのコストをどこまで考えるかというのは今後の問題でもあるのですけれども、それを基礎にして、積み上げて接続料金というのは決まっていく。  ただ、先ほど局長も、情報公開についてはできるだけ情報公開をやっていくということですが、一つには、一般の利用者の場合には、どういうことにかかった費用がこれだけで、もちろんNTTとしての利益を見込むわけですから、そういうものがこういり電話料金こなっているのだという点については、ここにこの接続事業者との違いがあるわけなのですよ。  それで、やはりNTT地域網というのは独占的な地位を持っている。国民 利用者にとってもやはりこのことは独占的な地位を持っているということであるわけですから、この地域網の独占的あるいは圧倒的支配、こういうことから公正競争などといってこの接続料金問題が起きているわけですが、多くの国民利用者は、独占料金でありながら――事業者間接続では当然のように、今言われておるようにコストあるいは経営状況、こういうようなものを公開する中で行われている。これが公正競争だというのならば、競争原理というのは事業者間にはあるわけだけれども国民との関係の中では公正競争というのが果たしてあるのかどうか。郵政省、どう考えているのかと言いたくなるわけです。  ですから大臣、一般利用者料金についても、このいわゆる接続事業者との間の料金決定と同じように、あるいは対国民ですから、それ以上に情報公開とルールづくり、こういうことが必要じゃないかなと私は思うのですが、その辺についての大臣のお考えをお聞きしたい。
  148. 堀之内久男

    堀之内国務大臣 ただいま接続ルールの公開につきましては局長から答弁申し上げましたが、一般の利用者料金についても引き続き情報公開について努めてまいりたいと存じます。
  149. 矢島恒夫

    ○矢島委員 ぜひそういう方向を強めると同時に、今後の検討ですが、料金ルールづくりというようなものができるのかできないのかも検討していただければ、こんなふうに思います。そのことをひとつ要請しておきまして、次の問題に移ります。  次に、NTTにお伺いするわけですが、この前、私、分離再編によって料金サービスの中で値上げというものが考えられるかと言ったら、そういうものはない、あるいはないように努める、努力する、いろいろな表現がありますが、そういう方向でした。  そこで、最初にお聞きしたいのは、そのときに私は三分十円の市内料金の問題についても一緒にお聞きしたわけですが、その他のところを含めて、これは分割を理由にするかどうかは別です、当面料金値上げたとかあるいはサービスについて部分的なカット、こういうことを検討しているのがあるのか、あるいは検討という段階までは至っていないけれども、一応これは将来、余り遠くない将来考えなければならない分野だな、こうお考えになっているのはどんなところがあるか、お答えいただきたい。
  150. 井上秀一

    井上参考人 再編成に伴って料金を上げるのか上げないのかという点につきましては、東西格差を含めまして、できるだけサービス低下にならぬように努力したいということをこの前お話ししました。  その後のものをどうするのかということについては、現在、端的に言って先行き非常に不透明でございます。そういう意味では確定的な発言はできるわけではございませんが、いずれにしても、我々としてはできるだけいいサービスを安く出していくというのが使命でございますので、そういう努力を続けていきたい。  では、今時点ですぐ電話料金の基本的な部分について、何か上げることを考えているのかということになると、今時点では全く白紙でございます。
  151. 矢島恒夫

    ○矢島委員 今時点では白紙ということですが、いろいろ巷間伝えられているところによりますと、公衆電話の撤去、これはサービス一つの削減だろうと思いますが、あるいは一〇四の問題などなど言われておりますが、今の答弁で当面そういうのは白紙だということを確認しておきたいと思います。  そこで、この一〇四、番号案内、既に夜間と早朝のサービス廃止、それからここで何か一回百円程度へ値上げをしょうか、これは先ほどの御答弁で白紙だというわけですから、検討されていると聞いておりますけれども、白紙かもしれません。  その中で、この一〇四の仕事をしている交換手の方、NTTの用語ではコミュニケーターというのだそうですが、この関係社員約一万人、全員配置転換、業務は全面的に外部委託をする、こういう計画で進めているということであります。NTTは、利用者からのいろいろな問い合わせに対して、利用者はお客さんですから、自分たちの業務をきちんと案内するということで非常に重要だと思うのです。何かトラブルが発生をした、お客さんが困っている、そういう人に親切に対応する、こういうことは基本的なことだと思うのですね。収入にならないからといって切り捨てたり、あるいはなるべく人手をかけずにコンピューターに対応させるという、コンピューターはいろいろな仕事をしますけれども、実際人との対応によっての親切というのはこれはコンピューターに期待するわけにはいかないのです。  ですから、そういう意味では、いろいろなサービスを提供していこうというのならば、いろいろな疑問やいろいろなトラブル、こういうものに対して丁寧にこたえて対応する姿勢、こういうのがやはり企業としては必要だと思うのですよ。そういう考えはお持ちだろうと思うのですが、社長、いかがですか。
  152. 林豊

    林参考人 一〇四につきましては、今先生から御指摘がありましたように、外部の信用ある機関へ全面委託するということを検討いたしているところでございます。  ただ、御懸念のサービスの問題でございますが、既に現在でも一〇四受付におきましては、かなりのいわゆるパートの方々が一緒に勤務をしておられまして、こういう方々がこの一〇四の受付につかれる際には、今先生指摘のような電話の受付のスキルの問題は当然としまして、電話応対あるいはプライバシーについての留意でありますとか技術、心配り、そういった全面的なことについて十分御理解、習熟をしていただいた上でついていただいているということもございまして、現在でも特段の問題は起きておりませんので、信用あるところへ全面委託することによりましてサービス応対上の問題は特に起きないものというふうに私ども考えまして、そういう前提に立っての検討を進めているところでございます。
  153. 矢島恒夫

    ○矢島委員 ベテランのコミュニケーターの方々の対応というのとどうしてもパートの方の対応というのは違うんでしょう。というのは、NTTの今の状況を言いますと、番号案内は一〇四ですよね。故障の場合には一一三にかけなさい、それから引っ越しや移転の場合は一一六だ、こういうことになるわけですね。多くの利用者というのは故障のときは何番だとか頭に入っているわけはないんですよ。やはり料金聞くのは何番だったかなと思ってもなかなか思い出せない。一番よく知られているのは一〇四なんですね。ですから、結構コミュニケーターの方に聞きますと、故障なんだけれどもというので一〇四にかけてきてしまう。こういうケースは割合と多い。ほかの問題で一〇四にかかってくるのが非常に多いと言うんですね。そこで受けた方は、故障でしたら何番におかけください、こういうふうに案内する。あるときに、それをやった方に、たらい回しするのかと怒られたというコミュニケーターの方がいらっしゃるんですよ。やはり利用者から見ますと、一〇四にかければいろいろわかるんだろうと思ったら、あっちへかけなさいこっちへかけなさいと言われますと、たらい回しされているな、こう考えるんだろうと思うんですね。  多国籍企業に対しては、もちろんワンストップショッピングというのでこれから海外へ出向いていくわけです。このNTTの最大の基盤がやはり六千万加入者だろうと思うんですよ。ここで、やはりたらい回しするのかと怒られるような対応をしていたんではまずいんじゃないか。例えばKDDでは〇〇五七という番号があります。これ、各種の問い合わせを一括して案内しているんですね。ですから、どこの国の番号はと言えばここでわかります。あるいは外国のホテルの電話番号、有名なホテルだったらすぐわかります。外国の市外番号もここで案内します。同じ〇〇五七で大体KDD業務の中身についてはほとんど対応できるという状況がつくられているんですね。ですから、これは何かそういうマニュアルをKDDの方から渡されて、それぞれコミュニケーターの方が一生懸命勉強するんだけれども、つけ加わる部分が多かったり、変化するサービスなんかがあって覚えるのに大変だという話も聞きましたけれども、私、ぜひ社長に提案しておきたいんですが、NTT持ち株会社のもとで分割されると、さらにこのたらい回し的なことが多くなるんじゃないかという危惧を私は持つんです。  そこで、NTTとしても各種の問い合わせ、苦情、トラブル、業務案内、こういうものの総合的な窓口といいますか、これを設けるということについてはどうかということなんですよ。やはり利用者は、一つの番号を覚えていればそこでいろいろと故障の問題から料金の問題からわかる、こういうことで聞けばいい。もしそこでわからない問題については部内で回していけばいいんですよ。もう一度かけ直しなさいというのでなくて、受付とか内部でその担当のところへ回すというようなことをお考えにならないか。お客さんに、一一三番へかけてください、一一六番へもう一度かけ直してください、こういうのは大変不親切だというふうにお客さんはとるわけです。どういう機能をやっているかわかりませんから、ここへ問い合わせれば何でもできるんだろうと思っているわけです。そういう意味では、こういう総合窓口を設けるということ、これは非常に一般の利用者にとっては必要なことだと私は思っているんですが、その辺について、社長どうですか。
  154. 宮津純一郎

    宮津参考人 お客さんから見て、あれこれたらい回しされるのはサービスとしてはおかしいんじゃないかというのは、別にNTTに限ったことじゃなくて、今の世の中の会社みんなそうであります。  そういうようなものを、ただそれをお答えすればいいというので金ばかりかかるというようなやり方をとるわけにもいきません。広い意味での合理化というようなことも必要だと思いますが、今大きくそういうことに対しては、インターネットとかイントラネットとか、そういうネットワークを張って、余りお客さんに迷惑をかけないように、情報がお互いに転送できる、今先生がおっしゃったように、社内でうまく転送できるようにしたらいいんじゃないかというようなお話というのはそういう問題も絡んでおります。  いろんな意味で、総合的には合理化の問題も考えなきゃいけないし、サービスの問題も考えなきゃいけないと思いまして、そういうものを、ちょうど今度再編でもありますから、これを機会に、会社も分かれますから、そういう意味サービスというのはかなり考えていかなきゃいけないとは思っておりまして、総合的にはそういうことでいろいろ取り組んでまいりたいと思っております。
  155. 矢島恒夫

    ○矢島委員 NTTじゃなくてほかの企業がみんなそうだと開き直られましたので、それはNTTは、六千万の電話加入者の皆さん方の、公共料金というものがその経営の基盤になっているんですよ。それを抜きにして、一般の会社だって電話をかければどこかの部署に回されるんだぞ、うちが回してどこが悪いというのは、これは思い上がりだと思いますよ。それで、しかも合理化だ、コストはかかる。ならばサービスは切り捨ててもいいというのが今までのあなた方のやり方ですよ。これは非常に問題がある。サービスをよくするんだというので分割して再編しようというのが郵政省大臣答弁ですよ。サービスがよくなるんだと言うんですよ。ところが、あなたが言っているのは、コストがかかったらサービスだって切り捨てても仕方がないというのと同じであって、今までもそういうふうにやっていた。私は、この点を大きく反省してもらうということを申し上げて、時間になりましたので、終わります。
  156. 木村義雄

    木村委員長 小坂憲次君。
  157. 小坂憲次

    ○小坂委員 太陽党の小坂でございます。  NTT関係のそれぞれの参考人の皆様には、連日にわたりまして、十四、十五、またきょう、長時間にわたりまして御苦労さまでございます。そんな意味も含めまして、若干郵政省お話ししておいた質問の順番と入れかえまして、NTTに関するものを先にして早くお帰りをいただきたい、こう思っております。  まず、昨日の参考人質疑を通じまして、NTT保有のKDD株に関連いたしまして、歴史的経緯はあるものの、再編後にKDD株を保有し続けたり買い増すことについては独占禁止法の精神に反するというような参考人の意見がございました。この点につきまして、まず公正取引委員会の方から見解を伺いたいと思います。
  158. 鵜瀞恵子

    鵜瀞説明員 NTTKDDの株式を保有しているということにつきましては、その株式所有比率から見まして、現在直ちに独占禁止法上問題となるというふうには考えておりません。ただ、将来NTT持ち株会社KDD株式を買い増しをするということになりますと、電気通信市場における競争の維持促進という観点から問題となることもあり得ると考えます。
  159. 小坂憲次

    ○小坂委員 大臣が今ちょっとお留守でございますので、その分それではNTTの方の御意見をお伺いしておきましょうか。  ただいまの公取の方の説明によりますと、歴史的経緯があるから、現在NTTKDD株を保有している、九・九九%を保有しているということは、それは直ちに独禁法の違反にも何もならない、しかし精神的にはやはり若干将来的に問題が出てくるだろう、したがって、将来もこの状態が継続するとか、あるいは逆に買い増すようなことは余り好ましくない、こういう意見が今開陳をされました。  これに対して、御担当というより宮津社長にまずお伺いしておきましょう。将来ともに、基本的にはそういうことは考えているのかいないのか、それからそういう公取の見解に対してNTTとしてはどう考えるのか、御意見をお願いいたします。
  160. 宮津純一郎

    宮津参考人 NTTとしては、どんどんKDDの株を買い増しして、これからKDD経営に介入していこうという気はございませんと思います。  それで、現実の今の状況というのは一前にもちょっとほかのところで申し上げたかもしれませんが、私ども自身も意思としてこれを買い増ししてきたということではなくて、過去の経緯でこうなっておりまして、現実に持っているだけということで運用しているので、そういうような基本的考え方は変える気は今ございませんけれども、ちょっとKDDさんの方とも話をしてみなければいけないんじゃないかとは思いますが、いずれにしても、今後の問題として考え検討したいと思っております。
  161. 小坂憲次

    ○小坂委員 余り歯切れがよくないお答えなんでありますが、大臣がお戻りになりました。大臣質問をさせていただきます。  ただいまこういう質問を申し上げたのです。昨日の参考人質疑の中で、NTTが歴史的経緯からKDD株を総発行株数の九・九九%所有しておるわけですね。かなり大株主であるということですが、この状態をそのまま存続したり、あるいは逆にKDD株を買い増しするようなことは、独占禁止の観点から好ましい状態ではない、少なくともその精神には反すると思うという参考人意見がありました。それについて今公取の意見を聞きましたところ、やはり買い増すようなことはその精神に反するであろうということの意見開陳がありましたが、その点につきまして、郵政大臣としての見解を伺いたい。
  162. 堀之内久男

    堀之内国務大臣 大変失礼をいたしました。  ただいまNTTの宮津社長から、この株の問題の考え方については一応NTT考え方を述べられましたが、郵政省といたしましては、今後NTTKDD考え方も十分聞き取りながら、適切に対応していきたい、こう思っております。
  163. 小坂憲次

    ○小坂委員 大臣の見解はそういうことであるらしいのですが、しかし少なくとも公取がそういう認識を持っているということは認識して、今後の指導に当たっていただきたいと思います。また同時に、NTTさんにも、公取がそういう見解を持っているということを御認識をいただいて、こういった行動について今後の経営方針を立てていただきたい。その点につきまして、再編成室ですか、担当の方、どなたか御意見ありましたら。
  164. 井上秀一

    井上参考人 ただいま公取の御意見、お聞きしました。  九・九%今持っていること自身は競争阻害ではない、ただ、今度買い増しするとか、そういうことについては独禁法の方にひっかかるかもしれないよというアラームだと思っていますので、そういうものを踏まえまして、先ほど社長が言いましたように、KDDの方とも一いろいろ意見を聞きながら、今後の対応を決めていきたいと思っています。
  165. 小坂憲次

    ○小坂委員 正確に言いますと、持っていること自体が違反にならないとは言っていないのですね。直ちに違反になることではないけれどもと言っているのでありまして、それをずっと保有して経営支配をするような、支配にはならないですがへ影響力を行使するようなことになると、そういうことが生じるおそれがある、こういう意見でありますから、その点の御認識をお願いいたしたいと存じます。  NTTに関する質問は以後はございませんので、お疲れさまでございました、どうぞ、結構でございます。  それでは、今度接続規制についてちょっと質問をさせていただきたいと存じます。  今回の接続規制において、義務化が今度されました。しかしながら、義務化といっても、はい、つないでくれ、はい、わかりました、義務がありますから、はい、いいですよと次から次へと接続が実現すればいいわけですが、実際にはどういうことが起こるだろうかと想像しますと、接続させてくれ、じゃ、おたくはどういう範囲のお客さんを持っているのですか、どのくらいの通信量を持っているのですか、それを接続した場合に当方のネットワークにどのくらいの負荷がかかるかを検討させてください、したがってしばらく時間をいただきたいといって延ばされたり、あるいは、いや、それはっないでくださるのは結構なんですが、うちの方もそういうことは予定していなかったので、設備の改修をしなければいけない、それには莫大なコストがかかりますから云々、こうなってくる。  これに対して、改正法の三十九条三項で、そういっていろいろと接続がうまくいかない、その場合には郵政大臣に裁定を申し入れることができる。この裁定についてなんですが、この裁定は、この主体となるものは一体どこなのか、それからこの中立性はどのようにして担保していくのか。先ほど来も、この裁定についての問題、接続についてのいろいろな話がありました。情報公開については既に御回答をいただいておりますが、こういった中立性、情報公開、それからその期間も含めて、どのようにして担保するのか、これをもう一度お答えをいただきたいと思います。
  166. 谷公士

    ○谷(公)政府委員 裁定の中立性とか情報の公開の問題でございますが、今回の改正法案におきましては、裁定を含む接続に関する行政の、私ども担当するわけでございますけれども、その公平性、中立性、透明性を確保するという観点から、電気通信審議会の機能の充実ということを考えております。  具体的には、接続に関する省令の制定、接続に関する命令それから裁定、指定電気通信設備に関する接続約款の認可等を行うに当たりましては、審議会に諮問しなければならないということにしております。それから、接続に関する命令を行う場合に必要となる聴聞につきましては、審議会の委員が行うということにしております。  さらに、実施段階の問題でございますけれども、審議会の審議過程における公平性、透明性を確保するという観点から一関係者に対して意見を述べる機会を与えるということと、それからその意見をどのように取り扱ったかを明らかはすることというふうにしております。また、審議会の会議につきましては原則とじて、これは審議会の御意向もあると思いますけれども、議事内容を明らかにしていきたいというふうに考えております。  それからもう一つは、これから先の接続に当たろうとする際の接続を要求する事業者の方々の便宜ということでございますけれども、指定電気通信設備に関する会計情報でございますとか、それから機能の変更、追加に関する情報、これは網機能の情報でございますが、こういったものを一定期間前に公表をしていただくというふうなことを考えておるところでございます。  裁定は、大臣が裁定をするということでございます。
  167. 小坂憲次

    ○小坂委員 ただいまの御説明でも抜けている部分があるのですね。電通審のいろいろな審議の過程においても出てきている問題なんですが、裁定手続に関する標準処理期間というものの期間の数値を明示した方がいいだろう、それは大体一カ月程度が適当と考えるという意見表明もあったのですね。そういうことも考え合わせながら、今の裁判も実際には長くて、もっと短くならないかという話はよく聞きます。司法上の問題はそういう問題がありますが、この裁定に関して、標準的に一体どのくらいの期間でこの裁定を出すというふうにお考えですか。
  168. 谷公士

    ○谷(公)政府委員 期間につきましてはまだ検討しておりますけれども、標準処理期間というものを設けていきたいということで検討しております。
  169. 小坂憲次

    ○小坂委員 それはどのくらいですか。
  170. 谷公士

    ○谷(公)政府委員 期間につきましてはまだ検討しておりますので、できるだけおっしゃるように短い方が望ましいわけでございますけれども、具体的にまだ何月であるかということは、もう少しお待ちいただきたいと思います。
  171. 小坂憲次

    ○小坂委員 ありがとうございます。できるだけおっしゃるように一カ月ということを標準にしたい、こういう御回答かなと思っておりますが、よろしいですか。
  172. 谷公士

    ○谷(公)政府委員 恐縮でございますが、期間につきましては検討をしておりますので、御猶予をいただきたいと思います。
  173. 小坂憲次

    ○小坂委員 せっかくおっしゃるようにと言っていただいたので、一カ月ということを言っておいた効果があったかなと思ったのですが。でも、そんなに離れては困りますよ。やはり一カ月が難しいとしても、一年という話は少なくともない、また六カ月というのも長過ぎる、こんな感じがいたしております。やはり、今の情報通信のスピードからいいますと、六カ月先には情報技術的な進歩は恐らく四倍ないしは十六倍ぐらいになっておりますから、ぜひとも早くということを肝に銘じていただきたい。  それから、昨日の参考人質疑の中で、電気通信事業者協会の関係者の意見の中に、事業者の立場からいえば、今回のNTT法にあります、長距離会社の株を上場して完全な民営化をしていただくことを期待している、それは、そんなにすぐと言わなくても、一年半から二年ぐらいの間にはやっていただけるだろうと期待しているというような意見開陳があったのですね。これに対して郵政省はどのような見解をお持ちですか。
  174. 谷公士

    ○谷(公)政府委員 御指摘のように、今回は独占部門を特殊会社といたしまして、分離されます長距離につきましては純粋民間会社にするということにしております。  ただ、あまねく電話を確保するという観点から、急激な環境の変化を緩和し、万一の事態に備えるということで、あまねく電話の責務を負っている持ち株NTTによる長距離NTTの株式の処分につきましては、大臣認可という仕組みをつくっております。  この株式につきまして、具体的な売却の予定ということは承知しておらないわけでございますけれども、仮に売却を行う際には、今申し上げました趣旨から、時期、売却方法等について、再編後の通信市場、株式市場の動向、それからNTT株主利益の確保という観点を踏まえて真重に検討する必要があるだろうというふうに思っております。したがいまして、その具体的な売却の方向性につきましては、ただいま方向が出ているわけではございませんので、お許しをいただきたいと思います。     〔委員長退席、古屋委員長代理着席
  175. 小坂憲次

    ○小坂委員 方向性はまだ未定であると。しかし、未定のままほっておかれますと、これは競争にならぬのですね。今回は、公正有効競争を導入するためにこの法改正というのを行うわけでありますから、そういう意味から、競争相手である電気通信事業者協会の方がそういう意見を表明されている。すなわち、早くこういうものを手放してもらわないと、やはりどうも相手は官であって民ではないような気がする、民間の有効競争ということにならないような気がする、こういう意見開陳でありますから、この方針は早急に策定をして、そして、それもできるだけ速やかに民営化というものを実現するということをその意味では考えていただきたいと思います。  しかし、また同時にこういう意見もあったのですね。昨日の参考人質疑の中に、持ち株会社制度というのは、分割の方向へも、あるいは一体化の方向へも、いわゆる逆行する、戻るわけです、バックギアを入れた形ですね、それにも弾力的に対応できるメリットもあります、こういう意見表明がありました。すなわち、政府が保有株を放出するまでは政府のコントロールがきくだろう、したがって、今回の法改正趣旨を徹底して、NTTをそのように多分指導するのだろうと思います。しかし、この株が全部放出されてしまって完全民営化になった後は、これは、民間会社に政府が直接に指導力を行使しょうにも、株も持ってない、行政指導しかないということになるわけであります。  その意味で、NTTが一体化の方向へ戻ろうという決断をするようなことだってないとは限らない。その場合にどのような措置がとれますか。それは今回の法改正趣旨を無にする方向だと思うのですが、これに対してはどうお考えですか。
  176. 谷公士

    ○谷(公)政府委員 ちょっと済みません、私、よく先生の御質問趣旨を理解できなかったのでございますが、政府が持っておりますNTTの株式、持ち株NTT自体の株式を売却していきたいということも、これは民営化の趣旨から私ども考えておるわけでございます。これを全部手放してしまえば安全弁もなくなるのではないかという御趣旨につきましては、現在の法律では三分の一までは政府の保有義務が課されておりますので、ここで最低限の拒否権と申しますか、担保がなされておるということと、それから、特殊会社としての法律での規制が課せられておるということがあると思います。  それから、長距離会社に対する持ち株NTTの株式放出ということにつきましては、先ほどお答え申し上げましたように、当面は全国あまねく電話の確保という意味での激変緩和という措置があるわけでございますが、その後の問題につきましては、先ほども申し上げましたような観点を含めて、今後NTT自身もどのように考えていくかということも必要な条件でございますので、そういったことの中で検討していくべきことかと思っております。
  177. 小坂憲次

    ○小坂委員 三分の一保有義務があるので、その三分の一を保有していれば支配力が及ぶのでそういう決断はさせません、こう考えてよろしいわけですか。
  178. 谷公士

    ○谷(公)政府委員 少なくとも今回再編をお願いしております趣旨から申しまして、それがもとに戻るというようなことについては私ども全く考えておらないわけでございます。
  179. 小坂憲次

    ○小坂委員 それは考えたくないです、我々だって考えておりませんから、基本的には。ただ、この質疑を通じてあらゆる可能性をチェックしておくという意味質問を申し上げましたが、回答はそのようであるということであります。  以上で、ほぼ私の疑問は解消してまいりました。最終的に、どのような処理をこの委員会としてするかを決断しましたら、それに基づきまして明日引き続き質問させていただきたいと存じますが、本日は、以上をもって私の質問を終了いたします。  ありがとうございました。
  180. 古屋圭司

    ○古屋委員長代理 次回は、明二十二日木曜日午前九時二十分理事会、午前九時三十分委員会を開会することとし、本日は、これにて散会をいたします。     午後二時五十七分散会