○伊藤(忠)
委員 民主党の伊藤でございます。
地上波テレビ
放送の
デジタル化問題についてお
伺いをしたいと思うのです。今月の十日に
郵政省が、地上波テレビ
放送の
デジタル化を二〇〇〇年から二〇〇五年の間に導入をするというふうな従来の方針を前倒しして二〇〇〇年以前に導入する、こういうふうに急遽方針を変更されたわけですが、非常に唐突に感じているわけでして、なぜ急がなければいかぬのかなと私は疑問を持っています。といいますのは、BS
放送などだったら特定の
視聴者に限られるわけですが、地上波ということになれば、これはもうだれもがテレビを見るということが前提になりますから、テレビを持っている人々すべてにかかわる問題だと私は思うのです。
ですから、圧倒的多数の
視聴者、言いかえれば
国民へも大きな影響を与えると思いますし、そういう
意味では非常に重要な問題だと思っているのです。ですから、一方的に
郵政省が方針を変える、そのことの及ぼす影響が全
国民的な範囲に広がるというのだったら、私は与える影響が非常に大きいと思いますから、
国民的な合意がむしろ必要な事柄ではないのかな、こう思っています。
以下、
理由について三点申し上げますが、
質問も入っておりますのでお答えをいただきたいと思います。
まずその第一点。地上波の
デジタル化を急いでやる。世の中の
技術の進歩だということはわかっているのですが、それを前提にしましてもなおかつ
デジタル化を急いで、一体だれが得をするのかという観点から見てみますと、
視聴者はどうなんでしょうか。
デジタル放送を見ようと思えば、当然アダプターをつけなければいけませんし、それにはお金がかかります。大量生産だからコストは下がる、当たり前の話ですが、現在だったら見えるものが、
デジタル化されるおかげでそのアダプターの分は払わなければテレビが見えなくなるわけです。もちろん十年間ぐらいはサイマルで移行
措置があるのでしょうが、結局買いかえなければいけない。あるいはそれが不可能だったら附属器をつけなさいということになります。
一方で
放送事業者ですが、
一つの
放送局で最低でも数千億円は
設備投資が必要だと言われております。いや、そんなにかかりませんと
郵政省が言われるのだったら、ここではっきりしてほしいと思うのです。これはかなりの
設備投資、お金がかかるのですが、そうなりますと、これは当然
NHKとしても
受信料の値上げというところへ行かざるを得ないのではないですか。民放だってコマーシャルで賄えるということについても限界が出てくるのではなかろうか、私はそういうふうに思うのです。すると
放送事業者も非常に厳しくなる。
あと、メーカーの方はどうか。端末をつくっている、テレビをつくっている電機メーカーの方はどうかといいますと、これは二十一世紀の目玉商品で、つまりテレビ
市場というのは年間一千万台を超えているわけですから、それを全部買いかえるとなったらこれは大変メリットがある。
視聴者は負担を強いられる、
放送事業者も負担を強いられる、電機メーカーは非常にもうかる、
言葉は悪いですがそうだと思うのです。これは二十一世紀の目玉商品、よかったよかったということになって大量生産ということになっていきます。こういう点で大変影響が大きいわけです。
例えば
NHKに関することを、
NHKだけに限らないと思いますが、
放送事業者の
設備投資がどうにもならぬから、これは
国際的な時流なので公的
資金で補助をしましょう、
設備投資を促進する、ためにひとつ税金で補助しましょう。私は、大変問題だと思っておるのです。そういう事態が起きるのではないかと私は思っています。それはもう御免こうむりたい、それは自助努力でやっていただきたい、できる範囲でやっていただきたい、私は、このことをこの際はっきり申し上げておきたいと思うのです。
でなければ、
国民が全然参加していない中でこのことを切りかえられることによって、
視聴者全体に、言うならば大変な負担が自動的にかかるわけです。私は見たいと思っても、端末を買わなければ見えないわけです。ある
意味では影響が強制的に及ぼされるわけですから、その点ははっきり申し上げておきたい。
このことについて
NHKはどうお考えなのか、
郵政省はどうお考えなのか、時間がございませんので、まず端的に御
答弁をいただきたいと思います。