○古賀(一)
委員 この国会で、
地方行政委員会で四回目の質問をさせていただくわけでございます。この国会の
地方行政委員会最初の
一般質疑で、今御質問になりました渡辺
議員がいわゆる市町村合併について質問あるいは要望、追求をされ、私も同じ順番で申し上げたわけですが、今渡辺
議員おっしゃいましたように、市町村合併等につきまして、まあ
大臣及び
自治省も、我々の
議論がどれだけ参考になったかわかりませんけれ
ども、少なくとも、この国会中に我々が一生懸命
議論した中で、一歩も二歩も何かやる気を見せられてきたという感じを私も持っておりまして、今後本当によろしくお願いしたいと、お礼を申し上げる次第でございます。
まず冒頭に御質問したいのは、極めて包括的なことでございますけれ
ども、私は四回の質問といいますか、きょうを含めれば四回、
警察関係もございましたけれ
ども、とりわけ
地方自治の基本的あり方について質問をしてきたわけでございますが、それを踏まえて、この国会中地元に帰って、
地方議員の方々、県庁の人、あるいは市の
行政関係の人、やはりいろいろ
地方行政の実態というものについて、酒を飲みながらいろいろ聞きました。
やはり
地方行政をめぐる、
地方自治をめぐる
状況というのは今も厳しいけれ
ども、これからはもう加速度的に、にっちもさっちもいかないというぐらい厳しくなってくるんではないかということを大変私は
心配をするわけでございます。それで、これまでのいわゆるトレンドで
地方行政を本当にやり得るんだろうか、ここでやはり一つの発想の大転換をして取り組んでいかないとにっちもさっちもならぬのではないかという思いが私は大変強いわけでございます。
厳然として進んでいく、着実に進んでいくのが
高齢化でございまして、これは年々スピードがアップしているように思います。山村ほどそうでございます。この前も一回申し上げたかと思うのですが、恐らくあと十年もたてば
高齢化比率五〇%という村も出てくるわけでございまして、もうとんでもないいわゆる
地方組織が出現をしてくる、こういうことが一つございます。
それともう一つは少子化でございます。これは日本全体のマクロでの
心配事がよく喧伝されておりますが、これは過疎地に行けばもっと、数倍の
高齢化と少子化の様相を呈するわけでございまして、私、今度びっくりしたことがございます。
私は、生まれが柳川というところでございまして、割と、北原白秋なんかで有名なんですが、人口はどんどん減りまして、今四万四千人ぐらいでございます。四万四千といえ
ども、筑後平野の真ん中にある田園都市でございまして、城下町。その真ん中にある小学校が、私の母校でもございます柳河小学校というのですが、私が卒業したときは四クラス、二百三十人だったんです。何とことしの入学生は二十三人なんですよね。十分の一なんですよ。
そうしますと、後ほど合併の問題について申し上げますけれ
ども、いわゆる昭和の大合併というのが、いろいろ理由はあったんでしょう、いわゆる学制
改革というのも一つあって、ああいう一つの
地方自治の基本システムを変えていこうとしてきた。今この時代も、まさにそういう
意味での学制
改革で、例えば市町村合併をぽんとして、あるいは学校を、市町村をまたがって小学生も来れるような、そういうことまでやらないと、一学年――平野のど真ん中にある
地方都市でこういう
状況でございますから、私はもう本当に唖然としたわけでございまして、そういう
意味で、本当に
地方自治というものを、これまでのトレンドだけではなくて、もう一回、現実の政策
分野、あるいはその地域の現実の経済活動、
社会活動から見てどうだということを私は考えるべき時期に来ているんだと思います。
そういうことで、少子化の話をしました、
高齢化社会の話をしました。そして、もう言わずもがなでございますけれ
ども、この前も
地方交付税法で質問申し上げましたけれ
ども、いわゆる
地方財政の悪化、これは今まで国という後ろ盾があったんですね。じゃ、国そのものはどうか。もうまさに行革だ、あるいは
財政再建、
公共事業、投資の引き延ばした、もう国挙げて、国の
財政が危ないという話はもう満ち満ちているわけでございまして、後ろ盾であった国がそもそも
財政が危ない。そしてもっと怖いのは、やはり日本の経済そのものがあと十年、十五年、陰りが見える中で、いわゆる小さい、百何十人の山村がまだ残っている。私は、少子化、
高齢化プラス
地方財政の悪化、それを支える国そのものがそれどころではないという
状況、これをあわせ考えていきますと、今こそ抜本的な
地方自治体制というものを
自治省が
中心に、あるいは
大臣が
中心に考えるべき瀬戸際まで来ているんだと思います。
あと、
地方行政については、そういう背景の中で、この前も申し上げましたけれ
ども、
地方行政が非常に縦割り化しておる。村でも小さい町でも、本省から来た、県の何とか課、土木部の何とか課、商工部の何とか課、やはりそういう系列化もしている。もうそういうがちがちの、自由のきかない、創意工夫というものを出しようがない、そういうシステムに
地方行政の内部もなってきている。議会と執行部の癒着という問題も、あるいはなれ合いという問題も、私は底辺で起こりつつある昨今ではないかと思います。
そういう中で、私は
大臣に
地方行政の一端を、
自治体の一端を申し上げたわけではございますけれ
ども、これまでの仕組みの延長に
地方自治は本当に成り立ち得るのか、
地方の時代が本当に来るんだろうかという懸念を身にしみて感じておりますけれ
ども、その点についての認識といいましょうか危機感と申しましょうか、そういうものを、
自治大臣の御所見をお伺いいたしたいと思います。