○富田
委員 制度的に考えるか
実態の方から考えていくかというところの分かれ目だと思うのですが、実際問題として、この規定に挙げられている弁護士あるいは
公認会計士は大都市圏に偏っております。これから
市町村に
外部監査制度がずっと広まっていって、本当に人材確保できるのか。これはもうこの
委員会でもずっと
議論になってきましたけれども、その点は本当に心配じゃないかな。
ただ、この点に関しまして、資料をいろいろ読んでおりましたら、
地方制度調査会の副会長でいらっしゃいます成田頼明横浜国立大学名誉教授が日経新聞のインタビューに答えられて、そういう心配はしていない、
公認会計士が人選の中心になるだろうけれども、地元の人でなくても構わない、
公認会計士にとっても新分野ができたわけで、早くも売り込みがあると聞くというふうに答えられております。この
制度のもともとの根幹のところを提言された先生の発言ですので、かなり重みのある発言ではないかなと思うのですが、実際に、私も弁護士業務をやっていたりして、本当にそうなのかな、地元の人じゃなくていいというのはそれはそのとおり、
東京や大阪から来てもらえばいいのですけれども、本当にそれで
機能していくのかなというところが疑問にあります。
公認会計士協会の
皆さんにお聞きしましたら、ことしの四月三十日現在で、
公認会計士は
全国で一万一千六百九十五名だそうであります。これは弁護士より少ないのですね。このうちの六千百十一人が
東京、千五百九十七人が大阪の
地域会に所属している。大都市に偏っているわけですね。資料をいただきましたら、秋田、岩手、
鳥取、佐賀には一けた台の
公認会計士さんしかいらっしゃらない。それで、この四県でもし
市町村がやろうとしたときに、本当に適切な人材を確保できるのかなというのを
一つ思います。
また、
自治省の方で、
監査委員に関する
調査、
平成八年六月一日現在で行っておりますが、その資料をいただきましたら、
公認会計士さんが
監査委員に就任しているのが、
都道府県では九名、指定都市で二名、
監査委員定数四名の市で十名、
監査委員定数三名の市で四名、
定数二名の市では七名、
町村に至っては
公認会計士さんはゼロだ。これは内部
監査委員ですけれども、なかなか人材を見つけるのが難しいということを
一つ証明しているのではないかなと思うのですね。
先ほど白保
委員は、自分のところでは
公認会計士さんがきちんとやって頑張っているんだというふうに言われていましたけれども、多分、沖縄県でいらっしゃいますから、
都道府県九名のうち一人はこれは沖縄県のことなんだと思うのですけれども、具体的に地方に行った場合に、これはなかなか難しいな。
これに比べて、税理士の
皆さんは、例えば
定数三名の市では二十二名、
定数二名の市では五十名、
町村では六十九名も
監査委員に就任している。そういう
意味では、地元に密着している税理士の方たちから適切な人を見つけやすいなという
実態は
一つあると思うのですね。
弁護士も実は弁護士過疎が大きな問題になっておりまして、日本弁護士連合会に登録されている弁護士というのは現在一万六千四百十六名おります。これもまた、
公認会計士の
皆さんと同様に、ほとんど大都市圏を中心に活動している。
日弁連の方で「弁護士0〜1マップ」とか「0〜4マップ」というのをつくられました。これは、弁護士がゼロか一人しかいない
地域を色をつけた地図とゼロから四人までしかいないという地図をつくっているのです。
委員長にお願いしたいのですが、御許可いただければ、その地図を
委員の
皆さんにお配りして、ちょっとこういう
実態なんだというのを知っていただきたいと思うのですが。