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1997-04-24 第140回国会 衆議院 地方行政委員会 第9号 公式Web版

  1. 会議録情報

    平成九年四月二十四日(木曜日)     午前十時開議 出席委員   委員長 穂積 良行君    理事 谷  洋一君 理事 平林 鴻三君    理事 宮路 和明君 理事 山本 公一君    理事 古賀 一成君 理事 富田 茂之君    理事 田中  甲君 理事 穀田 恵二君       石橋 一弥君    久野統一郎君       下村 博文君    滝   実君       中野 正志君    西川 公也君       西田  司君    平沢 勝栄君       持永 和見君    渡辺 具能君       今井  宏君    川端 達夫君       笹山 登生君    白保 台一君       福留 泰蔵君    鰐淵 俊之君       葉山  峻君    古川 元久君       春名 直章君    畠山健治郎君  出席国務大臣        自 治 大 臣  白川 勝彦君  出席政府委員        警察庁長官官房        総務審議官    金重 凱之君        警察庁警備局長  伊達 興治君        自治政務次官   久野統一郎君        自治大臣官房長  谷合 靖夫君        自治省行政局長  松本 英昭君  委員外出席者        地方行政委員会        調査室長     黒沢  宥君     ————————————— 本日の会議に付した案件  地方自治法の一部を改正する法律案内閣提出  第七四号)      ————◇—————
  2. 穂積良行

    穂積委員長 これより会議を開きます。  内閣提出地方自治法の一部を改正する法律案を議題といたします。  これより質疑に入ります。  質疑の申し出がありますので、順次これを許します。畠山健治郎君。
  3. 畠山健治郎

    畠山委員 我が党は、村山内閣のもとで地方分権推進法の成立を図るなど、その推進努力をしてまいりました。こうした成果が、今日、地方分権推進委員会の勧告、指針となっておることは御案内のとおりでございます。しかしながら、各省庁を初め、地方分権推進に関して、地方自治体行政体制の問題をとかくあげつらい、すきあらば地方分権推進を阻害しようとする言動が見受けられます。そうした中で、今回の改正案は、自治体監査機能の充実を図り、地方分権を担う自治体の行財政の整備を図ろうとするもので、高く評価してよいと考えております。  そこで、まず自治大臣にお尋ねいたしますが、今回の改正案地方分権推進との基本的な関係についてどのようにお考えでしょうか。お伺いをいたしたいと思います。
  4. 白川勝彦

    白川国務大臣 地方分権推進のためには、いろいろな要素があると思うのでございますが、地方自治に対する信頼確保内外からの信頼確保が僕は必要だと思います。そういう面では、地方公共団体組織に属する監査委員による監査は、もちろん有効に機能している面も多々あると思いますが、監査を行う側と監査を受ける側とが大きく言えば地方自治団体の中のそれぞれ構成員であるということを考えましたときに、外部監査というものを入れることによって今まで以上に地方公共団体の適正かつ公正なチェックが行われるということに一番大きな意味があり、そして地方公共団体に対する信頼感が高まるということが長い目で見ると地方分権推進に必ず必要なことなのではないか、こう思うわけでございます。  ほかにいろいろあるかと思いますけれども、やはり外部監査というだけではなくて、独立性専門性という視点も外部監査によって高めていく必要があるのではないのかな、こう思います。監査というのは、いろいろな面からの監査があるわけでございますが、行政的な監査であると同時に、例えば法律的な監査というのも必要だと思います。あるいはまた経理上の監査というのも、とかく行政マンにはないところがあるわけですね、行政的経費として適切であるかどうか。そんなようなことを含めて、外部監査制度導入することは地方分権推進にとって大きく寄与するもの、こう考えております。
  5. 畠山健治郎

    畠山委員 そこで、今回の改正に関する地方自治法上の意義についてお尋ねいたしたいというふうに思っております。  外部監査に関して新たに十三章を設けたことは、あくまでも外部監査地方自治制度においては基本制度ではない、特例制度であることを意味していると考えますが、この点についての見解を求めたいと思います。
  6. 松本英昭

    松本政府委員 このたびの外部監査制度導入につきましては、ただいま大臣から御答弁がありましたような地方分権推進等との関係におきましても意義を持つものでございます。  特に、今回の外部監査制度は、現行監査委員監査のうち、いわゆる随時監査とそれから請求あるいは要求に基づく監査に限って導入するものでございまして、経常的な通常監査、例えば定期監査だとか決算審査だとか例月出納検査とかいろいろございますけれども、これは従来どおり監査委員が行う、こういう役割分担をいたしております。  外部監査制度は、監査委員の行います監査のうち、ただいま申し上げましたようなものを対象にして行うわけでございますが、その規定ぶりにつきましては、いろいろ議論もいたしましたが、それぞれの監査制度に関する規定の前後に入れる方法もあったのではないかと思いますけれども、監査委員監査との関係規定のわかりやすさという点で、一章を設けて一まとめにした方がいいだろうというような法制的な御意見もございまして、今御指摘のように、一章を設けて規定をさせていただいたものでございます。  結果といたしまして特例的な規定ぶりになったことは事実でございますが、ただいま申し上げましたような趣旨に基づくものでございますので、御理解を賜りたいと思います。
  7. 畠山健治郎

    畠山委員 厳正な監査を求める市民の声にこたえて今回の改正が意図されたわけであり、他方では、ただいまの答弁にもありますように地方自治制度上は特例的な制度となると、今後の監査制度についてはより制度的な機構が必要となるのではないか。具体的には、外部監査機構創設も将来的には視野に入れる必要があるのではないかと考えますが、いかがでしょうか。
  8. 松本英昭

    松本政府委員 外部監査導入に当たりましては、かねてからその形態にさまざまな御議論がございまして、今御指摘のように、共同外部監査組織をつくったらどうだというような議論もあったわけでございます。  この点につきましては、二十四次の地方制度調査会それから引き続いて二十五次の地方制度調査会でいろいろ多面的な御議論をいただき、検討をいただきました。結局、その実現可能性外部監査制度としての弾力性観点を考慮いたしまして、御提案申し上げておりますような個々地方公共団体がそれぞれ外部監査能力を有する者の監査を受ける方式をまず導入すべきであり、地方公共団体共同外部監査組織につきましては、ただいまのような外部監査導入後の状況を踏まえてさらに検討していくべきとの地方制度調査会結論に達したわけでございます。  今回の外部監査制度は、このような地方制度調査会における議論を踏まえまして、個々地方公共団体契約により外部専門知識を有する者の監査を受ける方式を採用したものでございまして、地方公共団体共同外部監査組織創設につきましては、外部監査制度導入後の状況等を踏まえながら、引き続き検討してまいりたいと考えているところでございます。
  9. 畠山健治郎

    畠山委員 自治体組織に属さない外部監査人が、その高度な専門的知識に基づき、かつ主導的に監査対象を設定して監査を行うところに外部監査制度の大きな意義があるわけで、それだけに効果を上げることが期待されるわけであります。  しかし、監査独立性が保障されているがゆえに、その監査範囲監査委員範囲を踏まえてなされるべきものと考えます。その意味で、外部監査人の行う監査範囲は、予算の執行など財務に関する事務、いわば財務監査に限られるものと解しますが、この点、確認いたしたいと思います。  また、そうした財務監査は、地方自治法第二条十三項、住民福祉の増進に努めるとともに最少の経費で最大の効果を上げる、及び十四項、組織運営合理化に努めるという原則の規定に基づいて対象を設定し、いやしくも恣意的な判断や個人的な興味から監査対象を選択することは許されないことと考えますが、いかがでしょうか。
  10. 松本英昭

    松本政府委員 外部監査人の行います監査につきましては、結論から申し上げますと、ただいま御指摘のように財務監査に限るものと解することで結構でございます。  ただ、財務監査というのは、平成三年の法律改正をいたします前からこの規定はあったわけでございますが、財務に関する監査の幅というものはかなり広範に及んでおります。ただいま御指摘地方自治法二条の十三項、十四項は、委員も今お述べになりましたように、それ自体の中に組織運営合理化というようなことが入っておりまして、そういう面も財務監査という観点から監査をするということでございます。したがいまして、一般の、通常に言われるいわゆる政策判断に属するような行政監査、これは対象外であるというように御理解をいただいていいと思うわけでございます。  そういうふうにいたしましたのは、やはり外部独立性専門性というものを強調した監査というものはある程度客観的な基準というものを前提として監査をすることになろう、その際に、やはりそういうものになじむ財務監査というものを中心に行うべきではないかという、いわゆる地方制度調査会等の御議論を踏まえたものでございます。したがって、後段に委員指摘になりましたような恣意的な判断監査をするなどというふうなことは、これは当然考えられるものではございません。
  11. 畠山健治郎

    畠山委員 外部監査人となり得る者として、弁護士公認会計士及び会計検査院や自治体において監査事務に精通した者とその要件規定してございます。外部監査が高度な独立性専門性を求められるものである以上、外部監査人となり得る者の範囲を定めることは必要なことと考えます。  しかし、他方改正案趣旨は、外部監査について、それが包括であれ個別であれ、法に定める自治体以外でも多く導入されることが記載されております。そういたしますと、自治体によってはこれを導入したくとも法に定める弁護士など適任者がいない場合も想定されるわけであります。そうしますと、今後、外部監査人範囲について、実態に即して弾力的に対応することも必要となるのではないかと考えますが、見解を承りたいと思います。
  12. 松本英昭

    松本政府委員 今回の外部監査制度導入ということを最初指摘いたしましたのは、恐らく昭和五十五年の地方制度調査会答申だったと思います。その当時から、現在の監査制度というものが組織の中の構成監査を行うということになっておりますから、どうしても独立性という点で外からの、住民からの信頼感というものがいま一つないのではないかというような御議論があったし、それからまた、専門性という点でもいろいろと御議論があったわけでございます。  そういうことについて、それをどうすれば解決するかという話を長く検討してまいりまして、御承知かと思いますが、平成三年にいわゆる内部監査、現在の監査制度の改善を行ってまいったわけでございます。しかし、やはり今の内部監査制度だけではどうも当初の、所期の目的を達することができないのではないかということで、特に地方分権推進等とも絡んでまず出てまいりましたのが、地方団体意見書の中に、外部監査制度導入すべきであるとみずから意見書をお出しになったわけでございまして、その後、二十四次の地方制度調査会、二十五次の地方制度調査会においてこれを取り上げ、答申をいただいて、それに基づいた成案を得たわけでございます。  そういう経緯の中で、それでは独立性というものは何で担保するかということになりますと、これは外部から監査をするということで担保するということに尽きるのではないかということであったのでございますが、専門性というものをどこで担保をしていくかということがございました。  この点については、いろいろ御議論はあったわけでございますが、やはり公の財務監査ということになってまいりますと、何よりも法規適合性法規と申しますのは、その際は、地方団体会計規則財産規則あるいは財務規則等も含めた法規でございますけれども、そういう法規適合性というものの判断共通一つ専門性であろうということがあったわけでございます。それから、いま一つは、やはり監査というものは監視的な目で検査をするということでございますから、そういう監査というものに精通している共通性格のある者、そういうものが挙げられる。いま一つは、やはり公務の財務執行等チェックに精通した者。こういう三つのジャンルでその専門性判断すべきではないかということでございまして、そういうことから、現在、法律で御提案いたしておりますように、弁護士公認会計士、そして地方公共団体監査等に関し豊宮な経験を積んでいる監査に関する実務に精通している者、こういうものを定めたわけでございます。  ただ、今後、この外部監査人範囲を含めまして外部監査制度あり方につきましては、各方面の御意見も承りながら、その実施の状況等を踏まえて、この制度実効性のあるものになるよう引き続き検討していかなければならないことは、私どもも重々そういう気持ちを持っているところでございます。
  13. 畠山健治郎

    畠山委員 多くの自治体外部監査制度導入してほしいというようなことからすると、実態からすれば、この定められた範囲内からするとなかなか人材が困難であるというような事態も当然予想されるわけでありますから、この点については、ひとつ今回のこの議論を通して、また新たな方向を見出すように努力をしてみなきゃいけないというふうに思っています。  次に、都道府県政令で定める都市について包括外部監査を行うことを義務づけておりますけれども、これに限られた意味は積極的にどういう意味があるのか、お尋ねいたしたいと思います。
  14. 松本英昭

    松本政府委員 基本的には、地方公共団体監査機能状況は非常にさまざまであろうかと思っております。したがいまして、包括外部監査というようなものを導入するかどうかということについでは、一般的に申し上げれば、当該地方公共団体におきます監査委員制度の運用の状況とか、あるいは適切な外部監査人が得られるかどうかというようなことなども考慮いたしまして、条例でそれぞれの地方団体が自主的に決定していただける、これが一般的には基本であろうかということでございます。  しかしながら、都道府県とか政令指定都市とか中核市につきましては、特別な事務の量といいますか、都道府県都道府県として一般的に事務量は膨大でございますし、政令指定都市中核市については、一般市町村とはまた違って、都道府県市町村事務のかなりの部分を担っていただくということでございますので、そういうことを考えまして、これらにつきましては包括外部監査を義務づけることといたしたものでございます。
  15. 畠山健治郎

    畠山委員 特定自治体に義務づけられた理由については、十分理解いたしました。個々自治体が、今後、外部監査意義理解して、積極的にこれを導入するように期待したいというふうに思っております。  同様なことは、一部事務組合広域連合についても言えるかと思います。一部事務組合については、一例を挙げれば、複数府県構成しているものが二つ、府県指定都市構成するものが六つあります。事務内容財政規模からしても、これら組合広域連合において積極的に外部監査制度導入し、監査機能独立性専門性を高めることが必要ではないかと考えますが、見解を承りたいと思います。
  16. 松本英昭

    松本政府委員 御指摘のこの一部事務組合あるいは広域連合等につきましては、都道府県等が加入をいたしておりますものもございますが、その基本的な性格がいわゆるゼネラルパーパスではない特定事務に限られている、特定事務複数だということはございますけれども、基本的に一般的な団体ではないということでございまして、そういうことから外部監査制度導入を義務づけることはしなかったものでございます。  ただ、この一部事務組合広域連合につきましても、監査機能独立性とか専門性を高めるという外部監査制度導入趣旨にかんがみまして、当該団体におきます監査機能あり方等も踏まえて、自主的な判断により必要により外部監査制度を活用していただけるものと考えているところでございます。
  17. 畠山健治郎

    畠山委員 次に、外部監査人責任についてお尋ねいたしたいと思います。  現行監査委員は、議会での同意によって、長によって選任され、住民に対して責任を負っております。他方、今回の外部監査制度では、外部監査人契約に基づき監査を行うものとされております。  ところで、今回の外部監査制度に類似して、商法があります。商法では、公認会計士監査法人について、民事刑事の両面において損害賠償及び刑事責任を問えることになっております。私企業の監査にかかわるこのような責任と比較すると、公経済たる自治体監査において、外部監査人に対する責任の所在についても制度的に確立していくことは今後の重要な検討課題考えますが、いかがでしょうか。
  18. 松本英昭

    松本政府委員 外部監査人責任とり方というのはいろいろございます。今委員が御指摘のいわゆる損害賠償責任というのもその一つであろうかとは思います。ただ、この外部監査人のそういう特別な損害賠償責任を認めるかどうかという問題につきましては、現実の監査委員そのものに今そういう規定がないわけでございます。そういうことから考えますと、この公の団体というものにおける責任とり方とのバランスということがあるのではないか。これも実は地方制度調査会の中の議論でございまして、そういうことで特別な損害賠償責任というものは規定をいたしておらないわけでございます。  ただ、そういうことは損害賠償という面でのことでございまして、御承知かと思いますが、外部監査契約というものは、長が監査委員意見を聞くとともに議会の議決を経て締結されるという意味におきまして、毎年度民主的なチェックを受けております。それから、外部監査人監査に関し、必要と認めるときは議会外部監査人に対して説明要求とか意見の陳述をすることができることといたしております。こういう責任というものとか、あるいは「心身の故障のため監査の遂行に堪えないと認めるとき、」や「外部監査人外部監査契約を締結していることが著しく不適当と認めるとき」等には外部監査契約解除することができるという解除規定も置いております。  こういう外部監査制度についてのチェック機能地方公共団体の機関に与えておりますほか、先ほどのいわゆる民事上の損害賠償責任につきましては、全くないというのではなくて、これは通常のいわゆる債務不履行責任を追及することができることになっております。そういう形で外部監査人責任を問うことができるのではないかと思っております。
  19. 畠山健治郎

    畠山委員 外部監査人が公的な責任を負っていることにかんがみれば、包括外部監査契約解除住民から直接請求する制度も考慮してしかるべきではないかと思うのです。その際には、現在の監査委員について三分の一の署名をリコール要件としておりますが、より緩やかな要件とすることも必要と考えますが、見解を承りたいと思います。
  20. 松本英昭

    松本政府委員 外部監査人は、その有する高度な専門的知識に基づきまして包括外部監査契約を履行していく責任を負っておるわけでございます。これは地方公共団体外部監査人関係、こういうことになっております。これは独立して行うということの性格上そうなることが必然なのでございますが、そういう意味住民と直接的な関係を持つ仕組みではないわけでございます。包括外部監査人監査の結果について住民責任を負うのは、これは当該団体契約に携わった長であり議会である、あるいは意見を述べた監査委員である、こういう形になります。この点につきましては、通常地方公共団体契約関係と同じ関係に立つわけでございます。  そういうことを考えますと、包括外部監査契約に限って契約解除について住民のいわゆる直接請求による方式というのは、本来の法制上なじまないのではないかというように考えているところでございます。
  21. 畠山健治郎

    畠山委員 時間になりました。終わります。  ありがとうございました。
  22. 穂積良行

    穂積委員長 次に、宮路和明君。
  23. 宮路和明

    宮路委員 私は、最初外部監査制度のことについてお尋ねをしたいと思います。  自治大臣のこの間の提案理由説明の中で、今度の地方自治法改正の主眼は外部監査制度創設である、そしてそれは地方分権推進に資するのだというお話が冒頭にございました。そこでまず、先ほどもちょっとお話がございましたけれども、どういうことで外部監査制度導入地方分権推進に大いに寄与するのか、その点を最初に伺いたいと思います。
  24. 白川勝彦

    白川国務大臣 さきの臨時国会、この通常国会地方分権のことを大変いろいろな意味で御質問いただきましたが、そのときにほぼあわせて御質問いただく内容が、いわゆる受け皿論ということでございました。  というのは、決してそれは悪意で言っている意味ではなくて、いろいろ大きなことをやりたいというその気持ちはわかるが、現行地方自治体というのはそういうことを言う能力とか、あるいはそういうものがあるのかねというのが俗に言う受け皿論なのだろうと思います。  そして、相前後いたしまして、多くの都道府県中心でございましたが、不正経理問題等が発覚をいたしまして、それぞれに処理はなされているわけでありますが、そういうようなものも、このような不正経理をしている地方自治体権限をよこせと言っても難しいのではないかというものが、例えば地方分権ということを何とか現行のような状態にしておきたいというところからも言われていることでございます。  それからまた、住民から見てもそういうことが言えるのではないでしょうか。ある程度の強い自治体であるということが、多くの権限があり、特に介護というようなものを含めて、福祉などについて非常に地方自治体にこれからお世話にならなければいけない。したがって、当然負担分を出すについては構わないけれども、しかしそこがちゃんとした行政体制を持ち、公正にやってくれるのだろうかという、地方自治体に対する住民からの素朴な不安もあることも私は事実だろうと思います。  そういうもろもろのことを含めて、地方自治体が、中の監査はもちろんでございますが、外からの監査を含めて、内外の批判にたえ得る立派な地方自治体になるという、これは地方分権前提条件であると同時に、その前提条件を整備するということは、率直に申し上げまして今いろいろな理由地方分権の実を上げていく上で幾つかの障害を取り除かなければいけないのでございますが、私は大変それに資するものだ、こう思っておるわけでございます。
  25. 宮路和明

    宮路委員 大臣の今のお話、その決意といいましょうか、基本的なお考えは確かにそうだろうと思うのです。ところが、具体的に法文を見てみまして、今までの内なる監査から、それに加えて外からの監査導入すれば、それで地方分権受け皿としてしっかりした行政主体ができ上がっていくのだという、そんな簡単なものではないのではないかと私は思います。  外部監査人資格についても、先ほど議論がありましたが、公認会計士あるいは弁護士それから国や県あるいは市町村会計検査監査等の業務に従事した経験者、そういうことで資格が定めてありますけれども、頭にかぶさった要件は、地方自治体財務管理やあるいは事業の経営についてすぐれた知識を有する者ということで監査委員と同じということでありまして、もちろん、これからできていくわけでありますから今後の取り組みいかんということによるわけでありますけれども、どうも外部監査制度の具体的なイメージがよくわいてこない、こんな思いがするわけであります。  そこで、従来の監査委員と比べて率直に、ここが違うのだ、従来の監査委員制度ではできなかったこういう点がしっかりとできていくのだ、そして効果がこう上がっていくことが期待できるのだということを端的にひとつ局長に答えていただきたいと思います。
  26. 松本英昭

    松本政府委員 今度の外部監査制度が従来の監査制度とどのように違っているかということでございますが、まず一番肝心なことは、この外部監査人というのが地方団体組織に属した地方団体の職員ではない、すなわち地方公共団体から任命されたり委嘱を受ける地方団体の公務員としての身分を持つ者ではないということでございます。そういうことから、包括外部監査人にありましては、みずからのイニシアチブでこれはおかしいよと思えば監査に入っていける、そういう立場を与えております。それから、その際に一緒に監査事務を行いますパートナーとなる人々も、もちろん地方団体と協議はいたしますけれども自分たちで選んで、その人たちを使って監査をする、そういうことにいたしているわけでございます。この仕組みそのものは会社のいわゆる外部監査であります会計監査人と若干似ているところはあるわけでございますが、そういう形で外部監査制度というものを行っていく、これが現在の監査制度と一番の違いであろうかと思っております。  その次の点は個別の外部監査についてでございますが、従来から、例えば住民要求がありました監査、これは住民監査請求の形が多いわけでございますけれども、その際によく言われましたのは、やはり住民監査請求を出しても組織の中で処理をするのでどうしても緊張関係に欠けるのではないかというような御指摘をよく受けたわけでございます。今度は、どうも今の監査制度では自分たちの要求している住民監査の目的が達せられないのではないかという住民の方の御懸念があったときに、それでは外部の人にやってもらってくださいということを申し出ることができる。もちろんそのことについて議会の議決等を得なければいけませんけれども、これは住民の側にとっても地方団体に対する参加意識も増しますし、また監査というものに対する信頼性を増すことにもなろうかというように考えているところでございます。
  27. 宮路和明

    宮路委員 そうした期待される外部監査の役割、外部監査に対するそうした期待、それにこたえて外部監査が十分に機能を果たしていく、発揮していく、そのためには、新しい仕組みであるだけに、やはりそれなりの体制づくりに向けての準備といいましょうか条件づくり、これを相当やっていかないとなかなか容易じゃないだろうというふうに思うわけであります。その点、自治省の方においてはいかなる対策あるいは対応といいましょうか、そういうものを考え、取り組んでいく計画を持っておられるか、その点をお聞きしたいと思います。
  28. 松本英昭

    松本政府委員 新しい制度でございますので、もう全く委員指摘のとおり、私どももその環境づくりに取り組んでいかなければならないと考えております。  幸い、先ほどもちょっと申し上げましたが、そもそも外部監査制度導入すべきであるという具体的な御提言をいただきましたのは、地方団体意見書という形で平成六年にいただいているわけでございまして、地方公共団体の方も外部監査制度導入ということについては十分にそういう点で共通の意識をお持ちになっているのではないかと思っております。  しかしながら、ただいまも御指摘のありましたように、本当に実効の上がるものとして運用していくためには、具体的にこの制度の詳細について理解を深めていただかなければならないわけでございます。これは、受ける側の地方公共団体はもちろんのこと、今後外部監査を行っていただく立場に立たれると思われる関係者についてもその点を十分に周知し、また私どもともどもこのあり方検討してまいらなければならないわけでございまして、そういう点で、ある程度この法律施行までにお時間をいただきました。具体的に一年半以内で政令で定める日ということにさせていただきましたのは、そういうことを踏まえてお時間をいただいたわけでございます。私どもも、その間、早急に外部監査等に当たっての今委員指摘の、御心配になられますような環境整備に全力を挙げて努めてまいりたいと考えているところでございます。
  29. 宮路和明

    宮路委員 次に、先ほど畠山委員の質問にもありましたけれども、「外部監査契約を締結できる者」の範囲の問題についてお尋ねをしたいと思っております。  包括外部監査契約につきましては、今回の改正法案の中において、都道府県政令で定める市、大きな市ということになるのでありましょうが、それについては義務としてこの包括外部監査契約を締結しなければならない、その他の市町村については条例で定めるところによってこれをやっていくのだ、こういうような仕組みになっておるわけでありますが、これは昨今の風潮からして、都道府県政令で定める市以外の市町村についても、これはもう遠からずどんどんと外部監査制度導入していくということになっていくことは十分に予想されるわけであります。  そこで、その外部監査の適格者の範囲であります。先ほど申し上げたように、法律第二百五十二条の二十八第一項でありますけれども、普通地方公共団体財務管理あるいは事業の経営管理等に関しすぐれた識見を有する者であって、弁護士たる音あるいは公認会計士たる音あるいは国や地方自治体において会計検査監査等の行政事務に従事したことのある者、こういうぐあいに限定的に列挙されておるわけでありますけれども、こうした人たちはやはり数の面でも限られておりますし、また地域的にも大都市あるいはその周辺といったところにはおられるかもしれないが、いわゆる地方市町村には必ずしもこういう人材を得がたい、なかなか得にくい、こういうのが、私ども、地元を見ておって痛感をするわけであります。  したがって、義務的と申しましょうか、先ほどの義務としてやらなければならない都道府県あるいは政令都市でない、特に市町村における外部監査導入ということを考えた場合、やはりその人材の払底といいましょうかそういうことが起こってくることが間違いないというふうに思うわけでありますが、これに対する対応をどういうぐあいに考えておられるのか、そこをまず最初にお聞きしたいと思います。
  30. 松本英昭

    松本政府委員 外部監査人資格を有する者の規定についてでございますが、その背景は先ほどもるる御説明申し上げましたので、ここでは省略をさせていただきたいと思います。  ただ、今委員指摘のように、現在のそういう立場にあり得る人の数というものは、第三号の地方公共団体監査実務等に精通した者というのをなかなか把握しがたい点はありますが、例えば弁護士公認会計士の方だと約二万六千人余り、こういう数字になっております。ただ、今御指摘もありましたように、かなり地域的に偏在しているという実情もございます。  そういうことで、私どもといたしましては、外部監査導入を義務づけます都道府県政令指定都市中核市、こういうところについて、その人材の確保ということについては、これまでもそういう関係方面とのいろいろな御協議も重ねてまいりまして、その点についてはそれなりの見通しを持っているつもりでございます。  ただ、これから小さな市等も入っていくというようなときにどうかと言われますと、その点について今直ちにどうというふうに申し上げるのもどうかとは思いますが、いずれにいたしましても、先ほども御答弁申し上げましたように、その範囲等を含めまして外部監査あり方については、各方面の意見も承りながら、その実施状況等も踏まえて、この制度がより実効性のあるものとなるように常に検討をしてまいらなければならないことではないかと考えているところでございます。
  31. 宮路和明

    宮路委員 このことは、我が同僚議員の山本委員も、先般の本会議における大臣趣旨説明そしてそれに対する質疑の中でもしっかりと述べておられるところでありますけれども、例えば税理士さんでありますが、これまでやはり特に地方市町村においては監査委員としてかなりの実績を上げてもおられるし、また有能な人材を多く抱えて、全国津々浦々と言ってもいいぐらい各地域にそういう配置がなされておるということでありますので、私は、この委員会におけるさらなる審議を通じて、ぜひともそうした人材の活用の道を切り開いていくべきじゃないかな、こう思っておる次第であります。  次に、市町村合併の問題で質問させていただきたいと思います。  地方分権推進するためにも、先ほど大臣から受け皿論の話がございましたけれども、もう地方自治体、とりわけ大臣も、地方分権受け皿としては何としてもこれは市町村権限移譲を受ける主体でなければならない、都道府県権限がとまっておったのでは本当の地方分権というのは中途半端なものに終わる、こういうことを繰り返し言っておられるわけであります。そういう意味で、市町村行政主体としての体制整備、これが私は一番肝心だと思うわけでありますが、そういう意味から、やはりもう今日合併の大いなる推進というものは避けて通れない、こういうふうに思っておるところであります。  ちなみに、市町村と農政の面で一体となって地域の農業振興あるいは農村振興に取り組んでおります主体として、農協がございます。総合農協でありますが、かつては、昭和二十年代あるいは三十年代初めは一万三千三百ぐらい総合農協がありました。それが、昭和三十六年、合併助成法ができまして以来、社会情勢、経済情勢の変化に即応して精力的に合併を進めてきております。そして今日では二千六十四の総合農協になっておる。そして、さらにこれを二〇〇〇年には五百四十六という具体的な数字まで示して、合併をそこまで持っていくということであります。  また、林業の分野で、やはり地域の振興に市町村と一体となって取り組んでおる森林組合でありますけれども、これもかつては五千二百余り昭和二十年代はあったものが、今ではもう千四百ぐらいであります。そして、五年後の平成十四年にはこれを六百へ持っていく、こういう計画をしっかりと打ち出しておるわけであります。漁協についても、いずれそういうことを想定して合併の推進をやろうという話がもう持ち上がってきております。  そこで、農協の場合ですと、今や私の地元でも旧郡単位に一つの農協ということでありますから、それがほぼもう完了するところまで来ておるわけでありますけれども、そうなりますと、一つの合併農協の中に市町村の数で五つ、七つとかたくさんあるわけですね。そうするとどういうことが起こっているかといいますと、例えば農協が施設を管内につくって、ある農作物について主産地形成を進めるための案出荷施設をつくる。ところが、ある農作物、トマトならトマトでいいわけでありますが、今までそれをつくってなかったところの市町村は、農協が施設をつくるについて何ら援助をしない。つくっているところはもちろん援助をして、そして施設をつくり上げるわけであります。ところが、合併が進んで農協の体制整備が進む中で、今までトマトをつくらなかったところについてもトマトをつくるようにだんだんなってきた。それじゃこの施設を利用させてくれということになってくるわけでありますけれども、いや、この施設をつくるときA町村はさっぱり協力も何もしてくれなかった、そんなところにこの施設を使わせるのはおかしいじゃないか、こういう議論が当然のこととして地元では起こってくる、そういう例が大変多いわけであります。  また、転作なら転作を進めるに当たっても、農協と市町村は表裏一体の関係でこれを進めていかなきゃならぬわけであります。これも農協が数多くの市町村に頭を下げて回ってそのための体制をつくっていかなきゃならぬわけでありますけれども、市町村によってこれは大分温度差も違う。そういう意味で、農協が大変苦労をするということであります。  また、合併の成果として、農協もリストラを進めていかなきゃならぬわけでありまして、事業所やあるいは施設なんかも、できれば統廃合して効率的な施設の運営あるいは組織の運用を図っていきたいと思っても、市町村がたくさんあるがために、その市町村ごとに場合によっては支所を置かなきゃならない、あるいは事業所を置かなきゃならない。これはもう当然そういう運命に立たされておるわけでありまして、なかなか思うようにそういうリストラも進んでいかない。これは、農協合併が進んでいる中で市町村の対応は依然として旧態依然たるものであるということで、大変その点地域において苦労している、あるいはそういう混乱が起こっているということであります。  また、福祉の面でも、先ほど大臣、これから市町村における行政として福祉の役割は大変大きなものがあるというお話でございましたが、例えば特別養護老人ホーム、今私の地元では、大きな市は別ですけれども、各町村ごとに一つずつ特別養護老人ホームをつくらなきゃならぬということでこれを進めているわけでありますけれども、当然、町村の人口規模とは関係なくみんな一つ一つですから、ある町村では全然ニーズに対して対応できない。したがって、隣の隣の隣の町村へお願いして、措置権は今、町村にあるわけでありますから、そこにお願いして入れてもらわないと対応できない、こういったことでそこも非常にアンバランスが生じてきている、そういった問題があります。  したがって、この合併問題は、農政の推進あるいは福祉推進あるいはまた教育の行政の推進、いろいろなところと深くかかわっている問題でありますから、自治省だけでこれに取り組んでいくということもおのずと限界がある。したがって、やはり内閣全体としてこれには取り組んでいかなければならぬ、そういう大きな大きなテーマだというふうに私は思っておるわけであります。  ぜひ、そうした体制をつくって、そして計画的に、また目標を掲げて取り進めていかなきゃならぬ、そういう状況下に置かれているというふうに思っているのですが、その辺、どういうぐあいに自治大臣考えか、ひとつお聞かせいただきたいと思います。
  32. 白川勝彦

    白川国務大臣 今日まで、委員指摘のとおり、市町村合併、その必要性は強く自治省としても認識していたところでありますが、基本的には自主的に合併をしていこうというところに丁寧に誘導していったわけでございます。二年前に、そのために合併特例法が改正されたわけでございますが、それにいたしましてもなかなか市町村合併が、そう外部の人間がせき立てるほど進まないというのが現状であります。  私は、随分御指摘はいただきまして、そして多くの方々、また客観的に見ても、市町村合併をして行政体制、行政あるいは財政の基盤を強化していくということは、もう避けて通れない緊急の課題だ、こう思います。だからといって、内閣あるいは都道府県が、どんどん合併していけ、こう言うことは、地方自治体あるいは地方自治という観点から、外部の人間が言うことは、そこまで言わせるなら、あなた、地方自治の進展ということを言いながら、では自治はどうなんですかということとどうしても絡むから、自治省としてはあくまでも自主的なということに今まで徹してきたんだろうと私は思うわけでございます。  これは原理原則だから、効率がいいとかそういう問題じゃないと思うのでございます。自治体なんだから自治体の独立の意思をだれもが侵すことはできないということに尽きるのでありまして、こういう原理原則だけは絶対に間違っちゃいかぬと私は思うわけでございます。農協がこうだ、何々がどうだということと地方自治体の場合の合併は同列には論じられないと私は思っています。これは原理原則であります。  しかし、なぜ合併しないのかということは、これまた真剣に考えなきゃいけない、自主的にといったって現実には合併してこなかったことは事実だから。  そこで、私は、第二段階として、省庁内に市町村合併推進プロジェクトチームというのを発足させたところでございます。これはどういうことをしてもらいたいかといいますと、どういうものが合併を阻害しているのか、率直にもう一回徹底的に調査しようじゃないかという側面がございます。  それから、議論の中で、自治省が地方交付税でちょっと面倒を見過ぎているから、小さいところが楽々生活できるものだから合併しないんじゃないか、こういうこともありまして、ペナルティーを与えるべしというような一部議論もありましたが、これはさっき言ったとおり、地方自治体自治省はその自治体を御援助申し上げるという立場からいったら、これも原理原則として絶対にとれることではありません。そういう合併は地方自治そのものを否定することだと思うのであります。  そういう面で、手厚いかどうかは別として、現行あるものを減らすなどというけちな考え方を持つつもりは毛頭ありませんが、合併したならばどういう利益があるかということについては真剣に考えていかなきゃならぬだろうと思います。インセンティブを与えて合併を促進していくということならば、私は自治とは矛盾しない、こう思っておりますので、そういうことを主として考えてほしい。  それら両面から見る中で第三段階に移っていかなきゃならないんじゃないかなと思います。第一段階があって、そして合併というようなものがあって、この第二段階を丁寧にやっていかないと、またいろいろな問題が出てくると私は信じております。  しかし、その予備的な段階としては、私は、市町村の職員間の人事交流をしたらどうか。中央と地方市町村と県との人事交流も大事だが、横の、市の職員交流というようなものを大いに進めでまいりたいと思いまして、昨年の表彰ではこういうところを表彰させていただきました。  また最近、私は、施設づくりから施設使い運動ということを考えてほしいということを言っております。同じようなものをみんなしてつくるんじゃなくて、まず町村の中においても、施設をつくるのはいいけれども施設が有効に使われているだろうかというのと、そして、隣同士で同じようなものを持つんじゃなくて、隣の町や村で共同しながら有効にいろいろな施設が使われるようにしていってもらいたい、こういうふうに思っております。  いずれにいたしましても、御指摘でございますが、直ちに第三段階にいくといろいろな問題が出てくるので、第二段階の問題として、合併を阻害している状況を徹底的に明らかにしていくということと同時に、どういうインセンティブがあり得るのか、これをひとつ研究していきたい、こう思っております。
  33. 宮路和明

    宮路委員 地方自治体はまさに自治の担い手でありますから、自主的な合併であるという、そういう原理原則は私もよくわかります。しかし、農協も自主的な協同組織でありますけれども、あれだけのことをやってきておるわけであります。  先般、地方制度調査会で合併の推進に向けての論議をスタートさせたということが、これはきのうの読売新聞でありますが、大きく、これはトップ記事で出ておりまして、自治大臣の意気込みもすごいというようなことをちゃんと記されておるところであります。  どうかひとつ、実のある論議を活発にやっていただいて、我々のそうした期待をぜひ実現していただくことを心からお願いを申し上げて、私の質問を終わらせていただきたいと思います。ありがとうございました。
  34. 穂積良行

    穂積委員長 次に、滝実君。
  35. 滝実

    ○滝委員 自由民主党の滝実でございます。  たびたび質問の機会を与えていただきました先輩、同僚の議員の皆さん方に、心から感謝をまず申し上げさせていただきます。  自治法の一部改正法案の質問を申し上げるに先立ちまして、ペルーの事件につきまして、警察庁の御意見を承らせていただきたいと存じます。  事件発生以来、政府、関係各省の間でいろんなバックアップ体制をとってこられたというふうに認識をいたしておるのでございますけれども、警察庁がどういうような、バックアップ体制と申しますか、このペルー事件の解決のために行動をされてきたのか、差し支えのない範囲で御報告をいただくと同時に、今回のあの解決を踏まえて、警察庁として、今後どういうような格好でこの種の問題に対応することが必要か、そういうようなことを感じ取られているのか。その二つにつきまして御意見を、簡単で結構でございますから、余り長くやられますと次の質問に差し支えますので、ひとつ簡単に、警察庁の意のあるところをお話を承らせていただきたいと存じます。
  36. 伊達興治

    ○伊達政府委員 御指摘のとおり、ペルー現地には事件発生以来、我が国政府の現地対策本部が設置されているわけでありますが、警察としましても、所要の要員を現地に派遣しまして、ペルー関係当局との間で情報収集の一翼を担い、現地対策本部の支援に当たってきたところであります。昨日も、さらなる情報収集とペルー当局による捜査に対する協力ということで、所要の要員をペルー現地に派遣したところであります。  ただ、何分にも、現段階では情報不足の感が否めないわけであります。御指摘のとおり、将来、国内で同種の事案の発生もあるべしと危惧されるところでありまして、今回のペルー事件から教訓事項を抽出して今後に備えてまいりたいと真剣に考えているところであります。  特に、これからは情報の収集ということが非常に重要になりますし、その他やはりSATというような部隊を精強にしていくということもありますし、いろいろなことをこれから考えていきたいと思っておりますので、よろしくお願いいたしたいと思います。
  37. 滝実

    ○滝委員 警察がこの事件発生以来いろいろな面でかかわりをお持ちになり、情報収集も行ってこられたということでございまして、まだ最終的な情報の整理につきましてはいろいろな問題があろうかと思いますけれども、ひとつこの新しい段階を踏まえた事情の中で万全の対応をされますことを御希望申し上げまして、この問題については終わりたいと思います。警察庁どうぞ、結構でございます。  さて、地方自治法の一部改正の問題でございまして、既にいろいろな角度から御質問がございましたものですから、多少まず確認的なところから申し上げさせていただきたいと存じます。  先ほど畠山議員の御質問にもあったのでございますけれども、今回の外部監査制度に至るまでに実はいろいろな考え方の変遷があったということを行政局長がお述べになりました。そしてまた、平成六年には、これは九月でございますか、地方団体地方分権推進に対する意見をお出しになりました。その意見の中にも外部監査制度導入ということをうたい、かつその中でうたっておられたのが連合の監査機構の設置、こういうようなことであったかと思うのですね。  したがって、当初この外部監査制度導入に当たっては地方団体も連合ということでこられましたし、また、二十四次の地方制度調査会の小委員会報告でもそういうような連合の制度というのがかなり色濃くにじみ出ていたと思うのでございます。しかし今回は、局長の答弁にもございましたように、連合よりはやはり個別にとりあえず出発するのだ、こういうようなことで今回の法案になったと思うのでございます。  この連合と申しますか共同外部監査制度という問題について、この問題はなお引き続き、行政局長と申しますか自治省の中にはそういう感覚がまだ根強くある、しかし、今回はとにかく急ぐのだということもございますし、諸般の事情を勘案してテスト的にやるのだ、こういうような趣旨で個別におやりになるのか、その辺のところの考え方を少しお述べいただきたいと思います。
  38. 松本英昭

    松本政府委員 るる経緯を御承知の先生でございますので、今さら申し上げることもないかとは思いますけれども申し上げます。  実は、平成六年九月二十六日の地方団体意見書、これは今御指摘のように、「財務監査については、外部監査制度導入するものとする。」と書いて、そして別項で、「地方公共団体は、共同して外部監査の実施機関として、連合監査機構を設置することができる。」という形でございます。当然、この二つの関係では共同して連合監査機構を設けるということが一つの伏線として考えられていましたけれども、導入と、必ずそのときは連合監査機構であるということと重ね合わせたものとは必ずしも解されないのではないかと思っております。  そういうこともございまして、二十四次の地方制度調査会も、当然これは地方団体の方も入っておられる中でございますが、その中では、専門小委員会の議論の結果として報告をいたしたわけですが、ここでは二つの方式を両方とも十分検討しなさいよ、こういうことでいただいたわけでございます。そして、二十五次の地方制度調査会で、先ほど申し上げましたように、ただいま御提案申し上げているような方式で、まず外部監査制度導入すべきである、そして、「なお、地方公共団体共同外部監査組織による監査を受ける方式については、上記の方式による外部監査導入後の状況を踏まえさらに検討していくべきである。」こういう御指摘を受けておるわけでございます。  その経緯は、外部監査共同組織というようなものをどういう性格のものとして位置づけるのか、これはなかなか難しい問題がございます。それからまた、そういうときに、外部監査人をその組織の中でどう確保していくのだろうかとか、それからそこの職員をどういうふうにするか。全国の地方団体を相手にするわけですから、これは相当な人を必要とする。そうすると、その人たちの人事管理をどうするのだろうかとか、あるいは経費の負担はどうしていくのだろうかとかというような解決をしなければならない大変多くの問題がございまして、そのことについてまた一つ一ついろいろな意見があったわけでございます。  そういうこともございまして、これはやはりまず、現在御提案申し上げているような仕組みの外部監査を設けて、そしてその外部監査導入した後で、全体の共同組織というような共同性というものをどういうふうに設けていくか。それはそれぞれ地方団体がそういう運用の中から当然知恵も出てくるだろうし、そういうような御意見も出てくるだろうというようなことがございまして、ただいま申し上げましたような地方制度調査会答申になったというように心得ているところでございます。
  39. 滝実

    ○滝委員 丁寧な御答弁をいただいたのでございますけれども、時間が限られておりますので、ただいまの御答弁の時間の五分の一ぐらいの時間でひとつよろしくお願いを申し上げたいと思うのです。  私のお尋ねした結論については何ら触れられておりません。それはそれで結構でございます。私は、要するに今後どうするか、こういうことをお尋ねしたのであって、経緯についてお尋ねしたわけでは必ずしもありませんので、ひとつできるだけ短目によろしくお願いを申し上げたいと存じます。  時間がありませんので、次に、またこれも確認でございますけれども、先ほど財務監査というふうに限定されるのだ、こういうことを畠山議員のお尋ねに対して行政局長がおっしゃいました。  しかし、今度のこの法案を見ますと、外部監査要件というか範囲につきましては、自治法の二条の十三項、十四項という有名な条文を引いております。特に十四項というのは、局長自身もお述べになりましたように、組織運営合理化それから規模の適正化まで入っている条文でございます。そうすると、これはどちらかというと、財務監査にも適用されるけれども、いわゆる行政監査と申しますか、そういう部分にも当然またがってくる。したがって、財務監査に限定するのだという趣旨はこの十三項、十四項を引いている限りにおいてはどうもはっきりしない。しかし、もう一つ外部監査人資格要件のところを見ると、どうも財務監査かなということが何となく類推できる、こういうような立て方であるわけでございまして、恐らく各監査委員事務局がそこのところは非常に気にしているところだろうと思いますけれども、もう一遍念のためにそこだけ注意を喚起しておくと申しますか、議事録に載るようにしておきたいと思っているのでございます。  そこで、続けて御質問をさせていただきますけれども、そうしますと、もともと財務監査というのは要するに人海戦術を要する監査だと思うのですね。いろいろな証拠書類を点検する、果ては職員の部屋のかぎの出し入れまでチェックするとようやく空出張であったかどうかがわかる、こういうようなことでございますから、かなり人海戦術を要するのが財務監査であろうかと思うのです。  その財務監査ということになりますと、弁護士さんや公認会計士さん、大変専門職でほかにたくさん仕事を抱え込んでおられる忙しい方々がこういう人海作戦を要するような仕事に携わるとなると、これは相当なスタッフを持たなければいかぬ。現在の都道府県監査委員でも事務局は二十人に満たないところが圧倒的に多い。東京都の監査委員会でも職員数は百人ぐらいだ、こう言われているわけでございまして、この現在のレギュラーの監査委員に加えて、この財務監査、人海作戦を要するところを外部監査のこの人たちが受け持つということになると、これは大変だという心配を各監査委員事務局がおやりになっているわけです。もっともその中で個別監査は、これはおのずから場合が限定されますからいいんでございますけれども、包括外部監査になると大変な問題になってくる。そこで、この辺のところの領域画定をどう考えておられるのか、これもごく二分ぐらいでひとつお答えをいただきたいと思います。
  40. 穂積良行

    穂積委員長 松本局長、要点を簡潔に。
  41. 松本英昭

    松本政府委員 ただいまの御質問でございますが、実は法文の二百五十二条の三十七で、「包括外部監査人は、包括外部監査対象団体財務に関する事務執行及び包括外部監査対象団体の経営に係る事業の管理のうち、」云々、そして「特定の事件について監査するものとする。」といたしております。  この規定は、実は平成三年に改正前の財務に関する監査と言われているものの規定と全く同じでございます。その当時から、この規定の適用に当たっては、先ほど委員も述べられました二条の十三項、十四項に特に留意しなければならないと書いてあったものでございまして、あの規定は、財務に関する規定だけが監査対象であった当時から適用されているものでございます。今回の考え方もそれと全く違うものではございません。したがって、結論から申し上げますと、財務に関する監査先ほど申し上げましたように、それは十三項、十四項の判断も入るものである、こういうことでございます。  それから、第二点の財務監査は大変人海戦術でスタッフが足るのかということでございますが、先ほど申し上げましたように、そもそも特定の事件を切り取って監査をする、随時に監査をするという性格のものでございますので、現在の監査委員のように、定期監査から例月出納検査から決算審査から、あらゆる監査をやっていかなければいけないというものとはまた性格が違っております。  ただ、いろいろスタッフが必要な場合が多いことは事実でございますから、補助人の制度というものをつくりまして、地方公共団体と相談をして補助人を任命することができるということにいたしておりますし、それからまた、監査委員事務局の職員に協力を求めることもできるというようなことにいたしておりまして、そういうことで外部監査の遂行についても万全を期していただけるように計らっているつもりでございます。
  42. 滝実

    ○滝委員 現在、全国の都道府県監査委員のところでは自分なりに監査基準というものをおつくりになって、それを一つの尺度にして監査をおやりになる、こういうことだろう。都市の場合には、都市監査委員の協議会がございまして、それが早くから都市監査基準準則というのをおつくりになって、大体都市はそれを一つの尺度にしている、こういうことになるわけですね。  そういうようなことをおやりになっているんでございますけれども、例えば、最近問題になった食糧費に関連いたしまして、その都市監査基準準則で着眼点としてどういうことを言っているかと申しますと、食糧費だとか交際費、その他の支出については、まず支出決議が適正かどうか、それから証拠書類がちゃんとできているかどうか、保存がちゃんとできているかどうか、こういうような三つばかりの着眼点があるんでございますけれども、この着眼点を幾ら考えても、今回問題になったような食糧費がおかしいというのは、これは監査をやってもなかなか出でこないと思うんですね。そのくらいやはり監査というのは、人手を使い、かつ綿密な作戦を立てませんとなかなか出てこないという問題があるわけでございます。  そこで、今度のこの外部監査導入は、こういう不祥事というものもある程度未然に防ぎながら、また片や個別の監査請求があったときには外部監査人監査をして透明性を確保したい、こういうことだろうと思うんでございますけれども、そういう意味でも、特に包括監査人の問題というのはよっぽど細かい監査基準と申しますか区域の画定を、一年半おありになるわけでございますから、よっぽど綿密なものをおつくりいただいた方がよろしいんじゃないだろうかな。食糧費の問題について、都市監査基準には載っているんですけれども、大体普通の県の監査基準にはこういう細かいことまではなかなかないんです。それだけに私は、尺度、きちんとしたものがないとお困りになる、こういうふうに思いますので、そこについて簡単に意見をお聞かせいただきたいと思います。
  43. 松本英昭

    松本政府委員 御指摘の点を踏まえまして、十分尺度となるようなものを検討してまいりたいと思います。
  44. 滝実

    ○滝委員 ありがとうございました。  そこで、次に、時間も余りありませんから断片的になるかと思うんでございますけれども、先ほど宮路委員から、この外部監査人資格に関連いたしまして、特に税理士さんを取り上げて、当委員会の審議を通じて追加してもいいのではないか、こういうような御意見がございましたので、そうしますと、私もこれについて一言申し上げておかないといけないのかなという観点から申し上げたいと思うんでございます。  宮路先生からも御指摘ございましたように、外部監査人についての資格は、二重の限定になっているわけですね。一つは、本文のところで現在の監査人に適用されるような資格条件をきちんとうたい、かつ次に、各号に列記をする人たち、こういうふうにしているわけでございまして、その中に弁護士さんと公認会計士さんとそれから監査業務の実務に明るい人、こうなっているわけでございます。  私は、その中で、意見だけ申し上げますと、弁護士さんや公認会計士さんが挙げられるのだったら、だれでもいいという感じを私は持っているんです、失礼な言い方でありますけれども。というのは、弁護士さんや公認会計士さんが自動的にこういう監査外部監査人にふさわしいかどうかというのは、これはわからないわけですね。公認会計士さんは会社の、法人企業の決算は、それは専門家ですからできる、弁護士さんも法律問題についてはできるけれども、少なくとも監査に関して自動的にこの人たちが適任だという保証は何もない。やはりある程度監査基準、私が先ほど申しました監査基準等を詳細におつくりいただいて、その中で拳々服膺して事前のトレーニングがないと、なかなかいざ鎌倉というときに役に立たないと思うんですね。  そういう意味で言うと、これは自治大臣弁護士さんの資格を持っていますので甚だ言いにくいんでございますけれども、やはりそれは気持ちはわかりますよ、専門性確保するんだという気持ちはわかりますけれども、私は、そういう意味で、もう少しここのところは幅を広げてもいいんじゃないだろうか。  特に、富路先生は行政局長さんのゆかりの鹿児島の出身ですから、大変奥ゆかしい提案をされました。要するに、宮路先生の提案を端的に言うと、弁護士さんも公認会計士さんもいないところでは税理士さんでいいんじゃないだろうかな、こういうくらいの、どうも一歩も二歩も下がった御提案のように承らせていただいたんでございますけれども、私は、余りそういう下がった提案ではどうなのかな。これは宮路先生の奥ゆかしいところでございまして、私は、むしろだれでもいいという観点からいうと、大変これはむちゃくちゃにしちゃうような話でございますので、これは私も差し控えて申し上げますけれども、やはり多少は広げてもいいんじゃないだろうかなという観点からあえて申し上げさせていただきます。  これは、当委員会の審議がこれからまだまだ続くところでございますから行政局長さんの答弁は特に求めませんけれども、この委員会の審議が宮路提案によりまして続くと思いますので、その中で当委員会としてお考えをいただきたい、こういうことだけを、私も審議に参加する意味で申し上げさせていただきたいと存じます。  それからもう一つ、私は、先ほど財務監査にこだわるわけではありませんけれども、今から四十三年前にアメリカの会計検査院、これはGAOと総称されているわけでございますけれども、アメリカの会計検査院が大きな組織改正をして、それが今日また反響を呼んでいるわけでございます。従来のアメリカの会計検査院というのは、どちらかというと日本の地方団体監査制度に近いと思うんですね。要するに、決算が会計経理執行状況をちゃんと正確に反映しているかどうか、あるいは執行法律に適法になっているかどうか、要するに日本の言葉でいうと合法規性の立場からの検査ということに集中をしていたものが、今から四十三年前にアメリカの会計検査院は、そういう職員をもう一切むしろ排除をして、新たに公認会計士中心とする専門集団を会計検査院に入れた、これが今日のGAOの基盤でございます。議会との関係もあるのでございますけれども、それまでGAOの職員は、日本でいうと初級職を中心にして約一万人の規模の組織であったものが、この四十三年前の改正によりまして、公認会計士中心とする専門スタッフによって、四千人にむしろ人数を減らして、もっとも経費はかかっていると思いますけれども、そういうようなことで何をしたかというと、単なる財務監査から三E検査と申しますか、要するに自治法でもよく出てくる経済性、効率性それから有効性、こういうようなことに力を入れてきた。  日本の会計検査院も、今から十年ほど前から、このGAOの新しい制度に倣って有効性の会計検査をするんだということで、盛んに取り組んで今日に及んでいるのでございますけれども、そういう面から見ますと、まさしく今度の外部監査の専門スタッフというのは、単なる財務監査だけをおやりになるにはもったいないのじゃなかろうかなという感じがいたしますので、その辺のことについてまず行政局長から御答弁をいただいて、時間がありませんので、引き続きこの会計監査の問題について、大臣からも御意見があったら承らさせていただきたいと存じます。
  45. 松本英昭

    松本政府委員 GAOの話をお取り上げになって御質問でございますが、私ども財務監査というのは、先ほど委員みずから御指摘になられましたように、あの二条の十三項、十四項の規定でありますように、かなり広い範囲判断することになっております。今おっしゃいましたような有効性の判断というのはその一環であろうと。財務というところから入っていくけれども、その有効性の一環として先ほどのようなことを判断していくということでございまして、そういう意味においては、趣旨は同一のようなものではないかというように考えているところでございます。
  46. 白川勝彦

    白川国務大臣 委員お急ぎのようでございますので、行政局長の答弁と同じでございます。
  47. 滝実

    ○滝委員 大臣から、御答弁が行政局長の答弁と同じ、こういう趣旨でございますので、それで了解をさせていただきたいと存じます。  そこで、最後に、時間がもうあと二分ぐらいございますので、行政局長から御答弁をいただきたいと思うのでございますけれども、今回の地方団体の一連の食糧費の問題に関連いたしまして、地方団体監査委員の中でもそれなりに対応したところもございますし、また、監査委員が対応せずに、別の組織を県庁内におつくりになって対応したところもあるように聞いているわけでございます。  いずれにいたしましても、私は今回の、特に食糧費の問題だけについて申しますと、これは極めて遺憾な事件ではございますけれども、しょせん食糧費の扱いに関する細かい尺度がなかったのじゃないだろうかな、こういうこともあわせて考えないといけない問題だろうと思います。  そういう意味で、新聞等で伝えられるところによると、群馬県が食糧費問題の発生以来、食糧費の扱いについての何らかの基準を特別な検討委員会でもっておつくりになった、こういうこともお聞きしていますので、それの紹介かたがた、やはり自治省の行政局とされましてはこの監査については、各地方団体それぞれにお任せになっても結構でございますけれども、もう少し何か基準らしきものが詳細にでき上がるような誘導策を考えてはいかがだろうか、こう思いますので、最後に行政局長から御答弁をいただきたいと思います。
  48. 松本英昭

    松本政府委員 今回の一連の地方公共団体経費の不正支出の問題は、それ自体あってはならないことでございまして、そのこと自体をいささかも弁護する気持ちはございませんが、その背後に一部、やはり予算の計上の仕方とか執行の仕方についていろいろと改善すべき点があるということも、私ども首肯できるところでございます。  そういうことから、今お取り上げになりましたように、群馬県の例をお取り上げになりましたけれども、やはり必要な予算は必要なところにきちっと計上して、その手続もきちっと執行できるようにしていく、それは非常に重要なことであろうかと思っております。そういう点は、私どもも各地方団体の予算執行当局あるいは会計当局に対して申し上げてまいりたいというように考えております。  次に、自治省自身がそういう一般的基準をつくったらどうだというようなお話でございますが、これは地方団体のみずからの予算執行あり方や会計統制のあり方でございますから、それは自分たちでやはりお考えいただいて、いずれにしても、適正、公正でなければならない、あるいは最少の経費で最大の効果を上げなければならないという一般的基準について私どもはお示しをいたしているわけでございますので、そこはそれぞれ具体的な執行の基準等は、みずからで判断をして対応していただくのが適切ではないかというように考えているところでございます。
  49. 滝実

    ○滝委員 行政局長の御答弁は、大変、建前論として私もそのとおりだと思いますけれども、先ほど一部を御紹介いたしました都市監査委員議会の準則を見ましても、それはそれなりに相当細かいことをうたっていますけれども、必ずしもそれで十分という感じではありませんので、私も自治省がつくるのがいいかどうかは別として、やはりそういうものをいろいろな方面でおつくりになるような、そういう誘導といいますか働きかけは必要じゃないだろうかな、こう思いますので、御要望を最後にさせていただきたいと存じます。ありがとうございました。
  50. 穂積良行

    穂積委員長 次回は、来る五月八日木曜日午前九時五十分理事会、午前十時委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。     午前十一時二十七分散会