○滝
委員 ありがとうございました。
そこで、次に、時間も余りありませんから断片的になるかと思うんでございますけれども、
先ほど宮路委員から、この
外部監査人の
資格に関連いたしまして、特に税理士さんを取り上げて、当
委員会の審議を通じて追加してもいいのではないか、こういうような御
意見がございましたので、そうしますと、私もこれについて一言申し上げておかないといけないのかなという
観点から申し上げたいと思うんでございます。
宮路先生からも御
指摘ございましたように、
外部監査人についての
資格は、二重の限定になっているわけですね。
一つは、本文のところで現在の
監査人に適用されるような
資格条件をきちんとうたい、かつ次に、各号に列記をする人たち、こういうふうにしているわけでございまして、その中に
弁護士さんと
公認会計士さんとそれから
監査業務の実務に明るい人、こうなっているわけでございます。
私は、その中で、
意見だけ申し上げますと、
弁護士さんや
公認会計士さんが挙げられるのだったら、だれでもいいという感じを私は持っているんです、失礼な言い方でありますけれども。というのは、
弁護士さんや
公認会計士さんが自動的にこういう
監査、
外部監査人にふさわしいかどうかというのは、これはわからないわけですね。
公認会計士さんは会社の、法人企業の決算は、それは専門家ですからできる、
弁護士さんも
法律問題についてはできるけれども、少なくとも
監査に関して自動的にこの人たちが適任だという保証は何もない。やはりある程度
監査基準、私が
先ほど申しました
監査基準等を詳細におつくりいただいて、その中で拳々服膺して事前のトレーニングがないと、なかなかいざ鎌倉というときに役に立たないと思うんですね。
そういう
意味で言うと、これは
自治大臣も
弁護士さんの
資格を持っていますので甚だ言いにくいんでございますけれども、やはりそれは
気持ちはわかりますよ、
専門性を
確保するんだという
気持ちはわかりますけれども、私は、そういう
意味で、もう少しここのところは幅を広げてもいいんじゃないだろうか。
特に、富路先生は行政局長さんのゆかりの鹿児島の出身ですから、大変奥ゆかしい提案をされました。要するに、
宮路先生の提案を端的に言うと、
弁護士さんも
公認会計士さんもいないところでは税理士さんでいいんじゃないだろうかな、こういうくらいの、どうも一歩も二歩も下がった御提案のように承らせていただいたんでございますけれども、私は、余りそういう下がった提案ではどうなのかな。これは
宮路先生の奥ゆかしいところでございまして、私は、むしろだれでもいいという
観点からいうと、大変これはむちゃくちゃにしちゃうような話でございますので、これは私も差し控えて申し上げますけれども、やはり多少は広げてもいいんじゃないだろうかなという
観点からあえて申し上げさせていただきます。
これは、当
委員会の審議がこれからまだまだ続くところでございますから行政局長さんの
答弁は特に求めませんけれども、この
委員会の審議が
宮路提案によりまして続くと思いますので、その中で当
委員会としてお
考えをいただきたい、こういうことだけを、私も審議に参加する
意味で申し上げさせていただきたいと存じます。
それからもう
一つ、私は、
先ほどの
財務監査にこだわるわけではありませんけれども、今から四十三年前にアメリカの
会計検査院、これはGAOと総称されているわけでございますけれども、アメリカの
会計検査院が大きな
組織改正をして、それが今日また反響を呼んでいるわけでございます。従来のアメリカの
会計検査院というのは、どちらかというと日本の
地方団体の
監査制度に近いと思うんですね。要するに、決算が会計
経理の
執行状況をちゃんと正確に反映しているかどうか、あるいは
執行が
法律に適法になっているかどうか、要するに日本の言葉でいうと合
法規性の立場からの
検査ということに集中をしていたものが、今から四十三年前にアメリカの
会計検査院は、そういう職員をもう一切むしろ排除をして、新たに
公認会計士を
中心とする専門集団を
会計検査院に入れた、これが今日のGAOの基盤でございます。
議会との
関係もあるのでございますけれども、それまでGAOの職員は、日本でいうと初級職を
中心にして約一万人の規模の
組織であったものが、この四十三年前の
改正によりまして、
公認会計士を
中心とする専門スタッフによって、四千人にむしろ人数を減らして、もっとも
経費はかかっていると思いますけれども、そういうようなことで何をしたかというと、単なる
財務監査から三E
検査と申しますか、要するに
自治法でもよく出てくる経済性、効率性それから有効性、こういうようなことに力を入れてきた。
日本の
会計検査院も、今から十年ほど前から、このGAOの新しい
制度に倣って有効性の
会計検査をするんだということで、盛んに取り組んで今日に及んでいるのでございますけれども、そういう面から見ますと、まさしく今度の
外部監査の専門スタッフというのは、単なる
財務監査だけをおやりになるにはもったいないのじゃなかろうかなという感じがいたしますので、その辺のことについてまず行政局長から御
答弁をいただいて、時間がありませんので、引き続きこの会計
監査の問題について、
大臣からも御
意見があったら承らさせていただきたいと存じます。