○北脇
委員 新進党の北脇保之でございます。
私は、
財政構造改革についてお尋ねをいたします。
皆様御承知のとおり、先般の
財政構造改革会議の決定に基づきまして閣議決定がなされ、さらに
財政構造改革法案の骨子が発表されているところでございます。この
財政構造改革についての
政府の
考え方、これについて、私ども、これでは十分ではない、そういう
考え方を持っております。
その要点の第一は、今回示されている
財政構造改革の案というものは、来年度の
予算編成のシーリング、この域を余り出ていないのではないか。二〇〇三年までの
目標を定め、そして当面の
改革期間の
削減目標数値、こういったものを出しているという点は新しい試みであり、その点は評価をするのにやぶさかではないのですが、ただ
財政構造改革と言う以上は、構造を変える、
財政が膨張するもととなっている仕組みそのものに切り込んでいくべきである。そうでなければ、一応ある短い期間
歳出を抑制するというようなことをしても、またもとのもくあみになってしまうおそれがある。そういう意味で、本当に構造の
改革に取り組むべきである、これが第一点でございます。
このことを具体的に申し上げれば、例えば
公共事業について二、三年程度長期
計画を延長、先送りする、こういうような施策が目立つわけでございますが、この
公共事業のあり方についても、今のような国から補助金を
地方自治体に出してやっていくような、こういう仕組みをもとから切りかえて、国の役割、そして
地方の役割をはっきりさせる中で
公共事業が効率的に行われていくような仕組みを
考えていくべきであるというふうに思います。
また、もう一つ大きな
財政の分野でございます
社会保障についても、単に数年間収支じりが合うというような、そういう取り組みではなくて、これからの少子・高齢社会に備えて、それに耐えられるような
制度の構築に取り組んでいかなければならない、これが第二点でございます。
そして三番目に、今回の閣議決定及び
財政改革の骨子、これに見られる一つの欠点というのは、やはりマクロ
政策についての
考え方が欠けているということだと思います。
これはもう今の
政府の
経済財政運営について、新進党が今
国会においてつとに
指摘していることではございますが、
歳出を
削減するということになれば、その分需要、雇用がその限りにおいて縮減されるということは避けがたい、そのようなデフレ効果をどうやって吸収して税収の落ち込みを防ぎ、赤字
削減を実現していくのか、このことが大きな課題であると思います。
一方的に
歳出の
削減、
公共事業のカットとか、そういうことだけでいった場合には、果たして
経済が順調に推移することを期待できるのかどうか、こういう問題がございます。
財政赤字の
削減の結果が国
内需要の縮小をもたらして、経常
黒字の拡大につながったり、
経済の悪化になって民間貯蓄率の低下をもたらす、こういうことではいけないわけでございます。私どもの
考えは、
財政赤字を
削減する場合に、そのデフレ効果を規制緩和とか法人税や所得税の減税による民間投資の拡大によって相殺していけるような、そういう
経済財政運営を目指していかなければならない、そういうふうに
考えているわけでございます。
以上が、今の
政府が示している
財政構造改革についての私どもの
考えの要点でございます。
次に、そのことに基づいて幾つかの
質問をいたします。
まず、
財政構造改革のための
法律の内容でございますが、これについて、どんな構成、そしてどんな内容になるのか、そのことをお尋ねしようと思っていたわけでございますが、これについてはその
法律案の内容の骨子が発表されておりますので、少し角度を変えて
質問をさせていただきたいと思います。
今回の法案の骨子では、
財政健全化の
数値目標として、二〇〇三年度までに
財政赤字の対GDP比を三%以下とするということが示されております。ただ、このような
数値目標の定め方には幾つかの弱点もあると思います。
というのは、一つは、GDPというのはそれ自体変動するものでございますし、またそのGDPの数値の確定ということについては当該年のうちに終わるものではございませんから、そういった点を
考えると、二〇〇三年度までの中間の進行管理のための指標というふうに
考えるときに、この
財政赤字の対GDP比を用いていくというのは、ちょっと十分に使い切れないという、道具としてちょっと切れ味が鈍いという面が一つあると思います。
それともう一つ、
財政赤字というものは、もちろん
歳出と歳入の差し引きで出てくるものでございますから、歳入面次第ではどうにでもなるという部分があります。それを見たときに、今回の
財政構造改革の
考え方の中に、
税制改正をどうしていくかとか、そういった歳入面のことが余り盛り込まれていない、具体的でない。このことは、この閣議決定なり法案の骨子を見ても、そこに書いてあるようにやっていけば二〇〇三年度までに本当に
目標が達成できるかどうかということをはっきり判断ができないという問題があると思います。
そこで、それだけに、
歳出削減目標を一応個別分野ごとに定めてありますから、この個別分野ごとの
歳出削減目標というものをきちっと定めて、それを実行していく、このことが非常に重要になってくると思います。その観点から、幾つかお尋ねをしたいと思います。
まず第一に、今後この
法律案の骨子に基づいて
財政運営をしていく場合に、補正予算の扱いがどうなるかということでございます。
例えば公共投資の扱いについて、この骨子並びに閣議決定を見ますと、公共投資については、
平成十年度の当初予算は
平成九年度の当初予算から七%マイナスにする、そして
平成十一年度、十二年度は前年度当初予算を下回る額にする、こう書いてあるわけですが、当初予算というふうに明記してありますので、じゃ補正予算はどうなるのか。例えば
平成十年度の予算を
考えても、当初予算の段階では七%マイナスということを実行したとしても、途中の補正予算で七%を超えてしまってもいいというような
考え方になっているのか。この点が一つ。
もう一つは、あわせてお聞きしますが、いろいろと議論のもとになっているウルグアイ・ラウンド
対策の農業関係の経費、これを今年度の予算でどう扱うか、これが一つの今後の
財政構造改革に取り組む試金石とも言えるわけでございますので、この扱いをどうされるのか。
若干、
質問の内容が
財政健全化の法案の内容ということと違う部分もございますが、お答えをいただければと思います。