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岩國委員 おはようございます。太陽党を代表いたしまして、質問させていただきます。
参考人の四人の皆さん、大変お疲れのところ御苦労さまでございました。私はきょうの最後の質問者でございますので、よろしく
お願いいたします。
我が国の長い歴史の中で、金のことはおあしと言われてきましたけれ
ども、
日本のお金は足のつかない、いつも足どめをずっと続けさせられておったお金がようやく足がつく時代がやってきたのではないかと、我々も大いに期待しておりますし、また、そういう
意味で
日本の円そのものもこれから国際的な
意味での活躍の時期を迎えておると思って、私も大変期待しております。またこうした個人のそれぞれの
お客様にとりましても、
金融サービスというものについて今までいろいろ不満もございました。そうした
金融サービスもようやく外国並みのグレードの高い、そして質、量ともに充実した時代がやってくるということを期待しております。
〔保岡
委員長代理退席、
委員長着席〕
私も、皆さんと同じように三十年間こういう
金融経済の
世界におりまして、大変お世話になりました。
メリル・リンチは
二つの大きな
ビッグバンを迎えました。今から二十年前にアメリカで、そして十年前に
ロンドンで。そしてそのメリル・リンチが対応したものは、十五年前からこうした
ビッグバンを想定して、役員会の中では皆さんも同じように
経営戦略を立てられたと思いますけれ
ども、そうした
銀行、
証券という言葉は二十一世紀の辞書にはどちらもなくなっているに違いない、
銀行というところを見れば二十世紀までは
銀行という名前の会社が存在しておった、
証券会社というところを開けば二十世紀までは
証券会社という会社が存在しておった、しかし、いずれも一つの
金融サービス会社になっているに違いない、十五年前からそのような
経営戦略のもとに
世界展開を図ってきたわけであります。
そうした中で、しかし、一つのものになりながらも、先ほど皆さんの議論の中にありますけれ
ども、三つに分化していく。一つはメガハウス。これは巨大な資本力あるいは情報網、そして人的資源、その三つを備えたメガハウス。二番目はスペシャリティーハウス。先ほど来山
参考人がブティックという表現をされましたけれ
ども、リースとか
企業合併とかそういった得意な分野だけやっていく。小さな人的資源、小さな資本、小さなネットワーク、しかし深い専門知識。そして三番目にはローカルハウス。信用金庫、信用組合、そういった地方
銀行。その三番目はメガハウスといえ
ども対抗できないような、そういうお客さんとの深い、長いつながりを資本としてやっていく。この三つに分化するだろうという前提で進めてきたのがメリル・リンチでありました。
アメリカの
ビッグバンのときにメリル・リンチがとった作戦というのは、法人部門と個人部門を分離するという思い切った作戦でした。これは一つの会社を
二つに割る。そして、これはメリル・リンチの場合には成功したと思います。もう一つの作戦は、五百万人のお客さんに一枚のカードを渡すことによって五百万の
銀行の
支店をつくってしまう。これは、州を越えて
支店を設けられないというアメリカの制約を逆手にとって五百万の
支店を一挙につくってしまったというのがメリルの作戦でした。
ロンドンの
ビッグバンのときにメリルがとったのは、それに加えて
銀行を
買収するということでした。
このような十年、二十年前の私の経験や知識も随分古くなりましたので、きょうは四人の
参考人の方に幾つかの質問をさせていただきたいと思います。
まず最初に
工藤参考人。メリル・リンチが
日本に上陸したのは今から約四十年前、そしてそれは三井
銀行の軒下でした。そういう長い関係を持たせていただいて、我々も大変お世話になりました。今でも三井
銀行のキャッシュマシンしかメリル・リンチの
東京支店には置かれていないはずであります。こうした
日本の都市
銀行さんが展開されてきた個人
サービスの中で、二十四時間
サービスというのはいつから、週七日二十四時間
サービスというアメリカの
顧客が受けられるものを
日本の
顧客はいまだに受けることはできない、簡潔で結構ですから、そういう計画はいつごろ具体化されるお考えなのか。
また、こうした
日本の年号というものがその制約になっておるのではないかと私は思います。お金は
国際化になりながら、依然として昭和だとか平成とか、天皇陛下がおかわりになるたびにくるくる変えなければならない。これが本当に
世界の
金融取引であろうかと私は疑問に思います。一日も早く
金融の
世界から、まず西暦を原則とし、そして年号は併用するという方に踏み切るべきではないか、その準備は十分にできておるかどうか、この
ビッグバンに備えて。
この二点を簡潔にお答えいただきたいと思います。
それから次に、
バンカース・トラストの
安岡さんに、私もいろいろ個人的にお世話になりましたけれ
ども、きょうこういうところで質問させていただくのを大変に光栄に思っております。
そうした、
バンカース・トラストが苦境に陥って、モルガン・ギャランティーのホールセールバンクでもないし、またシティ・バンクのような大衆
銀行でもないし、中途半端な行き方のときに大変苦しい
状況にあったバンカースが、結局はモルガン・ギャランティーと同じように
差別化、
差別化というのは人種差別とかいう差別ではなくて、ディファレンシエートさせることによって見事に立ち直ってこられたと思います。
今回の日債銀との提携というものも、その
戦略の上に乗っていることと思いますけれ
ども、そうした
世界戦略の中で、この
日本の
金融慣習、
金融取引について、とかく不正な
取引について非常に対応が遅い、アメリカのSECと比べて
日本のSECについてどのような感想を持っていらっしゃるか。この弱体でそして信頼度の著しく低い
日本のSECを持ちながら、本当に
ビッグバンというのはやっていけるんだろうか、むしろ不正の
ビッグバンが大きく広がっていくということを私は懸念しております。この辺について、簡単で結構ですから、御感想でもよろしいと思います。
それから、伊藤忠の
森澤副
社長さんに質問させていただきたいと思います。
私も伊藤忠本社の中で三カ月、最初のヨーロッパの外債のときにいろいろと皆さんと仕事をさせていただきました。そうした溝口さん、加藤さんあるいは本庄谷さん、石田護さん、皆さんと一緒に最初のヨーロッパ第一号の、しかも
商社という外国にはわからない存在をいかにしてわからせるかということで皆さん大変苦労されたことを懐かしく思い出しております。
そうした
商社という存在が、今や物の
サービス機関だけじゃなくてお金の
サービス機関としてこれから入っていかれるわけでありますけれ
ども、外国の
金融機関をこれから
買収される計画はおありかどうかあるいは既にトレーニー等の研修生派遣というような形によってどこかと特定な契約にもう入っておられるのかどうか、その準備をしておられるのかどうか、簡潔で結構ですが、お答えいただきたいと思います。
最後になりますけれ
ども、
米山参考人に簡単にお答えいただきたいのは、この
ビッグバンによってアメリカでは個人
手数料は逆に上がりました。法人に対しての
株式手数料は三〇%下がり、個人の
手数料は三〇%上がったのです。アメリカの個人
投資家は決して
ビッグバンからプラスの結果を受けなかったのです。結局は、弱い個人
投資家に、そうした採算性が悪いということでもって高い
手数料を押しつけられた。この
ビッグバン、
株式取引手数料の
自由化によって
日本ではどういう結果が出てくるというふうに想定していらっしゃるかそれをお伺いしたいと思います。
そして、もう一問。最近、野村
証券の事件を契機に、そうした
証券界あるいは
銀行の黒い体質というものが取り上げられておりますけれ
ども、これに対して、マネーロンダリングに対する対抗はできておりますか。その点をお伺いしたいと思います。