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三塚国務大臣 大変難しい問題を
局長に答えさせましたが、これを進めるに当たりまして、橋本首相ともよく打ち合わせをいたしました。
世界経済の中で代表する
金融市場ということになりますと、バブルまではニューヨークであり、東京であり、そしてロンドンであり、次にフランクフルト、こういうような位置づけ、流れにありました。
バブル崩壊後の深刻な不況を経て今日に参りました。諸改革の断行が必要なこと、論をまちません。
そういう中で、一千二百兆という国民の預貯金、これは何だろうかということが大事だと思うのです。これを大事に活用していく、そして預貯金者にそのことがプラスになっていくということだと思うのです。世界の預貯金の中で三〇%を超えると言われる驚異的な額であります。
APEC蔵相会議の中でも、各蔵相口々に言いましたのは、何とか貯金率を上げたい、こういうことなのですね。バイの会談でも、これだけの預貯金が集まるのは、
日本という国は大変な国だ、何かコツがありますか、こう聞かれました。これに対して私は、
日本人の持つ勤勉性、
日本人の持つ物を大事にするということ、もちろん不時の支出、先々の不安に対する備え、こういうものもあります、こういう一般論で答えてまいったわけでございますが、一千二百兆というのは恐るべき実は預貯金高であります。これは国力の根源であります。よって、これを有利に展開をせしめるのは政治の役目であります。
預貯金者に対する有利な展開、それと
日本の企業における自由な、そして適時適切に資金が調達できるという場を設けるという
意味で、場が必要である。もちろん、これだけ
世界経済の恩恵の中で、努力はありましたけれども、
日本がここまで来たわけでありますから、世界に向けても、
日本の
金融市場マーケットは極めてすばらしい、資金を調達するなら東京マーケット、大阪マーケット、こういうことになれば
我が国の将来展望というのは極めて明るいものになるし、国際間の信認も厚くなるであろう。国民の預金を大事に扱わせていただく、同時に、
世界経済の中で、特に
アジアの中の
日本でございますから、三極の一として
アジアのマーケットの模範をつくり上げる、こういうことであります。
ですから、銀行はつぶれるかつぶれないかという最後の問いでありますが、多様な活動ができるように、ディレギュレーションの中でありますから頑張れば確実に生き残れる、こういうことでありますし、
市場競合の中で適者生存という原理も働くことは当然であります。そういう中にありましては、国金
局長答えましたようないろいろな組み合わせ、系列化というのは
日本文化だというほどアメリカやヨーロッパの
経済担当の政治家が評価をいたしております。持ち株会社がその一つのスタート台でもあろうと思っております。そういうことで、刻一刻変わる自由主義
経済の中において、
日本人のよりよき知恵を働かせながら協調をしていくということであろうと思います。