○
久保田政府委員 手続の電算化の話でございます。
これは
我が国の経済社会の国際化に伴う貿易の拡大、非常な勢いで貿易が伸びているわけでございますが、そういうことで国際物流の
円滑化等の社会的
要請が大変拡大をいたしております。大蔵省・
税関は、NACCS、これは
通関情報処理システムと言うとわかりづらいんですが、ニッポン・オートメーテッド・カーゴ・クリアランス・システム、要するに自動的に
通関を処理するシステム、こういう
意味でございますが、このNACCSは、
我が国初の、書面によらず行政手続をオンラインで処理をするという手続でございます。
具体的に申し上げますと、例えば
輸入の場合には、
通関業者の事務所にNACCSのパソコンを置いておきまして、パソコンを通じて
輸入申告を行うわけでございます。これはパソコンをたたくわけでございます。そういたしますと、それで
輸入申告が可能となりまして、そのシステムの中に問題があるものとないものというプログラムが入っておりまして、そのプログラムの方で問題がないと
判断されたものについては、今度は口座振替によって
関税等を自動的に納付する。口座振替で自動的にそのシステムを通じて納付する。さらに
税関の方から言うと、
申告者に
輸入許可をオンラインで即時に処理する。
いわば通常考えられております、まず
輸入申告書を出しまして、それでオーケーをもらって
関税を納めて、それで
輸入許可をもらって、許可書を持って引き取るということではなくて、そういう書類を全くなしに電算処理をするということでございまして、かなり画期的なシステムでございます。これは
通関時間の大幅な短縮及び利用者の事務負担の軽減を大幅に図るわけでございます。他方、先ほど申し上げましたように、このシステムを通じてどうも審査、検査が必要であるなというふうに
判断されましたものにつきましては、
税関職員による重点的な審査、検査をする、こういうことになるわけでございます。
こういうNACCSの
導入によりまして、全国の主要な
税関官署におきまして、我々の方から見ますと、統一的な基準によって審査が実施可能になるし、あわせて
通関の
適正化も確保できるし、人員の負担も減少する、こういう
メリットがあるわけでございます。
現在、航空システムと海上システムと二つの系統がございます。これはお客さんが違うということもございますので、航空
貨物等を対象として、
税関と航空会社、保税業者、
通関業者、銀行等をオンラインで結ぶ航空システム、Air−NACCSは
昭和五十三年に
導入しておりまして、さらに海上
貨物についての海上システム、Sea−NACCSを
平成三年に
導入いたしました。現在全国の
輸出入申告件数の九割以上がこのNACCSによりシステム処理されておりまして、この九割という
計数は、我々は国際的に見ても大変誇れる
数字であるというふうに
理解をいたしております。
それから、今
お尋ねのございました
関税関係法令以外の
輸入関連法令手続はどうか、こういうことでございますが、これも含めて、
関係省庁と連携していろいろの方策を講じてきたところでございます。
その中では、今
お尋ねの、本年二月には、NACCSと
輸入食品に係る食品衛生手続を行う厚生省の電算処理システム、これは
輸入食品監視支援システムということでございますが、これとの電子的な接続、専門用語ではインターフェースと言うそうでございますが、これを実施したところでございます。これによりまして、NACCSの利用者は、
通関手続に加えまして、従来は厚生省の検疫所窓口で行っておりました食品衛生法に基づく届け出手続をも、NACCS専用のパソコンで窓口に出向くことなく処理することができるということになって、事実上、ワンストップサービスを
我が国で初めて実現したというところでございます。