○麻生国務
大臣 藤田
先生御存じかと思いますけれども、
日本の都市銀行というのは基本的に個人に金を貸す能力はないのですよ、それだけの
情報がないから。失礼ですけれども、普通の方々に、金を貸してくれと言ったって土地を持っている以外は金を貸したことないのですから、
日本の銀行というのは。だから、早い話が、融資
審査能力がサラ金に比べて極めて劣っています。これははっきりしていると思っていますよ。
したがって、私は、昭和五十八年だったですか、大蔵
委員をやっておりまして、このサラ金業法はたしか議員立法でつくったという記憶があるのですが、そのころは大手の銀行の方に比べてサラ金の業者の方の地位は極めて低く、高利貸しという言葉は最近なくなりましたけれども、あの当時、一〇九%ぐらいまでのあれをとにかく四〇・〇〇三だか四だかにするという話を最終的に合意したのだと記憶をしますけれども、あのころから個人の需要というのが昔に比べてふえた。
加えて、キャッシュレスというようなものでクレジットカードというものが、何とか信販だとかいろいろなものがずっとふえていって、現金を持ち歩かなくてもそういうものができるようなものが随分ふえてきて、多分一番極端なのはレンタカーだと思いますけれども、レンタカーはクレジットカードを持っていないと逆に車が借りられないというような話で、すごくはやったのですね。
そのときぐらいから、逆に今度は、個人の
情報を持っている今言われたような方々の
情報能力は、銀行からはのどから手が出るほど欲しい
情報に変わったのだと思うのですね。その
情報はお金になったのだと思います。
だから、その
情報をとられたら、今度はいよいよそこのところに銀行が乗り込んでくるわけですから、いわゆる
調査能力に基づく、今までずっと銀行に比べればはるかにそちらの
人たちの方が個人
情報の収集に関しては地道な努力をしておられたわけで、その方々の持っている
情報をむしろ銀行は欲しい側に回っておられる、需給
関係からいったら多分そうなっていると思います。
したがって、それを出したら今度自分たちの仕事がなくなってしまう、銀行はさらに大きな資金で安く、いいところだけをとられちゃかなわぬ、多分サラ金
業界の方はそういうぐあいに考えるから、出したくない、出したら自分たちの仕事が全部銀行にとられる。多分そういう
関係になっているだろう、私は業者じゃありませんのでよくわかりませんが、大体そんなところですよ。だから、銀行に対してサラ金業者は出さないということになっているのだと思う。
ですから、そこのところは
大蔵省が圧力をかけていったって、それは自分らの商売を、大きな銀行が入ってきて、あっち二五%、うち二三%でいいとか、そういうことをやられたらとてもかなわぬと多分思っているのがなかなか進まない大きな理由だと思います。これは私の想像ですけれども、そんな詳しいわけではありませんので。
しかし、いずれにいたしましても、「むじんくん」を初めいろいろなものが、多重債務を招く大きなもとになっているという点も確かだとは思いますけれども、お金を借りるのに人の顔を見ると何かつらいところで、僕は、ちょっと例えとしてはいかがなものかと思いますけれども、人の顔を見なくて旅館に入れるようになったのがあの産業が非常に大きくはやった大きな理由ですから。そういった
意味で、人の顔を見ないでやるというのは非常にいい、何というか、顧客拡大のためになっていったことは確かだと思うのですね。だから、それはまさに機械の発達のおかげ、コンピューターの技術の発達のおかげ、いろいろなものがずっと回り回っていったのだと思います、そう簡単に言えるとは思いませんけれども。
いずれにいたしましても、ちょっと最近の流れとしては、三千台というお話がありましたけれども、その量は、特に集中している場所がいわゆる繁華街と言われるようなところで、昔とは随分
状況が変わってきておるというのもよく承知をしているところでもありますので、今言われました点は
消費者の立場に立っては非常に大きな問題だと思ってもおりますので、この問題については十分に検討させていただきたいと存じます。
天下りの件につきましては、これは正直、今サラ金にどれくらい人が、今十何人とおっしゃいましたけれども、ちょっとその
実態内容がよくわかりませんので一概に言えないところですが、最近の
状況をよく知りませんが、その当時は、そういった
業界は余りにもひど過ぎるという状態でありましたので、これは逆に入ってもらわぬと信用がないという時代が最初のころだったのですが、以来十年以上たっておりますので、少し
状況も変わってきているだろうなとは思ってはおります。
いずれにいたしましても、ちょっと今
実態の大きさがわかりませんので、十何人という数が果たして適正なのかという点から言わせていただければ、ちょっとそんなに必要かねという感じが、正直な私の実感であります。