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佐藤(剛)
委員 大臣はそのような
観点で進められておりますので安心いたしておりますが、内閣の中においても、
大臣の中においてもそういう認識が欠けているやに私は見える
大臣がおりますから、名
大臣、どうかひとつそのときにはそういう説得を、そうじゃないよということでやっていただきたい。
というのは、何かもう最近になってくると、
行政の
改革だとか、いいですよ、
行政改革は。だが、
事業団を
一緒にくっつけて、何か商工中金を民営化するとか、中小公庫、
国民金融公庫、
開銀を
一緒にして、それはできないことはないですよ。それは今
臓器移植の
時代でして、
日本の
人たちが
アメリカに出かけていって
臓器をもらってくるような
時代ですから、
国民金融公庫と
開銀、男と女を
一緒にしてしまうような話だってやるぐらいの乱暴なことができないことはないけれども、それで
改革の実が上がるかというと、首を切るわけじゃないのですから、上の
理事長だの何だのを何人か減らすだけで、そんな話でやったというような話にされると困る。
これは
山本七平
先生という亡くなった
先生が、
大平総理の文化のブレーンで
山本七平
先生が座長をやっておって、
山本先生が「
空気の
研究」という本を書いている。それで、
日本というのはある日ある時何か
空気が漂う。ヘドロ問題が出るとヘドロがわあっと出る。それから
消費者の問題が出るとわあっと出る。そのころに、ちょうど昭和四十年代の半ばには
公害関係で、
大気汚染から水から騒音から、全部そこまで出た。
消費者の
保護基本法も、そういうのが出た。
それはいいですよ、
消費者の
保護というのは。私も
消費経済課長をやっていた男だし、そういう
意味においては、
消費者運動は二十
世紀における、十九
世紀の
労働組合運動と同じように立派な
運動だと私は思っていますが、
政治改革といったらすごい流れになってしまって、いつの間にか小選挙区制が実施された。それで、私なんというのは新しいところで、昔は海がなかったのですが、浜の方まで入ってしまった。
大臣の御出身の
相馬家ですけれども。それで、浜の方に行きまして、浜の
男佐藤剛男ですなんてやっているのですから。そういうふうなものが起きてしまう。そういう点、
日本というのは
空気が何となく漂うと抵抗しがたいものができてしまう。
経済企画庁も、この末のころにはどこかとくっついてしまっているかもしれない、その案が出てくるかもしれない。通産省もなくなってしまって
産業省と農林省と
一緒になってしまうかもしれない。二十二が十一ぐらいになる。それはいいのです、その思想は。それはいいのだが、やったからといって別に
国家公務員の数が急激に減るわけではない。生首をそんな簡単に切れるわけではない。
そこで、
山本七平
先生は、さらに「水の
研究」という本があるのですよ。そういうときには水を差すということで、私は決して、水は飲んでいますけれども、水は差しているわけじゃございませんが、そういう
観点を持っているわけでございます。
ですから、よく
貿易の
赤字が三年以内に来るだろうという暴論を言う人もいますが、来っこないです、そんなことは。来るはずがない。それは私も言えるし、それから、私は
自分の
通商調査課長時代からのそういう
観点の分析から見て、そんなことはあり得ません。ずっと続いています。むしろ、今やることによって、
アメリカは、
経済企画庁長官は
アメリカに行かれますと、内需振興しろと出てきますよ。
インベストメントが不足だ、Sばかりが多いじゃないか、
SイコールIにしろ、そういうことを言われると思います。これが
アメリカの
立場です。それは正しいのですよ。ですから、そういうことを
経済企画庁はむしろ積極的に物を言うべきなので、戦後の安本の
時代のようなあの熱が、私はあってしかるべきであります。それから、
財政赤字絶対悪、
財政赤字がゼロだ、五百兆はいかぬなんというのは、これは大間違い。それから、
日本の
財政は
最悪だ、これも間違い。
ワーストナンバーワンじゃございません。ですから、いたずらにボルテージを上げて危機を強調するそういう
人たちがいますが、それは正当ではございません。
ただ、
先ほどお話がありましたが、一番大きな問題は
少子化なんです。
子供が少ない。この少ない問題をやらなければいけないのですが、
政治家も、
子供は票がないから、どうしてもお年寄りの方の
高齢化の方に向いてしまって、
高齢社会。
今私は
厚生委員会の
理事で、
介護保険の法案を通そうと思ってやっていますが、
子供の
還暦親も立ち会う
長寿国になってしまった。子の
還暦に親は大体多いところは二人二人いますから、そういう
時代ですから、少なくとも一人一人いますよ。そうすると、六十歳になったりしますと、あなたはあなたの親を見なさい、私は私の親を見ると奥さんが言って、ぶつぶつ言って、それならば離婚しましょうといって行ってしまいますよ。これを
介護離婚というのだ。
それから、私の友達で、東京に親が二人いまして、寝たきりだった。
福島に移った。それで週末にしょっちゅう帰ってこなければいけない。週末に帰ってくるのでくたびれてしまった。くたびれて死ぬのを
過労死というのがありますね、
過労死じゃなくて
介護死というのだ。こういうのがはやり出したから、これではやはり血族とか親戚の
範囲というのを超えて社会的な
介護をしなければいかぬなということで、
介護保険制度というのを
平成十二年からスタートしよう、こういうことです。
ですから、今のところの
ISインバランスは、Sが少なくなっていくことは間違いないのです、いつしかは。これは二十一
世紀になってきますが、今まだ
日本にはその
余力があるのであります。
私の
友人で、恋人じゃないのですけれども、私の高校の同級生で、
塩野七生という人が、
大臣御存じだと思いますが、
ローマにおります。
ローマで今、
ローマ史というのを書いている。
ローマ史を五巻書いたのです。その人が、いろいろしょっちゅう送ってくるのですけれども、ギボンにかわって
ローマ史をつくるわけですね。今、
日本、
祖国はと言うのです。これは
愛国の
女性ですよ。
愛国の士じゃなくて
愛国の
女性ですよ。
祖国は今大変のようであるが、
勝者の
混迷ですと言っていますよ。勝った者の
混迷にあるのだ。
敗者の
混迷というのは、戦後の焼け跡、それは簡単に克服できた。しかし、
勝者の
混迷というのは、これはすごく難しいのだ。そうでしょう。
日本は今、
日米で
世界の富の四〇%を占めている。
日本は一五%を超えてしまったのだ。しかし、外見はいいけれども、根を見ると、根はもう縮れになったり、根分けしなければならない。これは
教育にも出ている、
財政にも出ている、
行政にも出ている、
安全保障にも出ている。それで
改革をやっているわけです。
そこで、
ローマの場合には、
カエサルという貴族ですね、
体制内の人、
日本でいいますと
橋本龍太郎先生、
総理。
小沢一郎さんじゃない、菅さんじゃない、
体制内の人がその
政治改革というものを、そのときには
カエサルが
元老院を切った。
元老院を切ったことによって
ローマというのが沈没しないで今日に至っておる。ですから、そういうものにおいて、
ローマというのは
世界史の中の
一つのサンプルなのですよということを言っております。そして、今
韓国もそういうものにぶつかってきている、
韓国においてその
翻訳権を出したと言っている。つまり、今
日本は
勝者の
混迷だけれども、外から見ていると、
ローマから見ていると、まだ
余力がありますよ、
日本の男性奮い立て、こう言っていましたよ。
ですから、先ほど申し上げました
ISバランスの問題もそういう
段階であって、今日
勝者の
混迷にある、しかしまだ余裕がある、まだ
ゆとりがある、そのうちにきちんとしたことをやれば私はこれを克服できるというふうな
問題意識です、
楽観論者でございますので。
それでは、時間でございますので、そういう
見解について
大臣の御
見解といいますか、もろもろの問題について
お話を伺いまして、私は終わりにさせていただきます。