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1997-02-20 第140回国会 衆議院 消費者問題等に関する特別委員会 第2号 公式Web版

  1. 会議録情報

    平成九年二月二十日(木曜日)     午前九時三十分開議  出席委員   委員長 中村 鋭一君    理事 小野 晋也君 理事 岸田 文雄君    理事 佐藤 剛男君 理事 斉藤斗志二君    理事 青山 二三君 理事 福留 泰蔵君    理事 肥田美代子君 理事 藤田 スミ君       大野 松茂君    奥山 茂彦君       木村 隆秀君    小林 多門君       河野 太郎君    能勢 和子君       山口 泰明君    渡辺 具能君       長内 順一君    福島  豊君       松沢 成文君    松浪健四郎君       石毛 鍈子君    中桐 伸五君       深田  肇君  出席国務大臣         国 務 大 臣         (経済企画庁長         官)      麻生 太郎君  出席政府委員         公正取引委員会         委員長     根來 泰周君         公正取引委員会         事務総長    糸田 省吾君         経済企画庁国民         生活局長    井出 亜夫君         経済企画庁物価         局長      河出 英治君  委員外出席者         公正取引委員会         事務総局官房審         議官      上杉 秋則君         特別委員会第二         調査室長    田中 宗孝君     ───────────── 本日の会議に付した案件  物価問題等国民消費生活に関する件(物価対  策及び国民生活行政等)      ────◇─────
  2. 中村鋭一

    中村委員長 これより会議を開きます。  物価問題等国民消費生活に関する件について調査を進めます。  この際、麻生経済企画庁長官から、物価対策並びに国民生活行政等について発言を求められておりますので、これを許します。経済企画庁長官麻生太郎君。
  3. 麻生太郎

    麻生国務大臣 日本経済の当面する課題経済運営基本的な考え方につきましては、去る一月二十日、本会議場における経済演説において明らかにしたところであります。本日、消費者問題等に関する特別委員会が開催されるに当たり、重ねて所信の一端を申し述べさせていただきます。  今後、我が国経済運営に当たり、私は、特に次の諸点を基本としてまいりたいと存じます。  第一は、適切かつ機動的な経済運営を行いつつ、このところ堅調さを増しております民間需要主導の自律的な景気回復を実現することであります。  平成九年度における日本経済につきましては、消費税率引き上げ影響等により年度前半景気の足取りは緩やかとなります。しかし、経済構造改革推進等によりまして、次第に民間需要中心とした自律的回復が実現されてまいりますとともに、持続的成長への道が開かれていくものと見込まれます。  今後とも景気動向につきましては引き続き注意深く見守りつつ、適切かつ機動的な経済運営に努めてまいる所存であります。  物価動向につきましては、このところ安定いたしており、今後とも物価安定に努めてまいりたいと存じます。また、高いという御指摘のある公共料金につきましては、事業効率化により、その低廉化を図ることが重要であります。したがいまして、参入規制緩和価格設定方式改革情報公開徹底等を積極的に推進してまいります。  第二は、経済構造改革推進であります。  構造改革は、もはや議論をしている段階ではなく、実行に移していく段階に来ております。  一連の構造改革の重要な柱の一つであります規制見直し緩和・撤廃につきましては、昨年十二月に経済審議会から建議されました六分野経済構造改革の提言を初め、物流金融雇用労働土地住宅高度情報通信医療福祉等分野において、各種の施策に関する方針が既に打ち出されたところであります。  これらの施策具体例を申し上げますと、物流分野におきましては、目標期限を定め、原則として需給調整規制を廃止するための施策を講じます。金融につきましては、二〇〇一年までに東京市場をニューヨーク、ロンドンと並ぶ国際金融市場とすることを目指して、外国為替管理制度改正を初め、金融システム改革を行うことといたしております。また、雇用面では、労働者企業双方の要求をより適切に合致させるため、民間有料職業紹介事業取扱範囲を見直す等の施策を進めてまいります。  今後、これらの規制緩和等についてより実効性を高めるべく、先般閣議決定されました経済構造の変革と創造のためのプログラムの具体化作業及び規制緩和推進計画改定作業を鋭意進め、経済構造改革を強力に推進していくことが重要であります。  第三は、安全で安心な生活の再設計を図ることであります。  日本においては、これまで経済的には繁栄し、かつ危険が少なく、加えて安心して暮らせる国をつくってきたと信じられてきました。しかし、近年、国民意識世論調査などで見ますと、教育、雇用、犯罪、また医療や年金につきましては、不安や不満を感じる人がふえてきております。これは、これまで社会の各分野を支えてきたシステムが、時代に合わないものとなってきたことによるものと考えられます。このような状況に対応していくためには、経済構造改革社会保障構造改革推進していくとともに、日本型社会システム見直し改革もあわせて進め、従来のように安全で安心して暮らすことができる日本社会の再構築を図っていく必要があります。  また、規制緩和が進展する中で、消費者はより一層多様な選択を行い得るようになってまいります。しかし、同時に自己責任を持つことが求められるようになってまいりますので、消費者自身の自立を支援する諸施策推進してまいらねばならないと存じます。とりわけ、消費者事業者との間の情報力交渉力格差を是正し、消費者事業者双方自己責任に基づく行動を促すための条件を整えることにより、消費者取引適正化を図ってまいりたいと存じます。  市民活動につきましては、ボランティア活動等に対する国民意識が高まる中で、ボランティア等が行う市民活動社会に根づき、健全な発展を遂げていくため、所要の環境整備を積極的に推進してまいりたいと存じます。  基本的な考え方の第四は、市場経済化、一体化が進んでおります世界経済への貢献であります。  そのため、WTOを中心とする制度的枠組みの中で、多角的な自由貿易体制の一層の強化に貢献するとともに、APECにおける貿易・投資の自由化円滑化のためのマニラ行動計画を着実に実施すると同時に、その内容の充実に一層努めてまいりたいと存じます。  さらに、市場開放政府調達に関する苦情処理体制の積極的な活用などを通じて、我が国への市場アクセスの改善などを図ってまいります。  また、地球環境問題や人口問題への対応、民主化市場経済化促進のための知的支援強化など、経済協力の新たな課題にも取り組んでまいります。  日本の飛躍的な発展を支えてきたシステムは、現在、大幅な見直し改革を行うことが求められております。二十一世紀に向けて我が国経済社会の新たな展望を切り開いていくためには、たとえ苦痛が伴うものであっても、構造改革推進していかなければなりません。  先人の努力によりこれまで蓄積してきた資本、人的資源、高度な技術基盤等を活用して、豊かで安心して暮らせる活力ある社会を再構築していくために、精いっぱい努力してまいりたいと存じます。  本委員会の皆様の御支援、御協力をよろしくお願い申し上げます。
  4. 中村鋭一

    中村委員長 次に、平成八年における公正取引委員会業務概略につきまして、公正取引委員会委員長から説明を聴取いたします。根來公正取引委員会委員長
  5. 根來泰周

    根來政府委員 平成八年における公正取引委員会業務について、その概略を御説明申し上げます。  私的独占禁止及び公正取引確保に関する法律、いわゆる独占禁止法違反行為については、我が国市場を内外により開かれたものとし、消費者の利益を確保して豊かな国民生活を実現していくとの観点から厳正に対処し、価格カルテル入札談合事件等三十件について法的措置をとり、違反行為排除を命じたほか、二十二件の警告を行いました。また、十六件の価格カルテル入札談合事件について、総額二十五億三千五万円の課徴金の納付を命じました。  独占禁止法違反行為未然防止については、平成九年四月に予定される消費税率引き上げ及び地方消費税導入に際して、独占禁止法違反行為未然防止を図るとともに、消費税等の適正かつ円滑な転嫁に資するため「消費税率の引上げ及び地方消費税導入に伴う転嫁表示に関する独占禁止法及び関係法令考え方について」を作成、公表しました。  独占禁止法適用除外制度については、個別法に基づく独占禁止法適用除外カルテル等制度四十七制度について見直しを行い、その結果、平成八年三月の閣議決定において、三十三制度について廃止、法整備を行い、四制度について適用除外範囲の限定を図り、残り十制度については引き続き検討等を行うこととされました。また、再販適用除外が認められる著作物見直しについては、関係業界消費者団体等からの意見聴取に努めるなど検討を行い、なお継続中であります。  事業活動及び経済実態調査については、競争政策観点から、住宅用資材設備機器企業間取引並びに清涼飲料水、食肉加工品及び婦人衣料品流通取引慣行について実態調査を行い、それぞれ結果を公表しました。また、我が国事業者団体活動が参人制限的に機能していないかを検証するため、外資系企業から見た我が国事業者団体活動に関する調査を行い、その結果を公表しました。  不当景品類及び不当表示防止法に関する業務については、消費者の適正な商品選択が妨げられることのないよう、過大な景品類提供及び不当表示排除に努め、二件の排除命令を行ったほか、五百十二件の警告を行いました。また、景品提供をめぐる経済社会情勢が変化していることを踏まえ、景品規制見直し明確化を図るため、関係告示及び運用基準改正を行いました。  以上、簡単でございますが、業務概略について御説明申し上げました。  今後ともよろしく御指導のほどお願い申し上げます。
  6. 中村鋭一

    中村委員長 次に、平成九年度の消費者行政関係経費概要について、経済企画庁国民生活局長から説明を聴取いたします。井出国民生活局長
  7. 井出亜夫

    井出政府委員 平成九年度の消費者行政関係経費について御説明申し上げます。この経費は、平成九年度の予算案から各省庁消費者行政に係るものを一括して整理したものでございます。  お手元にお配りしてございます「平成九年度消費者行政関係経費概要」に沿って申し上げます。  一枚目、二枚目は、消費者行政関係経費を十二に分類した項目別の表でございます。左側の欄にはそれぞれの項目を掲げておりますが、これはおおむね消費者保護基本法の体系に沿ったものであります。  十二の項目のうち、項目一の「危害の防止」から項目六の「契約の適正化」までの項目は、主として事業者活動適正化することを内容とする事項であります。項目七の「消費者啓発」以下の諸項目は、主として消費者が自主的、合理的な消費生活を営むことを支援する内容のものであります。  項目別主要内容は、表の右側の欄にお示ししたとおりでございます。  消費者行政関係経費を合計いたしますと、二枚目の表の一番下の欄にございますように、約二百三十五億円となっております。前年度の二百十四億五千万円と比べますと、約二十億五千万円、約一〇%の増となっております。  また、これを省庁別に集計いたしましたものが三枚目の表でございます。  以上、平成九年度の消費者行政関係経費概要を御説明申し上げました。  何とぞよろしくお願い申し上げます。
  8. 中村鋭一

    中村委員長 次に、平成九年度の物価対策関係経費概要につきまして、経済企画庁物価局長から説明を聴取いたします。河出物価局長
  9. 河出英治

    河出政府委員 平成九年度の物価対策関係経費予算に関連する主要な公共料金改定概要につき、お手元に配付いたしました資料に即して御説明申し上げます。  資料一ページ目の「平成九年度物価対策関係経費」でありますが、これは、一般会計及び特別会計予算に計上される経費のうち、物価の安定に資することとなる経費を七項目に分類整理して取りまとめております。  総額は、最下欄左合計欄でごらんいただけますように、五兆一千八百三十四億一千六百万円であります。前年度予算額に比べ五百十六億六千四百万円の減、一%の減少となっております。  二ページに移りまして、経費内容を順次御説明申し上げます。  項目の第一は、「低生産性部門生産性向上」でありまして、経費総額では二兆二千五百六十三億五千三百万円となっております。内訳としては、農林漁業対策の面で、農林漁業生産力維持増進のための農林漁業金融費農林漁業生産基盤整備するための経費などが計上されております。  また、中小企業対策関係では、三ページ中ほど以降にお示ししてありますように、中小企業金融費小規模事業対策推進経費などがあります。これらは、生産性向上供給の増大を通じ、物価安定に寄与するものであります。  第二の項目は、三ページの「流通対策」でありまして、総額は三百三十七億八千二百万円であります。具体的には、野菜価格安定対策経費卸売市場施設整備費などが計上されておりまして、流通コストの節減に資する経費であります。  第三の項目は、四ページ中ほどの「労働力流動化促進」でありまして、経費総額は五千九百十億七千二百万円であります。内容は、ごらんいただけますように、雇用安定等事業を実施するためのものでありまして、労働力の質を高め、流動化を図ることを通じて物価の安定に役立つものであります。  第四の項目は、「競争条件整備」でありまして、その総額は五十五億六千四百万円であります。価格が公正かつ自由な競争を通じて適正に形成されるよう市場競争条件整備するための公正取引委員会経費がその大部分でございます。  第五の項目は、「生活必需物資等安定的供給」でありまして、総額は八千六百八十七億千七百万円であります。内容につきましては、石油安定供給対策費環境衛生施設整備費等が主な項目でありまして、石油等生活必需物資、上水道、公共輸送等生活必需サービス安定的供給確保のための経費であります。  第六の項目は、五ページ中ほどの「住宅及び地価の安定」でありまして、総額は一兆四千二百六十一億五百万円であります。公営住宅建設事業費住宅金融公庫補給金などを内容としており、住宅供給促進土地有効利用を通じ、住宅及び地価の安定に資することを目的とするものであります。  最後に、第七番目の項目「その他」には、総額として十八億二千二百万円が計上されております。国民生活安定対策等経済政策推進費などであります。  次に、平成九年度予算に関連する主要な公共料金改定につきまして御説明申し上げます。  六ページでございますが、まず、米穀政府売り渡し価格につきましては、備蓄の運営等政府米の役割を踏まえつつ、米穀需給動向財政事情等を勘案して、〇・一%の引き下げを本年四月一日より予定しております。  医療費については、消費税率引き上げ等に伴う社会保険診療報酬等改定を本年四月一日より、また医療保険制度改革の一環として患者負担見直しを本年五月一日より、それぞれ予定しております。  国立学校入学金につきましては、私立学校との格差縮小が求められている状況等を勘案し、例えば大学学部について、平成十年度入学者から、現在の二十七万円を二十七万五千円に引き上げる予定としております。  以上、平成九年度の物価対策関係経費と、予算に関連する主要な公共料金改定概要について御説明申し上げました。  何とぞよろしくお願い申し上げます。
  10. 中村鋭一

    中村委員長 以上で説明は終わりました。  次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。     午前九時四十八分散会