○前田(武)
委員 私の
地元の奈良県も、これはもちろん歴史の発祥の地でございますから、いろいろな
事業等についても相当古い歴史を持っておるわけでございます。
近代的な最先端の
産業、例えば我が県にも、シャープの中央
研究所、シャープの主力
工場がある。あるいは松下電器の
工場や森精機があったり、それから、何といっても大体は
大阪の
下請、孫請といったような関係で発展してきたところがありまして、
繊維産業、そういったもののもともとは河内木綿の加工、そういったところぐらいまで
繊維関係もさかのぼるようでございますが、そういったところから、染色であったり、さらには蚊帳であったり、そういったものをさらに応用していって、靴下
産業などという、これはなかなか大きな
産業になっております。これを縫っていく、靴下の編み機ですね、そういった関係でも、シームレスのストッキングをつくる
機械、すばらしいものができたりというようなことでございます。
そういった
企業家の
方々に、創業の時期の非常に苦しかった苦労話などを聞いておりますと、銀行というのはとにかく晴れるときに傘を持ってきてくれる、雨が降ったら全然貸してくれない、こういうようなことで、非常に苦労をされてきておるわけでございまして、その事情は余り変わらない。
そういった
意味においては、今局長から、
政府系の
中小企業金融公庫等、大いに
ベンチャービジネスに対して
支援をしていこうということはなかなかありがたい
お話ではあるのですが、実態を聞いておると、やはり窓口において担保がどうだ、いろいろなことがあるようでございますね。
創造的な
中小企業に融資を行うということになれば、もちろん有形の担保のみならず、先ほどそういった担保のことについてもお触れになっておりましたが、ソフト関係、あるいはその
企業家のやる気、その資質、そういったものについても大いに高く評価してやってあげるべきであろう、こう思います。これはいろいろな、今大きくなっている
企業が
ベンチャー時代にいかにそういう金融関係の
方々に見込まれて、信頼されて急場をそういう融資で切り抜けてきたか、そういう話にもあるわけでございます。
さて、間接金融の方はそのくらいにいたしまして、シャープの
技術指導をされた総帥に佐々木正博士という方がおられます。私、非常に親しく御指導いただいているわけでございますが、その佐々木
先生の
お話なんかを聞いておりましても、例えばこの方は、今を時めく孫さん、ソフトハウスというのですか、一番最初から御
支援され、相談に乗ってきた、こういうことを時々お伺いするわけでございます。
そういう話を聞いておっても、
ベンチャーを
支援していくというのは、もちろんこの金融関係というものも重要でございますが、何といってもそういう
事業家を見出し、そしてまたいろいろな面でサポートしていく、いわゆるエンゼルなのでありましょう。リードエンゼルであったりサポートエンゼルであったり、その役を果たす
人たちが非常に重要であり、その
人たちがプレーし得る
市場といいますかマーケット、そういうものが非常に重要になってくるのだろうと思うのですね。
したがって、今御提案になっているこの法改正の中で、直接投資の場を広げていこうということで、まことに結構かと思います。これはその
市場によって
ベンチャービジネスがそういう
ベンチャーキャピタルを呼び込むことができるという以上に、そういう
市場を整備していくことによって、いろいろな
支援するエンゼルがここへ登場してくる。むしろその重要性というものが非常に大きいのではなかろうかなと思うのですね。
私の
地元の先輩方、あるいは後援者の中にも、自分の代で自分の
企業はもうこれ以上さらに新たな
展開をするところまではちょっともうファイトもない、後継ぎも、せっかく頼りにしておったのが、都会の、東京あたりの大
企業に就職してしまって、ちゃんと自分の
会社から後を継いでくれるのはおるのだけれども、資産を全部つぎ込んでどうこうというところまでのファイトもない、しかし起業家意識はあるというような
方々は結構いるわけでございます。そういった
方々をいかにプレーヤーとして引っ張り出すか。バブルのときに随分といろいろな投機をされた。あれは多分金もうけをしたいというだけで踊ったのかなというふうな気もするのですね。いろいろその後話を聞いていると、いろいろなプロジェクトに夢をかけて、ひとつ乗ってやろうというような投資家も随分おられた。それがああいうことになった。
私は、
日本の
企業家の持っている、新しい創造的なビジネスをやっていこう、あるいはそういうことをやっている
人たちに期待をかけようという気持ちはまだまだあると思います。そういった
意味での
市場というものが随分重要である、こう思います。
当
法案によりますと、いろいろ考えておられるわけでございますが、まだ店頭に上場する前の
ベンチャーに対してエンゼルをいかに見つけてくるか、そしてそれをどういうふうに
支援するか、損金算入等を三年間考えようとか、こういうことでありますが、そういう今言っていた
市場を整備するとともに、アーリーステージ、創造期における
ベンチャーキャピタルを呼び込むと同時に、それが各段階を経てなるべく早く店頭公開に持っていけるように、何だったですか、何とか
市場、店頭
市場の中でも特にそういう配慮もなされているやに承知はしているのですが、そういった店頭、さらにはちゃんと上場していくというそのプロセスを想定して、各ステージで多くの
ベンチャーキャピタルなりあるいはエンゼルなりを引っ張り出せるような、そういった
市場整備というような観点においてどういうふうに考えておられるのか、
政府委員の方にお聞きをいたします。