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1997-02-14 第140回国会 衆議院 商工委員会 第1号 公式Web版

  1. 会議録情報

    国会召集日平成九年一月二十日)(月曜日) (午前零時現在)における本委員は、次のとおり である。   委員長 武部  勤君    理事 小川  元君 理事 小此木八郎君    理事 中山 成彬君 理事 茂木 敏充君    理事 伊藤 達也君 理事 遠藤 乙彦君    理事 西川太一郎君 理事 大畠 章宏君       甘利  明君    石原 伸晃君       小澤  潔君    奥田 幹生君       加藤 卓二君    亀井 善之君       岸田 文雄君    河本 三郎君       自見庄三郎君    中尾 栄一君       中島洋次郎君    中山 太郎君       林  義郎君    船田  元君       村田敬次郎君    石井 啓一君       鍵田 節哉君    神田  厚君       古賀 正浩君    島   聡君       島津 尚純君    達増 拓也君       中野  清君    吉田  治君       末松 義規君    松本  龍君       渡辺  周君    大森  猛君       吉井 英勝君    横光 克彦君       吉田 公一君 ————————————————————— 平成九年二月十四日(金曜日)     午後零時十二分開議  出席委員   委員長 武部  勤君    理事 小川  元君 理事 小此木八郎君    理事 中山 成彬君 理事 茂木 敏充君    理事 伊藤 達也君 理事 遠藤 乙彦君    理事 西川太一郎君 理事 大畠 章宏君    理事 大森  猛君       甘利  明君    石原 伸晃君       奥田 幹生君    加藤 卓二君       岸田 文雄君    小林 多門君       河本 三郎君    自見庄三郎君       中島洋次郎君    林  義郎君       船田  元君    村田敬次郎君       石井 啓一君    古賀 正浩君       島   聡君    城島 正光君       達増 拓也君    樽床 伸二君       中野  清君    吉田  治君       末松 義規君    松本  龍君       吉井 英勝君    横光 克彦君       前田 武志君  出席国務大臣         通商産業大臣  佐藤 信二君         国 務 大 臣         (経済企画庁長         官)      麻生 太郎君  出席政府委員         公正取引委員会         委員長     根來 泰周君         公正取引委員会         事務総局経済取         引局長     塩田 薫範君         公正取引委員会         事務総局経済取         引局取引部長  山田 昭雄君         公正取引委員会         事務総局審査局         長       矢部丈太郎君         公害等調整委員         会委員長    西山 俊彦君         公害等調整委員 永島 泰彦君         経済企画政務次         官       河本 三郎君         経済企画庁長官         官房長     竹島 一彦君         経済企画庁調整         局長      土志田征一君         通商産業政務次         官       石原 伸晃君         通商産業大臣官         房長      広瀬 勝貞君         通商産業大臣官         房商務流通審議         官       今野 秀洋君         通商産業大臣官         房審議官    藤島 安之君         通商産業省通商         政策局長    林  康夫君         通商産業省通商         政策局次長   佐野 忠克君         通商産業省貿易         局長      伊佐山建志君         通商産業省産業         政策局長    渡辺  修君         通商産業省環境         立地局長    稲川 泰弘君         通商産業省基礎         産業局長    白川  進君         通商産業省生活         産業局長    村田 成二君         工業技術院長  佐藤 壮朗君         資源エネルギー         庁長官     江崎  格君         特許庁長官   荒井 寿光君         中小企業庁計画         部長      田島 秀雄君  委員外出席者         商工委員会調査 安本 皓信君     ————————————— 委員の異動 一月二十日  辞任         補欠選任   吉田公一君      前田武志君 二月十四日  辞任         補欠選任   小澤  潔君     小林 多門君   鍵田 節哉君     樽床 伸二君   島津 尚純君     城島 正光君 同日  辞任         補欠選任   小林 多門君     小澤  潔君   城島 正光君     島津 尚純君   樽床 伸二君     鍵田 節哉君 同日  伊藤達也君が理事辞任した。 同日  大森猛君が理事に当選した。     ————————————— 本日の会議に付した案件  理事辞任及び補欠選任  国政調査承認要求に関する件  通商産業基本施策に関する件  経済計画及び総合調整に関する件  私的独占禁止及び公正取引に関する件  鉱業一般公益との調整等に関する件      ————◇—————
  2. 武部勤

    武部委員長 これより会議を開きます。  この際、去る一月十七日の議院運営委員会における理事の各会派割当基準の変更に伴い、理事辞任及び補欠選任を行います。  まず、理事辞任の件についてお諮りいたします。  理事伊藤達也君から、理事辞任の申し出があります。これを許可するに御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  3. 武部勤

    武部委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。  引き続き、理事補欠選任の件についてお諮りいたします。  理事補欠選任につきましては、先例により、 委員長において指名するに御異議ありませんか。         〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  4. 武部勤

    武部委員長  御異議なしと認めます。  よって、委員長は、理事大森猛君を指名いたします。      ————◇—————
  5. 武部勤

    武部委員長 次に、国政調査承認要求に関する件についてお諮りいたします。  通商産業基本施策に関する事項  中小企業に関する事項  資源エネルギーに関する事項  特許及び工業技術に関する事項  経済計画及び総合認整に関する事項  私的独占禁止及び公正取引に関する事項  鉱業一般公益との調整等に関する事項 以上の各事項につきまして、議長に対し、国政調査承認を求めたいと存じますが、御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  6. 武部勤

    武部委員長  御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。      ————◇—————
  7. 武部勤

    武部委員長 通商産業基本施策に関する件、経済計画及び総合調整に関する件、私的独占禁止及び公正取引に関する件並びに鉱業一般公益との調整等に関する件について調査を進めます。  この際、通商産業大臣から、通商産業基本施策について所信を聴取いたします。佐藤通商産業大臣
  8. 佐藤信二

    佐藤国務大臣 第百四十回国会における商工委員会の御審議に先立ち、私の所信を申し述べます。  まず初めに、在ペルー日本国大使公邸占拠事件について、その一刻も早い平和的解決と、人質となられている方々全面解放を強く願うものであることを改めて申し上げます。  本事件に対しては、当省及び日本貿易振興会からも職員を現地に派遣し、邦人保護のための活動実施しているところであります。人質となられている方々の御苦労と御家族や関係者の御心労を思い、当省といたしましても、引き続き全力を尽くしていく考えであります。  また、日本海における重油流出事故に関しましては、関係省庁地方自治体等と密接な連携をとりつつ、産業界の御協力を得ながら積極的に対応しているところであります。地域中小企業を初めとする関係者方々に一日も早く安心していただけるよう、今後の事態の進展を踏まえて引き続き積極的に取り組んでまいります。  さて、通商産業政策を遂行していくに当たり、行政及び公務員に対する国民の信頼を保持していくことが大前提であることは、改めて申し上げるまでもないことであります。公務員綱紀についてはさまざまな批判があるところでありますが、私といたしましては、当省の職員綱紀につきまして、政府全体の綱紀粛正策を踏まえ、新たに通商産業省職員倫理規程を制定したところであり、引き続き綱紀の厳正な保持に全力を挙げてまいります。  我が国経済社会が新しい時代へ向けてさまざまな変革を求められる今日、通商産業行政の当面する課題は広範かつ重要であります。景気自律的回復軌道への道筋を確実にすることが喫緊の課題であり、そのために何よりも平成九年度予算の早期成立を図ることが不可欠であります。同時に、私といたしましては、我が国経済が二十一世紀に向けて夢を持てるよう、以下の諸点中心通商産業政策推進に陣頭に立って取り組んでまいります。  第一の課題は、経済構造改革であります。  産業空洞化の懸念、本格的な高齢社会の到来による潜在成長力の低下などによって我が国の将来に対する危機感が高まる中、経済構造改革は一刻の猶予も許されない緊急の課題であるとの認識に立って、私は関係省庁協力を得て、経済構造変革創造のためのプログラムを取りまとめました。  昨年十二月に閣議決定された本プログラムの柱は、資金供給円滑化人材確保研究開発推進情報通信高度化などによる新規産業創出規制緩和及び企業税制労働雇用をめぐる諸制度改革などによる国際的に魅力ある事業環境創出経済活力維持向上のための公的負担の抑制の三点であります。  中でも高コスト構造の是正に関しては、エネルギー物流等産業活動基盤について、二〇〇一年までにコストを含め国際的に遜色のないサービス水準実現するとの目標を設定いたしました。  本プログラムにおいて実施が求められている事項は多岐にわたり、独占禁止法や商法の改正法案などの法案を今国会に提出することがプログラムに明記されておりますが、このうち、当省としては、以下の課題に対し所要法案を今国会に提出し、または提出する予定であります。  まず、地域産業空洞化への対処であります。近年の経済環境の急激な変化により、我が国ものづくりを支える基盤的な技術産業集積地域経済自律的発展基盤である産地などの中小企業集積は大きな打撃を受けております。このような状況に対応し、集積地域における新たな事業活動展開促進するための施策を総合的かつ体系的に推進するため、特定産業集積活性化に関する臨時措置法案を今国会に提出いたしました。  次に、内外の情勢変化に的確に対応した工業標準化制度構築であります。取引円滑化など標準化制度の有する効果を最大限に発揮させ、我が国市場及び事業環境を国際的にも開かれたものとする観点から、工業標準化制度について国際的な整合化を図るべく、工業標準化法の一部を改正する法律案を今国会に提出いたしました。  また、規制緩和推進については、当省関係法律について全般的な見直しを行い、十六本の法律について一括して改廃を行うための民間活動に係る規制改善及び行政事務合理化のための通商産業省関係法律の一部を改正する等の法律案を今国会に提出する予定であります。  さらに、強靭な経済活力の不可欠な基盤である金融についてであります。ニューヨークロンドンと並ぶ自由な取引環境我が国において整備することを目指し、一月にまとめられました外国為替等審議会の答申を踏まえて、極力早期外為法改正法案を取りまとめ、大蔵省とともに今国会に提出したいと考えております。  経済構造変革創造のためのプログラムは、経済構造改革に係る政府施策運営の基軸となるものであります。今後は、本プログラムに基づき、以上に述べた関連法案に基づく政策実施を含め、各般の施策を総合的かつ集中的に展開してまいります。また、本プログラム基本的考え方に示された課題に対する取り組みについては、さらに内容を充実するなど、その実現に向けた行動計画をこの春までに策定する考えであります。  第二の課題は、我が国経済活力の源泉たる中小企業活性化であります。  我が国経済社会の進歩と発展基礎をなすべき中小企業が、先行きに少しでも明るい見通しを持って現在の構造的変化の流れを積極的に乗り切っていけるように全力を尽くしていく考えであります。  経済構造改革についての取り組みとして、先ほども申し上げたとおり、今国会に提出した特定産業集積活性化に関する臨時措置法案によって、地域産業集積における中小企業に対して積極的な支援を展開してまいります。  また、新規産業創出に向けた環境整備を行い、経済構造改革に資するため、創業期中小企業に対する個人投資家投資リスクを軽減し、資金供給円滑化を図ります。このため、いわゆるエンゼル税制導入などを盛り込んだ中小企業創造的事業活動促進に関する臨時措置法の一部を改正する法律案を今国会に提出したところであります。  中小企業に関しましては、今後とも、積極的な事業展開によって環境変化を乗り越えていこうと する企業経営革新に向けた取り組みに対し、技術資金人材面などから多角的に支援してまいります。  第三の課題は、環境と共生する経済社会構築であります。  我が国のみならず、世界経済が持続可能な成長実現するためには、環境保全エネルギーセキュリティー経済成長をバランスよく達成することが不可欠であります。特に、気候変動問題については、本年十二月に、二〇〇〇年以降の温室効果ガスの排出についての国際的な枠組みを定めるため、気候変動枠組条約第三回締約国会議、いわゆるCOP3が京都で開催されます。地球温暖化防止のため、環境保全効果があり、実行が可能で、かつ各国のこれまでの省エネ努力などに配慮した公平な枠組みが合意されるよう、本会議主催国として積極的に取り組むとともに、本課題について技術開発などによる長期的な取り組み推進してまいります。  また、地球環境問題に積極的に対応するとともに、エネルギーの安定的かつ適切な供給確保するため、省エネルギー対策の一層の強化、新エネルギー開発導入促進及び原子力開発利用推進にも積極的に取り組んでまいります。  このうち、新エネルギーにつきましては、その利用は、今後成長が期待される産業分野として経済構造改革推進する上でも重要な分野であります。国、事業者などの基本的な取り組み体制明確化事業者取り組みへの支援などの措置を講ずるべく、今国会に新エネルギー利用等促進に関する特別措置法案を提出いたしました。  また、原子力につきましては、安全の確保に万全を期するとともに、情報公開などを通じて国民視点に立った原子力政策を進めてまいります。さらに、核燃料サイクル推進については、先般、改めて閣議了解の形で政府としての方針を確認したところでありますが、今後ともその確立に向けて、所要政策を引き続き推進してまいります。  大量消費大量廃棄社会から循環型社会への転換を目指し、リサイクル推進することも重要であります。本年四月から本格施行される容器包装に係る分別収集及び再商品化促進等に関する法律の円滑な施行や産業廃棄物問題への対応などの廃棄物処理リサイクル政策推進し、あわせて地域における環境調和型の町づくり支援いたします。  環境アセスメントについては、関係省庁十分連携をとり、今国会所要法案を提出すべく検討中であります。  第四の課題は、国際経済面でのリーダーシップの発揮を通じて、我が国を取り巻く国際経済環境整備を進めることであります。  まず、昨年十二月に開催されたWTOシンガポール閣僚会議の成果を受け、情報技術合意、いわゆるITAに基づく関税撤廃早期具体化貿易投資貿易と競争などの新たな分野における作業の迅速な推進を図るとともに、国際ルールに基づく紛争解決に努め、WTO中心とする多角的貿易体制維持強化を進めてまいります。また、OECDの多数国間投資協定について、交渉を本年五月の閣僚理事会までに終結すべく努力してまいります。  日米経済関係につきましては、先般発足した米国のクリントン第二期政権と緊密な接触を保ちながら、今後とも両国が世界経済の直面するさまざまな課題協力して対処し得るよう、建設的な関係構築に努めてまいります。  アジア地域におきましては、二国間関係APEC、ASEANとの協力などの重層的な協力関係を通じて主体的な役割を果たしてまいる所存であります。これは我が国経済の今後の安定及び発展を図る上でも重要であります。まず、中国につきましては、改革開放政策を引き続き支援するとともに、WTOへの加盟を積極的に支持してまいります。APECについては、民間ビジネスの関与のもとでマニラ行動計画の着実な実施と深化に努めます。また、本年九月には第一回アジア欧州経済閣僚会合を主催し、経済面でのアジア欧州との協力関係強化してまいります。  発展途上国との関係においては、ODAを初めとする開発援助政策をめぐる近年の環境変化に対応して、民間活力活用途上国環境問題の解決などの新しい課題にも積極的に取り組みつつ、第五次中期目標後の開発援助のあり方を検討してまいります。  また、冷戦終結後の世界安全保障上の大きな脅威の一つである地域紛争防止のため、大量破壊兵器等拡散防止通常兵器の過剰な蓄積の防止などに引き続き努力してまいります。  さらに、国際交流推進などの観点から、二〇〇五年における我が国での国際博覧会の開催に向けて、引き続き積極的に取り組んでまいります。  以上、今後の通商産業政策基本的方向について、私の考え一端を申し上げました。  最後になりましたが、通商産業行政推進するに当たっては、行政改革視点をも十分に取り入れてまいります。すなわち、国民が求めるサービスを最小の費用で提供できる行政我が国活力ある発展のために経済社会変化に柔軟に対応できる行政実現を目指して、政府全体の方針を踏まえつつ、積極的に努力してまいりたいと考えます。  私は、国民各位の御理解のもと、通商産業行政推進全力を挙げてまいる所存であります。委員長初め委員各位の御理解と御協力を賜りますようよろしくお願いします。(拍手)
  9. 武部勤

    武部委員長 次に、経済企画庁長官から、経済計画及び総合調整について所信を聴取いたします。麻生経済企画庁長官
  10. 麻生太郎

    麻生国務大臣 日本経済の当面する課題経済運営基本的な考え方につきましては、去る一月二十日、本会議場におきます経済演説において明らかにしたところであります。本日、商工委員会が開催されるに当たり、重ねて所信一端を申し述べさせていただきます。  今後、我が国経済運営に当たり、私としては、特に次の諸点基本としてまいりたいと存じます。  第一は、適切かつ機動的な経済運営を行いつつ、このところ堅調さを増しております民間需要主導の自律的な景気回復実現することであります。  日本経済の最近の動向を見ますと、まず、設備投資回復傾向にあります。住宅建設は高い水準で推移をいたしており、個人消費も緩やかな回復傾向にあります。また、純輸出はおおむね横ばいで推移いたしております。こうした需要動向を背景として、生産は増加傾向にあります。このように景気回復の動きを続けており、そのテンポは緩やかではありますが、民間需要は堅調に推移いたしております。  平成九年度における日本経済につきましては、消費税率の引き上げの影響等により、年度前半景気の足取りは緩やかとなります。しかし、経済構造改革推進等により、次第に民間需要中心とした自律的回復実現されてまいりますとともに、持続的成長への道が開かれていくものと見込まれます。  今後とも景気動向につきましては引き続き注意深く見守りつつ、適切かつ機動的な経済運営に努めてまいる所存であります。  第二は、経済構造改革推進であります。  構造改革は、もはや議論をしている段階ではなく、実行に移していく段階に来ております。一連の構造改革の重要な柱の一つであります規制見直し緩和撤廃につきましては、昨年十二月に経済審議会から建議されました六分野経済構造改革の提言を初め、物流金融雇用労働高度情報通信医療福祉等分野において、各種の施策に関する方針が既に打ち出されておるところであります。  これらの施策具体例を申し上げますと、物流分野におきましては、目標期限を定め、原則として需給調整規制を廃止するための施策を講じます。金融につきましては、二〇〇一年までに東京市場ニューヨークロンドンと並ぶ国際金融市場とすることを目指して、外国為替管理制度の改 正を初め、金融システム改革を行うことといたしております。また、雇用面では、労働者企業双方要求をより適切に合致させるため、民間有料職業紹介事業取り扱い範囲を見直す等の施策を進めてまいります。  今後、これらの規制緩和等についてより実効性を高めるべく、先般閣議決定されました経済構造変革創造のためのプログラム具体化作業及び規制緩和推進計画改定作業を鋭意進め、経済構造改革を強力に推進をしていくことが重要であると考えております。  第三は、安全で安心な生活の再設計を図ることであります。  日本におきましては、これまで経済的には繁栄し、かつ危険が少なく、加えて安心して暮らせる国をつくってきたと信じられてまいりました。しかし、近年、国民意識世論調査などで見ますと、教育、雇用、犯罪、また医療や年金につきまして、不安や不満を感じる人がふえてきております。このような状況に対応していくためには、経済構造改革社会保障構造改革推進していくとともに、これまで社会の各分野を支えてきたシステム見直し改革もあわせて進め、従来のように安全で安心して暮らすことができる日本社会の再構築を図っていく必要があります。  また、規制緩和が進展する中で、消費者はより一層多様な選択を行い得るようになってまいります。しかし、同時に自己責任を持つことが求められるようにもなってまいりますので、消費者自身の自立を支援する諸施策推進してまいらねばならないと存じます。  市民活動につきましては、ボランティア活動等に対する国民意識が高まる中で、ボランティア等が行う市民活動社会に根づき、健全な発展を遂げていくため、所要環境整備を積極的に推進してまいりたく存じます。  基本的な考え方の第四は 市場経済化、一体化が進んでおります世界経済への貢献であります。  このため、WTO中心とする制度的枠組みの中で多角的な自由貿易体制の一層の強化に貢献するとともに、APECにおける貿易投資自由化円滑化のためのマニラ行動計画を着実に実施すると同時に、その内容の充実に一層努めてまいりたく存じます。  さらに、市場開放政府調達に関する苦情処理体制の積極的な活用、対日投資促進を図る対日投資会議などの活動を通じて、諸外国から我が国への市場アクセス改善、さらには国際的に魅力ある事業環境創出を図ってまいります。  また、地球環境問題や人口問題への対応、民主化・市場経済化促進のための知的支援強化など、経済協力の新たな課題にも取り組んでまいります。  日本の飛躍的な発展を支えてきたシステムは、現在大幅な見直し改革を行うことが求められております。二十一世紀に向けて我が国経済社会の新たな展望を切り開いていくためには、たとえ苦痛が伴うものであっても構造改革推進していかねばなりません。  先人の努力によりこれまで蓄積してきた資本、人的資源、高度な技術基盤等を活用して、豊かで安心して暮らせる活力ある社会を再構築していくために、精いっぱい努力をしてまいります。  本委員会の皆様の御支援と御協力をよろしくお願いを申し上げる次第であります。(拍手)
  11. 武部勤

    武部委員長 以上で両大臣の所信表明は終わりました。  なお、この際申し上げます。  平成九年度通商産業省関係予算及び平成九年度経済企画庁関係予算につきましては、お手元に配付してあります関係資料をもって説明にかえさせていただきますので、御了承をお願いいたします。  次に、平成八年における公正取引委員会の業務の概略について説明を聴取いたします。根來公正取引委員会委員長
  12. 根來泰周

    根來政府委員 平成八年における公正取引委員会の業務について、その概略を御説明申し上げます。  私的独占禁止及び公正取引確保に関する法律、いわゆる独占禁止法の違反行為については、我が国市場を内外により開かれたものとし、消費者の利益を確保して豊かな国民生活実現していくとの観点から厳正に対処し、価格カルテル、入札談合事件等三十件について法的措置をとり、違反行為の排除を命じたほか、二十二件の警告を行いました。また、十六件の価格カルテル、入札談合事件について、総額二十五億三千五万円の課徴金の納付を命じました。  独占禁止法違反行為の未然防止については、平成九年四月に予定される消費税率の引き上げ及び地方消費税の導入に際して、独占禁止法違反行為の未然防止を図るとともに、消費税等の適正かつ円滑な転嫁に資するため「消費税率の引上げ及び地方消費税の導入に伴う転嫁・表示に関する独占禁止法及び関係法令の考え方について」を作成、公表しました。  独占禁止法適用除外制度については、個別法に基づく独占禁止法の適用除外カルテル等制度四十七制度について見直しを行い、その結果、平成八年三月の閣議決定において、三十三制度について廃止、法整備を行い、四制度について適用除外の範囲の限定を図り、残り十制度については引き続き検討等を行うこととされました。また、再販適用除外が認められる著作物の見直しについては、関係業界や消費者団体等からの意見聴取に努めるなど検討を行い、なお継続中であります。  事業活動及び経済実態の調査については、競争政策観点から、住宅用資材・設備機器の企業取引並びに清涼飲料水、食肉加工品及び婦人衣料品の流通・取引慣行について実態調査を行い、それぞれ結果を公表しました。また、我が国事業者団体の活動が参人制限的に機能していないかを検証するため、外資系企業から見た我が国事業者団体の活動に関する調査を行い、その結果を公表しました。  下請代金支払遅延等防止法に関する業務については、下請取引の適正化及び下請事業者の利益確保を図るため、下請代金の減額等の違反行為を行っていた親事業者千四百十八社に対して警告等の措置をとりました。  不当景品類及び不当表示防止法に関する業務については、消費者の適正な商品選択が妨げられることのないよう、過大な景品類の提供及び不当表示の排除に努め、二件の排除命令を行ったほか、五百十二件の警告を行いました。また、景品提供をめぐる経済社会情勢が変化していることを踏まえ、景品規制見直し明確化を図るため、関係告示及び運用基準の改正を行いました。  以上、簡単でございますが、業務の概略について御説明申し上げました。  今後ともよろしく御指導のほどお願い申し上げます。(拍手)
  13. 武部勤

    武部委員長 次に、平成八年における鉱業等に係る土地利用の調整に関する事務の概要について説明を聴取いたします。西山公害等調整委員会委員長
  14. 西山俊彦

    ○西山政府委員 公害等調整委員会が平成八年中に行った鉱業等に係る土地利用の調整に関する事務の概要について御説明申し上げます。  まず、鉱区禁止地域の指定に関する事務について御説明申し上げます。  当委員会は、主務大臣または都道府県知事の請求に基づき、鉱物を掘採することが一般公益または農業、林業その他の産業と対比して適当でないと認める地域を鉱区禁止地域として指定することとなっております。  平成八年中に当委員会に係属した事件は、埼玉県滝沢ダム関係地域等合計五件であります。これらのうち、平成八年中に終結した事件は一件であります。  現在係属中の事件につきましては、補償交渉の進捗状況等を考慮して審理手続を進めることといたしております。  次に、鉱業等に係る土地利用の調整に関する行政処分に対する不服の裁定に関する事務について御説明申し上げます。  鉱物の掘採、岩石、砂利の採取の許認可処分についての不服、または森林法、都市計画法等の規定に基づく特定の処分についての不服でその理由が鉱業、採石業または砂利採取業との調整に関するものについては、当委員会に対して裁定の申請をすることができることとなっております。  平成八年中に当委員会に係属した事件は、栃木県岩石採取計画不認可処分取り消し裁定申請事件等合計九件であり、これらのうち、平成八年中に終結した事件は七件であります。  現在係属中の事件につきましては、鋭意手続を進めているところであります。  続きまして、土地収用法に基づく意見の申し出等に関する事務について御説明申し上げます。  当委員会は、土地収用法、森林法、鉱業法等に基づき主務大臣が裁決等を行う場合には、意見の申し出、承認等を行うこととなっております。  平成八年中に当委員会に係属した事案は、合計九件であり、いずれも土地収用法に基づく意見の申し出であります。これらのうち、平成八年中に処理した事案は七件であります。  現在係属中の事案につきましては鋭意審査を進めているところであります。  以上が平成八年中に公害等調整委員会が行った鉱業等に係る土地利用の調整に関する事務の概要であります。  今後ともこれら公害等調整委員会の所管に属する土地利用の調整に関する事務の処理に当たっては、適正に審理を進めてまいる所存でありますので、よろしくお願い申し上げます。(拍手)
  15. 武部勤

    武部委員長 以上で両委員長の説明は終わりました。  次回は、来る二十一日金曜日午前九時五十分理事会、午前十時委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。     午後零時四十七分散会