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池坊委員 新進党の
池坊保子でございます。
私は、もし国
会議員にならなかったならば
保育園か養護
施設の仕事にかかわりたいと思いますほど、
子供への強い愛情と深い関心を持っております。私の娘もその意を酌んで、大学で
社会福祉学科に学び、養護
施設並びに
保育園で研修をいたしましたので、それらのことを踏まえて、
子供の、幼児の視点に立って、三十年前を振り返り、
保育園に通いながら仕事を続けておりました母親の
立場に立って、
児童福祉法一部
改正について、厚生大臣並びに
厚生省の方々に
質問させていただきたいと思います。
まず、五十年ぶりにこの法律が
改正になりましたのは、少子化並びに女性の
社会進出等の
社会現象が変化したためだと思います。少子化というのは、今や歯どめがきかないほどの大きな
社会現象になってきたと思います。
先ほど
松本議員がおっしゃいましたように、去る十二月に発表された
合計特殊出生率は一・四二と史上最低になりました。これは、人口維持のために必要な二・〇八を大幅に下回り、また、
平成元年に発表されました、史上最低と言われました一・五七ショックをさらに下回っております。また、五月に出されました、全国の十五歳未満までの
子供と六十五歳以上の高齢者の割合がほぼ同列となってまいりました。十六年、ずっと
子供の人口というのは減少しておりまして、今や、
子供と高齢者との割合は言うまでもなく反比例をしてまいります。二十一
世紀半ばには三人に一人が高齢者だというような
社会現象になってまいります。これらのことを
考えますと、少子化というのはこれから大きな問題ではないか。
ただ、私は、これからは少子多死
時代ではないかと思うのです。ダイオキシンに象徴されるような環境汚染、あるいは遺伝子組み換えに見られるような農薬による食品のさまざまな心配、それから薬害などを
考えてみますと、
子供を産み育てるには全く適していない環境なのではないかと思います。このような中で
子供を産んで育てることが果たして
子供にとって幸せなんだろうかと私はちょっと疑問視しております。
私のように思っております女性がふえるから、出産というのが減っていくのだと思いますけれども、国益を
考えるならば、経済力の低下、
社会保障負担の増大、そして労働力の供給の制約など、さまざまな問題を
考えますと、
子供をただ産みたくないというのをほっておくわけにはいかないと思います。
国民
生活白書によりますと、「
子供を育てるのは楽しい」と答えた母親は、アメリカは七一%、韓国は五三%に対して、我が国は二二%と著しく低い数字が出ております。つまり、我が国では、七八%の母親が
子供を育てることが決して楽しくはないという
現状なのでございます。百年後には一億二千万の人口が半分になると言われております。
この国民
生活白書を見ますと、これは
厚生省の問題だけでなく、
文部省の教育の
あり方も
関係してくるのではないか。
子供を産み育てることが大事なことであり、そして、すばらしいのだと言われるような教育の
あり方でなければならないと思います。
と同時に、先日出されました労働省の女子
保護規定撤廃、これは男女平等参画
社会を
考えるときに、男性とともに働きたい意欲のある女性にどっては一歩前進だと思います。女性の、仕事に対する意欲を高揚し、これからどんどん女性が
社会に進出していくことは大変喜ばしいことではありますけれども、当然ながら、そのしわ寄せば
子供にかかってくるわけでございます。
例えば、深夜業務は、就学前の
子供を
保護する人間には勘案されると言っておりますけれども、私は、これなども男性、特に
子供を持ったことのない方がおつくりになった法案だなと思わずにはいられないのです。就学前の
子供は、大概、寝ますのは、健全な
子供でしたら八時とか九時でございます。十時まで親が働いていたら、家に帰るのは十一時になってしまいます。
子供にとって最も必要なことは、休むときに母親がいる、それが
子供の知育とが人格形成に大きな健全な影響を与えていくのだと思います。
それらのことを
考えますと、この少子化対策というのは、国がなすべき最重要
課題ではないか、政策ではないかと私は思っております。
厚生大臣に伺いたいことは、今や、この少子化政策を講じるに当たって、
厚生省だけでなくて、労働省それから
文部省との
連携なくしてこの対策は立てられないと思います。今まで縦割り行政というのは慣例でございましたので、こういうことを果断におできになるのは大臣でしかないと思いますので、このことについてどのようにお
考えか。そして、エンゼルプランも、このようなリンクが必要だということの中で出されたプランだと思いますけれども、今後、どのように
連携をしながら何か政策を立てていこうと思っていらっしゃるかをちょっと伺いたいと思います。