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横田政府委員 御指摘いただきましたように、不登校児というものについての
考え方というのは、この長い時期の間でかなり変わってきているのではないかと私も存じます。そういう
意味におきまして、私ども、その不登校児ということを十把一からげにして
議論して
考えるつもりは全くないということを申し上げたいと存じます。
不登校というのは、そのものを現象的にとらえれば、学校に行っているか、行っていないかという違いによる区別でございまして、この問題について、直接には文部省の文教行政の分野に属することではないかと、私ども、この問題だけ取り上げれば
考えているところでございます。
それから、
児童自立
支援施設の対象
児童を新しく拡大することについてのお尋ねがございました。
これは、
説明として、「家庭
環境その他の
環境上の理由により
生活指導等を要する
児童」ということで、先ほど御指摘いただきました
説明をしているわけですが、それだけでは大変わかりにくいという御批判もいただいているところでございます。
これにつきまして、私ども、今回の
児童自立
支援施設というものを、
名称、
機能を見直すということといたしております背景を少し申し上げさせていただきたいと存じます。
この
児童というものを二分いたしまして、非行児あるいは健全
児童というふうなことで
考えるのではなくて、現在、非常に問題が複雑
多様化してきております。この二分
方法だけではなかなか対応できない。不登校につきましてもそうかと存じます。非常に中間的な領域と申しますかグレーゾーンと申しますか、そういう幅がかなり広がってきているのではないかということでございまして、私ども、この従来の教護院改め
児童自立
支援施設の
生活指導等を対象とする
児童を
考える場合におきましても、単に施設に入所してこれを
生活指導するというようなことだけでなくて、今回、地域に出ていくという
考えに立ちまして、通所
機能あるいは退所後のアフターケアも含めまして、
機能そのものをかなり地域に拡大するという
考え方に立っているわけであります。その上に立って、自立
支援ということで自立
支援施設へ
名称を変更もしているということでございます。
また、
児童の態様が非常に家庭
環境も含め
複雑化しているということに対応しまして、従来の二分的な発想による
生活指導なり保護ではなくて、その灰色部分につきましても、この
機能を用いて
支援することがその
児童の最善の利益になるというふうな
児童につきましては、この施設の持っている
サービスを利用していただくという
考えに立ちまして、拡大も行っているということでございます。
例えば、非行までは、あるいは非行のおそれまではいっていない方に、義務教育を終了いたしまして就職したけれども、家庭
環境等に起因する学力不足、あるいは対人関係等もうまくいかないということで仕事も長続きせず、改めて、仕事もやめてどうしたらいいか出直しが必要になっている、
生活指導を含めた出直しが必要になっている
児童もおられます。こういった方は、非行まではやっていないわけでありますけれども、例えば今度の
児童自立
支援施設に入っていただけますれば、その人の保護の態様に応じた自立
支援の指導ができるだけの知識、経験、ノウハウをこの施設は持っているのではないかというふうに私ども
考えているわけであります。
それから、親が長期にわたりまして
児童、育児を放棄してしまっているというようなことで、日常的な最小限のしつけもできていないというようなことで、適応もできないような
児童の方がおられます。こういった方につきましても、この
児童自立
支援施設の
機能を活用いただければ、ある
程度役に立てていただけるのではないかと思っておるわけであります。
先生お尋ねになりました、養護施設との違いはどこにあるかということに来るわけでございますが、ちょっと長くなって大変恐縮でございますけれども、この
児童自立
支援施設の本来の
機能は、そういった家庭
環境その他の理由によりまして
生活指導等を要する、その
児童の態様に応じまして
生活指導を行うというところでございます。
養護施設の方は、これと違いまして、
児童を養護する、一般的な養育、保護ということで、家庭養育の代替
機能というようなことでございまして、それに対応した職員の配置なり処遇体系になっているわけであります。
ただ、今回、
児童自立
支援施設の対象に先ほど申し上げましたような
児童が加わったことによりまして、
児童によりましては、どちらに入った方が適切なのかという判断を要する
児童も出てこようかと思っております。これにつきましては、
児童相談所が、専門家がそろっておりますので、そこで、その
児童の
状況、家庭の
状況等を総合的に勘案し、かつ、
児童福祉審議会の特別部会等にも諮って、いろいろな方に御判断をいただいた上で、適切な処遇を行えるような施設を選んでいただくということを
考えているわけであります。
〔
佐藤(剛)
委員長代理退席、
委員長着席〕