○坂口
委員 そのことがこの文言に出ていないわけでございます。一番
考えなければならないのは、現在の社会保障
制度の中で年金、医療、福祉、そうしたものをどのようにこれから位置づけていくか。それぞれ、医療は医療、あるいは年金は年金、あるいは福祉は福祉というふうにばらばらに
考えるのではなくて、それを総合的に、これから整理をし、
考えていかなければならないわけでございますが、そうした
観点もこの中には見られない。
そして、それだけではなくて、
医療保険の中で保険を提供する側のと申しますか、保険者の側の公平の問題、高齢化社会の中で今そこが一番問題になっているわけであります。若い人たちの割合が減り、高齢者の割合が多くなってきている、この中で高齢者の
負担をどうしていくか、それが今問題になっているわけでありますから、そここそ一番の中心でなければならないと思うわけでありますが、そのことがこの中に欠落をいたしております。
この文章を拝見する範囲におきましては、どうも、この三党の
考え方は、現在の供給体制をそのままにしておきながら、その中の手直しをしていこうというのが何となく
抜本改正だというふうに
考えておみえになるような気がするわけであります。
今御
指摘になりましたように、税と保険の問題、その他全体の中でやるのだということをおっしゃるなら、それは私も賛成でございますし、結構でございますが、この中には少なくともそういう文言がないという
指摘をしたいわけでございます。その点で私は大変残念に思っている。
そういうふうな
意味で私は総理にも
先ほどお聞きをしたわけでありますし、総理の方からは、現在の保険
制度の
あり方につきまして初期の段階における問題点等も御
指摘をいただいたわけでございますから、総理の頭の中にはそのことも含まれているというふうに
理解をさせていただきますけれ
ども、この
与党三党の文章の中からはそれが読み取れていないということを
指摘したいわけでございます。
これが二点目でございますが、三点目といたしまして、今申し上げましたように、社会保障
制度全体の中で
医療保険のことを
考えなければならないのだろうというふうに思います。
来年はいよいよ年金の問題が登場してくる年でございます。したがいまして、年金と医療とのかかわりが一体どうなるのか、あるいは福祉との
関係、介護との
関係がどうなるのかということをもう一度見直さなければならないというふうに思いますが、
抜本改正をいたします場合に、やはり年金や福祉とのかかわりの中で医療
制度というのも
考えてもらわなければならないと思います。医療は医療、年金は年金、
厚生省の中での縦割りの中でそれぞれ
考えてもらっていてはいけないのではないか。
例えば、今回の医療の
改正の問題におきましても、現在のお年寄りは年金はたくさん出るようになった、かなり裕福になった、その年金の中でもう少し
負担をしてもらってもいいのではないかという御
意見といいますか、答弁がございました。
ところが、来年はその年金の問題が出てきて、その年金を減らしますよということになりましたら、ことしの
議論は何だったのかということになるわけでありますから、どこを中心にして、その
関係をこれからどうしていくのかということが重要になってくる。それらの視点が欠けていはしないかということを危惧する一人でございます。
政府と申しますか
厚生省の
関係の中にも、例えば
審議会がたくさんございます。きょう、ちょうだいをいたしましたけれ
ども、例えば
老人保健福祉
審議会、社会保険
審議会、
医療保険審議会、年金も入れますと年金
審議会、中央社会福祉
審議会、あるいは医療
審議会等々、挙げれば切りがないわけでございますが、よく似た
審議会がたくさんあって、それがそれぞれの結論と申しますか、
意見を答申されるというようなことになっている。これはやはりもう少し整理をしていただいて、そして、年金、医療、福祉、全体の中で将来の社会保障をどうしていくのかという視点でやっていただく必要があるのではないかというふうに私は思っておりますが、それに対する総理の、あるいは厚生大臣でも結構でございますが、御
意見をいただきたいと思います。