○中川(智)
委員 社会民主党・市民連合の中川智子です。
きょうは、私、この間ずっと情報公開とかインフォームド・コンセントとかという言葉が飛び交って、ここでは飛び交っているけれども、
厚生省と市民とのずれというのがすごいな、どれぐらいその言葉が今の市民、選ぶ
患者の方に浸透し、そういう言葉に対しての違和感を持っているか、市民がいかにそれを信じていないかというところがとても気になりますので、まず最初に、
医療提供者の情報公開について伺わせていただきたいと思います。
今、すごく量はあるのですね、たくさん
病院はあります。幾らでも、あっちの
病院に行きたい、こっちの
病院に行きたいと思ったら行けるのですけれども、その
病院がどのような診察をしてくれるのか、どのような機能が備わっていて、そして、いわゆる看護体制というのはどうなっているのか、知るすべがない。ですから、知るすべがなければ、幾ら量があっても、
患者としては選びようがないという
現実があります。
例えば、一番最初に私が入院というのを経験したのが、健康だけが取り柄で生きてきましたので、出産でした。その出産のときに、どこに行ったらどのような、私自身が満足する、ある程度納得できる分娩体制があるのか、それすらもわからない。
ですから、今、情報を得るのはほとんど井戸端
会議。井戸端
会議というのは本当に大事なんですね。今は井戸がないものですから、公園に行って、公園デビューを果たした人たちがその公園情報を得る権利を獲得する。公園情報を得るにはまずデビューできなければいけないのですけれども、デビュー時点でデビューできない人がいっぱいいて、その人たちは本を読むしかないのですね。でも、その本というのは、いっぱい本は出ているのです、
病院の選び方とか。だけれども、正確な情報じゃないのです。情報が多過ぎて、それでまた悩んでしまう。
だけれども、
医療機関というのは、一度かかりますと、移るのにすごい勇気が要るのです。特に出産なんかになりますと、最初に行った
病院で、五カ月になったからやはりあっちにということはとてもできないというのが
現実です。ですから、最初の選択が誤っていたら、注射漬けになろうと、土日は先生が休みたいから予定日より三日早いけれども注射打って産ませちゃおうとかいうのはざらですし、私は自分で選びたい、私の自然な体のサイクルの中で子供を産みたいと思っても、どこでそのような分娩ができるのか、出産ができるのかという情報が得られません。
私は市民運動をやっていたときに、たくさん地域の情報誌をつくりました。いろいろなところに、
医療機関にアンケートをお願いいたしましたけれども、アンケートに答えてくださる
病院は、大体、二十軒出して、心あるお医者様一軒だけです。それが事実です。
そのときのアンケートに答えない理由の
一つとしては、医師会の申し合わせがあって、うちがこんなにいいものをやっているよということは一切言えません、それが一番ですね。医師会からストップがかかる。もう
一つは、
医療法の六十九条に医業等に関する広告の制限というのがございまして、これがあるから、コマーシャルというか自分のところの
情報提供はできないのだという、この
二つが大きなネックになっています。
ですから、私たちはいつも後悔してしまうのですね。やはりあそこに行けば自分自身の体を傷つけずにもっといい
医療が受けられたかな、あそこの
病院に行っちゃったらもう死ぬまで出られないと言っているけれども本当かな、あっちの
病院に行ったらがんが見つからなくてあの人は死んだらしいよとか、そういう話がすごく多いですね。
ですから、ぜひとも、情報公開というのはまず医師、
医療機関と
患者の信頼
関係を結ぶ第一だと思うのですけれども、
厚生省、そして
大臣に、この情報公開に対しての
現実のいろいろなことをともかくお知らせください。情報公開がこんなにギャップがあるということの認識と、決心ですね、情報公開に対してこれからどのように取り組んでいこうとされるのか。まず
厚生省にお伺いして、
大臣。私は十五分しかないという悲しい運命をいつも背負っておりますので、よろしくお願いいたします。