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栗原(博)
委員 今回の改正案は、前、五十九年でしたかに比べれば小幅だったと思うのですが、しかし、その中で定額制というものが出てまいりましたから、
議員の中で大きな
議論を醸していると
思います。
私は、きょう厚生
委員会で
発言ということを実はきのう言われたもので余り準備していなかったのですが、地元の医師の皆さんからファクスがたくさん寄せられてまいったものですから、それをちょっと参考までに御紹介しながら次の
質問に入らせていただきます。
特に十五円の件でございますが、「一般
患者に対しても一種類十五円の負担は現場の混乱と
医療不信を招きかねません。」要するに、それによって請求が難しくなるものですから、医事係を一人増員せねばならないくらいであるというふうなことを申しておる。事務が大変繁雑になるということでございましょう。
また、例えば二百五円以下の薬剤は一種類としてカウントするわけですが、その中には複数の剤型が入ることもあり、
患者によっては種類が少ないのになぜこんなに多く払わせられるのかという疑念を抱くので、こういう点をというふうな指摘もございました。
あるいは、私のところに、夜中の一時ごろファクスされたので私はちょっとむっとしたのですが、しかし、読めば、切実なることだと。これは病院の医師からでございますが、新津
医療センター病院の精神科の医師からでございますが、
今回の健保法の改正案が実施されることになりますと、大幅な
患者負担増により、受診抑制が起こることが
懸念されます。
例えば、私の診ている脳梗塞でリハビリに通院中の
患者の場合(老人保険)、診察料が四回上限で、五〇〇円×四回=二〇〇〇円、薬剤費が、九種類、十四日分を月に二回、一五円×九種類×一四日分×二回=三七八〇円、計五千七百八十円で、現在と比べると五・七倍もの負担となります。
年金で生活しているような方が果たしてこのような負担に耐えられるのか。
高齢者だけの世帯で、あるいは若手が勤めに行っていて一人で来れないので、タクシーで通院せざるを得ない方もたくさんいます。
片道二、三千円もかかって通院してくる人もいまして、改正によってこの方が病院に来れなくなるというようなことをこの医者は言っておるのです。そして、「
日本の薬価や
医療器械が欧米に比べ非常に高いことが指摘されています。これらの価格の適正化をぜひ図ることで
患者負担を極力抑える」ように、我々も
努力するけれ
ども、国にもしてほしいということを、これは病院の勤務医でありますが、その方が申しております。
あるいはまた歯科医師会の方からも、県歯科医師会の神成粛一さんからも類似したファクスが流れてきておるわけです。
この点を踏まえまして、本
法案の成立をぜひひとつ御検討いただきたいということをまずお願いしたいと
思います。
それでは、次の
質問に入らせていただきます。
お医者さんに対して
患者の方がよく言うことは、
自分の病状の
治療の内容を十二分に説明をしていただけないという
患者の不満もございます。要するに、インフォームド・コンセントということだと思うのです。あるいはまた、長い時間待たせるということでありますが、一番大きいことは、
患者と医師との心の交流、そういう心の支えが、まさしく病気は気の病もあると思うのでありますが、それはやはり医師の
技術でもあると思う。会話そのものも
一つの
技術かもわかりません。こういうことで、これからの医師の報酬につきまして、こういう点もぜひ御賢察いただきたいと思うのです。
例えば先ほど薬価の問題、高木さんからも、時間がないということで余り触れなかったようでありますが、薬剤比率は年々減ってはおりますが、しかし、薬剤費というものは、
昭和五十七年に四兆七千億が
平成七年では七兆六千億である。薬剤比率が、
昭和五十七年三四・一%が今二八・〇%であっても、さらに高い薬にシフトしているということであろうかと思うのであります。
この中で、私は、こういう薬に対する指導もやはりしていただかなければならぬ。そのかわり、医師の
技術料でしょうか、今資料をちょうだいしますと、
医療サービス全体を一〇〇としますと、
医療サービス従事者が四九・一%、医薬品が一九・一%を占めているというふうに資料が出ておりますが、こういう中で、医師の
技術料というものを大いに再評価していただきたいということをまず御希望申し上げたいと
思います。
次に、今回の改正によりまして、先ほど私が紹介しました医師からのファクスもありましたけれ
ども、弱者とか低所得者の方に対してどのような御配慮をされているか。
要するに、先ほ
ども臓器移植の問題がございました。腎臓等、今一万八千人ぐらいの何か希望者がいるけれ
ども、実際、一年間に八十五件ぐらいしかないように聞いておりますが、一回やると六、七十万かかるというようなことも聞いておる。
今、高額療養費制度というものがあって、六万三千六百円以上は
患者に負担をかけないということであるわけです。国は、皆さんの方は一生懸命にこういう高額
医療についていろいろ措置をされておるようであります。国では、難病とか障害者に対して負担をされている。ところが、地方自治体によっては、風邪を引いても金のかからないようなところがある。例えば、今のような腎臓の
移植とか、あるいはいろいろなことでも、ある県においては全額かかる、ところが、東京都に参りますと全くかからない。
同じ
国民でありながら、今私
どもはまさしく国家全体の
医療制度を
議論しているのですが、いざ
患者の負担の
段階に参りますと、その地方自治体によって、居住するところによって
国民の
医療費の負担というものは違うわけでありまして、こういうことも踏まえながら、今回の改正でどのような措置をされているかということをお聞きしたいと
思います。