○福島
委員 連日審議が続いておりまして、
大臣、大変に御苦労さまでございます。
健康保険法等の
改正案につきまして質問させていただきます。
私は、
政府が提出されました今回の
改正案、三倍近い
自己負担の拡大を一気に求めるというような
改正案につきましては反対でございます。こうした
国民に対して
負担のツケ回しをするようなことは撤回をしていただきたいと思っております。
今回の
法案が提出されました前提としまして、
政府管掌健康
保険の財政が大変に厳しいのだ、これは、
予算委員会におきましても、そしてまた先日の厚生
委員会におきましても、この
政府管掌健康
保険の財政
赤字の原因として、国庫補助が繰り延べ
措置をされて、いまだにそれが十分に返済されていないということが繰り返し
指摘されております。
大臣も、これに対しましては、大蔵省に対してしっかり返すように言っているという答弁を繰り返しておられますけれども、この問題は私は極めて重要だと思います。
これは、質問通告しておりませんで、私の一方的な発言ということで申し上げているわけでございますけれども、この
政府管掌健康
保険の国庫補助繰り延べ、どういう経緯をたどっているか、
厚生省がおつくりになられました資料にはこうなっております。
昭和六十年度に始まりまして、昭和六十年が九百三十九億、六十一年が千三百億、六十二年が千三百五十億、六十三年が六百五十億、
平成元年が四百億、ここから
平成五年まで飛びまして千三百億、
平成六年が千二百億、今回、
平成八年度の補正
予算で千五百四十三億が返済されましたけれども、五千五百九十六億が残っている。
私、この経過を見て大変に問題だなと思ったのは、あのバブルの当時に税収が非常にふえたにもかかわらず、この
政府管掌健康
保険に対しての国庫補助の繰り延べが全く返済をされなかったということでございます。これは、一つの
制度として定まっているものを繰り延べしておいて、余裕ができたときにも返済をしない、こういう恣意的な財政運営をしておいて、今になって、
政府管掌健康
保険の財政状況が極めて危機的だ、だから
負担を拡大しなければいかぬ、まさに本末転倒の話であると私は思っております。
この点については、もう昭和六十年度の
委員会のときからさまざまな質疑がなされているわけでございまして、さまざまな答弁もございます。これは、
平成五年、今から四年前の大蔵
委員会での審議でございますけれども、
政府は、政管健保の財政運営に支障が生じるような事態が発生した場合には、当然、速やかに利子相当分を含めて繰り戻しをするというような答弁をしています。ここは厚生
委員会ですからあれでございますけれども。
また、こういう答弁を厚生
大臣がしておったときもございます。これは増岡厚生
大臣の時代のことでございますが、将来のための準備金の頭でおる、大蔵省に預けるというような答弁をしています。そういうことと考えていると。
そう考えているのであれば、まずはこの政管健保の国庫補助の繰り延べというものをきちっと返していただいて、すぐに全額返せとは言いませんが、三年なら三年、
平成十二年までの間、幾ら幾ら返します、ですから政管健保の財政状況はこれだけそれによって
改善されます、そういうことを示して、なおかつそれでもやはり足らない、足らないということであれば、それに対してどうしましょうかという話をするのが私は筋だというふうに思っております。
幾ら
大臣答弁されても、幾ら返ってくるのかもよくわからない。そういう恣意的なことをするのでしたら、最初から法律をきちっと
改正されたらよろしいわけです、補助は減らしますと。大変な反対があると思いますよ。そういうことをしないでいいかげんなことをやっているということについては、私は大変不満を持っております。ただ、この点につきまして御質問いたしましても同じ答弁が返ってくると思いますので、私は、その点はもうこれだけ申し上げて終わりにしたいと思っております。
きょうは、私は、自分自身が医者をしておりまして、医者の
立場では、
医療費がどんどんふえていって問題だと繰り返し
指摘をされると、大変に心苦しい思いがこの
国会に来ましていたしております。ですから、まず、その基本的なことからお聞きしたいと思っております。
果たして、
日本の
医療費というのはそんなに大きいのか。医者というのが金もうけばかりをしていて、
国民の懐からくすねようとばかりしていて、そして、
日本の
医療費は世界に比べるともうみっともないぐらい大きくなってしまっているのだ、私はそんなばかなことはないと思います。どうもあの
予算委員会での審議を聞いておりましても、医者は何かもう金もうけのために
医療をしているのだと言わんばかりの
指摘もありますけれども、そうではない。中にはそういう方もおられるかもしれませんけれども、基本的に皆まじめに
医療をしているのだ。
先日、鴨下
委員が
大臣に質問をいたしました。それは、
日本の
医療費というものが先進諸国と比べてどうなのか、
大臣の御見解をお聞きしたいというような質問でございました。
先進諸国の
医療費、これは一九九一年度のものでございますが、当時、
日本の高齢化率は一二・六%、
国民所得に対しての
医療費の比率は六・〇%でございました。それに比較して
アメリカは、同じく高齢化率は一二・六%ですが、
医療費は
日本の倍の一二・五%でございます。フランス、ドイツは、それぞれ高齢化率は一四・二%、一五・〇%と
日本よりも若干高いわけでございますが、
医療費はそれぞれ一一・一%、一〇・〇%と
日本の二倍近い水準になっております。
こうしたデータを踏まえて理解されることは、我が国の
医療費は高齢化率を勘案しても先進諸国よりは低い、比較的効率のよい
医療が実現しているのだ、私はそう言って間違いはないのじゃないかと思います。
日本の
医療費というのは非常に高くてむだばかりしている、そういうことが新聞ではしばしば報道されますけれども、決してそれは客観的な事実を踏まえたものではなくて、
一種のプロパガンダに近い話ではないかというふうにも思っております。
厚生省が
医療改革ということでさまざまな諸国のさまざまな施策を取り上げておりますけれども、こうした比較をすると、そういう施策は必ずしも成果を上げていないわけでございまして、それを継ぎはぎ的に導入するということが
日本の
医療費にどういう影響を与えるのか、これもはっきりしていないのじゃないか、そういうふうに私は思っております。
こう言いますと、
大臣は、高齢化がどんどん進んでいくのだ、だから今は大丈夫でも将来はこれは大変なものなんだという御返事が先日ございました。この点についても、私はどうなのかなというふうにも思っております。
まず第一点目に、御質問ですが、
国民医療費が過大であるということを
厚生省は繰り返し
国民に啓蒙していると私は思っておりますけれども、今申し上げたことを踏まえまして、本当にこれは正しい事実なのか、
大臣の御見解をお聞きしたいと思います。