○山本(孝)
委員 コストパフォーマンスとして諸外国に比べて
日本の
医療はうまく機能しているという
お話に多分なる、それは
数字の上では確かにそうなのかもしれないけれども。だから、
介護保険の話は
医療保険と同じように
議論をしないと、
介護保険を先に採決して
医療保険の話を次に考えるというのではなくて、
介護保険と
医療保険、実は一緒に考えないとこの話はいけないのじゃないかと私は思っているのですね。
これまでの
答弁を読み返していて、今のところで保険を導入した方が効率はいいのだ、質の向上が見込めるのだ、保険を導入しないとその質の向上がないのだとか効率がよくならないのだというふうにも実は聞こえてしまって、これは私がひねくれているのかもしれませんけれども。
これまでの
答弁を見直しても、十九日の能勢
先生の質問に対して
大臣が、今回の
介護保険制度を導入することによって、どのような
サービスが必要かは窓口一カ所に行けばわかる、総合的
サービスを受けるという点で格段に進歩するとおっしゃっておられる。これは保険を導入しなければこうならないのかというふうに私は首をかしげます。
「今回の
介護保険は、言ってみれば、
利用者にとって従来非常に使いづらかった制度を、こういう形で
利用者
負担の面あるいは
利用手続等の面で再編成をして使いやすい制度にしたというところが
一つの大きなメリット」ですと羽毛田
局長が鴨下
先生の御質問に対して答えておられる。こういうものは、
介護保険という、保険という新しい制度を導入しなくても、今の制度そのものを見直していかなければいけないことは当然であって、これは
介護保険を導入するメリットというだけのものでは多分ないだろうというふうにも思います。ここは言いっ放しにさせていただきます。
介護保険について、きょうは午前と午後に分かれますのであれですが、私はやはり、メリットを強調し過ぎてはいけません。保険、保険、あるいは
介護保険が導入できればこれですべてが解決するというようなバラ色の夢を与えるのはやめた方がいい。そのために、このまま制度を発足させると、
国民の間に、
介護保険、さらには社会保険全体あるいは政治そのものへの不信感が生まれるだけだ。取られたけれども
サービスがないという
状況、あるいは一部の人にはあるのかもしれない、しかし、それは本当にいい
サービスになるのか、将来、普遍性があるのか、権利性はあるのか、選択性はあるのか、そこはやはりもう一遍考えた方がいいと思うのですね。
私は、別にこれは税方式を導入するがためにそういうことを言っているわけではなくて、これまでのいろいろな
議論を読み返してみても、九六年の七月、去年ですか、与党が
地方公聴会を精力的におやりになっておられる。横浜で高秀横浜市長がお出になったと思います。市長がこんなふうにおっしゃっていました。
福祉と
医療サービスの一体化、選択に基づく
利用者本位の制度などは、必ずしも社会保険を
前提としなくても、法
改正で今の制度でもやっていけるし、やっていくべきだと思う、国が
介護保険制度導入のメリットとして掲げているものは必ずしも保険制度でなければならないとは思わないというふうに、去年七月の横浜の公聴会で横浜市長がそうおっしゃっておられました。
今度の
介護保険導入に当たって各自治体にいろいろアンケートをさせていただいております。その中で、公費
負担方式、税
負担方式、どっちがいいですかという御質問をすれば――今の時点で、すなわち、社会保険の制度での法律が提出されて、しかも、法案がここでこれだけ審議されているという
状況の中でお聞きしている。その
状況の中でお聞きして、社会保険方式、今のままでいいとおっしゃるところが五〇%そこそこ、公費で対応した方がいいというところが四割、全国の自治体の四割はいまだにこの制度に対しておかしいと思っているわけなんですね。
自由記述でいろいろお聞きしますと、要はやはり消費税なんですよ。「消費税の一部を特定
財源とする方が良い。また、自己
負担があると
サービスを受ける人がずっと減るのではないか。自己
負担なしを検討すべき。」という
意見もあります。「普通税方式の方が多数の
国民の感情を平穏なものに維持できるだろう。弱き
高齢者等を確実に手当する
システムをどのように構築するかの検討、論議に時間をそそぐべきだった。五%消費税の
一定割合を「
福祉税」と位置づけるべきだった。」と言っておられる方もある。「消費税の導入目的は当初から
福祉(
高齢者社会)対策の為だったので、税の一部でなく税そのものを
福祉にあてるべきだ」というふうにアンケートに対して自由記述でおっしゃっておられるのですね。
やはりここ、
議論は私は少ないと思う。余りにも、この制度を導入するために
財源論として社会保険制度というのを持ってこられて、そこを強調されるがために、おかしな制度になっているのではないでしょうかというふうに思うわけです。
介護保険、保険とおっしゃるのではなくて、本当は
高齢者介護制度というふうにおっしゃった方がよかったのではないか、あるいはそうすべきではないか、老人保健の拠出金制度との一体化を考えて、
高齢者の
医療と
福祉を統合して保障するような制度に組みかえていくという形をとった方がいいのではないかというふうに私は思うのですけれども、
大臣、いかがでしょうか。