○佐藤(剛)
委員 佐藤剛男でございます。
一昨日、同僚議員の有益な種々の御
指摘がございました。山本議員からは、
市町村格差の問題、
福祉移民の問題、そういうような問題の
指摘もありました。また、五島
委員からは、
高齢者介護制度の
導入には
医療保険改革の一体的な断行の必要性が強調されました。そして、保険あって
サービスがないということにならないような、そういう懸念が表明されたわけであります。同議員は、薬価の問題にも触れられながら、
老人医療の問題についても触れられたことは御承知のとおりであります。私も、お聞きいたしておりまして共感するところが多いわけであります。また、ただいま同僚の
安倍議員から、
在宅介護の問題を含めて種々の問題点が
指摘されたわけであります。そして、一昨日、
大臣また
局長さんの方から、
在宅サービスも
整備いたしていきます、それから、特老、老健、そういう
施設サービスについてもふやします、何とか頑張ります、こういう真摯な、悩みを持ちつつ非常に真摯な御
答弁を賜ったわけでございます。
この
基盤整備の問題というのは、私は非常に重要な課題だろうと思っております。
施行されたときに、保険
制度のシステムはでき上がっているけれ
ども、実際の
サービスが提供されないというようなことになってはならぬわけでありまして、その
意味で、他日におきますいまいましい不祥事の問題というのは、私は、
施設サービスの提供がおくれる、これはおくれないようであってほしいわけでありますが、懸念いたしている者であります。
御承知のように、巷間、
介護保険は要らない、こう言う識者もおります。例えば「諸君!」という本の中で、渡部昇一
先生は、江戸時代というのは貧しかった、貧しかったなりに貧しかった家は例えば養子
制度をとって行ってきたのだという点を強調しながら、そういう
介護保険の本質に絡む問題について
指摘もいたしております。
しかし、私の周囲を眺めてみますと、私、福島でありますが、ただいま
安倍議員の
質問に対しまして
大臣がお答えになられましたように、どうも血族の中ではもはや解決できない問題がある。子供の還暦に親も立ち会う長寿国になって――多いところになりますと親四人おりますから。眺めてみまして、六十の子供で大体二人いますね、妻の方それから本人の方ですね。そういうありがたい国に、長寿国としてなったけれ
ども、いろいろな悩みが出てきちゃった。
介護離婚というのも現実にあります。もうあなたのところはあなたで見なさい、私は私の親を見ます、こういう話もありますし、それから、会社が転勤になって、東京に住んでいた人が福島に来て、そして毎週週末に
介護に東京に帰る、それで過労死ならず
介護死みたいな形で倒れていくというケースもあるわけであります。
そんなことを眺めて、身内にもあるのを状況を見ていますと、何とかこの
介護問題というのは、政治、我々が真剣に考えないといけない課題であろうと思います。それについて、当
委員会におきまして、一人一人が
高齢者介護の方法、システム構築を考えなければならない問題なのではないか、あるいは議員同士で考えるような大きな課題であるかもしれない、私はそういうものになじむ問題ではないかと思っているわけでございます。
私の場合には、
安倍議員に関連する話ですけれ
ども、私は娘ばかりでございますが、パパは君たちに面倒を見てもらうのだからね、こういう教育をいたしております。そうしませんと、自由に巣立ちなさいなどと言ったら、巣立って帰ってこなくなってしまいますから。そういうことで、そういう教育からやっていくような問題でもあるわけでありまして、ぼけず、寝つかず、ぽっくりとというのがこれからの生き方としては一番いいのかもしれない。私のところの福島には、ぽっくり教というものが出ておりまして、そこに連休になりますと人がみんな寄って、毎年毎年それがふえて神社みたいな形になって参っているくらいでありまして、
介護の問題というのは、非常に長寿国になった日本ではありますが、それに絡んで大きな悩みを我々に投げかけているということであると思います。
福祉という問題は、かつては貧しい人、体が悪い人に
福祉と言っていたわけでありますが、皆すべて老いるわけでありますし、私も百歳くらいまで生きようと思っているわけでありますが、そうなってくると、当然、車いすの世話にならなければならぬ、ならないで済みたいと思っておりますが。もう人生八十年ではなくて、人生九十年、百年の時代になってくる。そうなってくると、
福祉というのが、
特定の人ではなくて、貧しいとか体の悪い人という概念ではなくて、すべての人の問題に今なってきておるのではないか、私はかように考えるわけであります。
さて、そういう総論はあれとしまして、本論に入らせていただきます。
私は、まず、こういう急速な
高齢化に日本は進んでおる、何かの形で、言うならば社会全体としてバックアップしなければならぬ、国民もこれを望んでおるわけですから政治もやらなければいけない、しかしこれは持続可能な
制度でなければならない、ここがまた非常に根本問題になると思うのです。
それで、国民は
介護保険ができるのだなという気持ちを持っていますが、その姿がまだ浸透しておりません。十分な
サービスが受けられるのか、あるいは
民間活力を生かした多様な
サービスが受けられるのか、あるいは国の負担はどのような姿になっていくのか、こういう面についてさまざまな疑問それから不安を持っているのが現状ではないか、私はかように感ずるわけでございます。
その
意味におきまして、これは
平成十二年の話でございますが、
法律が仮に通ったとしましても、その後における問題というのはあれですし、その前に、地方においてこれからの運用の問題についていろいろな意見を聞いてくるということが不可欠の部分でありまして、それぞれの
市町村等の実際の運営の問題というのが一番重要な問題でありますから、できるだけ多くの地において公聴会等の
実施、当然行うことになっているわけでございますが、よろしくお願いいたしたいと私は思っているわけであります。
ところで、第二に、今、
在宅サービスには、
民間の株式会社とか
事業主体が認められているわけであります。ところが、
施設サービスについて、
民間といいますか、株式会社とかそういうような形をとっていただきたいと思うのですけれ
ども、なぜ入ってこれないのか。
私が
心配しておりますのは、
厚生省の粗い試算でありますが、
高齢者介護費用、
平成十二年、総費用が四兆円という
数字を出しております。そのうちの
在宅関係は一兆円、
施設関係は三兆円、一対三ぐらいの感じで、いろいろのケースを試算いたしております。
平成十二年のときの見通しというのを眺めてみますと、既に
在宅サービス自身が一〇〇じゃないのですね。四〇%から五〇%を
前提にしてやっているわけであります。そこに私は、保険
制度があって
サービスがないということの懸念を言っておるわけでありますが、そういう課題を抱えている。
それから、
施設サービスについての問題というのは、これは
施設でありますから相当急速に進めていかないと、保険が動き出しますとこれに追いついていかない。私は、猛烈な勢いで
認定が出てくるのじゃないかという気すらいたしているわけでございます。そういう
意味で、
施設サービスについて、
民間の
参入を認める方向というのを考えておく必要があるのじゃないかということを私は思っているわけであります。
ということは、今、
施設サービスについては、
施設内でどのような
サービスが行われるか、虐待だとかそういうことで十分チェックする必要があるのだということで
福祉法人というような形をやっているわけでありますが、そういうのは立入検査とか情報の開示とか第三者による評価とか、そういう形で対応すればできる話であって、事前の
参入規制を行う必要性というのはないのじゃないか。そういうことに多様な
事業主体の
参入を競争で出す、そういうことを相当やっていかないとこれは追いつかないのじゃないかという懸念を私は持ち続けているわけでありまして、これが懸念だけで終われば、コンサーンで終わればいいわけでありますが、そういう問題を含んでいます。
もう既に
在宅介護については、二十四時間の問題がありますから
民間がやっているのです。福岡あたりばこれで成功しているケースがあるわけでありまして、
特定の会社のことですから名前は言いませんが、そういう感じを持っているわけでございます。そのあたり、
民間の
サービスの問題につきまして、
大臣、どのようなお考えでおられるか。
さらに、この
認定の問題すら、少し
民間に委託するぐらいの感じでもいいの七やないのかな。これも相当のことを考えないと。今の
法律のシステムは、
市町村がだめの場合には県に持っていきますね、県に委託するという話になる。一番近いところの
市町村がわからないと、今度は遠いところの県に持っていくというこのメカニズムも果たしていいのかどうか。ここら辺の問題を見ますと、今、
老人の
人たちのレントゲンを見ますと、これは大体、看護婦さんでも
医療行為にならない限りはわかる、こういうことのようでございます。
こんなことを含めましたいろいろな知恵を出していく必要があるのじゃないかということを、まず問題を
指摘いたしまして、
大臣の御所見をお聞きいたしたいと思います。