○
根本委員 ゴールドプランによって量的
整備は拡大してまいりましたが、これからは質の確保も必要だと思います。個々の
施設の快適性という意味での質の確保と、もう
一つは、全体の地域での
施設利用の利便性という意味での質の確保、これからこの辺が必要になってくると思います。さらに
法人運営についても、利用者の
立場に立って
法人の創意工夫が最大限生かせるように、こういうことも重要だと思います。
自民党の小
委員会でも、
特養の
制度の
改善あるいはフォローアップ、これは絶えずやっていきたいと思いますが、これからも今後の
特養制度の
あり方についてさらに点検、フォローアップをして、特に
法人運営の
あり方については、私は、最前線の現場の声をフィードバックさせてよりよい
仕組みをつくり上げていく必要もあるだろうと思いますので、この辺は今後よろしくお願いしたいと思います。
最後に、
医療保険制度の
改革に関連いたしまして、薬価基準の
見直しの考え方について御質問いたします。
医療保険制度の
改革については、
国民が必要な
医療を安定的に受けられるようにする、こういう
観点から、
医療提供体制あるいは
医療保険制度の抜本
改革、これを早急に実現することが必要であります。診療報酬の
見直しあるいは薬価基準の
見直しを含む
医療保険制度の抜本
改革の方向については与党において一年以内に結論を出す、こうしておりますが、
国民の皆さんに給付と
負担の
見直しをお願いするためには、私も抜本
改革、これが不可欠だと思います。
今度の
制度改正においては、薬代について別途
自己負担を導入するとしております。国際的に見ても高い薬剤費
負担の削減あるいは高コスト
構造の是正、これに取り組む必要があると思いますが、特に薬価基準の
見直しをすべきだろうと思います。
日本の薬剤費全体が高い要因は、私は三点ぐらいあるのだろうと思います。
一つは、
保険制度に特有の問題、例えば重複受診、過剰受診、レセプト請求に伴う諸問題。
二つ目は、薬の値段、新薬、特にゾロ新の値段が高い。三点は、薬価差の存在により、長く使われて薬価が安くなると値段の高い新薬にシフトするメカニズムが働いて薬剤費全体が高どまりするのではないか。
このような要因を踏まえますと、
保険制度に特有の問題は別途対応することとして、薬価基準の
見直しに当たっての
基本的
課題、これは四つぐらいあるのだろうな、こう私は思っております。
一つは、新薬の薬価、これはいわば公共料金ですから決定過程、
内容を
透明化する。
二つ目は、新薬、特にゾロ新の薬価を見直す。三つ目、薬価差については、合理的なものは適正な
医療の技術料として評価しながら、縮小する。四点目は、これは一定の条件
整備は必要でありますが、患者に薬を選択させる、西ドイツの参照
価格制などを検討するということが挙げられると思います。ただ、ここで最もベースになるのは、
保険制度と市場原理をどう調和させるか、あるいはどのように組み合わせるか、これが大きな命題だと思います。
これらの
課題を踏まえて、これからの薬価基準の
見直しの考え方、これをどう考えていくのか、これをお伺いしたいと思います。
多少長くなりますけれども、さらに補足的に言えば、薬価基準の
見直しというのは、当然、全体の薬剤費の削減、抑制の
観点から行う、これが
基本でありますが、その際、あわせて、日本の医薬品産業の将来をどう展望していくのか、この視点も重要だと思います。
現在の日本の医薬品産業の
現状、これはアメリカに比較しますと比較劣位産業になっておりますし、国内市場依存型の薬の輸入大国、これが
現状であります。日本の
医療は、
医療アクセスは世界に冠たる水準ですが、基礎研究がアメリカに比較して弱い、こんな特徴もあります。
小泉大臣そして我々もかねてからやるべしといって取り組んでまいりました基礎研究への国家的
投資、これは昨年から政治のリーダーシップによって科学技術創造立国を目指した基礎研究、これに思い切った
投資をやることにいたしました。
厚生省も、基礎研究
予算として昨年は十億、ことしは三十億、基礎研究
予算を組んでおります。これを有効に活用しながら、私は、高付加価値産業あるいは研究開発産業としての日本の医薬品産業、これは科学技術創造立国の一翼を担うべきだ。
その意味で、日本の医薬品産業の盛衰を規定しているのは具体的な
政策手段、これは薬価基準と治験や承認審査の
あり方、これが決めていくわけですから、薬価基準のこれからの
見直しを行うに当たっては全体の薬剤費の適正化、削減、抑制をねらう、当然これが
基本ですが、画期的新薬への高い評価など、医薬品産業の国際競争力の強化等の産業
政策的視点も踏まえながら取り組むべきだと思いますが、薬価基準の
見直しの
基本的考え方についてお伺いいたします。