○葉山
委員 大臣が言われることもわからないわけじゃないけれ
ども、やはり知事さんと区長さんとでは、大分そこに住んでいる
住民としては
感じが違うのです。また、お役人に対する
住民の対応の仕方も大分違ってくる、こういうふうに思いまして、やはり、こういう
住民参加とか市民参加という、それぞれの
地域の中での
町づくりというのは、本当にひざを交えた中での、大きな夢と、それはもちろん、
都市計画と
マスタープランを持たなければいけないわけでありますが、そういうことの中で積み上がった中に、いい町というか、美しい、よりよき町が生まれてくるというふうに思うわけであります。
ところで、時間がそろそろ迫ってまいりましたので、最後に伺いたいのが一点だけです。
容積率アップによる高密度、
高層化というのは、一言で言うと時代おくれではないのかということであります。
例えば幕張の例がありますが、これは、きのう私が
質問をした
都市計画課の若い職員は、幕張は、このごろ民間ディベロッパーでも、高層
住宅区とか超高層
地区というのを余りしたがらなくなってきているというけれ
ども、本当かね。簡単に言うと、やはり超高層だとお金がかかり過ぎる、それからロットが大き過ぎて、こういうバブル後の売れないときにはなおさら売れないから、みんなそういう一時のはやりのそれは避けているという話をしましたら、いや、そうでもない、結構売れている、近くのところなんかは売れているんですよという
お話も伺いましたけれ
ども、そういう傾向もないとは言えない。
それからまた、近代化されたニューヨーク、なかんずくマンハッタンの例がよく出るわけでありますが、しかし、私は、あのマンハッタン、アメリカの
都市の中ではあのくらい
容積率競争を極端に行ったところはないわけでありまして、私は、あそこはとても例にならぬというふうに思います。
そういう
意味では、欧米では少なくとも、先ほどパリの話も出しましたけれ
ども、ロンドンでも、やはり高層
住宅はもうやめる方向にあるというふうに言われております。
私の親友であります、法政大学の先生の田村明先生ときのう電話で話したのでありますが、いや、峻ちゃん、リバプールに行ったら、数年前にも高層
住宅が
一つだけあったんだけれ
ども、みんな窓が割られていた。今度行ったら、窓が割られているだけじゃなくて、塔みたいな高い建物が姿を消していた。結局、高層
住宅というのは人間の住むところじゃないんだねという話をしていましたよ。
したがって、やはりこれは、アメリカ的なところ、ニューヨーク的なところと、パリ的なところ、あるいはドイツ的なところ、イギリス的なところ、それぞれお国柄で違いはあるけれ
ども、高層はヨーロッパでははやっていないということだけははっきり言えることだろうと思います。
そういう中で、今度、四〇〇だけに限っておる、最高六〇〇まで認めよう、こういう
措置を
一つの選択としてとられたわけでありますけれ
ども、私は、この
容積率は、
住宅市街地でも二〇〇%が限界と
考えていいんじゃないかというふうに思っております。
例えば、二種住専のときに、最初、二〇〇、これでどうだろうかという話も私も
議論したことがありますが、結局最後は一七〇とか一五〇ぐらいに大体落ちついてきましたけれ
ども、大体、このアジアモンスーン地帯の中で、湿気が多い、そして、
日本人は特にそうですが、子育てなんかしているときにはやはり日光が欲しいのですよ。
先ほど
山本さんが言っていましたけれ
ども、やはり
マンションでも何でも、日影の問題というのが一番トラブルの原因になっている。こういうことで、日照は、日照自体でなくして、採光とか通風とか、あるいはプライバシーなど、住環境の
一つのメルクマールと言ってもいいんじゃないか。
そういう
意味で、その他、維持管理とか、エレベーターなどの最近起きている犯罪とか、広島の高層アパート火災など、
居住者への身体的、精神的影響、災害危険性があるというような問題があるわけでありますが、高密度、
高層化の
住宅、こういう高層
住宅が質の高い
住宅と果たして言えるのかどうか、このことについて
住宅局長さんはどうお
考えになっておられるか。